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The Sealed Swordman "K"

77ザマコスキー(仮):2021/04/25(日) 21:51:34 ID:aAHeJaqE0
だがカナチにはセイバーを突き刺した感覚が無かった。カナチのセイバーの切先はアルファのセイバーの刀身で防がれていた。
「なっ…!!」カナチは一瞬動揺するものの、即座にアルファと距離を取る。
だがカナチが着地する前にアルファは動き出し、再び距離を詰める。カナチはアルファを近づけまいとバスターを乱射するも、ことごとく避けられる。
そしてカナチが着地すると同時にアルファはセイバーを構えていた。斬り上げ、振り下ろし、踏み込み斬り。
単純な動きだったが、カナチの斬り方とは違いかなりの力が込められていた。アルファの斬撃をいなす度に後退するカナチは次の一手を考えていた。
(このまま力比べになるとどう考えても負けるな…… 一体どうすれば?)
カナチは一旦距離を取るが、アルファは待ってましたと言わんばかりにどこからか取り出した槍を手にすると、そのまま足元に突きつけた。
これに対し、最初に反応したのは座間子だった。「あの構え…… カナチさん!上です!」そう言われて上を見たカナチだったが、カナチは驚愕した。
その目には大きな氷塊が映っており、それをカナチに向かって落とそうとしているのはすぐに分かった。
「凍れ!!」宙に浮いていた氷塊はアルファの声に合わせて落ちてくる。カナチは頭上を見ながら落ちてくる氷塊を避ける。
一発目はカナチの目の前に、二発目は頬を掠めて左側に落ちる。そして最後の一発を避けようとしたカナチだったが、後ろに動く事が出来なかった。
カナチは知らぬ間に壁際に追い詰められていた。カナチは被弾を覚悟し、防御体勢を取ったが、直後に降ってきたのは粉々になった氷の欠片だった。
「カナチ!気を抜くな!」氷塊を壊したのは山岡だった。山岡は機械兵に囲まれながらもカナチに声をかける。
「余計な真似をしおって……」思わず愚痴をこぼす"A.C."。カナチの無事を確認した山岡は再び機械兵の処理を始める。
「座間子、今の技も天焦烈覇みたいにお前が編み出した技なのか?」「えぇ、アイスメテオは私の技よ。でも……」座間子は少しの間沈黙する。
「アイスメテオは実践で使った事が無いのにあそこまで再現するなんて……」「技を編み出しただけの状態でコレか……」
カナチはアルファに向かって突撃しながら呟く。
先程アルファがしたように、カナチも斬り上げ、振り下ろし、踏み込み斬りをするも、力が足りないのか、アルファに軽い傷を負わせる事しか出来なかった。
アルファは不敵な笑みを浮かべ、目の前に居たカナチをセイバーで弾き飛ばした。
再びアルファは燃えるようなオーラを身に纏い、バスターから炎の矢を放つ。次々と向かってくる炎の矢は水月斬で対処するのが精一杯だった。
炎の矢が一段落したかと思えば、アルファはセイバーを構えながらこちらへと向かってくる。
カナチはアルファを跳んで避けようとしたものの、アルファのセイバーは水を纏い、そのまま大きく振り下ろされ、水が軌跡を残す。
カナチは跳躍距離が足りず、アルファの斬撃を左脚に受ける。斬られた衝撃でカナチは体勢を崩すも、すぐに持ち直す。
カナチはそのまま着地するが、左脚部のアーマーが損傷しており、少しふらついた。
だがカナチはアルファの方へ向かって走り出した。しかしアルファは大きく後ろに飛び退き、そのまま両手に炎の弓を形成する。
カナチはそれを見て急停止する。「燃え尽きろ!!」アルファが声を出すと同時に上に向かって炎の矢を放つと、再び炎の柱が形成される。
だがカナチはその迫力に屈さず、果敢にも炎の柱の間を縫うようにアルファに近づく。
アルファが放つ炎の柱をカナチは全て紙一重で避けていた。そして避けた時の勢いを利用して横に一回転し、その勢いのままアルファを斬りつける。
斬られた跡から火花が出る。ようやくアルファに大きな有効打を与えたカナチ。
アルファもそれに負けじと斬られた反動を使いカナチを斬りつけるも、カナチはこれを回避する。
そしてアルファは清々しいオーラを纏うと同時にフォレストボムを放ちカナチを牽制する。
カナチは飛んできた弾を昇炎斬で焼き払うも、アルファは再び左腕にエネルギーを溜め、今度はスパークバレットを放った。
(今までの経験からあの電撃弾はこうすれば…!)カナチはバスターに素早くエレメント・ウッドを装着する。
「貫け!!」銃口から放たれたフォレストボムはアルファが放った電撃弾に一直線に飛んでいき、互いの弾が当たり、炸裂し、相殺する。
弾が消え、再びアルファが見えるようになった時、アルファは左腕にエネルギーを溜めていた。
(また滅閃光を出すつもりか…!!)カナチは滅閃光を警戒して距離を取るも、アルファは二発チャージバスターを撃ち、それに続くように斬撃弾も飛ばす。
カナチは横に逸れて回避するが、アルファは弾に追従してカナチに近づく。そしてそのままの勢いで地面を殴る。
「滅びよ!!」カナチの至近距離で放たれた滅閃光は完全に回避する事が出来なかった。「くそっ…!!」右脚に被弾するカナチ。
(両脚とも被弾したが、この調子だと最後まで持つか?)カナチが体勢を立て直して数秒、双方微動だにしない時間が流れる。
お互い相手の動きを探っており、迎撃をいつでも出来る構えを取っていた。少しの間静寂に包まれた後、先に動いたのはカナチだった。
地を這うように姿勢を低くし高速で突っ込みつつ、構えたセイバーはまるで摩擦で火が点いたかのように炎を纏う。
アルファはセイバーに水を纏わせ、大きく振り下ろして迎撃する。それを見たカナチは急停止し、直様バスターを連射する。
「読み通り!」放たれた弾は水の壁を容易にすり抜け、微弱ながらもアルファにダメージを与える。
しかしアルファは受けた衝撃を強引に打ち消し、両腕を斧に変形させ、そのまま地面に向かって振り下ろす。
最初はただ誘導に失敗しただけかと思ったカナチだったが、すぐにそれが大きな間違いだったと気づく事になる。
下から何かが突き上げてくるのに気づいたカナチは急いでその場から離れようとするも、時既に遅し。
地面を穿つように生えた巨大な木の杭に突き上げられ、宙を舞うカナチ。
拠点で見ていたけんま達だけならぬ、側で見ていた山岡も宙を舞うカナチの事を見ていた。
山岡を囲んでいた機械兵は、隙を晒した山岡に一斉に襲いかかる。機械兵は質では劣っていても、数は圧倒的だった。
機械兵は山のように覆い被さり、山岡は機械兵の中に埋まる。


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