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( ´_ゝ`)/こちら流石探偵事務所\(´<_` )

42 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:56:45 ID:6o6EHAUo0

爪゚ー゚)「さて、一息ついたところで話を再開しようか」

( ´_ゝ`)「まずはやはり、ここに来た経緯を教えて欲しいな」

|゚ノ ^∀^)「ケイイ? ええと……畜舎から逃げて来たんです」

(´<_` )「……気のせいか、何か不穏な単語が聞こえたような」

<(' _'<人ノ「畜舎、ですか」

|゚ノ ^∀^)「は、はい。B-1地区の第三畜舎です」

( ´_ゝ`)「……一応聞いておくけど、君は家畜の世話をする仕事の人?」

|゚ノ ^∀^)「はい。家畜なので、他の家畜の世話をすることもあります」

爪゚ー゚)「ふむ? つまり君は家畜で、家畜同士で世話をすることもある、と」

|゚ノ ^∀^)「そうです」

<(' _'<人ノ「なんという……」

(´<_` )「なんだろう。酷く冒涜的な世界観だな」

(´・_ゝ・`)「なんかあんまり突っ込んで聞くと頭がおかしくなりそうだね……」

( ´_ゝ`)「とはいえ聞かんわけにもいかん。それで?」

43 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:57:18 ID:6o6EHAUo0

|゚ノ ^∀^)「はい。水浴びの時間に抜け出して、とにかく遠くまで逃げようとこっちの方まで」

( ´_ゝ`)「ああ、それであんな恰好だったのか……それで狼の群れに出くわしたわけだ」

|゚ノ ^∀^)「そうです」

<(' _'<人ノ「これは、まずいかもしれませんね」

( ´_ゝ`)「だな。畜舎からの距離は?」

|゚ノ ^∀^)「朝からずっと歩いてましたけど、真っすぐじゃないのでよくわかりません」

(´<_` )「ふむ……難しいな」

爪゚ー゚)「方向はわかるかい?」

|゚ノ ^∀^)9m「たぶん、あっちの方です」

(´・_ゝ・`)「西の方向かな? 内陸方面だね」

( ´_ゝ`)「とりあえず海沿いじゃなさそうなのは朗報。集落の規模は?」

|゚ノ ^∀^)「シュウラク? キボ?」

(´<_` )「あなたのいた地区にはどれくらいの人がいたんですか?」

|゚ノ ^∀^)「100よりはたくさんです。B地区はB-9まであります」

44 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:57:52 ID:6o6EHAUo0

<(' _'<人ノ「となると……1000以上は確実ですか」

( ´_ゝ`)「それ全部敵って考えるとゾっとしないな……」

爪゚ー゚)「まあ、真正面から争いになった時点で詰みだね」

(´・_ゝ・`)「まずくないかい? 追っ手にでも来られたら」

(´<_` )「誰かがあなたを追ってくるということは考えられますか?」

|゚ノ ^∀^)「ええと……たぶんないと思います」

( ´_ゝ`)「それは、どうして?」

|゚ノ ^∀^)「逃げ出す家畜なんて、聞いたことがないですから」

(´・_ゝ・`)「そ、それはまた……」

( ´_ゝ`)「……完璧に洗脳キマッてる、ってとこか? だが、それなら何で君は逃げ出したんだ?」

|゚ノ ^∀^)「思い出したんです」

<(' _'<人ノ「思い出した?」



|゚ノ ^∀^)「はい。私が死んだ時のことを。そして、死にたくないという気持ちを」

45 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:58:25 ID:6o6EHAUo0
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46 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:59:00 ID:6o6EHAUo0

( ´_ゝ`)「それは……どういう意味だ?」

|゚ノ ^∀^)「私は、生まれる前に一度死んだんです。たぶん」

爪゚ー゚)「……前世の記憶、ってやつかな?」

|゚ノ ^∀^)「ゼンセというのはよくわかりませんけど、思い出したんです」

(´<_` )「その、死ぬ前のことは?」

|゚ノ ^∀^)「わからないです。死んだときのことだけです」

<(' _'<人ノ「……なるほど。その時の死にたくないという想いが、洗脳教育を跳ね除けるほどのものだったと」

|゚ノ ^∀^)「痛くて、苦しくて、殺してやりたくて。……死にたくなくて」

(´・_ゝ・`)「殺してやりたい……? ということは君は、誰かに殺された?」

|゚ノ ^∀^)「たぶん。よくわかりませんけど」

(´<_` )「ふむ……。前世の記憶という話はそれなりに聞くが、どうにもな」

<(' _'<人ノ「聞いた話では、本当の話もごく稀にあるそうです。私も実際に対峙するのは初めてですが」

( ´_ゝ`)「その道の美和ちゃんが聞いたってことは本当なんだろうな。
      そして逆に、その道の美和ちゃんが対峙したことがないくらいにレアでもある、と」

47 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 22:59:33 ID:6o6EHAUo0

|゚ノ ^∀^)「それから、あったかい気持ちと一緒に浮かんできた顔もあります。
      やさしそうなおじいちゃんとおねえちゃん」

( ´_ゝ`)「むぅ……殺された相手とかじゃなくて家族か? なんか繋がってないな」

爪゚ー゚)「まあ、そんなもんじゃないかい? そもそもが不条理な出来事だしね」

<(' _'<人ノ「ですね。……それで、あなたは死にたくないと思って逃げ出した」

|゚ノ ^∀^)「はい」

( ´_ゝ`)「ってことは……近々死ぬような予定があった?」

|゚ノ ^∀^)「そうです、もうじき死ぬことになってました」

(´<_` )「あー……この先聞きたくねーな」

<(' _'<人ノ「はい……。その、何故あなたは死ぬことになっていたんですか?」

|゚ノ ^∀^)「私は食用奴隷なので。近々解体されてお肉になる予定でした」

( ´_ゝ`)「Oh...」

(;´・_ゝ・`)「うぇ……」

(´<_` )「その……思い出す前は、どういう気持ちだったんです?」

48 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:00:06 ID:6o6EHAUo0

|゚ノ ^∀^)「私たちは神様のお役に立つために生まれてきたので、とても幸せなことだと」

(;´・_ゝ・`)「……」

( ´_ゝ`)「洗脳ガンギマリすぎだろ……実は逃げ出してきたの後悔してたり?」

|゚ノ ^∀^)「いいえ、死にたくないです。今までの全てがどうでもよくなるくらい」

(´<_` )(よっぽどな死に方したのかな……)

爪゚ー゚)「僕ら、神様に攫われたある日本人を助けに来たんだけど。協力してくれる気はあるかい?」

( ´_ゝ`)(まあ、現時点でここにいるとは限らないんだけど)

|゚ノ ^∀^)「そうすれば生きられるなら」

(´<_` )「そもそも、あなた逃げ出してどうするつもりだったんです?」

|゚ノ ^∀^)「え?」

( ´_ゝ`)「追われないのが本当だとしても水とか食料とか。どうするつもりだったんだ?」

|゚ノ;^∀^)「……」

爪゚ー゚)「どう考えてもサバイバル知識なんかなさそうだしね」

( ´_ゝ`)「ここで俺らに出会ったのはマジで運がよかったな。こっちも助けるから、そっちも力を貸してくれ」

49 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:00:39 ID:6o6EHAUo0

|゚ノ ^∀^)「私にできることなら何でもします。それで生きられるなら」

( ´_ゝ`)「ん、今何でもするって言った?」

(´<_` )「脊髄反射で会話してんじゃねーよアホ」

|゚ノ ^∀^)「何でもします!」

爪゚ー゚)「であれば、この島のことをもっと色々教えて貰いたいね」

<(' _'<人ノ「そうですね。我々がこの先生きのこるためにはそれが重要です」

|゚ノ ^∀^)「私が知ってることなら何でも聞いてください」

( ´_ゝ`)「そりゃ助かるな。だが何から聞いたもんか」

(´<_` )(知識量かなり少なそうだし、常識が違いすぎるから聴き方も結構難しそうだ)

爪゚ー゚)「それじゃあ取り調べを始めようか、佐須田くん」

( ´_ゝ`)「取り調べじゃねーし佐須田くんでもねーよ」

<(' _'<人ノ「では、真理男くん達が先に夜番ですか?」

(´<_` )「そうなるな」

50 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:01:13 ID:6o6EHAUo0

(´・_ゝ・`)「僕はどうすればいいかな?」

( ´_ゝ`)「魔術講義する暇もなさそうだし、先休んでてよ」

爪゚ー゚)「そうだね、その方が人数バランスもいいし」

(´・_ゝ・`)「わかったよ」

(´<_` )「それじゃ、俺らは寝るぞ」

<(' _'<人ノ「真理男くん、よろしくお願いします」

( ´_ゝ`)「おう」

爪゚ー゚)「……さて。コーヒーのおかわりはいるかい?」

|゚ノ ^∀^)「オカワリ?」

( ´_ゝ`)「その概念もないか。もう一杯飲むかってこと」

|゚ノ ^∀^)「飲みたいです」

( ´_ゝ`)「おし、ちょっと待ってな」



 ―――。

51 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:01:47 ID:6o6EHAUo0
        パチ     `   ,ヾ、
               ` ヽ、 ,ノ )´( 、 ノY
                ) Y  人 .Yィ
                 (:.、)ノ'  ノ ,(.ノY '  パチ
        パチ   _,ノ   .. .   .ソ
            `ヘ(   从;: .:.   ノ
          i /_)   ,; .      Y
            ⌒ヽ   .;:..  ...::;, ヽ
          丶 _人ノ,  ...     . ; (
            从ヽ        ..;,ノ
         r===<彡イ二 ヘ;#;;从ノ="(ン(",,
        (\,ノ´フ,{='に}/{てニ}r=ィへ,)≡==-
        >`てk-'ト、iノ//ヽ)ー'レr小)人ミ三≧
        (ノメ'トf  //けi」(ノ'(ツハ)ト)三≧
           ^^''"'"ケ) (ハ)"(ハ)ヽ)"^^

