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The Sealed Swordman "K"

467ザマコスキー(仮) ◆c5Fznoa1wE:2023/11/18(土) 02:16:43 ID:fVXcnnFQ0
柏崎核融合発電所は被害が比較的軽微であり、ランサムウェアとエンジニアの戦いが激化していた。
当然エンジニアは攻撃を警戒していたため、不正アクセスで侵入したカナチを迎撃する。
エンジニア・アンチウィルス・ランサムウェアの3者から同時に攻撃を受けるカナチ。
「けんま!例のウィルスを使ってくれ!敵が多すぎる!」「分かったンマ!」けんまは秘密兵器を起動する。
けんまが放ったウィルスは様々なサーバーを経由し、カナチが居る柏崎核融合発電所のサーバーに向けて攻撃する。
カナチの目にはどこかから放たれたレーザーがアンチウィルスを片っ端から焼き払うように見えた。
「岡本課長!アンチウィルスが止められました!恐らく新手のウィルスです!」「アンチウィルスが止まった……」
「まさかTorネットワークを経由して自動的に脆弱性を識別する機能があるとは思わなかったンマ……」
「え…?」「僕はカナチを通じてデータを集めてからパラメータを調整する必要があると思ってたンマ。それすら自動化されてるンマ。」
「技術的にはよく分からなかったが凄い物なのか?」「完全に今回の作戦用に最適化されてるとしか思えないンマ。」
「相当ヤバそうな代物だな……」「とりあえずアンチウィルスは止まったンマ、今のうちにコアを叩くンマ!」
けんまは作業に戻り、カナチは一人でコアの破壊に挑む。不意に飛んでくるエンジニアの攻撃を避け、5秒周期で動くランサムウェアの攻撃を見切る。
まるで立体的な檻に閉じ込められたかのように攻撃が続いていたが、カナチはこれらの隙間をすり抜けるようにランサムウェアのコアへと迫る。
「そこだ!」狙いすました一撃はコアの中心を突く。そして地面に向かって落ちている間にランチャーを構え、プログラムを実行する。
「離脱する!」カナチは次の攻撃対象にされる前にブックマークマーカーを使い、柏崎核融合発電所を後にする。
(さっきのとこで10分くらいか…… 後もう一箇所を回るくらいでちょうどいい時間になるか?)
カナチは被害が確認された施設のリストを見る。
(…石狩核融合発電所でひとまず核融合発電所は全部か。これが終われば次は地熱発電所か?)
カナチは再び裏口(バックドア)から発電所へと飛んだ。

(さて、状況は…… 最悪だな。)石狩核融合発電所は舞鶴核融合発電所並に被害が甚大であり、制御用コンピュータとしての機能は喪失していた。
エンジニア達は度重なる攻撃で疲弊しきっており、ログインしているだけの状態となっていた。
無防備なサーバーに対して依然攻撃を続けるランサムウェア。
ランサムウェアは暗号化されていないデータであるカナチを検出し、暗号化しようと攻撃を始める。
「潰す!」カナチは一人ランサムウェアに立ち向かう。次々と放たれるランサムウェアの攻撃。
だが今までの経験から何となくランサムウェアが何をしてくるのかを感覚的に把握出来るようになっていた。
5秒を1サイクルとして放たれる攻撃、攻撃時に居た位置を狙う単純なAI、そして自らはあまり動かないといった弱点が見えていた。
立体的な移動で少しずつコアとの距離を詰める。
時折想定外の攻撃をしてきて距離を取らざるを得ない状況もあったが、所詮はプログラムであり、よく観察していくとどのタイミングで攻撃が放たれるかが分かってきた。
(なるほどな、一定距離に入った時にクイックターンで強引に避けようとすると追撃される感じか。要は分からん殺しだな。)
そしてカナチは試行しているうちにこの攻撃を出し続けると攻撃間隔が僅かではあるが長くなる事に気付く。
(…もしかして上手い事使えば処理落ちが狙えるのでは?)
本来迎撃する存在であるエンジニアが打つ手も無く疲れ切っているのか何もしてこないため、好き放題動けているからこそ気付けた弱点である。
次々とクイックターンを繰り出し、ランサムウェアに計算資源を浪費させていく。
攻撃の間隔は数ミリ秒ずつ延びていき、しばらく繰り返していくと遅延が1秒程にまで延びた。(よし、今だ!)
カナチは急加速し、4秒という僅かな隙を突いて一気に接近してコアを斬り落とす。
「…これで終わりか。」カナチはランチャーを放ち、ランサムウェアの再起動を封じる。
「けんま、状況はどうだ?」「…たった今社員の協力もあって復号化プログラムが完成したンマ!」
「これで何とかなりそうだな。」「とりあえず"A.C."のデータに適用するンマ。」
カナチは一旦石狩核融合発電所を後にし、"A.C."が居る場所へ戻る。
"A.C."のデータは暗号化され、人としての形を残していなかったが、今は復号化プログラムがある。
カナチは復号化プログラムとして、拳銃型のプログラムを渡される。「これが完成したプログラムンマ。恐らくこれで大丈夫だと思うンマが……」
カナチは"A.C."のデータに向けてプログラムを起動する。「…何も起こらないが。」「暗号化フレーズの特定には30秒ほど掛かるンマ。」
そして1分程待つと、暗号化されたデータの復号化が始まり、徐々にデータが再構築されていく。
「おぉ……」「成功したンマね。」「…どうしたんだ?」「暗号化されている間の記憶は無いのか。」
「…あぁ、そういやランサムウェアの攻撃を喰らって……」
「一度全体が暗号化されたンマが、復号化プログラムが完成して今に至るンマ。これで暗号化されたデータも元に戻せるようになったンマよ。」
「となるとこれでウチら有利になったって事か。」「そうンマ。ここから先はランサムウェアを無効化しつつデータを復号化していくンマよ!」
「了解、まずはここを復号化していくぞ!」カナチと"A.C."は復号化プログラムを手にし、暗号化されていた舞鶴核融合発電所のシステムを復旧していく。
「アンチウィルスは最後に復旧するンマ!さもないとまた狙われるンマよ!」「そんな事言われたってどれか分からねぇよ!」
「このサーバーだと…… 今のカナチから10時の方向にあるあの山がアンチウィルスのコアっぽいンマ!」「分かった!」
次々と復号化されていくデータ。「アンチウィルスを復号化した!離脱するぞ!」「了解!」二人は舞鶴核融合発電所を後にする。
舞鶴核融合発電所の担当エンジニア達は復旧が難しいこの惨状を関西電力にどう報告すべきか考えていたが、一人がシステムが再稼働している事に気付く。
「何があったんだ…?」「ログを見る限り外部の侵入者が復旧したとしか思えないが……」「これをどう説明すべきか……」


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