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( ^ω^) 願いが叶うようです
1
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/11(火) 04:29:48 ID:mAAfnS1U0
初めて小説を書きます。
拙い語彙かもしれませんが、何卒よろしくお願いします。
226
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:25:23 ID:vdbcco3Q0
〜〜〜同刻:俺〜〜〜
俺はクーの家を出た。
寝起きのキスにびっくりしてボーっとしてたら時間が過ぎてた。
DTすぎワロエナイ。
いや、もう違うのか…
あーーあーあーーあー
一旦忘れよう。
ここ二日間くらい夢見てる気がする。
ありえなかったことが起こりすぎてるんだよな。
こんな幸せでいいのか俺。
あ、なんかクーの匂いが…
…風呂も一緒に入ったんだしそらするか…
今日の祭り、大丈夫かな…抑えるのも必要なんだぞ?俺よ。
…なんか家に帰ってくるの久しぶりだな。
227
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:25:48 ID:vdbcco3Q0
('A`)「ただいまー」
「あら、おかえりなさい」
('A`)「あれ、どっか行くの?母ちゃん」
「うん、ちょっとね」
('A`)「俺もすぐ行くよ、今日も祭りでな」
「そう…あら?」
('A`)「どうしたの?」
「…ドクオも大人になったのね」
(;'A`)「な、なんで?」
「ふふ、お父さんみたい。やっぱり親子ね」
あたふたするのもおかしいか。
分かるよな、そりゃ。
あーなんか恥ずかしい。
死ぬほど。
「気を付けてね」
('A`)「あーい」
228
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:26:08 ID:vdbcco3Q0
そのまま俺と入れ替わりで出ていく母ちゃん。
俺はせっせと準備をする。
…あぁ、そうだ。
明日からミセリちゃんがクーの家に預かることになる。
だからその準備も兼ねてしないと。
ちょっとした荷物になっちゃったけど、少ないよりはいいだろう。
足早に家を出る。
ブーンのことも心配だった。
来てくれてたらいいんだが…
昨日連絡してから、ブーンの返答はなかった。
…何かあるなら言ってくれればいいのに。
そんなに気にすることでもないだろうに。
('A`)「…まぁ、何とかなるか」
集合時間。
いつもの場所。
そこにブーンの姿はなかった。
229
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:26:40 ID:vdbcco3Q0
〜〜〜別所:花も折らず実も取らず〜〜〜
学校まで着いた俺たちは、ショボンと合流した。
ブーンが居ないことに少し悲しい顔をしたミセリちゃんを、クーが頭を撫でて慰めている。
ブーンめ、次会ったらちゃんとミセリちゃんに何かしてあげなきゃだめだぞ?
昨日と同じ祭りだ。
大して変わり映えはしないが、それでも楽しいことは間違いない。
俺たち四人は昨日できなかったことをやるつもりだ。
ミセリちゃんはクーに付きっきりだ。
きっと本当の姉と思ってるんだろう。
クーはお面を買ってあげている。
それを付けて喜んでいるミセリちゃん。
俺が百合好きじゃなくて心底良かったと思った。
あの二人は危険だ。
一方俺たち男組は、他愛もない話をしている。
片手にデカいウィンナーを持つ俺と、焼きそばを頬張るショボン。
こう見ると、普通の同い年だと思う。
重い過去があるということを忘れてしまいそうなくらいだ。
230
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:27:00 ID:vdbcco3Q0
ショボンは前の学校でも成績は良かったようで、得意科目は理数系なのだそう。
俺はどちらかと言えば文系なので、話の相性は悪くない。
お互いのあるあるを話し、苦手なところは教え合う。
みたいな話をしている。
祭りまで来て勉強の話か…とは思うが、案外知らないことを話してもらうのは面白い。
それに、都会の話も少ししてもらった。
俺も将来はそっちに住む予定だからだ。
この夏が終われば、そういうことにも目を向けていかないといけくなるからね。
早めに知ってて損はない。
アレコレ聞いてる間に、女子の二人組が帰ってきた。
ミセリちゃんは林檎飴を買ってもらっている。
本当に甘い物が好きなんだなぁと思った。
クーは狐のお面を頭に被り、かき氷を食べてる。
この蒸し暑い夜も、まだ本気じゃないっていうのに驚きだ。
噎せ返るような焼き鳥の煙にそそられてお腹が減る。
手に持つウィンナーも、あと少しというとこか。
こういう時の食欲は、自分でもびっくりする。
立ち上がり、焼き鳥を買いに行く旨を三人に伝える。
ショボンもお腹が減ってるようで、一緒に付いてくる。
231
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:27:26 ID:vdbcco3Q0
('A`)「ショボンって結構食べるよなぁ」
(´・ω・`)「まぁ折角のお祭りだからね、お腹減る匂いで食べちゃうんだ」
('A`)「そうだなぁ…俺も割と食べてる気がするわ」
(´・ω・`)「ドクオ君、ここは僕が出すよ。さっき焼きそば奢ってもらっちゃったしね」
('A`)「そんくらいいいのにーまぁ、お言葉に甘えましょうかね」
仲良くなるのが早い。
いや、ショボンが溶け込むのが早いのか。
もう違和感なく一緒に居られている。
どことなく安心するような雰囲気なのは、兄という立場があるからだと思う。
俺たちは幼馴染だから、上下関係も何もないからな。
こういうところは少し羨ましくなる。
全員一人っ子の三人が集まっても友達にしかならないわな。
あーあ、早くブーン来ないかなぁ。
