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( ´_ゝ`)/こちら流石探偵事務所\(´<_` )

90 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/03(水) 01:45:09 ID:l9mK0gMA0
「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
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「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
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「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
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「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
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「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」
「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」

91 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/03(水) 01:45:42 ID:l9mK0gMA0





























.

92 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/03(水) 01:46:21 ID:l9mK0gMA0

( ´_ゝ`)「は……?」














  Case11「捜朔島」
  Day2B「朔夜参り」

                          To be continued...

93 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/03(水) 01:46:54 ID:l9mK0gMA0
今回はここまで

94名無しさん:2023/05/03(水) 02:43:54 ID:4avdyJe20


95名無しさん:2023/05/03(水) 08:26:04 ID:9zZi6rFc0


マリオ、ルイージ、ハロルドを生贄に捧げて
オシリスの天空竜を召喚するゼッ!

96名無しさん:2023/05/03(水) 10:14:54 ID:ScFxPJFo0
怖いよぉ

97名無しさん:2023/05/04(木) 13:16:21 ID:euWEF5c.0
乙乙
抵抗も出来ないなんて…

98 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:14:24 ID:ikYlHdj60
>>94
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>95
∬´_ゝ`)っlコ「ふぅん、ならばこちらも神を以って応えるまで」

>>96
八‘⊿‘)「怖くありませんよー」

>>97
|::━◎┥「エラー:対象が存在しません」

*(;‘‘)*「ええっ!?」

99 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:15:48 ID:ikYlHdj60
前回のあらすじ
・江戸川コナン、探偵だ……!
・月例祭の最後は、さくのかみ様のお社にお参りするんですよ
・「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」「朔夜」


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

100 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:16:22 ID:ikYlHdj60
Case11-Day3
┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ | ├―┼―┼―┼―┤ ||  |
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┴―┘ | └―┴―┴―┴―┘ | └―┴―┴―┴―┘ | └―┴―┴―┴―┘ ||  |
──┐ | ┌――─────┐ | ┌――─────┐ | ┌――─────┐ ||  |
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                 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
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                l二二二二二二二二二二二二二ニ二二二二二二二二二二二二l
                  | |l                                l | |
                  |_,,ソ                                 !,|_,ン

101 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:17:00 ID:ikYlHdj60

( ´_ゝ`)「は……? え……?」

(´<_` )「む……?」

ハ’ノ_’ ハ「んん……?」

八‘⊿‘)「おはようございまーす!」

(;´_ゝ`)「!!」

(´<_`;)「……」

八‘⊿‘)「あれ? どうされました?」

ハ’ノ_’ ハ「ええと……あれ? お参りに行って、それから……?」

八‘⊿‘)「?」

( ´_ゝ`)「……一つ聞きたいんだが、昨日はあれからどうなったんだ?」

八‘⊿‘)「え? どうなったというと?」

(´<_` )「……お参りに行きましたよね? その後のことをよく覚えておらず」

八‘⊿‘)「お参り……?」

102 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:17:33 ID:ikYlHdj60

( ´_ゝ`)(嘘をついている様子はない……普通に困惑している)

(´<_` )「ほら、月例祭で朔夜参りに……」

八‘⊿‘)「え、月例祭は今日ですけど……」

(´<_` )「えっ?」

ハ’ノ_’ ハ「んん??」

( ´_ゝ`)「……なるほど。もう帰ろうと思うんだが、船はいつ出る?」

八‘⊿‘)「えっ? 8時頃ですけど」

(´<_` )「……であれば、お暇しますか」

ハ’ノ_’ ハ「んー? 木葉茜はいいんですか?」

( ´_ゝ`)「ああ、撤収だ」



リ゚▽゚ リ<l「……やめとき、無駄やで」



(;´_ゝ`)「「!?」」(´<_`;)

103 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:18:07 ID:ikYlHdj60

八‘⊿‘)「木葉さん」

(;´_ゝ`)(木葉茜……? どういうことだ?)

