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( ^ν^)四月、僕は泥棒になったようです

173名無しさん:2024/08/05(月) 00:40:23 ID:cfzOUW3g0

( ^ν^)「………………デレ」

( ^ν^)「……………」

( ^ν^)「……君。そういえば、そうか」


君が笑ってくれたのなら。
それだけでいいかと、心の底から思えたのだ。


「そんな顔で笑ってたんだな」

全てが白に染まっていく。自分の輪郭すら、まるで知覚できなくなっていく。

名残惜しくも、彼女の頬からゆっくりと手を離す。
寸前、少しだけ、デレの口角が上がった気がした。

174名無しさん:2024/08/05(月) 00:40:50 ID:cfzOUW3g0


*


目が覚めると、そこは、見慣れたカフェの中だった。

175名無しさん:2024/08/05(月) 00:42:01 ID:cfzOUW3g0

正確にはカフェじゃない。
『ファンファーレ』という、カフェスペースのあるパティスリー。要するに、ケーキ屋だ。

顔を上げる。テーブルの上には白紙のままのメモ帳と、すっかり冷たくなったエスプレッソが置いてある。
カップの中の液体は未だになみなみとしていて、減った様子がない。

( ^ν^)(………寝すぎた)

頭をガシガシと掻き、眠気覚ましにコーヒーを一気に飲み干す。
ひどく冷たく、苦い液体が喉を痛いくらいに潤し、胃の中へと注がれていった。

ポケットからスマホを取り出す。
時刻は夕方。もうすぐ店は閉まる時間だし、進めるつもりだった文字は一字すら進んじゃいない。

諦めの色を含んだ溜息を吐く。
まぁ、久しぶりに良い夢を見れた。その分、リフレッシュは出来たと考えることにしよう。

176名無しさん:2024/08/05(月) 00:42:28 ID:cfzOUW3g0

テーブルに掛けられていた伝票を持ち、席を立つ。
左のポケットから財布を取り出しつつ、ガラス越しに外を見た。
傘を持ってはいるものの、開かずに歩いている人々がちらほらと見える。


どうやら、とっくに雨風は止んでいたようだった。

177名無しさん:2024/08/05(月) 00:45:14 ID:cfzOUW3g0
第二話は以上となります。
第三話の公演開始まで、今しばらくお待ちください。

178名無しさん:2024/08/13(火) 00:24:43 ID:p6ZSnx..0
茜ちゃん見て投下気付いた、おつ!
ファンファーレって店に、バイオリン好きのツンちゃんがいるデレちゃん…もしやプラ心ともリンクしてる?


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