そんなこんなを繰り返しているうちに、時間が過ぎ去って行った。
232
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:27:49 ID:vdbcco3Q0
俺とショボンで射的をして、何も取れなかったり。
ミセリちゃんが水風船を頑張って抄ってるところだったり。
クーが輪投げに本気になりすぎてたり。
俺が引いたくじ引きで、人形が当たったからミセリちゃんにあげたり。
その人形をクーに見せて小さい頭を撫でてたり。
屋台のおっちゃんにお酒を勧められてたショボンだったり。
色んな事をしてた。
そして、時間も良い感じになってきた。
ミセリちゃんはこのまま、俺らの方に来るらしい。
もう眠たそうにしてるミセリちゃん。
まぁ、二日も祭りに居たら疲れちゃうよな。
俺も結構疲れている。
…クーがあんまり寝かせてもらえなかったからね。
233
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:28:13 ID:vdbcco3Q0
('A`)「みんなのゴミ捨ててきちゃうわ、貰っちゃうよ」
(´・ω・`)「ありがとう。ほら、ミセリも」
ミセ*゚ー゚)リ「おねがいしまーす!」
川*゚ -゚)「元気だねミセリちゃん、偉い偉い」
ミセ*゚ー゚)リ「へへへ」
('A`)「…なんか…女の子同士って良いのかもしれない」
(´・ω・`)「ドクオ君ってそういう趣味だったの?」
(;'A`)「そういうわけじゃないです!!捨ててきます!!」
失言を誤魔化すように足早にゴミ箱を探す。
辺りを見渡してみると、中々見つからなかった。
だけど、その代わりに違うモノを見つけた。
234
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:28:33 ID:vdbcco3Q0
('A`)「…あれ、ブーンじゃね?」
のような後ろ姿だった。
それが本人かはわからない。
だけど、本人にそっくりだった。
遠くからでも、同じ時間を何百も一緒に居たから、多分ブーンだ。
気になった。
そのあたりにあるゴミ箱に投げ捨てて追いかけた。
祭りに居たのに、連絡も寄こさず一人でいるのはおかしいけど…
それでも、本人なら。
ソイツは祭りのない方角に歩いて行った。
でもなぜ?
分からないけど、確かめずにはいられなかった。
次の角を左。
人混みを押しのけて素早く行った。
そこにはさっき見た後ろ姿があった。
そしてソイツは、どんどん人気のない道に歩いていく。
確信した。
アイツはブーンだ。
235
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:29:02 ID:vdbcco3Q0
追いかけてくうちに、祭りの騒音からは遠い場所に来た。
そこは開けていて、暗い場所だった。
('A`)「…ブーン?」
( ^ω^)「…ドクオかお」
('A`)「なぁーんで連絡も無視してたんだよ。心配だったんだからな」
( ^ω^)「…そうかお」
ブーンはこっちを向いてはくれない。
まるで図書室の時のようだった。
たが、それよりも黒く、淀み、渦巻いている気がした。
('A`)「…なんでここに来たのに連絡もなかったんだ?」
( ^ω^)「…気づかなかったんだお。ごめんお」
('A`)「そんなわけないだろ。いつもはすぐに返事来るくせに。ミセリちゃん、ちょっと悲しそうだったぞ?」
( ^ω^)「…ごめんお」
何故かその態度にムカついた自分が居た。
いつもならこんなことでは何も感じないのに。
236
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:29:33 ID:vdbcco3Q0
('A`)「なぁ、言いたいことあるなら言えって。そろそろその感じ辞めてもらっていいか?」
( ^ω^)「いつも通りだお」
('A`)「昨日もいきなりいなくなって、今日居たと思ったらそれかよ。何がそんなに不満なんだ」
( ^ω^)「別に何もないお。はぐれちゃっただけだお」
(#'A`)「何かあるからそんな態度なんだろ!」
俺は声を張り上げた。
比較的静かな場所だったから俺の声が反響する。
(#'A`)「いい加減にしてくれ!いったい何なんだ前から!俺たちが何かしたかよ!」
(#'A`)「今までそんなことなかったろうが!俺達を避けるのも意味わかんねーっつーの!」
(#'A`)「言いたい事ありゃ言えば良いだろ!何をそんなに」
( ^ω^)「うるせーお。勝手に追いかけてきて何怒ってんだお。嫌ならクーの元に戻ればいいだろうお」
(#'A`)「お前っっ…」
殴りかかろうと拳を振りかざした。
だけど、後ろから止められた。
237
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:29:59 ID:vdbcco3Q0
川;゚ -゚)「な、何なんだ!いったい!」
俺の拳を止めたのはクーだった。
そのまま羽交い締めにされる俺。
それでも、ブーンに対しての苛立ちは収まらなかった。
川;゚ -゚)「中々帰ってこないと思ったら…!声を上げて殴り合いか?」
川;゚ -゚)「ブーン!なんでそこにいるんだ!」
( ^ω^)「クーかお、そこの連れて帰れお。迷惑なんだお」
(#'A`)「迷惑被ってるのは俺の方だろうがっ!」
( ^ω^)「だから、お前は勝手に着いてきて好き勝手言ってるだけだお
僕は何も望んじゃいないお」
(#'A`)「てめええええええ!!」
川;゚ -゚)「ドクオ、落ち着け!!ブーンも煽るな!!」
流石にクーの力には叶わなかった。
だが、一発カマしてやらないと気が済まない。
何なんだ、アイツは。
( ^ω^)「…幸せな奴はおめでたいことだお」
( ^ω^)「もう…僕に関わるなお」
238
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:30:29 ID:vdbcco3Q0
川;゚ -゚)「おい!ブーン!どうしたっていうんだ!