リ゚▽゚ リ<l「あんたら、ちょいと顔貸しぃや。そう時間は取らせんで」

(´<_`;)「……どうする?」

( ´_ゝ`)「乗るっきゃねえだろ。わかった」

ハ’ノ_’ ハ「んん?? どういう??」

リ゚▽゚ リ<l「吉野さん、うちらはちょっと釣りに行ってくるで」

八‘⊿‘)「あ、はい。竿は――」

リ゚▽゚ リ<l「港で借りるから大丈夫や」

( ´_ゝ`)「おっ、そういうのもあるのか」

(´<_` )「ほら、ハロルドさん」

ハ’ノ_’ ハ「んんんん????」

104 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:18:40 ID:ikYlHdj60
【捜朔島 漁港】
__________
               \                                         __,、,、,、,、,、,、,、
                \,、,、,、,、,、,、,                      _,、‐‐‐‐〜〜〜''";';';';';';';';';';';';';';';'
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¨¨¨|                  |;';';';';';';';';';';';';';';'爻爻爻爻爻爻;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';
::::::::|    | ̄| ̄| ̄| ̄| ̄|    |;';';';';';';';';';';';';';'、─────‐ < ̄ マ7777777777ム;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';'
 ̄    |─|─|─|─|─|    |;';';';';';';';';'; / \///////////\ ∨/////////∧;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';'
      |  |  |  |  |  |    |;';';';';';';'/     \///////////\∨/////////∧;';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';';'
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     :|;';';';'/        |¨..二二二二二丁゙| ̄ ̄ ̄l ̄~~|二二..| ̄ ̄⌒二ニ=-   __
三三三三三三三三三i三i三i三| _|        l| |__||::::::::::| [| | ̄ ̄ ̄   |  _|__: : : : : : : : : : : : ̄
| ̄ ̄ || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,        |/\,|        l|     | ̄ ̄.:.[| |口       |─‐|三≧s。 ~''  .,_: : : : : : : : :
|_:_:_:_:_||:::::::::::::::::::::::::∧       :|[] |        l|二二二二≧s。[| |         |: : : |三三三≧s。.,_>: : : : : :
| | ̄ ̄|:::::::::::::::::::::::::「∧     [___| ____   |.:.:.:.:.:.: | ̄ ̄~:|¨| |¨|┌┐ 匚] |─‐|::| ̄ ̄ ̄ ̄~ ||::::|: : : : : :
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| |  ヘ::::┌‐込ィ<^'く二二二匚]=-L|    ~^ -=ニ二三ニ=- _ ̄ ̄ ̄ ̄匚]口兀 ̄ ̄ ̄二ニ=-   |_|: : : : : :
|_|_,|  \|`ヽ、__`ヽ`'弌ニ=- __ ⌒ニ=- _      ~^ -=ニ三三二ニ=‐-   ..,,_  ‐ ‐ ──二二三三
__{\_>。,__`'<二>。, ``'弌ニニ=-  __ ⌒ニ=-   _    ̄   ──-----/       __  -=ニ
   \ `ヽ、|\:::\ ` ''<ニ>。, ``'' ─=ニ二二二二二二二二二二>        /__,,..  -=ニ⌒: : : : : : : : :
二二二>。, `'弌二|\へ、`¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨7 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/⌒ニ=-  -=≦ ̄ : : : : : : : : : : : : : : : : : :
      ̄>。,  `丶、)_\\         /‐-   _  /: : : : : : : : : : : :     : : : : : : : : : : : : : : : : : :
        ̄⌒>。,__>‐凵7  ̄二二 …ァ'’.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ̄: : : : : : : : : : : : .::.::.::.::.::: : : : : :  : : :
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vivi小从小从小viviv;:;::::::.:.:.: : : : : : : : : : .:.: : : : : : : : : : : .:.:.:.:.:.:.: : : : : : : : : : :
从川从川从川从川乂;:;:;:;:;:;: : : : : : :.:.:.:.::::::.:.:.: : : : : : : : : : : : :.:.:.:.:.:: : : : : : : : :

