男「コミュ障が外食しに行く - 1721573632

1：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/21(日) 23:53:52 ID:/cGj8wwk: 男「ここか・・・兄貴の行きつけの蕎麦屋って・・・」

＜立喰いそば　寿＞

男（立ち食い蕎麦・・・それはいいとしてこの店構え・・・）

男（初見にはハードルが高そうだな・・・）

男（深呼吸を・・・）

男（・・・・・・よし、入るぞ）

男（・・・？開かない・・・？）ｶﾞﾗｶﾞﾗｰ

男（引き戸かよっ！）
2：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/21(日) 23:57:33 ID:/cGj8wwk: 店主（・・・）ﾄﾝﾄﾝﾄﾝﾄﾝ

男「あ・・・あの・・・」

店主「おお！いらっしゃい！」

男「こ・・・ここって予約制とかじゃ・・・ないですよね？」

店主「申し訳ないね～うちでは予約はやってないんだよ」

男「そ、そうですか・・・」

店主「どこでも好きなとこ座ってね」

男（・・・メニュー表はこれか・・・）

男（初めてだし・・・無難にざるそばにしとくか・・・）
3：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:00:51 ID:BzFDTQ.6: 男（・・・よし）ｽｯ

店主「・・・」ﾄﾝﾄﾝ

男（あ、あれ・・・？手を上げてるのに・・・）

男「あ、あの・・・すいません・・・」

店主「あ、ああ、注文決まった？」

男「その・・・ざるそばを・・・」

店主「ざるそば？海苔なしのもりそばもあるけど。高いほうにする？」

男（はぁっ！？もりそばもあるのかよ！しかも安いのか！）
4：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:05:18 ID:BzFDTQ.6: 男「い、いや、いいです・・・ざるそばで・・・）

店主「了解！」

男（喉乾いちゃったな・・・お冷はまだか・・・）

客1「こんちわー！」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

店主「いらっしゃい！今日は何にする？」

客1「いつもの天丼セットで！」

男（いいなぁ・・・ああいう・・・何というか、常連になってみたいもんだ・・・）

客1「ああ、喉乾いたなぁ～」ｼﾞｮﾎﾞｼﾞｮﾎﾞ

男（お、お冷が・・・せ、せ、セルフだとぉぉぉ！）

客1「？」
5：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:08:31 ID:BzFDTQ.6: 男「なんだ・・・」ｼﾞｮﾎﾞｼﾞｮﾎﾞ

男「ん？水が止まらない・・・？このウォーターサーバー壊れかけか？」

ﾀﾞﾊﾞﾀﾞﾊﾞﾀﾞﾊﾞｰ

男「ちょっ・・・」

男（アブねぇ！危うく床が水浸しに・・・・！）

男「ふぅ・・・」ｺﾞｸｺﾞｸ

男（飲み干しちまった・・・）
6：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:12:34 ID:BzFDTQ.6: 男（何度も無料の水を汲むのは悪いな・・・）

男（なんかソフドリでも頼むか・・・ん？）

男（メニューにある「そばソーダ」ってなんだ？ラムネか？）

男（ソーダって言うぐらいだから甘いんだろうな・・・）

男（飲んでみるか・・・そばの香りのソーダなのかな・・・？）

客1「そばソーダ一つ！」

男「！？」

店主「了解！」

男「お・・・俺！」
7：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:15:14 ID:BzFDTQ.6: 店主「ん？」

男「俺・・・」

店主「ああ、あなたもそばソーダね」

男（気を使ってくれた・・・申し訳ない・・・）

客1「さーてと」ｼｭﾎﾞ

男（えっ！？この店って喫煙可！？分煙とかしてないのか・・・）

客1「ふー」ｽﾊﾟｰ

男（煙い・・・）
8：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:18:52 ID:BzFDTQ.6: 店主「はい、どうぞー」ﾄﾝ