私達が何かお前にしたというのか!?」
( ^ω^)「してないお。僕は…」
スルっとクーの腕から抜ける俺の腕。
そして、握りしてめていた拳をそのままブーンの顔に叩きつけた。
時間の流れが遅くなる。
そのまま倒れこむブーン。
クーはびっくりしてるのか、声は聞こえない。
少しの間、全宇宙の動きは止めていた。
( A )「…なぁ、俺達の関係はそんなものか?そんなに頼り甲斐がないか?
俺は…俺は、どうしたらいいんだよ?」
初めての事だった。
勿論喧嘩は三人で何度もした。
それでも、こんなに険悪な空気になったことはなかった。
俺らは本当の意味で、初めての喧嘩をしているのだ。
( A )「確かによぉ…俺とクーに進展はあったさ。でもそれを望ん出たのはお前でもあるだろ」
( A )「それが気に食わないなら言えば良い。他の不満だって同じだろ」
( A )「なにがお前を」
( ω )「じゃあどうしろっていうんだお!!!」
239
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:30:58 ID:vdbcco3Q0
俺の言葉を遮ったのは、今まで聞いたことのないブーンの怒号。
今日初めて見せた感情は、余りにも冷たく、溢れるほどの怒りだった。
( ω )「家からトーチャンが出て行って、カーチャンは倒れて入院した!!
僕が知らない間に二人は幸せになってた!!!」
( ω )「あぁ望んだお!二人の幸せを!!だからもう二人の中には入れないと思ったんだお!!
僕にはもうどこにも居る場所なんてねーんだお!!
家族とこの三人しか僕にはなかったから!!」
( ω )「こんなこと言っても幸せに浸ってる奴が僕のことなんてわかるはずがねーだろお!!!
家に帰れば家族がいる!!手を繋げる恋人がいる!!お前らなんかに!!!
だから僕は二人の幸せを見れない!!見たくない!!憎いとすら思うお!!」
( ;ω;)「僕は…僕はもう無理なんだお!!二人の傍に居るのも!!家に帰ることすらも!!
だってもう誰も居ない!!前までの日常は僕にはどこにもないんだお!!」
( ;ω;)「もう…元には戻らないんだお…何もかも…全部…」
( ;ω;)「どうしようもないんだお…だから…」
( ;ω;)「だから…放っておいてくれお…」
足早にどこかに行くブーン。
打ち上る火花が、その足音すら俺の耳に入らせないようにしていた。
大華がうるさく音を立てる度に、俺の拳の痛みを再認識させてきた。
真っ黒な空に鳴り響く爆弾は、俺たちの関係を破壊して綺麗に咲いていた。
240
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:31:34 ID:vdbcco3Q0
〜〜〜同刻:後の祭り〜〜〜
確かに、ある。
変だったところ。
なんかいつもと違ったこと。
ここ一週間くらいずっとそうだった。
焦りながら、俺は昨日送った三人の連絡を見た。
ブーンからの返事は、なかった。
何かが繋がった。
それは嫌なことだらけだった。
俺は一心不乱に走った。
夏蝉が俺を焦らせるように鳴いている。
嘘だと思うことだらけだ。
ブーンがおかしく見えた時からずっとだ。
俺はそれに気づいていながら、アイツの事なんて何も知らなかったんだ。
それを無視して、俺は一人で幸せに浸ってたんだ。
舞い上がってた分、落とされた時の衝撃は異常だった。
もっとアイツを見てやってられてたら。
もっと話を聞いてやれてたら。
そんなことばかり考えている。
最低な野郎だ俺は。
アイツの幼馴染だろ、俺は。
ずっと一緒に居るって思ってた仲だろ。俺は。
何してるんだよ。
一秒でも早くブーンを探さないといけない。
241
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:32:07 ID:vdbcco3Q0
全ての辻褄が合う。
図書室でクーの問答を有耶無耶にしたのも、俺の前で明確に拒絶したのも。
多分あの時より前からだ、ブーンの両親に何かあったのは。
昨日祭りからいなくなったのも頷ける。
あれははぐれたんじゃない。
自分でいなくなったんだ。
だから、俺らに言わなかったんだ。
いや、言えなかったんだろう。
だから抱えてたんだ。
全部を一人で。
(;'A`)「少しくらい、頼れよ!俺らのことくらい!馬鹿野郎!」
手当たり次第、心当たりがあるところを走る。
何度も三人で遊んだ公園。
近くのコンビニ。
いつもの待ち合わせ場所。
とっくに息は上がってる。
それでも、一目会って謝りたかった。
アイツの心境なんて何も知らなかったんだ。
何かあれば言ってくれるだろうって軽んじてた。
そんな浅はかな考えで、俺に何も言ってくれないことに対して不信になってた。
馬鹿は俺だ。
何も知らないクセに、全部知った気でいた。
祭りが終わり、昨日以上に人で溢れていた。
到底見つかりそうもないけど、どこかにいる。
携帯を見る。
依然として、ブーンからの連絡はなかった。
242
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:32:46 ID:vdbcco3Q0
〜〜〜同刻:盲目〜〜〜
私はしばらく動けずにいた。
ブーンの口からきいたものが信じられなかったからだ。
そんなことをいきなり言われたところで、飲み込むには大きすぎる。
目の前の幸せにうつつを抜かして、それ以外はどうでもいいと見栄を張った。
ブーンが祭りから姿を消したことすら、私は目を背けていた。
その罰なのだろう。
この感情は。
どうして言ってくれなかった?