105 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:19:13 ID:ikYlHdj60

( ´_ゝ`)「……それで、どういうことなんだ?」

リ゚▽゚ リ<l「その前に自己紹介やな。木葉茜や、動画配信者やっとる。
      どうもうちのことは知っとるみたいやけど一応な」

( ´_ゝ`)「流石真理男、探偵だ」

リ゚▽゚ リ<l「ほうほう、マリ――んん??」

(´<_` )「弟の累次、探偵です」

リ゚▽゚ リ<l「ちょ、待ちぃや」

ハ’ノ_’ ハ「ハロルド・エンヴィーです」

リ゚▽゚ リ<l「あー……マリオて本名なん?」

( ´_ゝ`)「誠に遺憾ながら」

(´<_` )「本名です」

リ゚▽゚ リ<l「……なんやろ、一気に気が抜けたわ」

( ´_ゝ`)「それはどうも……」

106 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:19:46 ID:ikYlHdj60

リ゚▽゚ リ<l「それじゃあ、まずはうちらが今置かれている状況について説明するで」

( ´_ゝ`)「よろしく頼む」

リ゚▽゚ リ<l「あんたらもあれやろ、朔夜参り」

(´<_` )「そうです。朔夜参りで島の人たちが奇妙な呪文を唱えだして」

リ゚▽゚ リ<l「うちも同じや。そんで気づいたら日付は戻っとるし、そんなことはなかったいうし、意味がわからなかったで」

( ´_ゝ`)「なるほど」

リ゚▽゚ リ<l「それでな、それから一か月」

(´<_` )「一か月」

リ゚▽゚ リ<l「何をどうやっても島から出られへん」

( ´_ゝ`)「マジか。茜ちゃんさんがいた時点で薄々そうじゃないかという気はしていたが……」

リ゚▽゚ リ<l「マジや、残念ながらな」

(´<_` )「……いまいち飲み込めないんですが、一か月の間一体どこに?」

リ゚▽゚ リ<l「島中色んなとこ駆けずり回ったで。行けてないとこも多いけどな」

107 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:20:20 ID:ikYlHdj60

( ´_ゝ`)「その割には島の人は誰も知らんようだったが」

リ゚▽゚ リ<l「……その理由はたぶんあれやな。あんたらもさっき体験したやろ」

(´<_` )「……まさか」

( ´_ゝ`)「……記憶が塗り替わっている?」

リ゚▽゚ リ<l「せやな。……というよりは、リセットされていると言った方が正解に近いやろな」

ハ’ノ_’ ハ「リセット……?」

( ´_ゝ`)「……そういうこと?」



リ゚▽゚ リ<l「この一か月。月例祭の一日が繰り返されてるんや」



(´<_` )「なん……だと……」

108 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:20:56 ID:ikYlHdj60

リ゚▽゚ リ<l「あんたらが来たのが初めての変化や。正直気が狂いそうやったで」

( ´_ゝ`)「なるほどな……」

リ゚▽゚ リ<l「あ、いや……初めてというのは語弊があったな。
      最初は三か月くらい前からいるって学者のおっさんも一緒やったんや」

(´<_` )「む?」

リ゚▽゚ リ<l「やけどな、一週間ちょい前にとうとう発狂してもうて……。
      そのまま何や黒い煙に包まれて消えてもうたわ」

(;´_ゝ`)「なにそれ怖っ!」

(´<_`;)「……」

リ゚▽゚ リ<l「せやから正直助かったで、うちもそろそろ限界やなと思っとったから……」

ハ’ノ_’ ハ「ええと、ようやく飲み込めてきました。これは……まずいですね」

(´<_` )「かなりまずいです」

( ´_ゝ`)「あの時ハロルドさんが酔っぱらってたのが致命的だったな」

ハ’ノ_’ ハ「あー……全然覚えてないんですけど、何かすみません」

109 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:21:30 ID:ikYlHdj60

リ゚▽゚ リ<l「ところで、あんたらうちのこと知っとったみたいやけど」

( ´_ゝ`)「言ったろ、探偵だって」

(´<_` )「天丼の業火さんから依頼を受けまして、あなたを探していました」

リ゚▽゚ リ<l「……んー、ちょっと気になっとるんやけど。警察とかはどんな感じやったん?
      何で家族とかじゃなくて天ちゃんが、それも探偵に依頼してるんやろ?」

( ´_ゝ`)「それが妙なことに、一部の例外を除き茜ちゃんさんの存在を記憶してなくてな」

リ゚▽゚ リ<l「は?」

(´<_` )「友田千早さんはご存知ですよね?」

リ゚▽゚ リ<l「あ、うちのリア友やで」

( ´_ゝ`)「木葉茜なんて知らないって」

リ゚▽゚ リ<l「……マジ?」

( ´_ゝ`)「マジ」

(´<_` )「アパートの大家さんもそんな入居者はいなかったと言っていましたね」

リ゚▽゚ リ<l「えぇー……」

110 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:22:03 ID:ikYlHdj60

( ´_ゝ`)「かつKONOZAMAの配送業者はどうも認識してたようなんだよな。
      これらの状況を見る限り、リアルで知っている人間は忘れているようだと仮定できる」

リ゚▽゚ リ<l「……そういうことなんか? 天ちゃんとオフ会とかしてなくて助かった感じ?」

(´<_` )「そうかもしれません」

リ゚▽゚ リ<l「はぁー……まさかそんなことになっとったとはな」

( ´_ゝ`)「こっちの台詞だな。想定の斜め上だ」

リ゚▽゚ リ<l「ちなみにどんな想定しとったん?」

( ´_ゝ`)「探偵ゲーム」

リ゚▽゚ リ<l「は??」

(´<_` )「……頭のおかしい奴が仕掛けたリアル推理ゲーム、が直近の予想でしたね」

リ゚▽゚ リ<l「なんやそれ?? ……いや、そうか、残された情報だけ見るとそうなるんか……?」

( ´_ゝ`)「一応オカルトな事件に巻き込まれた可能性もあるとは思ってたけどね」

(´<_` )「オカルトを第二候補以降にしてたのは、奇妙な記憶の消え方からだったか」

( ´_ゝ`)「そう。歯抜けにする意味がないし、そもそも記憶操作ができるなら自発的に行方をくらましたようにも偽装できる」

111 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:22:37 ID:ikYlHdj60

( ´_ゝ`)「……今の状況から察するに、記憶操作は儀式によって自動的に行われると推察できる」

(´<_` )「なるほど、その条件が直接見知っていることだったと」

ハ’ノ_’;ハ「いや、待ってください。それ、とんでもない魔術ですよ」

( ´_ゝ`)「やっぱりそう思う?」

ハ’ノ_’;ハ「目の前にいる対象に記憶操作を施すのだって結構高度な魔術です。
      それを遠隔で無数の相手にだなんて……」

(´<_` )「専門家の目から見てもそうなりますか」

リ゚▽゚ リ<l「専門家……? ってか普通に話してるけど魔術って?」

( ´_ゝ`)「実はこの人、ほんまもんの魔術師。魔術が使える」

リ゚▽゚ リ<l「……マジ?」

( ´_ゝ`)「マジ」

リ゚▽゚ リ<l「凄いな」

(´<_` )「同行して貰って正解でした」

ハ’ノ_’;ハ「はは……どこまでお役に立てるのか既に不安しかないですけどねぇ」

112 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:23:19 ID:ikYlHdj60

ハ’ノ_’ ハ「ン……諸々踏まえると、恐らくは記憶操作というよりは概念操作の結果と考えるのが正解に近そうです」

( ´_ゝ`)「概念操作?」

ハ’ノ_’ ハ「対象の人物が"存在する"という概念を"存在しない"に捻じ曲げた、といったところでしょうか」

(´<_` )「そんなことが可能なんですか?」

ハ’ノ_’ ハ「普通は無理です。恐らくは、さくのかみ様とやらがそういった権能を持っているのでしょう。
      そして儀式により権能が行使された……そんな権能を行使できるとかヤバすぎて信じたくないですけどね」

