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サクッと百物語しようぜ

255The名無し:2023/03/17(金) 23:22:24
「精子バンクに勤めていたんです。」
婚活パーティーで声を掛けてきた男がにこやかに話す
「厳選された提供者から採取された精子を冷凍保存して希望者に提供するアレです。」
「精子は提供者のステータスによってランク付けされていてランクが高いほど値段も高い、でもほとんどの人が一番ランクの高い精子を購入するんですよ。」
「働いていてこんな事を言うのもなんですが、それっておかしいと思いませんか?」
話の方向性が見えず曖昧に相づちを打っていたのだが男は気にせずに続ける
「や、だって命に値段を付けてるようなものでしょ?」
「高いのは優秀な遺伝子、安いのは出来の悪い遺伝子、どっちの精子使って子供作りますか?って聞かれたら無理してでも高いの選びますよって話ですよ。」
「売るの奴も買う奴もおかしい世界ですよ、命の冒涜って言うか。」
「あ、でも買う奴がいなければ売る奴も居なくなるのでやっぱり買う方が罪深いな。」
「そういう奴らには分からせないといかんなって思ったんですよ。」
男はだんだんと興奮して早口になっていく
もうこちらの反応など全く気にしていない
「でね、ある時から一番高い精子、つまり一番人気の一番優秀な精子を全部ボクの精子と入れ替えてやったんです。」
「それから150、いや200位は売れたかな?」
「あはは、200人も自分の子供がいるって凄くないですか?」
「優秀な遺伝子だと思って買った精子は極平凡なボクの精子で、産まれた子供も平凡遺伝子なのに一番ランクの高い優秀な子供だと思って大切に育ててると思うと笑えませんか?」
「あは、あははは」
男は笑うのを止めて私を睨む
「おい、お前、ちゃんと聞いてるのか?」
いきなり両肩を掴まれたが私は恐怖で声も出せなかった

フッ


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