どうして察してやれなかった?
どうして見限った?
ごちゃ混ぜになった感情が、私の全てを支配した。
どうしようもない自分への憤り。
もう戻らない過去。
私は愚か者だ。
たった一度の拒絶を、永遠だと思ってしまった。
この絆を軽く見ていたのは私だ。
取り戻せるとは思っていない。
だが、今ならまだ間に合ってくれる。
何度も炎症を繰り返した私達の関係は、まだ治せる。
今しかない。
243
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:33:06 ID:vdbcco3Q0
そう思った時には私はドクオの後を追いかけるように走った。
体力なら自信はある。
一直線に学校に向かおう。
とにかく、今は走れ。
直会が満ちるこの街を。
飽きる程見たこの景色を。
走れ。
川;゚ -゚)「ブーンすまない…どこにいるんだ…!お前は!」
川;゚ -゚)「一度でいい、許さなくていい…だから…」
学校に着くなり、そこに人影を見た。
相手はショボンだった。
もうミセリちゃんと待っていたみたいだった
(´・ω・`)「あれ…遅かったね、ドクオ君は?」
川;゚ -゚)「今はそれどこじゃない!ブーン見なかったか?」
(´・ω・`)「…見てないね。どうしたんだい?」
ミセ*゚ー゚)リ「おねーさんあせだく!」
川;゚ -゚)「…ブーンに嫌な予感がするんだ。何か知ってないか?」
244
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:33:31 ID:vdbcco3Q0
(´・ω・`)「…言いずらい質問だね」
川;゚ -゚)「…知っているんだな。話してくれ」
(´・ω・`)「…それはできない」
川;゚ -゚)「なぜだ、そんなに大事なことか」
(´・ω・`)「あくまでも、僕の口からはって意味だ」
(´・ω・`)「でもこれだけは言える。生きているさ」
川;゚ -゚)「…なぜそう断言できる」
(´・ω・`)「…彼には願い…命に代えても叶えたい願いがあるから…かな」
(´・ω・`)「そんなに焦ってるってことは…何かあったんだろう?教えてくれないかな」
川;゚ -゚)「…ただの喧嘩さ…だが、初めての…な」
(´-ω-`)「そっか…」
245
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:34:00 ID:vdbcco3Q0
(´・ω・`)「多分、居るところは分かるよ」
川;゚ -゚)「なら!教えてくれ!頼む!!」
(´・ω・`)「…だけど、クーちゃんには知らなきゃいけないことが沢山ある
きっと残酷なことだと思うけど…聞けるかい?」
川;゚ -゚)「なんだっていい!!今は時間がない!」
ミセ;゚ー゚)リ「お、おねーさん?」
(´-ω-`)「…ミセリごめん。少し眠っててくれ」
そういうと、ショボンはミセリちゃんの目を撫でる。
するとミセリちゃんはぐったりと眠っていた。
川;゚ -゚)「な、なんだ…今のは…」
(´・ω・`)「きっとドクオ君も同じだろう?彼も迎えに行こう…その前に…
ミセリをクーちゃんの家に送るけど、いいかな?」
そして、周りの影が蠢くようにショボンの足元に集まる。
まるでCGを現実で見ているかのようだった。
その影は私にも纏わりついて、全身に広がった
246
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:34:22 ID:vdbcco3Q0
川;゚ -゚)「どうなって---」
(´・ω・`)「少しだけ、眩暈がするよ。ごめんね」
影に顔まで包まれた私。
ショボンの声が聞こえると、脳が揺れた。
倒れかけた瞬間、視界が広がる。
そこは私の家だった。
呆然とした。
これではまるで魔法じゃないか。
そう感じるを得なかった。
そんな私を気にも留めずに、ミセリちゃんを私の家のソファーに寝かせた。
(´・ω・`)「…これで大丈夫」
川;゚ -゚)「いったい…何がどうなってるんだ…?」
247
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:34:44 ID:vdbcco3Q0
(´・ω・`)「…言ったろう?クーちゃん、ドクオ君には知らなきゃいけないことがあるんだよ」
(´・ω・`)「何も知らない状態でブーン君を見つけたところで、きっと意味はないだろうね」
川#゚ -゚)「…私達の何が分かる。ショボン」
私はその一言にムカついた。
それはほとんど八つ当たりに近かった。
(´・ω・`)「わかるさ。そのくらい残酷で、夢物語で、雲を掴むような話なのさ」
(´・ω・`)「じゃあ、ドクオ君のところまで行こうか。また眩暈がするよ」
そして、さっきのように影が私を包む。
ぐわんっと揺れる。
私は、ショボンの言葉を信じきれないでいた。
248
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:35:10 ID:vdbcco3Q0