( ´_ゝ`)「なるほどな」

(´<_` )「だとすると、天丼さんや他のフォロワーの記憶が残っていたのは?」

ハ’ノ_’ ハ「あくまで推測ですが、電脳の世界は一つの異界と言っても過言ではありません。
      権能が電脳の世界まで及ばなかったと、そういった可能性が考えられます」

( ´_ゝ`)「ふむ、いかにもありそうだな。一旦すっきりした」

リ゚▽゚ リ<l「いやすっきりしとる場合ちゃうで」

(´<_` )「ごもっともです」

( ´_ゝ`)「まあそうなんだけどさ」

113 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:23:57 ID:ikYlHdj60

リ゚▽゚ リ<l「うちもおっさん――田中さんと一緒に結構色々試したんやけどな、結果は御覧の通りや」

( ´_ゝ`)「うーん……色々というと?」

リ゚▽゚ リ<l「まず、船は駄目やったな。乗れることは乗れるんやけど、島からある程度離れたところで振り出しに戻されるで」

(´<_` )「それは、実際に乗ってみたということですか?」

リ゚▽゚ リ<l「せやで。おっさんから聞いたけど信じられんかったからな」

( ´_ゝ`)「妥当。俺らも乗ってみるか」

ハ’ノ_’ ハ「ですね。ところでその時、船に乗っていなかったらどうなるんでしょうか?」

リ゚▽゚ リ<l「ん、おっさんから聞いた話やけど。うちが船に乗った後一緒に戻ってしまったみたいやな」

ハ’ノ_’ ハ「ふむ」

(´<_` )「となると、裏の船着き場から船に乗っても同じことになりそうですね」

リ゚▽゚ リ<l「それはうちは試してないけど、おっさんによるとそうだったみたいや」

( ´_ゝ`)「他には?」

114 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:24:31 ID:ikYlHdj60

リ゚▽゚ リ<l「あの社が原因やろと思ってな、叩き壊しに行ったりだとか」

( ´_ゝ`)「ヒュウ」

(´<_` )「え、それ大丈夫だったんですか?」

リ゚▽゚ リ<l「全然大丈夫じゃなかったな」

( ´_ゝ`)「ちなみにその田中っておっさんはそれは試してなかったのか?」

リ゚▽゚ リ<l「猟銃持った見張りがいて一人じゃどうにもならんかったらしいで。
      それでも何回か試したとは言うとったけど」

(´<_` )「見張りがいるんですか……」

( ´_ゝ`)「ってことはあれか、おっさんが囮にでもなったか」

リ゚▽゚ リ<l「そういうことや。……結局うち一人じゃ壊すにも限界があってあかんかったんやけど」

ハ’ノ_’ ハ「それで、どうなったんです?」

リ゚▽゚ リ<l「死んだ」

( ´_ゝ`)「……ま、そうなるよな」

リ゚▽゚ リ<l「まあ死んでも結局振り出しに戻ったんやけど」

115 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:25:04 ID:ikYlHdj60

( ´_ゝ`)「えげつねぇな」

(´<_` )「死んでも終わらない……精神が崩壊するまで、ってことか」

リ゚▽゚ リ<l「どうもそういうことみたいや。
      儀式の場でさくのかみ様に祈りながら首切ったりもしてみたんやけど」

ハ’ノ_’;ハ「えぇ……よくそんなことできますね」

リ゚▽゚ リ<l「んー、まあそうやな。既にちょっとおかしなっとる自覚はあるわ」

(´<_` )「……朔夜、か」

( ´_ゝ`)「ん?」

(´<_` )「さくのかみはイワサク・ネサクと関係していると思っていたが、そっちの裂ではなく朔。
      つまりは新月に纏わる神と考えるのが妥当そうだ」

リ゚▽゚ リ<l「あー……確かに朔夜参り、昨夜や咲夜ではないやろしな」

(´<_` )「月例祭ごとに儀式が行われていることにも納得がいくし、もしかして今日は新月なんじゃないか?」

( ´_ゝ`)「……あ! そういや携帯電波来てるか?」

リ゚▽゚ リ<l「携帯はこうなってから完全に駄目やな」

(´<_` )「む、そうなんですね」

116 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:25:38 ID:ikYlHdj60

( ´_ゝ`)「むぅ……いや、問題ない。弟者のPCならその辺の情報も色々入ってるはず」

(´<_` )「うむ。PCじゃなくて外付けのストレージだけどな」

ハ’ノ_’ ハ「後で見てみますか」

リ゚▽゚ リ<l「凄いな、百科事典でも入っとるんか?」

(´<_` )「ええまあ、それも含めて色々と」

( ´_ゝ`)b「流石だな、弟者」

(´<_` )「ネットに接続できない状況なんて意外とあるからな」

( ´_ゝ`)「で、何だっけ。新月の神?」

(´<_` )「ああ。新月の神というとそう多くはない。パッと思い浮かぶところではヘカテーか」

リ゚▽゚ リ<l「名前は聞いたことあるな」

ハ’ノ_’ ハ「ギリシャ神話の女神ですね。新月や闇夜、出産を司る死の女神であり、魔術の女神でもある」

(´<_` )「ええ。ですがギリシャ神話以前の時代から存在するらしいですよ」

( ´_ゝ`)「そうなのか」

(´<_` )「あくまでらしい、だけどな」

