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ζ(゚ー゚*ζ 燐光を仰ぐようです

31 ◆W.bRRctslE:2023/09/01(金) 17:08:47 ID:1hbedq7A0
 
 そして、やはりとも言うべきか。
 視界の端、巴祀屋の手元でチラと淡く煌めく光が見える。

 ・・・
 ナイフだった。


 掴む両手には青筋が浮かんでおり、ぶるぶると震えるのを無理に押さえつけているような印象を受けた。
 けれども、その動きに迷いは無い。

 真っ直ぐに九檀の胸に迫るのだ。

 やたらと動きが遅く見えた。
 身体の自由は当たり前のようにきかない。

 今まさに己に沈み込もうとする切っ先を、見ている、ことしか。


 ──キィン。


 冷たい音がした。
 一度ではない。さざ波のように幾重にも、幾重にも。

 すべての命が失われたかのように黙りこくった世界の中で、満天の星だけが嗤っている─────

.


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