〜〜〜同刻:心なんて誰にも〜〜〜
(;'A`)「くっそ、どこ行ったんだ…ブーン!」
俺は手当たり次第に走り回ったが、ブーンの姿は一向に見つからなかった。
電柱にもたれかかって、座り込んでしまった。
いくら田舎とはいえ、広大な土地がある。
一人の人間を探すことは不可能を極めた。
俺はただ、謝りたかっただけなのに。
そんな簡単なことが俺にはできないでいた。
情けない。
余りにも不甲斐ない。
諦めかけた時、周囲の影が気味悪く蠢く。
疲れすぎて頭イカれちゃったのか?
俺はもう自分がおかしくなったんだ。
そう思い、その影を見ていた。
段々と形を成すその黒色は、見覚えのある姿になった。
249
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:35:31 ID:vdbcco3Q0
川;゚ -゚)「!!!ドクオ!!」
それはクーだった。
そして。
(´・ω・`)「よし、これで揃ったね」
ショボンだった。
(;'A`)「な、なんだよ。幻覚でも見てんのか?」
川;゚ -゚)「バカ!私だ!」
そう言って俺に抱き着くクー
もう何度も確かめたその感触は本人そのものだった。
(;'A`)「で、でもどうなってるんだ」
(´・ω・`)「まぁそれは後で話すよ。さ、話の舞台は整ったけど…準備は大丈夫かい?クーちゃん」
(;'A`)「話の流れが見えないんだが」
(´・ω・`)「平たく言えば、ブーン君の話さ。多分今のまま会っても意味がないと思ったからね」
250
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:35:59 ID:vdbcco3Q0
川 ゚ -゚)「さっさと話せ、もう私は時間をかけたくないんだ」
(´・ω・`)「そうだね…じゃあ、話そう」
(´・ω・`)「簡単に言おう、ブーン君は今、自分の願いを叶える為に命を張るつもりだ」
('A`)「…おい、冗談言ってる場合じゃねーんだが?」
(´・ω・`)「まぁ、信じるも信じないも好きにしてもらって構わない。到底信じるには難しい話だからね」
(´・ω・`)「二人は"願いが必ず一つ叶う場所"の話は知ってるかな?」
('A`)「…あの学校裏の廃墟のことじゃないのか?」
川 ゚ -゚)「確か…恋人と一緒に願うと叶うっていう…なんの信憑性もない話だ」
(´・ω・`)「そうだ。そして、僕はその願いを叶える為にその場所に行ってたんだ
それが、学校に広がった黒い幽霊の正体だね」
('A`)「つまり…俺達が見たかった幽霊っていうのは」
(´・ω・`)「僕だ。まぁ、そんなつもりは全くなかったんだけどね
ちなみに、あの不良達もイレギュラーだった」
251
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:36:27 ID:vdbcco3Q0
(´・ω・`)「もう一ついうと、あの時の風も僕が原因さ。今二人には見てもらったけど…
早い話、魔法ってやつだよ」
(´・ω・`)「僕が願いを叶えに行ったあと、どうしてもミセリが心配だったから一度途中でこっちに戻ってきた
そして、君たち三人に会ったんだ
ミセリを二人に預けるのは、僕もそっちに今夜行くからだね。もう戻って来れるか分からないから…」
(´・ω・`)「そして、願いを叶える代償として、命を落とす場合もある
それはブーン君に限らず、僕も含めて。だから戻って来れる保証は…ないんだ」
(;'A`)「その…"向こう"っていうのは…」
(´・ω・`)「分かりやすくいえば異世界さ。動物も環境も種族も違う
正直なところ、どうやったら願いが叶うかは僕も分かってない
だけど、魔法を使えるようになった。向こうで傷つけられた傷もある
だから夢でも何でもないんだ。僕目線はね」
川;゚ -゚)「…ブーンは帰って…来るのか?その異世界から…」
252
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:36:49 ID:vdbcco3Q0
(´-ω-`)「それは…わからない」
(´・ω・`)「向こうの世界で死んだら、多分そのまま帰ってこないだろうね
死んだままだと思うよ」
(;'A`)「そんな…ゲームみたいな…」
(´-ω-`)「信じるかどうかは、二人次第だ…」
(´-ω-`)「僕からは以上だ。あとは二人の好きにしたらいい
僕はミセリに最後の挨拶行くから。ごめんね」
川;゚ -゚)「おい!ブーンの場所は!ショボンはどうなるんだ!」
(´・ω・`)「願いが叶う場所だと思う。後は、言わなくても分かるね?」
(´-ω-`)「じゃあ、また会えることを祈っているよ」
そう言って影に吞まれたショボン。
残された俺たちは、話されたことを信じる他なかった。
実際に移動して来た影の正体も、何も分かっちゃいない。
全部が夢のように感じる。
さっきブーンと喧嘩したことも、俺たちの歯車が狂い始めたのも、何もかも全部。
