('A`)栄光の姫路ロードのようです - 1745497314

1：名無しさん：2025/04/24(木) 21:21:54 ID:VTz1LkPE0: 楽しみにしていた合宿が、まさか、こんな事になるなんて＿＿＿。

(；'A`)「くそぉぉぉぉぉ！！！」

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2：名無しさん：2025/04/24(木) 21:22:18 ID:VTz1LkPE0: ('A`)　栄光の姫路ロードのようです

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3：名無しさん：2025/04/24(木) 21:23:33 ID:VTz1LkPE0: <('A`)>「さて。ホテルに荷物も置いたし、観光するか。」ﾃｸﾃｸ

俺はドクオ！
俺が何故いま鳥取駅前に居るかというと、趣味のブーン系小説で合宿の募集があり、それに参加したからだ。
この合宿でまた一つ、作家として成長したいと思ってる。

('A`)「それにしてもスゲーな。主催者が本当にどこでもドア持ってるなんて。それも、人数分。」ﾃｸﾃｸ

出発の前日に自宅に配達されたどこでもドアを使い、関東からたった一歩でここまで来たのだ。

('A`)「ホテルも個室だし。他の参加者とは明日の夜から合流する感じで、今はあんまり合宿っぽくねーけど。」ﾃｸﾃｸ
4：名無しさん：2025/04/24(木) 21:24:45 ID:VTz1LkPE0: ('A`) ∏∏∏∏∏∏∏∏ ｽﾞﾗ~ｯ

('A`)「おお…凄いな。駅前から屋根のあるアーケードがずっと続いてるし、街中個人店ばかりだ。」ﾃｸﾃｸ

('A`)（構造上、チェーンが参入しにくいんだろうな…。はー、マダム向けのブティックが多いけど、古クサ過ぎず洗練されたフォルムって感じがする。）

('A`)（ガチでレトロな喫茶店とか、イマドキのお洒落な店もある…。飲食店はほんの少し関東より物価安めな感じだな。）

(*'A`)（そして…！なんか美人が多い気がする…！？）

(*'A`)（ルーツが渡来人とのハーフが多いだとか聞いたことあるな。目鼻立ちがしっかりしてて顎が華奢だし、骨格が二次元寄りというか…。自称五大美人の多い県アピールしてるだけあるな…。）

('A`)（男の人も、なんだか細長くて背筋がシャンとしてる人が多いな。俺も猫背治したい…。）
5：名無しさん：2025/04/24(木) 21:25:33 ID:VTz1LkPE0: ('A`)つ◯「さて、わらべ館に着いたぞ。」ﾁｬﾘﾝ

('A`)（ふむふむ…手動のからくりおもちゃなんかも展示されていて、大人1人でも結構楽しめるな…。音のアスレチックみたいなのもあるし、子供のための施設が良い感じなの、なんか嬉しい。）

('A`)つ｜「さて、ホテルに向かいつつ夕飯を取ろう。おっ、この水槽のある居酒屋に入ってみるか。」ｶﾗﾗﾝ♪

ｵﾏﾀｾｼﾏｼﾀｰ

(*'A`)∥「県内水揚げ蟹丼うまぁ…。地鶏の鉄板焼もうまぁ…。」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

(*'A`)「ふぅー。さて、帰るか。」ｳｨｰﾋｯｸ
6：名無しさん：2025/04/24(木) 21:26:27 ID:VTz1LkPE0: ＿＿＿＿＿
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＼('A`)／「ホテルに温泉付いてる！」

('A`)（いや、俺あんまり温泉得意じゃないけど…。だけどしっかり掃除されてるから、好印象だな。）

＼('A`)／（じゃぼーん！）ﾁｬﾌﾟ…

(*'A`)（お…熱過ぎず長風呂も出来そうな温度。）

꒰꒰ (*'A`) ꒱꒱ ﾎｺﾎｺ

('A`)σ「自販機に白バラアイスもあるじゃん。」ﾋﾟｯ

(*'A`)Φ「うわぁ…ブルーベリークリームチーズ味うまぁ…。下にクッキーも入ってるぅ…。」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

