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【リポケ外伝 】「李信、魂の卍解」

10名無しさん:2018/01/03(水) 20:35:03
一文字でも書き損じたら書き直しの手書き履歴書、数学レベルが小学生レベルなのに中学生レベルの数学問題が出題される筆記試験、中小でもまともな待遇の企業だと押し寄せてくる高学歴共、圧迫面接、日々届いてくるお祈りメール…

李信の精神は着実に削られていった。李信が他の就活生と比較して、平均レベルに達しているのは国語(言語)分野の学力くらいのものであった。

受けては落とされ、受けては落とされを繰り返した李信はある日、大学の就職課に足を運んだ。

「何か良い求人ありませんか」

李信は藁にも縋る思いで声を絞り出し、就職課の職員に相談を持ちかけた。

「お、李信君!今ちょうどこういう求人が来てるんですよ!」

職員が李信に見せて来たのは何と、飲食業の求人だった。

「すいません、もういいっす…」

李信はその場から立ち上がり、虚ろな目で歩き去る。その胸中は絶望に支配されていた。

Fラン大学の就職課は、大学の就職率を上げる為に学生にブラック企業を進める。就職率さえ確保出来ればノルマ達成出来るし、宣伝にもなる。離職率など掲載しないので彼らは知ったことではないのだ。李信は自分はもうブラック企業に行くしかないのだと思い、頭の中に「死」の文字が浮かび上がっていた。

「おう李信!」

途方に暮れながら学内敷地を歩いていると、友人Aが話しかけてくる。

「おう、Aか…」

「その様子だとまだ内定が無いみたいだな」

「お前は?」

「まだ無いよ。なあ李信、売り手市場って本当なのか?俺もう30社は落ちたぞ?」

李信は申し訳ないと思いながらも内心ホッとした。苦しんでいるのは自分だけではないのだと。仲間が居るのだと。その友人の暗い表情を見ながら李信は安心したのだ。

「売り手市場とは言われているが…それは一定レベル以上の人間に限った話のようだ」

「確かになぁ…この大学、もう10月なのに内定率半分以下だってよ…ハァ…」

「酷過ぎるだろ…やはり学歴なのか…」

友人Aは溜息をつきながら李信に愚痴を吐く。李信ももう気力が萎えかけていた。


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