52 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:02:20 ID:6o6EHAUo0

( ´_ゝ`)「で、だ。何から聞こうか」

爪゚ー゚)「僕としてはあれかな。レモナ、君って魔術は使えるのかな?」

|゚ノ ^∀^)「いいえ、家畜なので」

( ´_ゝ`)「ほう、そういうものなのか」

|゚ノ ^∀^)「はい、魔術は信徒様が使うものなので。信徒様から家畜になった人は使えたりしますけど」

爪゚ー゚)「信徒様ねぇ。そもそも、そういった身分はどういったものがあるのかな?」

|゚ノ ^∀^)「一番偉いのは神様です。人間の中では教皇様、祭司長様、祭司様、信徒様です。その下に奴隷と家畜がいます」

( ´_ゝ`)「なるほど。神様というのは鮫の頭をした奴らであってるか?」

|゚ノ ^∀^)「はい。それから、神様が使う使徒様は信徒様と同等の扱いです」

爪゚ー゚)「それは、魚から手足が生えた?」

|゚ノ ^∀^)「そうです」

( ´_ゝ`)「神様や使徒様の中で上下関係とかはあったりするのか?」

|゚ノ ^∀^)「それは知りません。教えられていないので」

爪゚ー゚)「ふむ、なるほどね」

53 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:03:04 ID:6o6EHAUo0

( ´_ゝ`)「それぞれどれくらいの人数がいるかわかったりは?」

|゚ノ ^∀^)「たぶん家畜と奴隷が一番多いと思います。教皇様は一人しかいません。祭司長様は何人かいるらしいです。
      ただ、どっちも普段は外にいるって聞いてます」

爪゚ー゚)「神様はどれくらい?」

|゚ノ ^∀^)「わからないです」

( ´_ゝ`)「B地区以外ではどういった地区があるんだ?」

|゚ノ ^∀^)「ええと……神様が住んでいるA地区、物を作っているC地区、お米とかを作っているD地区、魚を獲っているE地区です」

爪゚ー゚)「それぞれの位置関係はわかるかい?」

|゚ノ ^∀^)9m「あっちの方にA地区、あっちの方にC地区、あっちの方にD地区があるらしいです」

( ´_ゝ`)「A地区が北、C地区が西、D地区が南か」

爪゚ー゚)「……彼女の方向感覚があっているなら、だけどね」

( ´_ゝ`)「ちなみにレモナ。君は他の地区に行ったことは?」

|゚ノ ^∀^)「B-1地区から出たことはないです」

爪゚ー゚)「むぅ」

54 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:03:38 ID:6o6EHAUo0

( ´_ゝ`)「米と言ってたが。米が主食なのか?」

|゚ノ ^∀^)「シュショクというのはわかりませんが、お米はよく食べます」

爪゚ー゚)「他によく食べるものは?」

|゚ノ ^∀^)「お魚や貝や海藻です。お野菜はたまに、あとは程度の悪い家畜の肉は私たちが食べることもあります」

(;´_ゝ`)「Oh...」

爪;゚ー゚)「それは……思う所はないのかい?」

|゚ノ ^∀^)「家畜なんかに食べられるのは可哀想だなあ、とは」

(;´_ゝ`)「な、なるほど……」

|゚ノ ^∀^)「死にたくない今では、絶対に嫌ですけど。前はできれば神様に食べて貰いたいなあとか、そんな感じでした」

爪;゚ー゚)「いやあ思った以上にヤバいなあ……ハハハ」

(;´_ゝ`)「いや全く。流石の俺らでもドン引きするレベル」

|゚ノ ^∀^)「?」

爪゚ー゚)「とはいえ君はいざとなれば人肉くらい普通に食べそうだけどね?」

( ´_ゝ`)「……まあ否定はせん。大事の前の小事であれば、だが」

55 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:04:13 ID:6o6EHAUo0

爪゚ー゚)「僕は正直割り切るの厳しいかもなあ……食べられる方なら多少興味あるけど」

( ´_ゝ`)「えぇ……?」

爪゚ー゚)「想像するとちょっと興奮しないかい?」

( ´_ゝ`)「しない」

爪゚ー゚)「えぇ……?」

|゚ノ ^∀^)「あ、わかります」

( ´_ゝ`)「えぇ……?」

爪゚ー゚)「恐らく、それも家畜の教育システムに組み込まれてるんだろうね」

( ´_ゝ`)「教育もされてないのにそうなってる奴がここに」

爪゚ー゚)「そりゃ、天然がいなきゃ人工もいないだろうさ」

( ´_ゝ`)「一番アレなとこを普通に体現しないで欲しいんだけど??」

爪゚ー゚)「いや、食べられたいってだけなら実に平和的な話じゃないか」

( ´_ゝ`)「平和って何だっけ??」

爪゚ー゚)「平和? "双方が納得している"ってことじゃないのかい?」

( ´_ゝ`)「……普通に同意できちまうのが腹立つ」

56 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:04:46 ID:6o6EHAUo0

爪゚ー゚)「……しかし、大きいな」

( ´_ゝ`)「ん? レモナの魔力の話、か?(いくら地流さんでもここで乳の話じゃない、よな?)」

爪゚ー゚)「そう。明らかに僕より多い。君よりはちょっと少ないかな?」

( ´_ゝ`)「そりゃまた。訓練も何もなしで、ってなると」

爪゚ー゚)「魔力操作の素質さえあれば、普通に天才レベルかもしれない」

|゚ノ ^∀^)「え?」

( ´_ゝ`)「もしかしたら、だが。だからこそ前世の記憶が蘇ったのかもな」

爪゚ー゚)「なんとなくだけど、因果が逆な気はするかな。じゃなきゃ、生まれつき魔力が多い人は大体前世の記憶を持ってることになる」

( ´_ゝ`)「あー、確かに一理ある。ってことは逆か、前世の記憶が蘇ったことによって魔力量が増えた」

爪゚ー゚)「そっちの方がしっくり来るね。それによって前世の魔力量を引き継いだ、とか」

( ´_ゝ`)「……その理屈で言うと前世は魔術師っぽいかな」

爪゚ー゚)「僕はそう思ってる。だから、何なら教えれば今すぐ魔術使えそうだなって」

( ´_ゝ`)「ふむ、試してみるか?」

|゚ノ ^∀^)「???」

57 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:05:20 ID:6o6EHAUo0
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58 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:05:53 ID:6o6EHAUo0

|゚ノ;^∀^)「あっ!?」

( ´_ゝ`)「マジでできちゃった」

爪゚ー゚)「ふっ、僕の勘も捨てたもんじゃないね」

( ´_ゝ`)「おめでとう、これで君は今日から魔術師だ、レモナ」

|゚ノ;^∀^)「……」

爪゚ー゚)「おや? あまり嬉しそうじゃないね?」

|゚ノ;^∀^)「び、びっくりして……」

( ´_ゝ`)「よかったな、これで俺らが健闘虚しく全滅しても水には困らないぞ」

爪゚ー゚)「いや、水だけじゃどうにもならんでしょ。それに全滅とか縁起でもない」

( ´_ゝ`)「まあそうなんだが」

|゚ノ;^∀^)「まさか私が魔術を使えるなんて……」

爪゚ー゚)「ふふん、僕の慧眼を称えるがいい」

( ´_ゝ`)「すごいなー、あこがれちゃうなー」

爪゚ー゚)「それほどでもない」

|゚ノ ^∀^)「???」

59 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:06:27 ID:6o6EHAUo0

( ´_ゝ`)「そうとわかれば護身用の魔術仕込んどきたいな」

爪゚ー゚)「僕は戦闘用の魔術は無理だよ?」

( ´_ゝ`)「俺も強化しか使えん。……明日弟者と美和ちゃんに頼むか」

爪゚ー゚)「だね。レモナが戦力として数えられれば多少なり生存率上がるし」

|゚ノ ^∀^)「あの……?」

( ´_ゝ`)「そういえば。一応聞いておくけど、戦い方とかは知ってる?」

|゚ノ ^∀^)「えっ?」

爪゚ー゚)「格闘技、武術、狩猟、何でもいいけど。何か身を守るための暴力は身に着けているかな?」

|゚ノ ^∀^)「いいえ、そういうのは特に……」

( ´_ゝ`)「ま、だろうな。であれば強化は教えても意味がない」

爪゚ー゚)「やっぱ美和達に任せるしかないか。……あ、念話と探知は伝授しておきたいな」

( ´_ゝ`)「それはでかいな。あるとないとじゃ大違い」

|゚ノ ^∀^)「ネンワ? タンチ?」

爪゚ー゚)「ま、使ってみりゃわかるよ」



 ―――。

60 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:07:01 ID:6o6EHAUo0
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61 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:07:35 ID:6o6EHAUo0

(´<_` )「はよっす」

<(' _'<人ノ「おはようございます」

(´-_ゝ・`)「ふぅ……なかなかきついね」

( ´_ゝ`)「確かにきつい。レモナの探知が形になったらローテを改めたい」

(´<_` )「……? その口ぶり、レモナさんは」

爪゚ー゚)「いやあ、これが出鱈目に優秀でね。明日、君らに戦闘用の魔術を仕込んで貰えたら完璧かな?」

( ´_ゝ`)「正直、"習得している"というよりは"思い出している"って感じ」

<(' _'<人ノ「なるほど……前世の記憶持ちですし、そういうこともあるのかもしれません」

(´・_ゝ・`)「え、もしかしてレモナさんも手から水が」

( ´_ゝ`)「もう出ちゃう」

(´・_ゝ・`)「えぇ……」

爪゚ー゚)「まあまあ、盛岡さんも素質はあると思うから。チートバグミズチと比べず頑張って貰いたい」

(´<_` )「ミズチは余計ですが」

爪゚ー゚)「そうかい?」

(´<_` )「そうです」

62 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:08:08 ID:6o6EHAUo0
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63 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:08:41 ID:6o6EHAUo0

<(' _';<人ノ「っ……!?」














  Case12「海色の声」
  Day5B「目覚めたる家畜」

                          To be continued...

