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天使のアトリビュート SideStory of Repoke

12アティーク ◆jKbXWgsYi6:2018/04/01(日) 11:35:54 ID:SF/BU/sE
搭乗早々無言となった環境は、常に話し諭す事が職業の'先生たち'には退屈に思えたのか、全くもって唐突にそれは始まった。

「歴史上最も天才だった人物とは、誰だと思う?」

飛行機の中で交わされる会話とは様々なものがあるが、ここまで異質且つ彼らしい話は中々ないだろう。
マクラレンの嬉しそうな声だった。

「最も天才、ねぇ」

うっすらと生えた顎髭を触りながらマカートニーがぼーっとしながら呟く。
真剣に考えていないようで、「アインシュタインとか?」という適当さがまるで分かる反応しかない。

ワズワースは少々考えて、「レオナルド・ダ・ヴィンチとか、ニコラ・テスラ辺りかしら」と言ってみる。

マクラレンはそれらを聞いたうえで肯定も否定もせずに、

「答える人によって答えは変わるだろうね。偉大な科学者だったり発明家だったり……。またある人は最も偉大な人はハンニバルやチャールズ・ザ・グレート、ナポレオンを指す者もいる。そう、考えや人によって違うんだ」

と、普段の講義のように解説するかのように語りだした。

「私は、そんな意味で一番偉大な人物はと言うとロジャー・ベーコンだと思うんだ」

「ロジャー・ベーコン?」

「誰だい?初めて聞いたな」

二人の反応は分かりやすいものだった。
誰なのか全く分からない。故に最も天才な人物というイメージが沸かなくなってくる。

「ロジャー・ベーコンは13世紀の哲学者さ。当時世界最先端だったイスラム科学を取り入れてヨーロッパに新たな学問、思想を広めたんだ。彼は間違いなく近代科学を発展させた功労者だろう」

「人物は分かったけど……何をした人なの?」

当然に沸き起こる疑問を、ワズワースが代弁した。
初めて聞いた者については特に知りたい話である。

「それは、今回これから起こることにも繋がっているんだ」

と言って少し間を空けた。その時にマクラレンは窓を眺めてみるが青空しか見えない。

「彼は、ヴォイニッチ手稿を書いた人物だと言われている。と、言うか私は作者だと思うがね」

「それだけで天才認定か……」

まさかの答えにマカートニーはため息をついた。
あまりにも説得力が欠けるものだけでなく、彼の好みが表れている不十分なものだったからだ。

「それはオマケさ。彼が居なかったらまずこの時代に聖書は存在しなかっただろう」


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