それでも、信じるしかなかった。
どちらともなく、同じ方向に向かって走り出した。
学校裏に佇むあの廃墟に。
253
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:37:12 ID:vdbcco3Q0
〜〜〜同刻:向日葵に雪〜〜〜
僕はドクオに殴られた痕をさすりながら、廃墟に向かっていた。
不思議と苛立ちはない。
代わりに中身をくり抜かれて、薄皮しかない心が無駄に暴れていた。
もう臓物もないだろうに、この目から落ちる涙は止まることを知らなかった。
分かっている。
僕が強がったばっかりに、二人に不信感を与えてしまったこと。
見栄を張ったばっかりに、二人が感情的になったこと。
全部僕のせいだ。
だけどこれでよかった。
僕を繋ぎ止めるものはこれで無くなった。
変な情や関係性があるから、願いを叶えるということにブレが生じた。
後は、僕が頑張って願いを叶えるだけ。
例え、道半ばで僕が死のうと。
こっちの世界に戻って来なくなろうと二人は大丈夫だろう。
僕は悪役でいい。
僕は邪魔者でいい。
それを考えるだけで気が楽になった。
254
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:43:36 ID:vdbcco3Q0
その分、失ったものが大きくて、耐え切れなくて、僕は泣いた。
見慣れた景色が、美しく見えて泣いた
思い出の場所が懐かしくて泣いた。
祭りの残り香を嗅いで泣いた。
支えていたものが全て失ったんだ。
当然だ。
むしろ、首を括ってないだけ偉い。
だからどんな事があろうと、僕は僕の願いの為に、一歩一歩足を進める。
そして、ようやっと着いた廃墟。
それはショボンと初めて出会った時と何も変わらない様相で佇んでいた。
ただ、あの頃とは違うことがある。
それは、このひんやりとした空気だった。
風呂上がりにクーラーが効いた部屋に入るかのような感覚。
僕には身に覚えがあった。
それは、初めて"あの場所"に行った時だ。
暗黒な空間に、天まで上ってしまいそうな階段と、厳かに存在する扉。
まるで異世界。
今まさに、その異世界に僕は行こうとしている。
255
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:44:04 ID:vdbcco3Q0
その冷気に導かれるままに、僕は階段に足をかけた。
少しずつ強まる冷気が、僕の肌に刃物を向ける。
だが、それにも無関心に階段を上がる。
それは、僕の心が空っぽだから。
ただ、願いを叶えるという目的のだけに動く機械。
己が目的の為ならば、どんな犠牲だって厭わない。
ドス黒く、ブラックホールのような欲望が僕にはあった。
なんの躊躇いもなく着いた四階。
前回は激しい頭痛や、爆音のノイズがあったが、今回は何もなかった。
すんなりと屋上に向かう階段に向かうことができた。
そして、その屋上への扉は僕を待っていたとばかりに開く。
金属の叫ぶ音。
それがフロア全体に広がっては反響する。
初めて行った時より、冷気は感じなかった。
じゃっかん早くなった鼓動を抑えて、僕は屋上に向かう。
天に上るときは、こんな感覚なんだろうか。
僕自身が幽霊になって、自ら天国に向かう。
そんな感覚を覚えていた。
そんな時、後ろから声が聞こえる。
もう二度と聞くことはないと思っていた声だ。
256
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:44:27 ID:vdbcco3Q0
(;'A`)「ブーン!」
川;゚ -゚)「待て!早まるな!」
(;'A`)「なぁ…少し話さないか…?俺達やり直す必要あると思うんだよ…」
川;゚ -゚)「ブーンの事…何もわかってなかったんだ…だから…こっち来てくれないか?」
二人は信じられないと言った顔だった。
恐らく、この冷気にだろう。
僕は二人を一瞥して屋上に目線を向ける。
そして、その二人の悲鳴が聞こえたのは、僕の想像通りだった。
(;'A`)「あああああ!!!あ、頭がっっ…」
川;゚ -゚)「な、なんだこれはッッ!!!」
僕も最初に味わったあの地獄だ。
周りの事なんて考えられない。
這いつくばって時間をやり過ごすことしかできない。
そんな地獄だ。
僕は最後の階段を踏みしめる。
257
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:44:50 ID:vdbcco3Q0
(;'A`)「ぶ、ブーン!待ってくれ!!お、おれはお前に死なれたくない!」
何を今更。
クーと仲良くやってたじゃないか。
僕なんて必要ないだろ。
川;゚ -゚)「いっかい三人で話しあおう!そうすれば…何か変わるだろう!?」
何も変わらない。
この関係も、家族も。
そして、これからも。
(;'A`)「俺、知らなかったんだよ!!おまえの、か、家族のこと!!だから…いっってええ」
川;゚ -゚)「ッッ!!!私達は!幼馴染だろう!?この世に三人しかいない!!大切な幼馴染だ!!だから」