64 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/08(月) 23:09:15 ID:6o6EHAUo0
今回はここまで

65名無しさん:2024/01/09(火) 06:13:38 ID:Pew1p5C60
乙!
ウスとズン類を思い出すなぁ

66名無しさん:2024/01/10(水) 19:48:30 ID:w83eBc9s0
乙乙
戦力確保たすかる

67名無しさん:2024/01/11(木) 06:50:56 ID:wQGZVioc0

目覚めよその魂…ってこと!?

68 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/12(金) 01:38:44 ID:MptzWBWU0
>>65
爪'ー`)y‐「そうでなければ困る」

>>66
マス ゚ o ゚)ミ「若葉マークのゴミカスを戦力とは言わんで」

>>67
(‘_L’)「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声」

69 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/12(金) 01:39:18 ID:MptzWBWU0
リ゚▽゚ リ<l「進捗40%」

70名無しさん:2024/01/14(日) 05:44:19 ID:RTE1.bsM0
ミノ皿展開

71 ◆KDJGUfbY2o:2024/01/26(金) 02:05:35 ID:EDRrB.gM0
リ゚▽゚ リ<l「進捗80%(戸愚呂)」

72名無しさん:2024/01/27(土) 13:50:08 ID:BOsZdxQg0
全裸待機
  +   +
   ∧_∧  +
 (0゚・∀・)ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +

73 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:11:19 ID:nf6dnQx20
>>72
リ゚▽゚ リ<l「待 た せ た な」

74 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:16:47 ID:nf6dnQx20
前回のあらすじ
・わ、私は007……B-1地区の007番です
・ここで俺らに出会ったのはマジで運がよかったな。こっちも助けるから、そっちも力を貸してくれ
・っ……!?


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 |  流石だよな、俺ら  |
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    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

75 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:17:20 ID:nf6dnQx20
Case12-Day6
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76 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:17:54 ID:nf6dnQx20

<(' _';<人ノ「い、今のは……!?」

(;´_ゝ`)「視線、か……?」

(´<_` )「何だ、どうした?」

(;´_ゝ`)「地流さん、アクティブ探知頼む」

爪゚ー゚)「ふむ。……これといった反応はないね」

<(' _';<人ノ「ということは、超長距離……?」

(;´_ゝ`)「いや、木々の多いこの視界でそれは……」

爪゚ー゚)「透視系の魔術、とか?」

(´<_` )「……見られてたってのは間違いないのか?」

<(' _';<人ノ「恐らく……」

(;´_ゝ`)「右に同じ」

(´・_ゝ・`)「……空、とか?」

(;´_ゝ`)バッ!

77 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:18:27 ID:nf6dnQx20
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78 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:19:00 ID:nf6dnQx20

(;´_ゝ`)「……何もないな」

<(' _';<人ノ「ないですね」

爪゚ー゚)「うーん……上空も探ってみたけど、やっぱり何もなさそうだ」

(´<_` )「二人の気のせいってことはないのか?」

( ´_ゝ`)「ぶっちゃけありえる」

<(' _'<人ノ「この状況ですからね……。動物か何かの視線を勘違いした可能性も」

( ´_ゝ`)「殺気とか悪意は感じなかったしな……案外そういうオチかもしれん」

(´・_ゝ・`)「で、どうするんだい? 移動する?」

( ´_ゝ`)「いや……やめておこう。今々こんな所で発見されるようじゃ、逃げてもすぐ捕捉されるのが目に見えてるし」

<(' _'<人ノ「そう、ですね……。ここは体力を温存しましょう」

爪゚ー゚)「……じゃあ、僕らは予定通り寝るかな」

<(' _'<人ノ「そうしてください」

( ´_ゝ`)「何かあったらすぐ起こしてくれ」

(´<_` )「任せろ」



 ―――。

79 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:19:33 ID:nf6dnQx20
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80 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:20:07 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「結局何もなかった、か」

(´<_` )「明け方とかちょっと不安だったが」

<(' _'<人ノ「やはり、勘違いだったんでしょう。泳がされているというのも考えにくいですし」

(´・_ゝ・`)「どうだろう。彼らの思考を僕らの常識で測り切れるのかな?」

( ´_ゝ`)「一理ある。……うーん、とはいえ打つ手がないしな」

<(' _'<人ノ「もしそうだったとして、放っておくしかありませんね……」

(´<_` )「こっちの探知の範囲外から遠視かけてくるような相手なら、どのみち逃げ切れんか」

( ´_ゝ`)「そうなる。よってその可能性は度外視する」

爪゚ー゚)「相変わらず良い割り切りっぷりだ」

( ´_ゝ`)「考えてもどうしようもないことに脳のリソースを割きたくねぇ」

(´・_ゝ・`)「道理ではあるけど、そこまで割り切れないなあ」

(´<_` )「……それで。じゃあ、予定通り食料調達か?」

( ´_ゝ`)「ああ。それと、可能なら集落方面に偵察にも行きたい」

(´<_` )「……大丈夫なのかそれ?」

81 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:20:40 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「レモナの話によれば、B地区は恐らくいけるはずだ。
      信徒が急に訪れるなんてこともそれなりにあるようだからな」

爪゚ー゚)「逆に、鉢合わせしそうで怖いねそれ」

( ´_ゝ`)「無論そのリスクはあるがな。今のままじゃ敵の動きを察知できんし、今後のことを考えるともっと情報が欲しい」

<(' _'<人ノ「まあ、案外大丈夫なのでは? 問答無用で襲い掛かってあちらが偽物ということにしてしまえば」

(´<_` )「何言ってんだ美和ちゃん、戻ってこなきゃ普通にバレるだろ……」

爪゚ー゚)「ふむ、とっちめた上で夢の臨界かけちゃうのはアリかな?
     情報も取れるし、誤魔化しもうまいことできそう」

( ´_ゝ`)「アリだな。その手があれば遭遇リスクもそこまで怖くはない」

(´<_` )「うまいことコントロールできるかは懸念だが」

爪゚ー゚)「相手の内面にかなり左右されるからね。まあ誤魔化す程度ならいけるでしょ」

<(' _'<人ノ「わたつみの兵がいた場合が厄介ですね。あれにも効くんでしょうか?」

( ´_ゝ`)「……それは正直怪しいと言わざるを得ない」

(´<_` )「ポイントはそこか。早期発見できないと厳しいな」

爪゚ー゚)「まあ、魔力隠蔽なんてしそうにないからパッシブですぐわかるさ。問題ない」

82 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:21:15 ID:nf6dnQx20

(´<_` )「……そういえば清浦さんが言ってたな。あいつら隠密には向かないって」

( ´_ゝ`)「見たまんまで助かる」

爪゚ー゚)「そこの裏も取れてるなら、リスクは対処可能なレベルまで落とし込めるね」

<(' _'<人ノ「では、まずは食料調達。その後、B地区に偵察ですか」

( ´_ゝ`)「うむ。そうと決まればパパッと食料調達しちまおう」

(´<_` )「そうは言うがそうパパっといくものか?」

( ´_ゝ`)「カロリーベースでのメインは魚介になりそうだから盛岡さん次第」

(´・_ゝ・`)「いや、漁は割と運次第なんだけど」

爪゚ー゚)「だ、そうだけど?」

( ´_ゝ`)「まあ、駄目なら鹿でも探すか。昨日も川で見かけたし」

<(' _'<人ノ「そちらも見つかるかはわかりませんけどね」

(´<_` )「結構自然は豊かな感じだし、意外と何とかなるかもな」

( ´_ゝ`)「ちらっと川行っただけで鹿と狸とトキがいたくらいだからな」

(´・_ゝ・`)「確かに、そう考えると川や海も生き物が多いのかも」

83 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:21:48 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「レモナ。実際のとこ魚介の取れ高とかはどんな感じなんだ?」

|゚ノ ^∀^)「トレダカ?」

爪゚ー゚)「魚が獲れなくて困る、なんて話は聞いたことあるかな?」

|゚ノ ^∀^)「ええと……ないです」

(´<_` )「そもそも食べ物が少ない……ってことはなさそうだ、な」

<(' _'<人ノ「累次くん」

(´<_`;)「えっ?」

爪゚ー゚)「ふっ、どこを見て言ってるんだい?」

(´<_`;)「や、そんなつもりは……」

<(' _'<人ノ「……やっぱり、大きい方がいいですか?」

(´・_ゝ・`)(心配しなくても貧乳派でしょ、彼)

( ´_ゝ`)「馬鹿を言うな、弟者は妹者に欲情するロリコンだぞ?」

<(' _'<人ノ「いくらピーちゃんでも累次くんは渡しませんよ?」

(´<_` )「兄者、ちょっと黙れ。美和ちゃんはちょっと落ち着こうな?」

84 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:22:41 ID:nf6dnQx20

(´<_` )「俺が信じられないってんなら殺せ。美和ちゃんに殺されるなら本望だ」

<(' _'<人ノ「えっ?」

( ´_ゝ`)「自分からもっとややこしくすんなアホ」

爪゚ー゚)「だよね。どれだけ美和の乳が好きか熱弁でもすればいいのに」

(´<_` )「黙っててもらえます?」

(´・_ゝ・`)「……いやあ良い天気だなぁ〜」

|゚ノ ^∀^)「???」

( ´_ゝ`)「おっ、そうだな。実に良い天気だ」

爪゚ー゚)「そうだね。絶好の狩猟採集日和だなぁ〜」

( ´_ゝ`)「というわけで先に行ってるゾイ」

爪゚ー゚)「美和、レモナのこと頼むね?」

<(' _'<人ノ「えっ?」

( ´_ゝ`)/「さあ出発進行だ、地流さん、盛岡さん」

(´・_ゝ・`)「え、あ、うん……」

85 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:23:15 ID:nf6dnQx20

(´<_` )「……美和ちゃん」

<(' _'<人ノ「は、はい」

(´<_` )「俺は、兄者流に言うなら君に片腕を捧げているつもりだ」

<(' _'<人ノ「ん……」

(´<_` )「加えて、敢えて俗なことを言うなら……」

<(' _'<人ノ「……言うなら?」

(´<_` )「君の全てが好きだ。凛々しい顔も、素晴らしい張りの小さな胸も、引き締まった腹筋も。
      貴き志も、その強さも、うまいもんにがっつくとこも、意外に嫉妬深いとこも、全てだ」

