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物書きごっこスレ

738君と紅茶と流星群:2025/08/16(土) 21:17:09 ID:bXA.pZqI
前回お伝えした「しずめ方/向き合い方」ごとの“根拠(エビデンス)”と“どのくらい効くか(効果の目安)”を、要点だけギュッとまとめます。数字は主に無作為化試験やメタ解析からのものです。

即効のしずめ方(その場の苦痛を下げる)

呼吸法(ボックス呼吸・ゆっくり腹式)

#根拠:NHSやVA(米退役軍人省)などの公的機関がストレス低減の自己対処として推奨。呼吸法は自律神経を落ち着かせ、不安や過覚醒を下げる研究も報告。直接「幻聴そのもの」を減らすRCTは乏しいが、苦痛の軽減に役立つ補助策として安全性・実行性が高いとされています。

#効果の目安:数分で心拍・緊張の低下を感じる人が多い(個人差あり)。幻聴の内容は変わらなくても「振り回され感」を和らげやすい。


5-4-3-2-1(五感グラウンディング)

#根拠:公的医療サイト等で不安・パニック時の注意転換法として広く紹介。幻聴の苦痛に対する直接の試験は少ないが、注意を“今ここ”に戻し過覚醒を下げる実践的手段として位置づけられています。

#効果の目安:その場の恐怖や焦りのスパイクを下げる補助効果。習慣化で使いやすくなる。


注意の競合・気晴らし(鼻歌/朗読/音楽)

#根拠:NHS・MIND等の当事者向け資料で推奨。声への“関わり方”を自分で選ぶ訓練として用いられる(科学的厳密性は上ほどではない)。

#効果の目安:苦痛や「支配感」の低減。効くタイミング・やり方は個人差が大きい。



幻聴そのものに働きかける心理療法

CBTp(認知行動療法 for psychosis)

#根拠:メタ解析で「陽性症状」全体に小さな改善(標準化効果量SMD −0.25前後)、全般症状でも小〜中等度。症状“強度”よりも“苦痛・信念の確信度・機能”への効果が安定という見解も。NICEは初回エピソードからCBTpの提供を推奨。

#効果の目安:数値上は“小さめ”でも、本人に合ったターゲット(苦痛、確信度、回避、睡眠等)に絞ると実感が出やすいです。幻聴特化の分析では効果量がやや大きい報告もあります(SMD ~0.46–0.49)。


コマンド(命令)幻聴に対するCBT

#根拠:COMMAND試験などのRCTで「有害な命令への服従」をおよそ半減(オッズ比0.45)。ポイントは“声の力関係”への働きかけ。

#効果の目安:危険行動のリスク低減という実用的ベネフィットが明確。


AVATAR療法(声の“化身”と対話する療法)

#根拠:単施設RCT(2018)で12週時点に幻聴の重症度・苦痛が有意に減少。多施設大規模試験AVATAR2(Nature Medicine, 2024)では16週で“苦痛”に対してTAU(通常治療)より優越、ただし28週では統計学的有意差は消失。より長め・丁寧な拡張版プロトコル(AV-EXT)の実臨床展開が推奨されています。

#効果の目安:短期(約4か月)で苦痛や頻度の改善、半年超では追加支援の併用が望ましい示唆。


Hearing Voices(HV)アプローチ/グループ

#根拠:当事者主導のピアサポート。体系的レビューや大規模調査で「エンパワメント」「孤立感の減少」「苦痛軽減」などの自己報告は一貫して良好。ただし対照群付きRCTは乏しく、臨床効果の厳密推定は限定的。

#効果の目安:苦痛・コントロール感の向上が期待。医療と対立ではなく“併用”が現実的です。



生活・身体面からのアプローチ

睡眠(CBT-I)

#根拠:不眠を治療すると“被害妄想や幻聴の強さ”が小さくなることを示す大規模RCT(学生集団)。精神病圏の患者さん対象の試験でも睡眠は明確に改善、陽性症状の改善は混在だが前向きデータが増加中。

#効果の目安:睡眠は“増悪の引き金”になりやすいので、整うと再発予防・日中の耐性向上にプラス。


薬物療法の最適化(特にクロザピン)

#根拠:NICEの品質基準:少なくとも2種類の抗精神病薬(1剤は非クロザピンの第二世代)で十分量・十分期間の試行でも反応不十分なら、クロザピンを「提供すべき」。多くの研究で“治療抵抗性”に対する有効性が確認。

#効果の目安:反応が乏しい方で症状持続の改善が期待。副作用モニタリングが必須。



自己管理(セルフヘルプ)の具体

「交渉・境界線(時間を決めて向き合う)」や「中立的・短い返答」は当事者向けガイドで推奨。科学的厳密性は限定的だが、コントロール感の回復に役立つ人が多いです。

「簡易ログ(いつ/どこで/何をしていて/どれくらい苦痛か)」はCBTpの標準スキル(誘因の見える化・再発サインの把握)として用いられます。NICEも自己管理・再発予防計画を含む支援を推奨。

危険な命令が出る場合は安全最優先(ためらわず救急・危機支援へ)。NHSも強く勧告しています。


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