117 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:26:11 ID:ikYlHdj60

( ´_ゝ`)「でもさくのかみのご利益とはちょっと繋がらん気がするな」

(´<_` )「そもそも、さくのかみのご利益と今回の事象が繋がらないだろ」

( ´_ゝ`)「それは確かに」

ハ’ノ_’ ハ「うーん、ヘカテーか……欧州の魔術師の間では結構信仰者が多いんですよ」

(´<_` )「ああ、ウイッチクラフトですね」

ハ’ノ_’ ハ「そうです、中にはちらほら魔術師の団体もあるので。
      魔術の神というくらいですし、ギリシャ神話での逸話もなかなか凄いものだと聞きます。
      とはいえその権能を大規模に行使する儀式というのは聞いたことがないですが……」

(´<_` )「そもそも権能が繋がるかというと……うーん、微妙なとこですね」

( ´_ゝ`)「……俺は若干、出産ってのが引っかかったがな」

リ゚▽゚ リ<l「あー、それな。うちもや」

(´<_` )「む?」

( ´_ゝ`)「吉野さんと山口さん、夫婦ってのは真っ赤な嘘」

(´<_` )「……そうなのか?」

( ´_ゝ`)「なーんか、おかしいんだよな。関係を隠してるわけでもなさそうだし、何で嘘をつく必要があるのか」

118 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:26:58 ID:ikYlHdj60

リ゚▽゚ リ<l「うちは子供の数が多いのが気になるな。離島でこれはちょっと普通やないで」

( ´_ゝ`)「確かにな」

(´<_` )「……俺らみたいな生贄を養分にその辺を何とかする魔術?」

( ´_ゝ`)「んー……過疎化の原因って子供が産まれないことじゃなくて若者が都会に出てっちまうことだからな。
      直接的にどうこうってのはちょっとイメージつかない」

ハ’ノ_’ ハ「そうですね……妊娠しやすくなる魔術とかはありますが」

リ゚▽゚ リ<l「それじゃ解決にはならんやろな」

( ´_ゝ`)「あー……皆が年齢より若々しいことによる副産物、か?」

(´<_` )「……生殖可能年齢が普通より高い?」

リ゚▽゚ リ<l「それはあるかもわからんな、何なら50代の妊婦もおるし」

ハ’ノ_’ ハ「とはいえ次々出て行ってしまえば結局駄目そうですが」

( ´_ゝ`)「多産で何とか持ち堪えてる、ってとこなのかね」

リ゚▽゚ リ<l「……なあ、思っとったんやけどこんな推論が脱出に繋がるんか?」

(´<_` )「可能性は。少なくとも普通に思いつく範囲はお二人が試していそうですし」

( ´_ゝ`)「自殺までやらかしてるくらいだからな……」

119 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:27:32 ID:ikYlHdj60

ハ’ノ_’ ハ「さくのかみと儀式について知ることができれば、脱出する方法も見えてくると思います」

( ´_ゝ`)「正直それしかないよな。後は俺らならお社を破壊する手段も取れなくはないが」

(´<_` )「それを試すのはもう少し切羽詰まってからの方がいいな」

ハ’ノ_’ ハ「いくらなんでも多勢に無勢ですし、死なないとはいえ死にたくないですしね」

リ゚▽゚ リ<l「なんやめっちゃ頼りになるなあんたら。
      多少なり希望が見えて正直ちょっと興奮しとるで」

( ´_ゝ`)「なんだ惚れたか?」

(´<_` )「黙れ」

( ´_ゝ`)「はい……」

リ゚▽゚ リ<l「はは。本当に脱出できたら惚れたフリくらいはしたってもええで?」

( ´_ゝ`)「惚れるかもとかじゃなくてフリってとこが拒絶力高いな」

(´<_` )(あー、もしかして敢えてこんなこと言ってる?)

( ´_ゝ`)(長丁場になりそうだしな、吊り橋効果とかで変な感じになってもお互いにとってよくない)

120 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:28:06 ID:ikYlHdj60

リ゚▽゚ リ<l「あ、船来たで」

( ´_ゝ`)「ほんまや」

(´<_` )「口調がうつってるぞ」

ハ’ノ_’ ハ「とりあえず乗ってみます?」

( ´_ゝ`)「そうだな、そうしようか」

リ゚▽゚ リ<l「あ、ならうちは残るで。実際振り出しに戻るのか確認しとくわ」

(´<_` )「わかりました」

( ´_ゝ`)「さあて普通に駄目そうではあるが……」



 ―――。

121 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:28:40 ID:ikYlHdj60
【フェリー】
            _
        ノ |_   ll__l---||_       Nice boat.
      rj「l__`ー'  ヽlーj  L---┐
      |―┴┴―`ーrュ-‐< ̄.ィj .__jl
      |[][][][][][] i """ _..,,rr=''´ l
      l ̄ ̄ ̄ ̄/7-‐'´     /
   f  jL-、 _-‐'      -‐´~~
   ヽ |  ̄  _j_ -‐'~´~~
     `ー〜´~~~~