<(' _'*<人ノ「……」

(´<_` )「正直今でもわからない。俺なんかが君のパートナーで良いのかって」

<(' _'<人ノ「いいえ。累次くんが良いんです」

(´<_` )「兄者がいなきゃ何もできない陰キャだぞ?」

<(' _'<人ノ「真理男くんがいなければ私を助けてくれなかったんですか?」

(´<_` )「いや……それは、ない」

<(' _'<人ノ「だから大好きですよ、累次くん」

86 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:23:49 ID:nf6dnQx20
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87 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:24:22 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)ノシ「おーい、戻ったぞ」

爪゚ー゚)ノシ「大漁大漁!」

(´・_ゝ・`)「いやーほんとよく獲れたね」

(´<_` )「うわ、すげーなそれ」

<(' _'<人ノ「流石は元漁師さんですね」

( ´_ゝ`)「よい、しょっと」

ドンッ!

|゚ノ ^∀^)「わっ!?」

(´・_ゝ・`)「いやいや、僕はただ居そうなポイントを教えただけだけどね」

爪゚ー゚)「まさか素潜りで鮫やクロアナゴと格闘した末に仕留めてくるとはね」

( ´_ゝ`)「伊達に伝説の猟師の息子やってねーからな」

(´<_` )「いや猟師であって漁師ではないんだが」

( ´_ゝ`)「そうか?」

(´<_` )「そうだ」

88 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:24:56 ID:nf6dnQx20

  、_
  ヽ::\_
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89 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:25:29 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「いやー、新鮮な鮫は刺身もうまいんだねぇ。初めて食べたよ」

( ´_ゝ`)「俺もだが。思った以上にうまいな刺身」

<(' _'<人ノ「マグロの中トロみたいですね。おいしいです」

(´<_` )「焼きもうまいな。意外なほど癖がない」

(´・_ゝ・`)「鮫は新鮮なら結構いけるよ、足が速いけどね」

( ´_ゝ`)「クロアナゴは山椒焼きにしてみた」

|゚ノ ^∀^)「おいしいです」

(´<_` )「山椒は強いな、多少臭いもんも旨味に変える」

爪゚ー゚)「この山は結構自生してるみたいだね」

( ´_ゝ`)「正直助かる。多少獣臭い肉でも何とかなるからな」

(´<_` )「コショウはそこそこあるとはいえ、香草系は優先的に確保しときたいな。食生活に雲泥の差が出る」

( ´_ゝ`)「ああ。塩は海水である程度何とかなるが、スパイスは割と生命線」

爪゚ー゚)「うまいもん食べないとやってらんないからね、正直」

<(' _'<人ノ「しっかり英気を養って、みんなで脱出しましょう」

90 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:26:08 ID:nf6dnQx20

(´・_ゝ・`)「あれ……? そういえば鮫って食べて大丈夫なのかな?」

( ´_ゝ`)「……言われてみれば。どうなんだレモナ?」

|゚ノ ^∀^)「えっ?」

爪゚ー゚)「レモナの反応が答えじゃないかい?」

(´<_` )「……まあ、禁忌であれば何かしら反応はありますか」

( ´_ゝ`)「あくまで見た目が似ているだけ、ってことだな」

<(' _'<人ノ「レモナさん。鮫を食べるのは問題ないんでしょうか?」

|゚ノ ^∀^)「問題……? ないです。あれが神様に似ていると言うのは」

<(' _'<人ノ「言うのは?」

|゚ノ ^∀^)「とても怒られます。罰、です」

(´<_` )「なるほど」

( ´_ゝ`)「自意識過剰かよ」

爪゚ー゚)「ま、そんなもんなんじゃないかい? 信者数たぶん世界一位の某4文字様も言ってるし?」

( ´_ゝ`)「それ以上いけない」

91 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:26:41 ID:nf6dnQx20
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92 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:27:15 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「さて、それじゃB地区潜入やってくぞー」

(´<_` )「それはいいが、どういう設定で行くんだ?」

( ´_ゝ`)「普通に視察という名の悪趣味な遊びに来た信徒様として。レモナの話じゃ結構いるらしいからな」

<(' _'<人ノ「作戦目的は?」

( ´_ゝ`)「正直、家畜の人たちの持ってる情報は必要とは思えん。
      信徒の誰かを捕らえて情報引き出したいとこだ」

爪゚ー゚)「メンバーはどうする? 君は確定として」

( ´_ゝ`)「俺と地流さんとレモナで」

(´<_` )「む。それは戦力的に大丈夫なのか?」

( ´_ゝ`)「念話とか探知が重要だから地流さんは確定。道案内としてレモナも確定。
      竜宮会の変装は3セットだから他三人は留守番」

爪゚ー゚)「あー……変装の選択ミスったかもね」

(´<_` )「ですね……まあこんなことになるとは思ってなかったですし」

(´・_ゝ・`)「二人いてくれるなら僕としては心強いけど」

<(' _'<人ノ「盛岡さんがいらっしゃれば私達で食料調達もしておけそうですね」

93 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:27:48 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「そうだな。深夜に戻るつもりだから、その時にメシにありつけると助かる」

(´<_` )「わかった、そのつもりで動こう」

<(' _'<人ノ「盛岡さん、よろしくお願いしますね」

(´・_ゝ・`)「どうかな、釣りだと結構運だから……」

(´<_` )「……農耕普及前の人類はさぞ大変だったろうなと実感する」

爪゚ー゚)「だねぇ。穀物は偉大だ」

( ´_ゝ`)「化学肥料もだな。あれはリアルチート」

(´<_` )「化学肥料がなきゃ俺らのうち何人が生まれられたことか。あれこそ人類の叡智そのものだ」

<(' _'<人ノ「世界の人口が5倍に増えたわけですからね……逆に言うと、」

爪゚ー゚)「ある日突然化学肥料がなくなれば、ざっと50億人くらいは死ぬわけだ」

( ´_ゝ`)「まあオーガニックとか意識高いブルジョアの贅沢品でしかないわな。群馬県民はみんな知ってる」

(´<_` )「科学の信奉者としてオーガニック教とは相容れない。宗教戦争になる」

爪゚ー゚)「おや、意外な一面だね。信奉とか一番しそうにないのに」

(´<_` )「人類の力そのものですからね、そりゃ信奉もしますよ。科学のない人類なんてとうに滅びていたでしょう」

94 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:28:22 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「その割にはオカルトとか好きじゃん」

(´<_` )「未知を解き明かしていくことこそが科学だからな。未知を嫌うものではない」

爪゚ー゚)「ふむ、一理ある。実に探偵らしい理由をありがとう」

(´・_ゝ・`)「探偵らしいのかな……?」

( ´_ゝ`)「話が盛大に脱線したが、そろそろ準備に取り掛からんと」

<(' _'<人ノ「行き帰りを考えるとそうですね」

爪゚ー゚)「まずは変装か。レモナ、こっちに来たまえ」

|゚ノ ^∀^)「? はい」

( ´_ゝ`)「パパッとやって出発すんぞ」

爪゚ー゚)「記憶ベースで手伝うよ」

( ´_ゝ`)「正直たすかる」



 ―――。

95 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:28:55 ID:nf6dnQx20
【B-1地区】
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//// /.:. 从八/:|/:|/し(/ /.:.///:/.:/:/ノiノ://.:////.:.:/://.://ノ(.:/.:\{/:/.:./.:/⌒.:/.://.:./.://.:/.:/:///:/.://
// ̄二ニ=-/ :/.://.:./.://///::/.:/:/\/|/ ////|.:/.:/´ ̄`ニ=-//\.:\//!.::/:⌒ヽ:、:/.://|∨://.:/:/.://
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96 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:29:28 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「むぅ……ここがB-1地区か」

爪゚ー゚)「思ったより近かったね……」

( ´_ゝ`)「ああ。いなくなっても探されないってのも納得だ、山が近すぎる」

爪゚ー゚)「熊や狼に襲われるなんて普通にありそうだもんね」

レ ´∀`)「はい。たまにあります」

( ´_ゝ`)「何年もかけて育てといてそれは、と思うんだが」

爪゚ー゚)「まあ、それだけ大量生産大量消費ってことだろうね。
     サイクルが回ってればそれほどの損害ではない」

( ´_ゝ`)「ミイラ取り量産するより良い、ってとこか」

爪゚ー゚)「我々のように十何年もかかるならともかく、ね」

( ´_ゝ`)(このワガママボディが9歳とか真面目に考えたら頭おかしくなる……)

