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613名無しさん:2025/08/08(金) 22:56:15 ID:JEBcT/Dg0

顔を上げると、雲一つない晴天の青空を独り占めしている太陽の姿があった。
つい最近までのお日様はよく鈍色の雲に閉じ込められていたからか、あまり目立てなかった梅雨頃の分を取り返そうと、躍起になっているようにも感じる。

「八月の太陽は、冬頃と比べると大きく見える」。そう言ったのは確か、夏の日射しに煩わしさを感じた昔の私だ。
夏が暑いのは地球と太陽の距離が近くなるからだと考えた、幼き頃の無知な私のことを思い出す。
まだ小学生だったということを勘定に入れれば中々可愛らしい間違いだったかもしれないが、そんな私の微笑ましい勘違いを正したのもまた、私と同い年の幼馴染だった。

地球は太陽のまわりとグルグルと回っているが、その軌道に対する地球の自転軸は垂直ではなく、23.4度傾いている。よく大きな本屋さんなどで売られている地球儀が斜めになっているのは、その自転軸を表しているのだと知ったのもあの時だ。
太陽に対して傾いた姿勢のまま公転しているから、場所によって太陽から受ける熱に違いが出る。
確かに季節ごとに地球と太陽の間の距離は変わるが、太陽高度が地球に与える影響と比べれば些末もいいところで、大した問題ではないとのこと。そして、なんなら夏は地球と太陽の距離が遠くなるらしい。

「八月の太陽が大きく見えているのなら、今すぐ眼科か脳外科に行った方がいい」だなんて、眉を吊り上げたまま得意げに意地悪な物言いをした彼の顔を、今でもよく覚えている。
もう少し大きくなった後の私なら「私がどう感じたかが大事なの」とでも言い返したのだろうなと、今更な空想が浮かんだ。


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