122 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:29:14 ID:ikYlHdj60

(´<_` )「ふむ、ちょっと離れたけどまだ暗転しないな」

( ´_ゝ`)「意外と行けちゃったりしないかな?」

(´<_` )「ない気がするが」

ハ’ノ_’ ハ「仮に行けちゃったりしたらどうします?」

( ´_ゝ`)「正直困る」

(´<_` )「えぇ……」

( ´_ゝ`)「考えてもみろ。たぶんここは現実世界ではない」

(´<_` )「ん……そう、か。その可能性は、否定できないな」

( ´_ゝ`)「茜ちゃんさんの言う通りにならずに普通に帰れちまったりしたら、
      それこそいつ何が起きるか、どうしたらいいかも全然わからん」

ハ’ノ_’ ハ「……確かに、ここは恐らく異界なんでしょうね。
      時間の流れを遡るのは……最高位の神格が直接降臨でもしない限り難しい」

( ´_ゝ`)「可能性はあることにびっくりだよ……」

123 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:30:12 ID:ikYlHdj60

(´<_` )「すると何だ、時間が巻き戻っているわけではなくて世界ごと再構築されてるってことか?」

( ´_ゝ`)「素人目にはそっちの方が大事に感じるが」

ハ’ノ_’ ハ「時間の速度を操ることはできても、遡るのはほぼ不可能ですよ。
      それは、それこそ宇宙をその時点の粒子・エネルギーの配置に再構築するしかない」

( ´_ゝ`)「……つまり、原理は同じだけど規模が違い過ぎて現実世界での時間遡行は困難ってことか?」

ハ’ノ_’ ハ「そういうことですね、切り離された異界であれば再構築も現実的です。
      つまり、時を遡っているかのような事象が起きている時点で、ここは現実世界ではない可能性が高い」

(´<_` )「なるほど」

( ´_ゝ`)「ここの違いは壮大な誤謬に繋がりそうだからな、ハロルドさんいて助かった」

(´<_` )「しかし、兄者はどうして現実世界ではないと思ったんだ?」

( ´_ゝ`)「茜ちゃんさんと俺らが出会った辻褄が合わないんだよ、ここが現実なら。
      時間が進んでないはずなのに一か月という経過時間が一致している」

(´<_` )「あ、そうか。本当に一日が繰り返しているなら、俺らが辿り着くのは彼女が消えた後になるはず」

( ´_ゝ`)「そういうこと。ちゃんと一か月経ってんだよ、繰り返してるだけで」

124 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:30:48 ID:ikYlHdj60

(´<_` )「そう考えるとあれだな、この世界的には俺らの認識している日付と彼女の認識している日付、どっちになるんだ?」

( ´_ゝ`)「あ、確かに。そこんとこどうなってんだろ?」

ハ’ノ_’ ハ「スマホの日付はこちらに到着した日ですが」

( ´_ゝ`)「茜ちゃんさんのスマホは違ってる可能性が高いな」

(´<_` )「更に言うと、島内のカレンダーはどうなってるのか」

( ´_ゝ`)「何の確証もないが、それぞれ別の日付に見えるんじゃないかという気がしてきた」

(´<_` )「あー、いかにもありそう。その理屈で言うとお互いのスマホもそうかもな」

ハ’ノ_’ ハ「今のところそこの矛盾をどうこうする必要性はなさそうですし、触らない方がいいかもですね」

( ´_ゝ`)「確かに、あんま精神衛生上よくなさそうな感じだし」

(´<_` )「何か新事実がわかった時に振り返るくらいか」

ハ’ノ_’ ハ「ですね、脱出に関係ないと言い切れるわけでもないですから」

125 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:31:22 ID:ikYlHdj60
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126 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:31:56 ID:ikYlHdj60
















  Case11「捜朔島」
  Day3「朔の神」

                          To be continued...

127 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:32:38 ID:ikYlHdj60
Case11-Day4A
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                l二二二二二二二二二二二二二ニ二二二二二二二二二二二二l
                  | |l                                l | |
                  |_,,ソ                                 !,|_,ン

128 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:33:11 ID:ikYlHdj60

( ´_ゝ`)「む……なるほど?」

(´<_` )「ここは……」

ハ’ノ_’ ハ「おや……?」

八‘⊿‘)「おはようございまーす!」

( ´_ゝ`)ノ「おはよう」

(´<_` )「おはようございます」

リ゚▽゚ リ<l「おはようさんやで」

( ´_ゝ`)ノ「ちょっと質問」

八‘⊿‘)「はい? なんでしょう?」

( ´_ゝ`)「俺らがこの島に来た目的って覚えてる?」

八‘⊿‘)「え? 観光でしたよね?」

( ´_ゝ`)「あー、なるほど」

( ´_ゝ`)(初手でこのやり取りしてたら軽く精神ダメージ入ってそう、茜ちゃんさん感謝)