レ ´∀`)「?」

爪゚ー゚)「……ま、逆に言うと。この地区には熊や狼を狩って回れるだけの戦力はない」

( ´_ゝ`)「そこはプラス要素だな。まあ、わたつみの兵が山歩きに向かないってのは弟者も言ってたし」

爪゚ー゚)「信徒が山狩りして、ってほど労力割くほどのことじゃないってことだろうね」

97 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:30:01 ID:nf6dnQx20
【畜舎】
   _        _
   |   ̄ ̄''ー‐ー- !  ``'=t-、.__            ヽ、__| | | | |           ヽ. . . . .\ \
   |        |     `‐ 二`ー- .__         ``¬- .」            ヽ. . . . ヽ  ヽ
   |        |        T¬- ._"'''‐ー-、_                      ヽ. . . . .、 ヽ
   |        |        ,|: : : : : : :`''ー‐--、二`‐ー-、.__                  \. . . ヽ  ヽ
   |        |        ,|: : : : : : : : : : : : : : :`''ー‐--、二`ー- ._              ヽ. . . .ヽ  ヽ
   |        |        ,|: : : ______----一――l   ``¬--、二‐‐-、.__         \. . . . 、  ヽ
   |        |        f´"~ ̄: ::!: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : ``.┬-、二== 、____  ヽ. . . .\   ' 、
   |        |        ,|: : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : | .|         |..__ヽ. . . . .ヽ、 ` 、
   |        |        ,|: : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : | .|        ├ー-二|. . . . . . ' 、 \
   |        |        ,|: : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : | .|        |   !. . . . . . . . ` 、 ┐
   l        ├ 、 _       !: : : : : : :!: : : : : : : : : : : : : !: : : : : : : : : : : : : : | .|        |   !. . . . . . . . . . .ヽ !
  |        ! ヽ ``‐- ._  !: : : : : : :!: : : : : : : : : : : : :,|---__: : : : : : : :| .|         |   !―~~ ̄~~~ ̄ ̄
  |        !  ',     丿|‐ー--- ┤ ̄ ''ー‐ --- _!.         ー --.| .|         |    .!
':'`'`',:'':'..,:'':'`'`',:'':'`',ゝ   ヽ   ,'  |     .|          .|  川Q_Q川    |  !.________|    .|
'`',:'':'`'.,:'':'`'`',:'':'`',.,:'':'`'`',:'':'`',.,.'   !     |         .|.  (    ),,..-‐-.|  ! \     / |    .|
.',:'':'`,:'':'`'`',:'':'`.,.,:'':'`'`',:'':'`','`',':'`:', |     |-------------|-.  ヽ   /.――‐!  |   \ ./.  |   .|
.'':' ,:'':'`'`',:'':'`.,.,:'':'`'`','':'`.,"'`',',,"'`.', | |二二二二|     |二二二二| 仆'''''''⌒ |  |     .X.    |   .|

98 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:30:35 ID:nf6dnQx20

(;´_ゝ`)"うわ……想像はしてたがすげー光景だ。マニア向けAVかよ"

爪゚ー゚)"……ちょっと興味あるなあ、家畜生活"

( ´_ゝ`)"あっ、そうですか……"

川Q_Q川「ン……?」

爪゚ー゚)9m「おい! そこの家畜、No.099!」

川;Q_Q川「は、はい!」

爪゚ー゚)「我らは所用にてC地区から参った信徒である。B-1地区の区長の下まで案内せよ」

川;Q_Q川「はい、信徒様!」

( ´_ゝ`)"まあ場所はわかってるんだが、俺らだけで向かうよりもカモフラージュになる"

爪゚ー゚)"だね。しかし区長か……まあ、いるよね。レモナの当初の説明にはなかったけど"

( ´_ゝ`)"管理する立場の人間がいないわけがないからな。まあ管理すらほぼ家畜任せのようだが"

爪゚ー゚)"各区の区長が唯一B地区に居住する信徒……一体どんなクソ野郎だろうね?"

( ´_ゝ`)"左遷職場っぽいからな、案外逆にマトモだったりするかもしれんぞ?"

爪゚ー゚)"いや、僕が言うのもなんだけどマトモだったら頭おかしくなるでしょこんな環境……"

99 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:31:08 ID:nf6dnQx20
【B-1区庁舎】
                                    ヽ /
                                  ||
                                    /ニ/ニi
                                    |  |  |
                                    | /ii\
                   ____________/ /^\\
              /                 / //. \ \\
              /                    / //.     \ \\
          /___________/ //.|.        |\ \\
            | ||               l三l/ || | ,-、   ,-、 | .| \/
            | ||                | || | |.|.|   |.|.| | .|
            | ||                | || | |T|   |T| | .|
            | ||                |_|| | |.|.|   |.|.| | .|
            | ||__________./ || |il二l  il二l | .|
          /| ||              / /|| |.        |.!\
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       /                    / //  || |.    _  |.!  \\
     /                    / //    || |  ./ヾ\|.!    \\
i    l二二二二二二二二二二 / //      || |. /(゚ぴ)i | | .|     | |\\
      | ||.             l三l/| |     .|| | |ニニニ| | | .|     | |  `´
      | ||               | | |     .|| | | i::i i:| | | .|     | |
      | ||.    ´lヽ    ´lヽ   | | |.  ´lヽ {I} | | i::i i:| | | .|.´lヽ | |
      | ||   |┼|    |┼|  | | |   ┼| || | | i::i i:| | | .| ┼| | |
      | ||   |||    |||  | | |   || || | |.‐i::i‐.i:| | | .| │| | |
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      | ||               | | |     .|| | |ニニニ| | | .|     | |

100 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:31:42 ID:nf6dnQx20

川;Q_Q川「ここです、信徒様!」

( ´_ゝ`)"石造り……というかコンクリ、か? これは"

爪゚ー゚)"見た感じコンクリっぽいね"

レ ´∀`)"コンクリ……?"

爪゚ー゚)「案内ご苦労。もう帰っていいぞ」

川;Q_Q川「で、では失礼します!」

( ´_ゝ`)"地流さん、中の様子は?"

爪゚ー゚)"ふむ……魔力高めなのが三人。それ以外は十人以上いるみたいだ"

( ´_ゝ`)"ふむ。三人中二人は護衛とかかな?"

爪゚ー゚)"レモナ、どうなんだい? 区長はいつも誰かを連れている?"

レ ´∀`)"はい。見かけた時は、奴隷が一緒です"

( ´_ゝ`)"ちなみに地流さん、魔力はどんなもん?"

爪゚ー゚)"三人とも僕よりは多いかな? 君よりは少ない"

( ´_ゝ`)"うーむ……何とか不意を打ちたいとこだな。やはり外出を待つしかないか"

101 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:32:16 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)"それが無難だけど"

( ´_ゝ`)"しかし、隠れるのに丁度よさそうな場所がないな……"

爪゚ー゚)"付近の建物はどれも人が出入りしてそうだからね"

( ´_ゝ`)"もうちょい離れた場所で探すか? 入口を中心にパッシブ探知が許す範囲で"

爪゚ー゚)"ふむ……それほど距離は取れないけど、多少は選択肢が増えるか"

( ´_ゝ`)"まあ、奴隷しかいない建物であれば乗っ取りも可能そうではある"

爪゚ー゚)"ただ、後が面倒だね。一人なら夢の臨界でどうとでもなるけど"

( ´_ゝ`)"だから、できれば普段使わない倉庫的な建物がいい"

爪゚ー゚)"そんな都合のいい建物があるといいけど、ね"

( ´_ゝ`)"駄目で元々、探してみるとしよう。行くぞ、レモナ"

レ ´∀`)"はい"



 ―――。

102 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:32:49 ID:nf6dnQx20
【倉庫】
.: .:::.. ... :. .::.. ....: .: ... .. . .                 ll               .   .. .:...:... .. . .  ... ....:::::.
: .:::.. ... .:... .. . .                    , -┴- 、                    .... ...:.:.::::..... ...:::.
 ..::::. ...::                     /-──‐-ヽ                    .:...:... .. .:::::.:.
\\::...                         (.   (  ,)   )                       .... ...:.::..
:.. \\::::...                     ̄      ̄                           /
..   \\::...                                                   /
/ ̄ヽ  . \\                                              /
l:.  .|    .\\_____________________________,/
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`丶、`丶、|  |  |   .\\______________| |                 .||.    /|
    `丶、`丶、 .|   / ヽ.\\____.__________| |                    ||  /.  |: ・ .,,
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/ ヽ        `丶、`丶、 ̄ ̄.|.  _________,    :| |              /  :l: ・ ,,-''
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  |  | . / ̄ヽ  fl''' ー- 、`''ー|  ||_,━_,||_,━_,||_,━_,||   . | |::: ::: ::::::::::::::::::::,|   |l,,-|'"  :|: ・  | __,,-‐''
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_  ̄`""ー-- 、|_|| | ̄| ̄| |  |l_,・ l || l_||_,━_,||    .| |:::::::::::::::::/   .|   ||__,|-‐''"|    |: ・
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103 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:33:24 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「いや、マジで好都合にも倉庫的建物あるでやんの」

爪゚ー゚)「まったく運がいいね」

( ´_ゝ`)「町中の電線や頭上の電灯を見るに、なにげに電気はあるようだな」

爪゚ー゚)「意外っちゃ意外だね。発電はどうしてるんだろう?」

( ´_ゝ`)「奴隷が地下でグルグルしてても驚かんぞ」

爪゚ー゚)「確かに一番それらしいけど。そんなんじゃ安定供給は無理でしょ」

( ´_ゝ`)「地理的に水力は厳しいだろうから、火力か? しかしそれはそれで燃料の問題があるな」

爪゚ー゚)「近海に海底油田でもあるのかもね」

( ´_ゝ`)「風力や太陽光はベースロード電源ないと人力と同じ理由で役に立たんし、原子力はハイリスクすぎる」

爪゚ー゚)「潮力、波力、海洋温度差発電はワンチャンあるかな?」

( ´_ゝ`)「普通は無理だろうが、連中の属性を考えるにありえなくはない」

爪゚ー゚)「どうなんだい、レモナ? あれを光らせるための"電気"はどこで作られてるんだ?」

レ ´∀`)「ええと……E地区にハツデンショというものがあると聞いたことがあります」

( ´_ゝ`)「ほう……そっから送電してるとなると、島全体の文明レベルは思ったより高そうだ」

104 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:33:57 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「まあ、文明レベル低そうなのも見た目だけかもね。あくまでここ、牧場みたいなもんだし」

