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The Sealed Swordman "K"

138ザマコスキー(仮):2019/03/27(水) 15:19:03 ID:rXAORtQc0
また元の場所に転送されたカナチは再びドアにカードをかざす。予想通り、発光体のうちの1つの色が変わった。
「あと2つか…」「ここが折り返し地点ンマ!あともうちょっとンマよ!」けんまはカナチを励ます。
カナチは敵が居ないのをいい事に、少し休憩してからまた転送された。

―所変わって綜司令室では機械兵たちが慌てていた。「親方さま、例の人物は我々の罠を突破しているようですが…」
「そうか、なら"アレ"の準備をしてほしいんや。」「了承しました。それではここに持ってきます。」
(破られるのは想定してたといえ、あのペースで突破されるんは想定外やな… 間に合うか?)
"A.C."モニターを見つめながら、静かに次の一手を探る。

カナチが転送された先には巨大な水槽が設置されていた。眼前の水槽は深く、潜るのが申し訳ないくらい澄んだ水で満たされていた。
マスクを付け、いざ水中に潜ると、予想通り1体のアンドロイドが待ち構えていた。
人の姿をしているが、呼吸で生じる泡が一切出ていなかった。相手は何も発さず槍を構える。
お互い無言の空間に緊張が張り詰める。AIがどう認識しているのかは不明だが、カナチは無言の圧力を感じていた。
しかしその緊張も長くは続かない。先に動き出したのはカナチ。水の抵抗で動き辛い中、素早く相手に近寄る。
だがここは相手が本領発揮する水中。座間子のコピーはあの時と同じく、優雅に回避する。
そして宙を舞うように氷を残しながら泳いでいく。氷は不規則に揺れながらゆっくりと落ちてくる。
カナチはセイバーで叩き割るも、水の抵抗に力を奪われ座間子のコピーまで辿り着く事が出来ない。
相手の表情は一切変わってないのだが、カナチには不敵に微笑むように見えた。
水はカナチの身体に纏わりつくように力を奪い、カナチを苦しめる。
座間子のコピーは苦しんでいるカナチの前に降り立ち、手にした槍に強烈な冷気を纏わせる。
カナチは絶体絶命の危機に立たされるも、一か八か、バスターにエレメント・エレキをセットする。
水中で電撃弾を放つとどうなるか分からないが、それでも賭けるしか無かった。
カナチは感電覚悟でバスターを構える。銃口は電撃を放つ用意をする。
相手の持っている槍から氷竜が放たれる。カナチはそれを撃ち抜くようにバスターを放つ。
感電すると思っていたカナチだが、不思議な事に放たれた電撃弾は漏電する事なく相手の方へ向かった。
放たれた弾丸は氷竜を撃ち抜き、座間子のコピーに当たる。強烈なノイズがヘルム越しに聞こえる。
何とも言い表せないその音は、機械ながらも苦しんでいるようにも聞こえた。
しかしここで同情する訳にもいかず、カナチはさらなる追撃のためにも動き出す。
倒さねば先に進めないのは分かっている。カナチの中で一瞬葛藤が生じたが、相手は機械なのだと改めて認識させて打ち消した。
セイバーを握る手に力が籠もる。剣は座間子のコピーを貫くかのように軌跡を残す。
しかし相手はこれでもまだ動けるらしく、再び槍に冷気を纏わせる。
先程よりも早く冷気を装填する為に、周囲の水が凍りつくほどの冷気を槍が放つ。
カナチもこれに対抗すべく、再び剣を構える。セイバーは放電準備をし、その刀身に電撃を灯そうとしていた。
相手はカナチ目掛けて氷竜を放つ。カナチもそれを打ち破るように雷光閃を放つ。
お互いが動かなくなり、しばらく静寂の空間が訪れた。双方が止まっている中、座間子のコピーは凄まじいノイズ音を放つ。
数秒程経って、ノイズが止んだ。座間子のコピーは力を失い、ゆっくりと崩れ落ちる。
胸のコアからゆっくりとまた1枚のカードが出てくる。カナチはそれを手にして早々と部屋から出ていった。


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