男（これが噂のソーダか・・・ジョッキで出すとは太っ腹だな・・・）ｸﾞﾋﾞｯ

男「っおえぇっっ！？」ﾌﾞﾌｫｯ

男（めっちゃ酒やん！）

客1「あー、うめぇ！」

男（くそー・・・炭酸割りだったのか・・・）

店主「お待たせ！」

男（よし・・・）ｽｯｸ

客「どうも！」ｽｯ

男（え？こいつが先・・・？）
9：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:21:27 ID:BzFDTQ.6: 客1「うまそうだなー！」

男（何で？何で俺のほうが先に注文したのに・・・なんで？）

男（もしかして俺、嫌われてる・・・？迷惑だと思われてる！？）

男「あ、ああ・・・ああ・・・」

店主「お客さん！」

男「は、はい！！」

店主「ざるそば、できたよ」
10：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:24:11 ID:BzFDTQ.6: 男「あ、はい・・・」

男（それにしても・・・何でこんなに早いんだ？）

店主「どうかした？」

男「え、いや・・・早いですね・・・打つの・・・」

店主「打ってないよ」

男「ファッ！？」

店主「うちは早さで勝負してるからね。冷凍麺なんだ」

男（れ、冷凍の麺使ってる蕎麦屋とかあるんだ・・・）
11：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:27:34 ID:BzFDTQ.6: 男（あ・・・これ自分で席まで運ぶスタイルか・・・フードコートみたいだな・・・）

男（け、結構重いなこれ・・・）ｶﾀｶﾀ

ﾊﾞｼｬﾊﾞｼｬ

男「こっ・・・」

店主「大丈夫？俺が運んだほうがよかったね」っモップ

男（泣きたい・・・声を上げて・・・）

客1「兄ちゃん、大丈夫か？体調悪いと？」

男「はっ・・・だ、大丈夫です・・・」
12：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:32:53 ID:BzFDTQ.6: 店主「お待ちどうさん！つゆ入れ直したから」

男「そ、その・・・あ、あり・・・」

店主「・・・」ﾄﾝﾄﾝﾄﾝ

男（ふぅ・・・やっと落ち着いて食えるぜ・・・）

客2「どうもー」ｶﾞﾗｯ

男「！？」ﾋﾞｸｯ

男（なんだよこいつ・・・急にでかい音立てるなっての！）

客2「ビールと鉄火丼で！」

店主「はいよ」

男（はて・・・？メニュー表を見てみても鉄火丼なんてないけど・・・）ｷｮﾛｷｮﾛ

男「は・・・はぁ・・・？」

男（受け渡し口の上に・・・メニュー表にはないメニューの札が・・・！）
13：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:36:48 ID:BzFDTQ.6: 男（まあいい・・・食うか・・・）

男「！」

男（なんだこれは・・・冷凍と馬鹿にしていたが・・・意外と美味い！）ｽﾞｿﾞｿﾞ

店主「はい、これどうぞ」ｻｯ

男（大葉天・・・？えっ・・・）

男「あの、これは・・・？」

店主「大葉、嫌いだった？」

男「いや！とんでもないです！」

店主「あー、やっぱり嫌いだったんだぁ」

男「ち、違います！好きです！大好き！」

男（とんでもないという言い方は誤解を生むな・・・）
14：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:39:40 ID:BzFDTQ.6: 店主「そう。それならいいけど」

男「あの・・・これってお金とかは・・・」

店主「いらないよ」

男「払いますんで！」っ万札

店主「いいって、サービスだから！」

男（な、何語・・・？）

店主「ごゆっくりどうぞ」

男「は～ら～い～ま～す～ん～で～～～。」

店主「面白いね」

男（言い方のことじゃなかったのか・・・ゆっくりって・・・）
15：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:44:37 ID:BzFDTQ.6: 男「では、気を取り直して・・・」