( ´_ゝ`)「C地区はビル群が立ち並んでる、なんてことはないのはここからでもわかるが、それだけで測れるもんでもないしな」

爪゚ー゚)「魔術を自重する必要もないし、分野によっては外を上回ってそうだ」

( ´_ゝ`)「それはあるな。倫理的な障壁もないし」

爪゚ー゚)「バイオテクノロジーとかは実際上を行ってそう。レモナの年齢と発育とか見る限り」

( ´_ゝ`)「ああ……」

レ ´∀`)「?」

爪゚ー゚)「ただまあ、建築とか重工業とかは実際大した事ないだろうね、大きいとはいえ島じゃ限界がある」

( ´_ゝ`)「だな。戦車の群れがコンニチハ、ってことはないだろう」

爪゚ー゚)「そもそも鉄鋼量が少なそうなのはこのへんの様子からも見て取れるね」

( ´_ゝ`)「電子技術も進んでないだろうな。あるとしても外から持ち込んだものだろう」

爪゚ー゚)「その辺りがカギかもしれないね。奴らの明確な弱点になりそうだ」

( ´_ゝ`)「うむ。下手にパソコンとかあればしめたもん、その瞬間に弟者無双が始まる」



 ―――。

105 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:34:31 ID:nf6dnQx20
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106 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:35:07 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「……結局、機を伺ってるうちに夜になっちゃったけど、どうする?」

( ´_ゝ`)「うーむ……今日のところは帰るか?」

爪゚ー゚)「それが無難ではあるだろうね」

( ´_ゝ`)「しかしせっかく来たしな、何の成果も得られませんでしたというのも」

爪゚ー゚)「それはさ、所謂ところの心の贅肉だね。ゾンビ獲りを右に」

( ´_ゝ`)「それを言うならインド人だしミイラ取りなんだが、しかも文脈とまるで関係ないし」

爪゚ー゚)「そうかい?」

( ´_ゝ`)「そうだ。まあそれはどうでもいい。確かにリスクを取るタイミングなのかは微妙」

爪゚ー゚)「だったら」

( ´_ゝ`)「まあ聞け。……本当にそうだと思うか?」

爪゚ー゚)「……気にしてるのは例の視線かい?」

( ´_ゝ`)「いや違う。時間の流れについてだ」

爪゚ー゚)「えっ……。……そういうこと?」

( ´_ゝ`)「そういうこと」

107 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:35:40 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「それは……確かにありえる、のか……?」

( ´_ゝ`)「少なくとも等価である保証はない。それに、星の位置について説明がついてしまう」

爪゚ー゚)「……外での2000年の間に、こちらは200年しか経っていない、とかかい」

( ´_ゝ`)「仮にその縮尺なら3日で再び道が開く可能性がある」

爪゚ー゚)「いや、それはどうかな。その場合、双方の満月が重なった時、ということになる気がするね」

( ´_ゝ`)「その仮定の場合、次まではかなり長期になるだろうな。俺ら生きのこっても浦島太郎になりそうだ」

爪゚ー゚)「ある意味未来旅行できると考えると、興味はあるね」

( ´_ゝ`)「ほんと好奇心旺盛だな。ワンチャン戻ったら世界滅亡してる可能性もあるぞ」

爪゚ー゚)「……いや、違うね、やっぱり間違っているよ」

( ´_ゝ`)「む?」

爪゚ー゚)「巫女さんの慣らし運転が必要なら、わざわざそんな"逆精神と時の部屋"に入れないでしょ」

( ´_ゝ`)「……一理ある」

爪゚ー゚)「だから僕は、時間は等価だと見る。月もいきなり半月になったりはしてなかったし」

( ´_ゝ`)「言われてみればそうか……」

108 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:36:13 ID:nf6dnQx20

爪゚ー゚)「でも、このまま戻らないってのは賛成」

( ´_ゝ`)「うん?」

爪゚ー゚)「君にしちゃ随分とお粗末な理屈だもん。理屈で説明できない"予感"みたいなものがあったんじゃないかい?」

( ´_ゝ`)「……なかなか鋭いな。その通り、ここは押すべきだという漠然とした予感がある」

爪゚ー゚)「なら、押してみるとしよう。なに、連中も人間。しかも完全にホームともなれば警戒も緩いはず」

( ´_ゝ`)「まあ、そうだな。少なくとも寝ずの番とかがいるとは思えん」

爪゚ー゚)「それに、大した結界も敷いてない。パッシブで探知できる範囲ではね」

( ´_ゝ`)「……やるか、夜襲」

爪゚ー゚)「いやあ、五月館を思い出すねぇ。ちょっと興奮して来たよ」

( ´_ゝ`)「興奮はしなくていいです」

爪゚ー゚)「そうかい?」

( ´_ゝ`)「そうだ」



 ―――。

109 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:36:47 ID:nf6dnQx20
【B-1区庁舎】
                                    ヽ /
                                  ||
                                    /ニ/ニi
                                    |  |  |
                                    | /ii\
                   ____________/ /^\\
              /                 / //. \ \\
              /                    / //.     \ \\
          /___________/ //.|.        |\ \\
            | ||               l三l/ || | ,-、   ,-、 | .| \/
            | ||                | || | |.|.|   |.|.| | .|
            | ||                | || | |T|   |T| | .|
            | ||                |_|| | |.|.|   |.|.| | .|
            | ||__________./ || |il二l  il二l | .|
          /| ||              / /|| |.        |.!\
         /                    / //|| |.____|.!\\
       /                    / //  || |.    _  |.!  \\
     /                    / //    || |  ./ヾ\|.!    \\
i    l二二二二二二二二二二 / //      || |. /(゚ぴ)i | | .|     | |\\
      | ||.             l三l/| |     .|| | |ニニニ| | | .|     | |  `´
      | ||               | | |     .|| | | i::i i:| | | .|     | |
      | ||.    ´lヽ    ´lヽ   | | |.  ´lヽ {I} | | i::i i:| | | .|.´lヽ | |
      | ||   |┼|    |┼|  | | |   ┼| || | | i::i i:| | | .| ┼| | |
      | ||   |||    |||  | | |   || || | |.‐i::i‐.i:| | | .| │| | |
      | ||      ̄        ̄  .| | |   ̄ .|| | | i::i i:| | | .|  ̄  | |
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      | ||               | | |     .|| | |ニニニ| | | .|     | |

110 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:37:21 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「さて、結界は誤魔化せそうか?」

爪゚ー゚)「いけるいける、よゆーよゆー」

( ´_ゝ`)「ふっ、いかにも駄目そうな返答だがそこは地流さん。何も問題はないな」

爪゚ー゚)「何だいその謎の信頼感?」

( ´_ゝ`)「キメるとこはキメる。そこは信頼してる」

爪゚ー゚)「……誘ってるのかい?」

( ´_ゝ`)「そういうとこは蔑んでる」

爪゚ー゚)「ありがとう」

( ´_ゝ`)「あっ、そういうのいいんで仕事して」

爪゚ー゚)「それもまたご褒美さ」

( ´_ゝ`)「ぶち殺すぞ」

爪゚ー゚)「いいよ」

( ´_ゝ`)「……あの、本心から言わないで貰えますか?」

爪゚ー゚)「いやあ、いずれ誰かに殺されてみたいよね。今々はノーサンキューだけどさ」

111 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:37:56 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「……まあいい。潜入すっぞ」

爪゚ー゚)「オーケー。裏口からかな?」

( ´_ゝ`)「だな、窓は鍵しまってると厳しいし。正面は静かに行くのが厳しそう」

爪゚ー゚)「鍵開けは例によって任せるよ」

( ´_ゝ`)「ばっちこい。レモナを長時間一人にしとくのも不安だし、ササッと片付けよう」

爪゚ー゚)「だね、早いほど安全だし」

( ´_ゝ`)「んじゃ裏口へ」



 ―――。

112 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:38:29 ID:nf6dnQx20



.    , -- 、
    {   ト,
     \¨´ \------- 、
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113 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:39:02 ID:nf6dnQx20

( ´_ゝ`)「開いた」














  Case12「海色の声」
  Day6「B-1地区」

                          To be continued...

114 ◆KDJGUfbY2o:2024/02/04(日) 20:39:35 ID:nf6dnQx20
今回はここまで

115名無しさん:2024/02/04(日) 20:40:16 ID:GV5DBpNE0
乙です

116名無しさん:2024/02/05(月) 14:09:37 ID:pM.rFLug0

なんだかんだいいコンビよね、兄者と地流

117名無しさん:2024/02/05(月) 15:34:49 ID:jPNjZFyY0
オツ

118名無しさん:2024/02/06(火) 11:26:02 ID:rr5LBIpI0
乙!
鍵が開いたか...興奮してきたな

119名無しさん:2024/02/18(日) 00:17:26 ID:mfGPfQeo0
乙乙
鮫って美味しいんだ…
潜入もだけど兄者と地流さんがどんどん息ピッタリになってくのもなんかハラハラするね

120名無しさん:2024/03/11(月) 08:13:49 ID:peQ1psYg0
まだかな〜

121 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/11(月) 20:40:25 ID:nq04NWTU0
リ゚▽゚ リ<l「進捗60%くらいやな」

122 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/16(土) 23:17:44 ID:NmS9PiSw0
リ゚▽゚ リ<l「進捗90%くらい。明日投下予定!」

123名無しさん:2024/03/17(日) 15:55:53 ID:xz8QlW5U0
まってるぜい!