屋上に着いた僕は、二人を上から見下ろした。
無様にあの痛みの中、よく言葉を発せると思った。
そして、扉が自動で閉まり始める。
嫌な音をたてながら断絶する扉は、三人の関係全てを否定し、拒絶するかのようだった。
最後、もう二人もほぼほぼ見えなくなる程に閉まった扉。
僕はいつも通りの表情で二人に向かって呟いた。
258
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:45:13 ID:vdbcco3Q0
( ;ω;)「サヨナラ、だお」
ガコンと閉まる扉。
僕はもう後戻りはできない。
本当の意味で、僕は孤独になった。
自分が求めていたもの。
その望みが叶ったというのに、僕は声を上げて泣いていた。
声は一切の反響もせず、星一つない暗闇に全て吸い込まれていた。
259
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:45:40 ID:vdbcco3Q0
〜〜〜同刻:伽藍堂〜〜〜
爪で黒板を引っ搔くような音がする。
それは、あの扉が閉まる音だ。
早く行かなきゃ。
アイツのところに行かなきゃ。
じゃないと、もう二度と会えなくなるかもしれない。
そんなの嫌だ。
だけど、この頭痛も、凍える寒さも、耳鳴りも。
何もかも意味が解らなかった。
今夏だぞ?
なんでこんなに寒い。
なんで体が動かない。
あと少しでアイツに触れられるのに。
その距離が余りにも遠い。
遠い星を素手で掴むような。
少しでも話せたら、ケロっと考えを改めてくれる。
なんて浅い。
なんて青い。
なんて楽観的。
もっと考えを改めなきゃいけないのは俺の方だ。
260
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:46:08 ID:vdbcco3Q0
アイツは一人で抱えてた。
ずっと。
何も誰にも言わずに。
俺達なら大丈夫、ってどこかで思ってたんだ。
そんなことなんて一つもないのに。
なぁ、何で扉閉まってるんだ?
止めてくれ。
そこが閉じたらアイツはどこに行くんだ?
明らかに異常なところだろう。
屋上だろ?
なんだよ後ろの白いの。
なんでそこに居るんだ?
ダメだよ、戻ってこい。
そんでもう一回、一緒に祭り行こうぜ?
おい、まだ閉まるな。
今俺がそこに行くから。
待て。
待ってくれって。
まだ、アイツにごめんって言えてないんだよ。
一言も謝れないのに、会えなくなるのか?
嫌だよそんなの
いつ帰ってくるんだよ
分からないんだろ?
なら、ほら、こっちだよ。
261
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:46:32 ID:vdbcco3Q0
「サヨナラ、だお」
…おい、こんな時に冗談じゃない。
ふざけんな、俺はまだお前と居たいだけなんだよ。
三人でまだ一緒に居たいんだよ。
バカ。閉まるなって。
なんで立てないんだ。
なんでだ
なんでだ
なんでだ
なんでだ
なんでだ
なんでだ
なんでだ
なんでだ
262
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:46:54 ID:vdbcco3Q0
…あ、足動く
起き上がれる
(;'A`)「ブーン!!!!」
動くとわかった瞬間、俺は階段を駆け上がった。
閉まる寸前の屋上の扉に思いっきりタックルした。
扉は空いたんだ。
なのに。
さっきまでの寒さはおろか、ブーンの姿も、さっきの景色も。
何もなかった。
あるのは、見慣れた景色。
廃墟からの見た屋上。
蒸し暑い空気。
それだけだった。
263
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:47:20 ID:vdbcco3Q0
(;'A`)「…なぁ、悪い冗談だって言ってくれ」
(;'A`)「これ、何かのモニタリングだろ…?」
(;A;)「ブーン…?どこにいるんだよ?さっきまでここに居たじゃないか…」
(;A;)「…そ、そうだ。下に飛び降りたんだ。それしかないよ」
(;A;)「下に居るさ、ブーンはイタズラ好きだから…」
川 ; -;)「ドクオ…」
ゆっくりクーが屋上に上がってきた。
その顔は救いようがないほど、絶望に染まっていた。
俺たちは共犯だ。
ブーンの気持ちも知らないで、俺たちはアイツを一人っきりにしてしまった。
こういう時、一番に傍に居なきゃいけないはずなのに。
264
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:47:47 ID:vdbcco3Q0
知らなかったでは済まされない。
もう、ブーンはこの世に居ないんだ。
帰ってくるかどうかも分からない。
本当に、永久にアイツの顔を拝めない。
そんなこともありうるんだという。
そんなところに向かわせてしまった俺たちは…
なにで償えばいい?