129 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:33:45 ID:ikYlHdj60

(´<_` )「あの、既にお聞きしてたらすみません。滞在中の食事はどうすればいいんでしたっけ?」

八‘⊿‘)9m「あそこの保存食は1つ100円で食べて頂いて大丈夫です。
        今夜は月例祭なので、お夕飯は心配しなくても大丈夫ですよー」

( ´_ゝ`)「なるほど」

(´<_` )(ふむ、停まりタイミングの違いによる差異は吸収されているか)

リ゚▽゚ リ<l「あんな、うちら観光で来たやろ? この島の歴史とかそういうの、興味あってな」

八‘⊿‘)「はい」

リ゚▽゚ リ<l「そういうの載ってる郷土資料とかってどっかにあるんか?」

八‘⊿‘)「あるのはこの公民館の蔵書くらいですね」

リ゚▽゚ リ<l「それはもう読ん――じゃない、他にはないんか?」

( ´_ゝ`)(流石にそれくらいは既読か)

130 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:34:18 ID:ikYlHdj60

八‘⊿‘)「他ですか? うーん……もしあるとしたら村長の家かな?」

リ゚▽゚ リ<l「なるほどな。じゃ、ちょっくら村長の家まで行ってくるで」

八‘⊿‘)「あ、はい。今すぐですか?」

リ゚▽゚ リ<l「せやな」

八‘⊿‘)「じゃあご案内しますね」

リ゚▽゚ リ<l「あ、それはええわ」

八‘⊿‘)「え?」

リ゚▽゚ リ<l「村長には昨日挨拶したからな、家の場所は知っとるで」

八‘⊿‘)「あ、そうだったんですね」

( ´_ゝ`)「んじゃ行くか」



 ―――。

131 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:35:28 ID:ikYlHdj60

( ´_ゝ`)「確かに、戻ったな」

リ゚▽゚ リ<l「こっちも同じやな。いきなり暗転しよった」

(´<_` )「しかし、村長宅ですか。何かあるとしても素直に見せてくれるとは思えませんね」

ハ’ノ_’ ハ「でしょうね。まあ言ってみるだけならいいんじゃないですか?」

( ´_ゝ`)「だな。……忍び込むことを考えて警備状況とか、あと結界とかあれば把握しておきたいな」

ハ’ノ_’ ハ「パッシブ探知でいけるとこまででいいですかね?」

( ´_ゝ`)「バレない範囲なら何でも。最悪バレてもしょうがないが、なるべくメンタルは温存したい」

リ゚▽゚ リ<l「そうした方がええで。あんな、死ぬのってほんとメンタル削れるんや」

(´<_` )「そりゃそうでしょうね……」

リ゚▽゚ リ<l「おっさんによるとうちの前に来た奴は一発崩壊したらしいで?
      それを思うとうち意外とメンタル強かったんやなって」

( ´_ゝ`)「うわぁ……」

132 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:36:01 ID:ikYlHdj60
【村長宅】
二二二二二二!└―‐/                                           ' .,  .| !_     |:::! |
‐‐‐‐‐┬‐‐‐┐ .「 ̄フ___________________________________________________________________________________________________ヽ.゚| !_     |:::! |
     .|    ゚| .| `'‐', |l‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐┬┬――――‐‐‐‐‐‐‐‐―‐‐‐‐.┬┬――――..┐┌      | !_     |:::! |
‐‐‐‐‐┼‐‐‐┤ .|   `l〔  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  二二二二二二二二二二二二    ̄ ̄ ̄ ̄ ゚̄  i: :|!|     | !_     |:::! |
     .|    ゚| .|    || .「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ! 「| | | | | | | | | | | |!| | | | | | | | | | |!「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄! . i: :|!|     | !_     |:::! |
‐‐‐‐‐┼‐‐‐┤ .|    || .|      冂..! !.| | | | | | | | | | | |!| | | | | | | | | | |!|          .! . i: :|!|     | !_     |:::! |
_._______.|.______.| .|    || .|      凵..! !.| | | | | | | | | | | |!| | | | | | | | | | |!|          .! . i: :|!|     | !_     |:::! |
     .|    ゚| .|    || .|        ! !.| | | | | | | | | | | |!| | | | | | | | | | |!|          .! . i: :|!|     | !_     |:::! |
‐‐‐‐‐┼‐‐‐┤ .|    || .|       __ . ! !.| | | | | | | | | | | |!| | | | | | | | | | |!|  .!ニ.ニニニ.!_ ! . i: :|!|    _|_|____|:::! |
     .|    ゚| .|    || 」.「゚゚ ̄ ̄ ̄}:| ! !.|――――――!.|―――――‐l.|  .|| ̄ ̄¨|ヽ! . i: :|!|   _「:|  __  .!」__」_________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ..|      |:!_ ! !.|――――――!.|―――――‐l.|   ̄ ̄ ̄ . ! . i: :|!|   _!::|  |石|  !
            |         |      |:!_ ! !.| | | | | | | | | | | |!| | | | | | | | | | |!|          .! . i: :|!|   _!::|  |田|  !
――――――|――――‐.|      |:!_ ! !.| | | | | | | | | | | |!| | | | | | | | | | |!|          .! . i: :|!|   _!::|    ̄  .!---------
            |         |      |:!__! !.| | | | | | | | | | | |!| | | | | | | | | | |!|          .! . i-、`ヽ、 .!::|       .!
._______.___________|_______________|      |:! . ..!.|二二二二二二!二二二二二二l.! ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{ . 」‐、 `  ゚!::|       .!______________
            |         |      |:!''''ィニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニゞ''''''''''''''''''''''''''''''    ヽ、!::|       .!
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            |         |      |:!            ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                     .!::|       .!
            |         |      |:!      >‐‐‐‐‐‐‐-----=====--、_                 . !::|       .!
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133 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:36:35 ID:ikYlHdj60