124 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:49:52 ID:U9hligrQ0
>>115,117
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>116
( ´_ゝ`)「解せぬ」

>>118
(´・_ゝ・`)「えぇ……?」

>>119
(´<_` )「エイもだが凄い勢いでアンモニア発生するから鮮度が大事とのことだ」

>>120,123
リ゚▽゚ リ<l「またせたな」

125 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:50:26 ID:U9hligrQ0
前回のあらすじ
・……見られてたってのは間違いないのか?
・さて、それじゃB地区潜入やってくぞー
・……やるか、夜襲


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

126 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:51:00 ID:U9hligrQ0
Case12-Day7A
,.:,; ' ''.. .,;.'..:⌒`;,: .  ..;;.,                              ` 、  '
 ,,.;. ; :.,   .. .''... .. '   ..;,):.,,                         ‐―  ○ - ‐
        ''  '.': ;,::. .  ..., ;)                         , ' ヽ
 .''.:.:´⌒`.: .: ...    . ...,. . ,;                             ,.    ヾ
.''':. .,'''.:;. .:: .'. ,.:,;  ...,; ''                          , '
-'' ' '   ー'' ー  ''' ''
                                       .:: ..'...:⌒`  : .: ..,,;.,
                                 .: ...:::⌒` ''           '.':. .,.; ,..
                             (    .: .....:   ...:.: .: ⌒` .: ..:.: .: ... .  .:.:.
                              (., .: ... : .  .:  .  ::: ....::.. :  . .: ... .. .
                                 ` . :. .;;,  .:;.   .  .  .:    . ..::
                                      '' ' 'ー '''  '' ―''' '' ‐-''

       ;"ヾ;   ;"ヾ ;"     ;:;:.;:ヾ     ノ ;ヾ
  ;"ヾ  ;":;:.;:ヾノ)) " ;";  "ヾ ;" "  ;ヾ " ;  ヾ ;ヾ    ;;;ヾ ";;;ヾ";""
    ;ヾ ;ヾ ;";ヾ;"  ;ヾ ;ヾ ;  r""ヾ ;))ヾ ;":;:.;:ヾ ; ;ヾ     ;ヾ ;;: ノ
  ;"ヾノ:;:.;: ;ヾ r:;:.;:;":;:.;:;ヾ ;ヾ ;"ヾ ;:;:.:;:))      ";ヾ   ":(^);r ;ヾ  ;   ";:""; ";
:;:.;: ; " ;;" ヾ((ヾ:;:.;: ;"  ;ノヾ" ; ;:(^) ヾ ;";ヾ ;ヾ   "〃;ヾ ;ヾ":;:.;: ; ;ヾr ;;"  ..,,

127 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:51:33 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「さて、区長からぶっこ抜いた情報で色々とわかってきた」

(´<_` )「概要は昨晩聞いたが、改めて説明を頼む」

爪゚ー゚)「この島の常識系の話は一旦置いておこう。まずは、千手の巫女の情報について」

( ´_ゝ`)「どうやら増田さん改め武田さんは、予想に違わずA地区入りしているようだ」

爪゚ー゚)「そこで連中の言うところの悪魔、千手様支配のための準備を進めている、と信徒には伝えられているらしい」

( ´_ゝ`)「A地区は浮鮫やわたつみの兵の巣窟。到底太刀打ちできるものではないし、潜入もまず不可能だろう」

<(' _'<人ノ「一部反乱組織のようなものもあるようですが、彼らにも難しいだろうというお話でしたね」

爪゚ー゚)「ここで我々が取り得る動きはいくつかあるけど、わかるかい?」

(´<_` )「一つは、ターゲットがA地区から出るのを待つ」

( ´_ゝ`)「うむ。この方針はそもそも"その時"までに出てくるのか未知数なのが問題だ」

<(' _'<人ノ「……もう一つは、封鎖、でしょうか?」

爪゚ー゚)「そうだね。この地に封じてしまえば、日本に影響はない」

( ´_ゝ`)「この方針の問題は行き来を封じる方法がわからないことだ」

(´・_ゝ・`)「まだもう一つあるのかい?」

(´<_` )「むう。……ひょっとして、何もしないこと、か?」

128 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:52:06 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「そうだ。ただ脱出して、中の状況を伝える」

爪゚ー゚)「当初の予定通りの行動と言えるね」

<(' _'<人ノ「問題は……脱出のタイミングがエックスデーである可能性がある、ということですか」

( ´_ゝ`)「それなんだよな。あくまで慣らし運転、どれだけかかるのかは」

爪゚ー゚)「個人差激しいだろうし、読めないよね」

(´<_` )「……どの方針もクソデカ課題あり、ってことか」

(´・_ゝ・`)「素人意見だけど」

( ´_ゝ`)「む?」

(´・_ゝ・`)「何か、早めに脱出する方法はないのかい?」

爪゚ー゚)「それさえあればなぁ……というのが所感だよ」

(´<_` )「いずれの課題にしても、更なる情報収集が必要ということか」

( ´_ゝ`)「その認識であってる。現状の手札じゃどうにもならん」

爪゚ー゚)「そこで、C地区に偵察に行きたい。島の中心だし、情報収集には最適。あわよくば件の反乱組織と渡りを着けられれば僥倖」

<(' _'<人ノ「A地区は無理でしょうから、そうなりますか」

129 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:52:40 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「メンバーは正直考え中なんだが、無難なのは引き続き俺と地流さんかな」

爪゚ー゚)「君か美和のどちらかはいないとイザという時どうにもならないからね。で、美和じゃ君ほど臨機応変な対応はできないだろうし」

<(' _'<人ノ「そう、ですね……申し訳ないですが」

(´<_` )「地流さんの役割は俺じゃ代われないしな……」

(´・_ゝ・`)「僕が着いて行っても役に立てるとは思えないし……」

( ´_ゝ`)「まあ、そうなるよな」

爪゚ー゚)「レモナ、君はどう思う?」

|゚ノ ^∀^)「えっ?」

爪゚ー゚)「僕らとC地区に行くか、ここに残るか」

|゚ノ ^∀^)「えと……」

(´<_` )「……あまり連れて行くメリットがあるとは思えませんが」

( ´_ゝ`)「そうとは言い切れん。実際にこの島を知っているのはレモナだけだ」

<(' _'<人ノ「それはそうですが……大丈夫ですか?」

爪゚ー゚)「いやー駄目な展開とか普通に全滅コースだと思うから誤差じゃないかい?」

130 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:53:13 ID:U9hligrQ0

(´<_` )「……まあ、非戦闘員が分かれてた方がいざという時守りやすいか」

( ´_ゝ`)「それもある。二人守り切るのは美和ちゃんでもきついでしょ」

<(' _'<人ノ「む、そうですね」

爪゚ー゚)「ま、そんな感じで、」

( ´_ゝ`)「また3人パーティだな」

|゚ノ ^∀^)「よろしくお願いします」

(´・_ゝ・`)「じゃあ僕らはまた漁かな」

(´<_` )「ですね」

<(' _'<人ノ「頼りにしてます」

( ´_ゝ`)「よっし、んじゃ出発すっぞ」

爪゚ー゚)「アイアイサー」

|゚ノ ^∀^)「あいあい……?」



 ―――。

131 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:53:46 ID:U9hligrQ0
【C地区】
  \l :| :|  l :|  |`|: : : \| ̄ ̄ |``|:: |         /:|¨|:|  |/|¨:|  /| |  |‐|´|_,|-|´| | |
   \| :|  l :|  |`| \: : :|     | ニ|:: |          |/|-|:|___| |_|/  | |  |‐|´|_,|-|´| | |
、、     |_l :|_ト:!:\|\|─-- | ニ|:: |          |/| | |~:|//|    | |  |‐|´|_,|-|´| | | _、‐''゛
 l丶、   :|   |:.::\|\: \|     | ニ|:: |          |/| | |__|~~| :|    | |  |‐|´|_,|-|´| | |'´|   |
 | |~'i |   | ̄|: |\[\:|     | ニ|:: | _ ─┐ .「|/| |_」 :| :|    | |  |‐|´|_,|-|´| | | |   |
=- _|  | |   |  |: | : : \l|=== |,、_|:: | ̄| |  :|  |¨|/| ̄|/|::::| :|  /| |  |‐|´|_,|-|´| | | |   |
'⌒\´'┘ |   |  |: |: : : : : |二ア´;';';'|:: |: : | |  :|  |_,|/|  |  |::::|-''|/  | |  |‐|´| :| :|_,| | |_ -  ̄
___ | ̄``''i_|_|: |┐: : : |xX;';';';';';';|:: |: : | | ̄:::| ̄|_,|/| ̄|  l__,| :|    | |  |-‐  ̄  |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
  _|.:|‐--...」  |] :::|┤ :| ̄|ミ;';';';';';';';|:: |: : | |  :|: : | :|/|_|/匚} :|  /| |  |       |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
 ̄| | |¨|: | ̄ ̄ ̄`|┤`|_|ミ;';';';';';';';|:: |: : | | ̄| |: : | :|/||/ / | :|/  |/ ̄ ̄ ̄ ゙̄\| ̄|\.:.:.:.:.:
::: : | | |: |: |゙ ̄ ̄´|: |┘ :|¨゙| ⌒ii⌒ |:: |: : | |  | |: : |´|/|||| | ̄| |    || ̄:| ̄ ̄| ̄| |  |  |.:.:.:.:
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132 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:54:20 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)"……こりゃまた、打って変わって現代的だな"

爪゚ー゚)"町並みは、ね"

( ´_ゝ`)"道行く人は……うん。色々アレだな"

爪゚ー゚)"魚顔が多い"

( ´_ゝ`)"普通の顔してるのは大体若いな。概ね混血ってとこか"

爪゚ー゚)"……マスター達のことを思うとある意味理想的なのかもね"

( ´_ゝ`)"混血達の行く末として、か? 異界の中で慎ましくしてるってんなら、そうかもな"

爪゚ー゚)"まあそうは行かないよね。加えて家畜や奴隷にされてる人たちもいるわけだし"

( ´_ゝ`)"家畜や奴隷っぽい人たち、みんな若いからどっちなのかわからんな"

爪゚ー゚)"混血具合かい? 恐らくだけど、あんまり混血はいなそうだ"

( ´_ゝ`)"……B地区で量産してんのかな?"