もし、何年も帰って来なかったら?
このまま、ブーンが居ない世界で生き続けるなら?
この記憶も年を重ねる度薄れてしまったら?
どうなる?
俺は一生アイツに謝れもせず、ずっと生き永らえるのか?
(;A;)「そんなの…あんまりじゃないか…」
川 ; -;)「…」
俺はその場で蹲って泣いた。
ひたすらに、声を上げて。
そんな俺を抱きしめて、涙を流すクー。
お互いに同じ思いの下泣いている。
265
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:48:11 ID:vdbcco3Q0
それは。
懺悔。
後悔。
未練。
そのどれもがグチャグチャになった物だった。
もう遅い。
当り前に居た存在が、塵も残さずこの世から消えた夜。
満月が俺達を嘲るように照らし続けていた。
266
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:48:46 ID:vdbcco3Q0
〜〜〜同刻:願いが叶う場所〜〜〜
ひとしきり泣いた後、僕はこの氷原のような世界を見た。
前に見た時と同じだった。
無限に広がる空の暗闇。
どこからともなく降ってくる花弁雪。
豪勢な装飾が入っている純白の階段。
そして、誰も寄せ付けないであろう、白銀の扉。
僕は無心で階段に足をかける。
( ^ω^)「…すげーお…これ…」
足が触れたところから水紋が浮かび上がる。
だが、沈むことはなく、質感は大理石のような高級感があった。
上るだけでも心が休まる。
そんな気がした。
僕はそんな光景を楽しみながら、階段を上る。
一番上は見えない程に高い。
まだまだ先は長い…
267
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 21:49:29 ID:vdbcco3Q0
(;^ω^)「いくら何でも長すぎだろうお…」
なん十分もかけて上った階段。
もう足も限界のようで震えていた。
そして、目の前に現れるこの…
(;^ω^)「スケールがデカ過ぎるお…」
表現ができない程に高く、厳かで、何者も通さないような扉。
…どうやって入るんだ?
辺りを見渡しても、何もない。
あるのは扉だけ。
…何か入るのに特殊な条件が?
と、おどおどしている中、ほぼ無音でその扉は空いた。
僕が入れるだけのちょっとの隙間。
強い光が僕を縦に切り裂いている。
火に入る夏の虫のように、その光の先に足を進めた。
( ^ω^)「…」
僕は扉の中に入った。
そして白い光に包まれて実感した。
ここから全て始まるのだと。
( ^ω^) 願いが叶うようです
第一章 365/7days 完
268
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/22(土) 22:01:00 ID:vdbcco3Q0
作者です。
第一章ということで、一通り書き切りました。
コメント付けてくれた方、すごい嬉しいです。ありがとうございます。
趣味で妄想を書いていたら、誰かに見せたい欲求が増えてきてしまって衝動的に投稿しました。
自分はブーン系に少し疎いので、読みづらいかもしれないですが、改善点等々あれば教えていただけると幸いです。
どうせ書いているなら自分も読んでて楽しいものにしたいので、良ければ是非お願いします。
第二章、只今書いています。
小出しにちょこちょこ投稿するか、一気に投稿するか迷っています。
拙い語彙かもしれませんが、完走する気でいます。
それでは。
269
:
名無しさん
:2025/02/23(日) 00:23:07 ID:8Bz1l0sk0
いいぞー
270
:
名無しさん
:2025/02/23(日) 22:14:50 ID:uMroyrPI0
まだ読めてないけど投下ペースすごい!
追いつくぞー
271
:
名無しさん
:2025/02/24(月) 20:58:57 ID:MhqGGWoU0
追いついたぜ
内心や関係性の描写が丁寧でみんな好きになれた。続きが待ちどおしい
ところであの名作が基礎?になっているという了解でいいのかな
272
:
◆vcE6GeyAY2
:2025/02/27(木) 09:17:35 ID:5g8rHrZI0
>>269
ありがとうございます。
続きも期待していただけると嬉しいです。
>>270
思いつくがままに書いてるので投下ペースは結構曖昧です。
早い遅いとかありますか?
もしあれば教えてくれるとすごく助かります…
>>271
一章読んでいただいてありがとうございます。
物語のベースの作品はあります…
凄く好きなのですが、全被りしないようにはしたいなとは思ってます。
先の事が分かってると面白くないと思うので。
自分も読んでて楽しめるようにしたいなと思います。
期待していただけると励みになります。
273
:
名無しさん
:2025/02/28(金) 23:15:53 ID:Mp4Vd6pE0
>>272
投下ペースは作者の都合第一でいいと思うけど、投下分が読み終わってから更新が来ると付いていきやすいな
1章は自分としては早いと感じた
274
:
名無しさん
:2025/03/06(木) 23:57:28 ID:Lsr3vNzs0
楽しみにしてるお
275
:
名無しさん
:2025/03/10(月) 05:47:28 ID:N9u5t9.A0
してる
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