(*'A`)=3 ﾌｰ

('A`)（う～ん。観光地然としている。）
7：名無しさん：2025/04/24(木) 21:27:51 ID:VTz1LkPE0: ＿＿＿＿＿
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('A`)「今日は時間いっぱいバスに乗って近場を回ってみるか。」
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｜◎＿＿◎｜＝３ﾌﾞﾛﾛ…

('A`))「海を眺めながらの猛者エビ丼、美味いぜ…。」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
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｜□□□□｜
｜◎＿＿◎｜＝３ﾌﾞﾛﾛ…

('A`)（日本海って、案外薄いグリーンみたいな色をしてるんだな。）ﾃｸﾃｸ

('A`))Ψ「お洒落なカフェで、ケーキセットなんかも頂いちゃって。」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

(('A`)（客が少ない分掃除に時間を割けるのか、綺麗な店舗が多いな…。ホテルも綺麗だったし。）ｷｮﾛ

('A`)（近年、日本の湿気の恐ろしさを知らない海外からの労働者が増えてるからな。人の多い地域のルームクリーニングは、平気でカビさせてる時があるんだ。）

('A`)（俺が昔勤めてた会社の社長も、率先して店舗の掃除をする人だった。不景気で、店を閉じてしまったけれど。）

('A`)（居心地、良かったなぁ…。俺も帰ったら、部屋の掃除しよう。）
8：名無しさん：2025/04/24(木) 21:29:38 ID:VTz1LkPE0: ('A`)「…。」

('A`)（…こうやって一つの景色をじっくりと眺めている時間、久し振りだな。）

('A`)（学生の頃は毎日、歩きながら夕日や夜空を眺めていたが…。温暖化が激しいのもあって、小説を書く時はその頃の気候の心地良さをベースにしているな。）

('A`)（…俺にとっての小説は、俺の目が見た色彩の縮図だ。）

('A`)（例えば太陽に照らされて光る青々とした稲穂や、畑で軽トラに背を預けて会話をする老夫婦。美しいと思うものと俺自身の価値観をカードにして頭にばら撒き、無意識の直感に頼んでペアを作り続け、それが終われば展開していく。）

('A`)（つまり、俺にとっての記念写真でしかない。上手い文章だと褒められるよりも、俺の見た美しい景色を守る人々の知性の美しさにこそ、大きな価値があると力説したい欲が強いんだ。）

('A`)（花守をしている人達などに比べれば、俺の文はただの写メだ。そうか…俺は、後世のために環境や景観を守る人達に…憧れていたんだな。）

('∀`)（…海を見ながらのんびり考えてたら、夢が見つかっちまった。）

('A`)（それなら作品というものは、終点じゃない。）

('∀`)q「一つ一つが、停車駅って…ところかな？」

※ここでダンディーでムーディーなBGMが流れます
9：名無しさん：2025/04/24(木) 21:30:32 ID:VTz1LkPE0: ＿＿＿＿＿
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＼('A`)／「てな訳で、夜！メインイベント！」

(*'A`)（いったいどんな催しが待っているんだ…？）ﾜｸﾜｸ

集合地点は改札の先の、スーパーはくとの乗り場だ。

（　・∀・）ﾉｼ「ブーン系合宿にご参加の方はこちらでーす！」

(*'A`)（おっ、ここか…。）

集団の先頭で楽しげに手を振る男性が持つプラカードの文字も、念の為確認する。
それから予め配られていた資料の席順に沿って、並んだ。
10：名無しさん：2025/04/24(木) 21:32:18 ID:VTz1LkPE0: （　・∀・）「えー、今回の合宿の内容ですが、これから来るスーパーはくとに乗っている間に、小説を板の方に投下してもらいます！テーマは自由です！」