客2「～♪」ｺﾞｿｺﾞｿ

男（ん？冷蔵庫を勝手に開けていいのか？）

＜おつまみ　100円より＞

男（冷たいおつまみとかあるのか・・・）

男（でも・・・これって一見客が食っていいんだろうか？）

男（アイコンタクトを取ってみるか・・・）ﾁﾗﾁﾗ

男（気づけ！）ﾁﾗﾁﾗ

男（店長さん！）ﾁﾗﾁﾗﾁﾗﾁﾗ

店主「・・・」ﾄﾝﾄﾝ

男（無視・・・・・！！・・・なのか・・・？）
16：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:48:23 ID:BzFDTQ.6: 男（冷蔵庫をあさるのはやめておこう・・・）ｽﾞｿﾞｿﾞ

客女「おまたせ～かずし～～♪」

男（え？女・・・？）

客2「会えてうれしいよじゅんこ～～♪」

男「！」

客女「ほんとにこのお店好きなんだね～～♪」

客2「だってうまいじゃん～～♪」

男（わざわざこんな店でデートしないでくれ・・・・・・）

男（しかもかずしって・・・）
17：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:51:40 ID:BzFDTQ.6: 男（飯がまずくなった・・・）ｽﾞｿﾞｰ

客女（あの人、すごい汗・・・）

男（早く食って店を出ねば・・・）

客女「あのー・・・」

男「ンブブッッッ！？」

客女「きゃっ！」

男「す、すんまへん・・・」

男（何のつもりだこの女！）ｷｯ

女「あの・・・」
18：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 00:55:01 ID:BzFDTQ.6: 女「扇風機・・・使いますか？」

男（ハンディ扇風機・・・？）

女「えっと・・・暑そうにしてたので・・・」

男（も、もしかして・・・俺に惚れたのか・・・？）ﾆﾔﾆﾔ

女「ひっ・・・か、貸しますよ？」

男「あ、ありがとござます・・・」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

女（やだ・・・この人すごい手汗・・・）ﾌｷﾌｷ

男（俺の人生もまだ捨てたものではないな・・・）
19：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 01:00:35 ID:BzFDTQ.6: 男（さて・・・食ったことだし帰るか・・・）

客1「早いなぁ、もう少しゆっくりすればいいのに・・・」

店主「カレーでも食べたら？今日は特別に無料にするよ！」

男（無料・・・？特別・・・！？）

男（そうか・・・俺はよほど魅力的な男だったんだな・・・）

店主「？」

男（待てよ・・・？）

男（ここで無料に甘えることなくお金を出したら・・・？）

客女「・・・？」

男（この女にさらに惚れられてしまうかも・・・！？）
20：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 01:04:15 ID:BzFDTQ.6: 男「払いますよ・・・」

店主「え、いいって！」

男「いえ、払わせてください・・・」っ万札

店主「いいよいいよ！っていうか、カレー1000円もしないし・・・」

男（・・・・・・。金持ち自慢と思われたか？）

店主「まあ、そんなに払いたいなら。いいよ、もらっても」

男（あれ・・・？何でこうなったんだ・・・？）

男（まあいいか、カレー食おう。今は、食うことににげるんだ・・・）
21：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 01:09:40 ID:BzFDTQ.6: 男（・・・今気づいたけど、この店にはTVがあるんだな・・・）

客1「チャンスだ！打ってくれよ！」

男（野球か。俺も少年野球やってたころはモテたんだよな・・・ブスにだけど・・・）

ｶｰﾝ

男「打った！」

客1「おおっ！」ｶﾞﾀｯ

ｱｳﾄ!

客1「ぎゃーー！」

男「くそー！」ﾀﾞｧﾝ!

客2・客女「！？」ﾋﾞｸｯ
22：以下、名無しが深夜にお送りします：2024/07/22(月) 01:13:24 ID:BzFDTQ.6: 男（いかん！つい興奮して・・・）

店主「野球好きなの？」

男「！？は、はいっ！？」

男「まあ、嫌いではないですけど・・・」

店主「どこのチームを応援してるの？」

男（特にないんだよなぁ・・・）

男「まあ、阪神とかですかね・・・」

店主「阪神かぁ」

客女「え！」