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lw´‐ _‐ノv逆上せ上がるなら君がいいようです(ФωФ )

109名無しさん:2025/08/12(火) 00:04:23 ID:3ANb/bJI0

何か違うことを考えて思考を紛らわせようと、思考の方向性を変える。

そうだ、確か家に使ってないタコ焼き器があったはず。それでロシアンルーレットとかやったら中々に面白いかもしれない。
なんなら、夏の太陽で鉄板を熱せば、電気無しのエコなタコ焼きだって出来そうだ。
それで、まずは家族とやって楽しかったら、次は『彼』の家で、二人で一緒に――。

lw´∩ _∩ノv(………あー)

思考が止まる。呼吸も止まる。音も世界も全てが止まる。
今の今まで浮かんでいた構想が、花火みたいに弾けて消えた。

110名無しさん:2025/08/12(火) 00:05:48 ID:3ANb/bJI0

lw´*∩ _∩ノv(……逆上せちゃったなぁ。ボク)

頬を両手で触り、その熱さを確認する。
冷房も季節も温泉も関係ない。この熱は、たった一日如きじゃ絶対に冷めない。なにせ、六年物なのだから。

暦は八月。季節は紛うことなき夏。そして、彼に出会って、もう六年が経つ。
それほどの長い間ずっと隣にいてしまったから。
あの暖かさにずっと触れてしまっていたから。


すっかり自分は彼に、逆上せ上がってしまっていた。


.

111名無しさん:2025/08/12(火) 00:06:28 ID:3ANb/bJI0

変人と言われる類の人間に、会ったことはあるだろうか。

意思が通じていると思ったら通じていない。会話が成り立っているようで成り立っていない。相手の行動をいくら予想しようとも、簡単にこちらの思惑に反した動きをする。
関わっているうちに、おかしいのはこちらの方ではないのかと勘違いしてしまいそうになる。それなのに、どれだけ相手の言動に辟易しようとも、何故か強烈に目を惹かれてしまう。
理解しようとすればするほど、分からないことが増えていく。それはまるで、海の深さを知ろうと足を入れたら、いつの間にか、体全体が海底へと沈んでいたみたいに。

しかし、だからといって海を責めることはできない。沈んだ人間の危機管理こそが最たる問題なのであって、海に文句を言う人間はいない。
それと同じだ。海の深さを知りたいからといって、足を踏み入れたのが悪いように。夜を照らす灯りに惹かれた虫が、炎で焼け死んでしまうように。
相手が数寄者であることを理解しておきながら、それでも手を伸ばした者が悪く、間抜けで、愚かで、負けなのだ。



これは、そんな変人に溺れてしまった、とある阿呆の話である。

112名無しさん:2025/08/12(火) 00:07:14 ID:3ANb/bJI0


lw´‐ _‐ノv逆上せ上がるなら君がいいようです(ФωФ )


〜おしまい〜

113名無しさん:2025/08/12(火) 00:11:23 ID:3ANb/bJI0

夏を題材にした作品でした。
関係ないようで実はちょっとある、他の季節の話たちはこちら↓
   
春…『( ゚д゚ )絵描きとヴィオラのようですミセ*゚ー゚)リ』
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1714317818/
秋…『( ^ν^)ショソン・オ・ポムにアンコールを、のようです』
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1696417933/
冬…『(´・_ゝ・`)白天、氷華を希うようです('、`*川』
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1704034805/

四季をテーマにした恋愛小説シリーズは今回で終了です。
お読みいただき、本当にありがとうございました。

114名無しさん:2025/08/13(水) 18:47:48 ID:GYxHUHTk0
乙乙、激甘だった ロマシューは近年収穫量へってるしありがたい

115名無しさん:2025/08/19(火) 06:04:48 ID:veczVPmk0
おつ!
いいものをみた


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