('A`)（なるほど、時間制限タイプか。）

調べると、鳥取～姫路間は約90分。

('A`)（遅筆の俺が出来そうなのは…ミニストーリーか、音遊びに力を入れた物かな。）

（　・∀・）「宿の部屋割りは、グループで予約された方以外は列車の隣の席の方、つまり今隣に並ばれている方とになります！」

（　・∀・）b「時間内に完結ならず！で同室さんを『ひとりかも寝む』にしないでくださいねー？」

その言葉に、ゆるい愛想笑いが起きた。

('A`)「あ…どうも。」

（　＞＜）「よろしくです！」

隣の席になる人は、どうやら俺よりも少しだけ年下のようだ。
11：名無しさん：2025/04/24(木) 21:33:51 ID:VTz1LkPE0: 一クラス分ほどの人が集まり、弁当とペットボトルのお茶が渡りきった頃に列車がやって来たので、俺達はゾロゾロとそれに乗り込んだ。

('A`)（ふわっとして、座り心地の良い椅子だ…。）

（　・∀・）「えー、主催のモララーです！この度はブーン系合宿という事で、同志の方々と直接お会いする機会を設けさせて頂きました！」

('人`) ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

どうやら一両分貸し切られているようで、車内に拍手が響き渡る。

（　・∀・）「それでは早速ですが、夕食のお弁当でパワーを付けてから、書いていってくださいね！」

人当たりの良さそうな雰囲気のその人は、最後尾の俺達の隣の列に、一人で座るようだ。

('人`)「頂きます。」

俺が『かにづくし弁当』の包み紙を剥がし始めると、列車が動き出した。

ｶﾞﾀﾝｶﾞﾀﾝ…
ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ…

ｶﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ！！！！

Σ(；'A`)（何事だ！？？）

周りからも、「え…何！？」と小さな悲鳴が上がった。
12：名無しさん：2025/04/24(木) 21:35:25 ID:VTz1LkPE0: ｶﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ!!

（　・∀・）「スーパーはくとは高規格路線により、最高速度130km/hを出せる気動車なんだ！だから凄く速いよ！」
※鉄オタじゃないので詳しくないです

ｶﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ!!

（　・∀・）人☆「さぁ食べて食べて！時間無くなっちゃうよ！」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ!

((；'A`)（そうだった…。だけど、こんな中で食べられるのか…！？弁当だって簡易テーブルからずり落ちそうな勢いじゃねーか…！）ｲｿｲｿ

(；'A`)Υ「…なんだこれっ！？」

（　・∀・）v「それ？カニフォーク！蟹らしい雰囲気出したくて付属のお箸と取り替えときました～！」

(；'A`)Y（くそ…！食べにくい…！）
13：名無しさん：2025/04/24(木) 21:36:19 ID:VTz1LkPE0: ('A`)（…ん？）

そんな中、前の席で明るい声が聞こえた。

从'ー'从「お弁当良かったね～。クーちゃん蟹好きだもんね～。」

川*ﾟ -ﾟ)「うん。」

川*ﾟ -ﾟ)つY)) ｽｯｽｯ

从*'ー'从「あっ、すご～い！硬いご飯だから、四角く切って姫フォークみたいに刺して食べれば良いんだ～！」

('A`)（なるほど…！）

（；＞＜）Y)) ｽｯｽｯ「僕達もやってみるんです…！」

(；'A`)) 「ああ…！」
14：名無しさん：2025/04/24(木) 21:43:00 ID:VTz1LkPE0: ｶﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ!!

川ﾟ -ﾟ)つΞ□「あっ…」ﾎﾟﾛｯ

ミ□ ﾍﾞｼｬｯ

川； -；)「あっ…あぁ…！！」

从;'ー'从つ□「大丈夫…！？私ダイエット中だから、半分分けてあげるよ～！」

川∩ -；)「…ぁりがと…。ふえぇん！！」

(#'A`)（なんて酷い…！！）

俺は主催者に、猛烈に腹が立った。

俺達の血肉になるために、スクスクと育ってくれた蟹。
美味しく弁当を作ってくれた企業。
蟹を楽しみにしていた、クーさんの笑顔。

それを『雰囲気』などという軽率なノリで、台無しにしたのだ！！