爪゚ー゚)"ってことだと思うよ。いや、大した技術力だね"

( ´_ゝ`)"俺ら人間からすりゃ悍ましい話だ"

133 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:54:53 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)"で、飲み屋で情報収集って話だったけど"

( ´_ゝ`)"まずは昼からやってる飲み屋探すとこからだな"

爪゚ー゚)"僕ら、怪しまれないかな?"

( ´_ゝ`)"普段から擬態使ってる奴も珍しくはないってことだったし、大丈夫っしょ"

爪゚ー゚)"うーん……まあ、そうか"

( ´_ゝ`)"大名の方と違ってそこまで鼻は利かなそうだしな"

爪゚ー゚)"……ちなみに、君は嗅ぎ分けられるのかい?"

( ´_ゝ`)"まあ、10代なのか20代なのかくらいはな"

爪゚ー゚)"改めて聞いても大したもんだねぇ……"

( ´_ゝ`)"だから、興奮されるとあれなんでやめて欲しい"

爪゚ー゚)"善処しよう"

( ´_ゝ`)"……臭いって言われてちょっと興奮したな?"

爪゚ー゚)

爪゚ー゚)"そんなことは、ないよ?"

134 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:55:27 ID:U9hligrQ0
【居酒屋 昼兵衛】
    ‐- ..,,_       ‐- ..,,_
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 ̄   冖¬==―--   : : :__.|::: : : : : : :||:: : : : : : :|::: : : : : :{ . .{ . . . .|. 工、 . .. ..}.}
 ̄   冖¬==―--    __[「丁: : :! 冖¬==―--  : :_;_マ. .マ . .丿 ┼ . . . .〃
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     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||     ||朝|昼|||居||
     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||     ||.も|も.|||  ||
     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||     ||夕|夜|||酒||
     |     |      | |:::| : : :|  |: : ::|: : : : :|::||   ||     ||.も|も.|||  ||

135 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:56:01 ID:U9hligrQ0

<o,o>「らっしゃーせー!」



「そりゃ本当か!?」
「おっ、見ない顔が来たぞ」
「はあ、どうしたら……」
「天ぷら盛り合わせ一つ!」
「ん? 今何て言った?」
「乾杯!」



( ´_ゝ`)"すげー賑わってるな"

爪゚ー゚)"意外っちゃ意外だね。飲食店自体少なそうだから飲兵衛が集まってるのかな?"

<o,o>「三人? 今片付けるからちょっと待って」

( ´_ゝ`)「よかろう」

爪゚ー゚)「早くしてくれたまえ、我が主は酒を求めている」

<o,o>「は? へ、ヘイ!」

レ ´∀`)「?」

136 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:56:39 ID:U9hligrQ0

爪゚ー゚)"ふっ、我ながら見事なロールプレイだと感心が鬼なる"

( ´_ゝ`)"言外に伝わる俺のふてぶてしい態度もなかなかのものだと思うぞ"

爪゚ー゚)"周りの客たちもめんどくさいものを見るような顔をし出したね"

( ´_ゝ`)"お忍び祭司様ロールプレイ成功ってとこか"

爪゚ー゚)"お忍びと言いつつ何一つ忍んでないとこがミソだね"

( ´_ゝ`)"祭司連中はここじゃ基本的に横柄らしいからな"

爪゚ー゚)"まあ外じゃそうはいかないだろうしね、ホームに帰ればタガが外れるってわけだ"

( ´_ゝ`)"典型的な小物ムーヴ。清浦さんの爪の垢を配給した方がいいな"

爪゚ー゚)"噂に聞く祭司長サマの人となりを思うにそうなのかな?"

( ´_ゝ`)"少なくとも目下相手に無駄にイキリ散らかすようなダサい真似はしない"

爪゚ー゚)"……敵なのに地味に評価高いよね。もしかして乳がでかい?"

( ´_ゝ`)"そのような事実はないが"

爪゚ー゚)"そうかい?"

( ´_ゝ`)"そうだ"

137 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:57:13 ID:U9hligrQ0

<;o,o>「お待たせしました!」

爪゚ー゚)「まったく、我が主を待たせるなど」

( ´_ゝ`)「所詮は一般信徒向けの店だ、仕方あるまい」

爪゚ー゚)「しかし」

( ´_ゝ`)「この私に意見するというのか? あとで折檻だな」

爪*゚ー゚)「……はっ、謹んでお受けします」

( ´_ゝ`)「フン。おい店主」(何で興奮してんだこいつ……)

<;o,o>「へ、ヘイ!」

( ´_ゝ`)9m「そこの男が飲んでいるのは何だ?」

<;o,o>「わたつみのロックです!」

( ´_ゝ`)9m「ではそれを二つ。それから……あそこの女が食っているのは?」

<;o,o>「アナゴの天ぷらです!」

( ´_ゝ`)「そちらは三人分。あとはそうだな、わたつみに合う前菜はあるか?」

<;o,o>「茹蛸なんかどうですかい?」

( ´_ゝ`)「ほう、ではそれも三人分だ」

<;o,o>「ヘイ!」

138 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:57:46 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「ときに店主。最近変わったことはないか?」

<;o,o>「は、変わったことですかい?」

( ´_ゝ`)「予てより狙っていた千手の巫女を迎え、いよいよという時期だ。よからぬ動きをしている輩はいないか?」

<;o,o>「まさかそんな! 神に盾突くような頭のおかしい輩は――」

爪゚ー゚)「本当だろうな? 嘘をつけばタダではすまんぞ」

( ´_ゝ`)「頭のおかしい輩はいつでもいるものだ。甚だ理解に苦しむがな」

<;o,o>「へ、ヘイ。確かにキチガイはしょっちゅうしょっ引かれてますが」

( ´_ゝ`)「多くは有象無象でしかないが、知っているだろう?」

<;o,o>「……浦島隊」

爪゚ー゚)「そうだ。所詮は頭のおかしいクズどもだが、キチガイだけあってどう動くか読めない。読みにくい」

( ´_ゝ`)「些細な情報でも見逃すわけにはいかん、何かあれば話せ」

<;o,o>「は、はぁ……。そう言われてもこれと言って……」

( ´_ゝ`)「そうか」

レ ´∀`)"あっ"

139 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:58:20 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)"ん? どうした?"

爪゚ー゚)「フン、やはりこのようなチンケな店ではな」

レ ´∀`)"嘘、です"

( ´_ゝ`)"ほう? どうしてそう思った?"

レ ´∀`)"……? わかりません"

爪゚ー゚)"僕には嘘とは思えなかったけど、プロの見解は?"

( ´_ゝ`)"確かに、何か知ってそうな感じはしたが……"

爪゚ー゚)"君でそのレベルなのに断言できるっていうのは……何かしらの異能かな?"

( ´_ゝ`)"可能性はあるな……前世が魔術師という仮定があっているなら、何か無意識に発動した可能性もあるが"

爪゚ー゚)"いずれにせよ、そうだと助かるね。君の人心観察とクロスファイアすればリアルマンチ展開になりそう"

( ´_ゝ`)"確かに。レモナ、今後も何か気づいたら教えてくれ"

レ ´∀`)"はい"

爪゚ー゚)"……で、隠してるってことならどういう理由でだろうね?"

( ´_ゝ`)"関係者、って感じではないな。単に面倒ごとを恐れているだけか?"

140 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:58:53 ID:U9hligrQ0

( ´_ゝ`)「店主」

<;o,o>「ヘイ」

( ´_ゝ`)「本当に知らんのか? 忘れているだけということはないか?」

<;o,o>「ええと……」

( ´_ゝ`)「忘れていただけなら咎めん。だが隠しだてしているとなれば――」

爪゚ー゚)「奴らの仲間であることは確定的に明らか、ただちに処刑ですね」

( ´_ゝ`)「その通り。どうなのだ、店主よ?」

<;o,o>「……ああー! たった今思い出しました!」

爪゚ー゚)「フン。それで?」

<;o,o>「この間、市場でたまたま聞いちまったんですよ。神を侮辱する言葉を」

( ´_ゝ`)「ほう? お前はそれを放置した、と?」

<;o,o>「いや、すぐ通報しやしたよもちろん! でも逃げられちまって……」

爪゚ー゚)「惰弱な。それだからこんなチンケな店しかできんのだ」

( ´_ゝ`)「その輩は捕まったのか?」

141 ◆KDJGUfbY2o:2024/03/17(日) 21:59:26 ID:U9hligrQ0

<;o,o>「いや、捕まったって話は聞きやせんね」

( ´_ゝ`)「嘆かわしいことだ。管理局の怠慢ではないか?」

爪゚ー゚)「これは支部長に苦言が必要ですね」

<;o,o>「……」

( ´_ゝ`)"ビビってるビビってる"

爪゚ー゚)"しかし何だね、ちょっと暴言吐いただけで通報か"

( ´_ゝ`)"ノリで暴言を吐くようなことはないってことだな。俺らの感覚じゃ大したことなくても、マジで反乱組織の人間かも"

爪゚ー゚)"じつに幸先がいい。まあ簡単に見つけられる気もしないけど"

( ´_ゝ`)"それはそう。管理局とやらが本気で探してるとも思えんが"

爪゚ー゚)"ま、そこまで暇じゃないだろうね。こっちの警察に置き換えると不審者とかの扱いだろうし"

( ´_ゝ`)"不審者なら結局人前に出てくるから捕まえられるが、地下に潜られちゃ、ってとこだな"

レ ´∀`)グゥ...

( ´_ゝ`)「ときに店主、料理はまだか?」

爪゚ー゚)「早くしろ」

<;o,o>「は? へ、ヘイ、ただいま!」


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