ハ’ノ_’;ハ「うっ」

( ´_ゝ`)「どうした?」

ハ’ノ_’;ハ「いやはや……パッシブで探知できるものだけでも結構な結界です」

( ´_ゝ`)「そんな気はしてた」

(´<_` )「いざという時は例の手筈で」

リ゚▽゚ リ<l「なんやちょっとワクワクするなその言い回し」

( ´_ゝ`)「わからんでもない」

(´<_` )「いやうんまあわかるけどさ」

ハ’ノ_’;ハ「いやこれ村長本人かわかんないですけど確実に高位魔術師いますよ」

( ´_ゝ`)「そんな気はしてた」

(´<_` )「まあ想定内だな、力づくで交渉するとかは難しそうだ」

134 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:37:08 ID:ikYlHdj60
【村長宅 居間】
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                  | |l                                l | |
                  |_,,ソ                                 !,|_,ン

135 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:37:41 ID:ikYlHdj60

利 'ー`)「やあどうも、村長の石田純一だよ」

リ゚▽゚ リ<l「木葉茜や」

( ´_ゝ`)「流石文夫」

(´<_` )「同じく和夫」

ハ’ノ_’ ハ「? ハロルド・エンヴィーです」

( ´_ゝ`)(こうなっちゃ一々名前の下りやるのも面倒だからな)

利 'ー`)「さて、何のご用かな?」

リ゚▽゚ リ<l「あんな、うちらこの島の歴史とかに興味あんねん。
      郷土資料とかあったら読ませて貰いたいと思ってな」

(´<_` )「吉野さんに訊ねたら村長の家にならあるかも、と伺ったので」

利 'ー`)「なるほど」

( ´_ゝ`)「実際そういうのある?」

利 'ー`)「あるよ」

( ´_ゝ`)「えっ?」

136 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:38:15 ID:ikYlHdj60
【村長宅 書庫】
────── -、=|! !             ||_, -──────
============、ミ/!:::|| |            ||_|ヽr============
[|]_|_|」|_|,j_|_|_|_|]||::||=|| |            ||_||::|||_|_]」_|_|_|_|_|_|」]
三三三三三三]||::||: || |            || ||::||[三三三三三三
|_|_|_]」_|_|_|_|_|_|」||::||=|| |            ||_||::||!|_]」_|_|_|_|_|_|」」
三三三三三三]||::||: || |            || ||::||[三三三三三三
|_| |_|]」_|_|_|_|」]_i||::||=||/                ヾ||::||i[l| |_|]」_|_|_|_|」]_
三三三三三三]||::|| ̄              ||::||[三三三三三三
|_|_|_]」_|_|_|_|_|_|」||/                 ヾ:||:|_|_]」_|_|_|_|_|_|」」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄                    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
                     \

137 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:39:20 ID:ikYlHdj60

リ゚▽゚ リ<l「うーん……」

( ´_ゝ`)「案の定というか、あんま大したもんないな」

(´<_` )「五島の歴史みたいなのばっかだからな、この島についてはちょろっとしか出てこない」

ハ’ノ_’ ハ「魔術書の類もなさそうです」

リ゚▽゚ リ<l「さくのかみについての文献は多少あったけどな」

( ´_ゝ`)「さくのかみは朔の神で、故に捜朔島。新月の夜に月例祭が行われる」

(´<_` )「逸話はどれも興味深いな。急な嵐で多くの若者を失ったとき、老人達が若返った。
      流行り病で多くの子供が犠牲になったとき、女たちは子宝を授かった。
      黄泉からの稀人が朔夜参りで冥界に還る、見送った者たちは健康長寿になった」

( ´_ゝ`)「稀人エピはまんま今の俺らだな……」

リ゚▽゚ リ<l「冥界から来たつもりはあらへんけどな」

(´<_` )「若返る老人達というのは島の状況と一致しているし、子宝もだな。
      出産と冥界という点でヘカテー説の確度が少し上がった」

138 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:39:54 ID:ikYlHdj60

リ゚▽゚ リ<l「もっとこう、何かないもんやろか?」

( ´_ゝ`)「家探ししてみる?」

ハ’ノ_’ ハ「やめた方がいい。結界ですぐにバレますよ」

(´<_` )「となると、どうするか……」

( ´_ゝ`)「次の出方を考える必要があるな。一旦公民館戻るか」

ハ’ノ_’ ハ「そうしましょう。ここは居心地が悪い」

リ゚▽゚ リ<l「ほな一言挨拶してから戻ろか」



 ―――。

139 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:40:28 ID:ikYlHdj60
【捜朔島 公民館】
            |                                      |
            |              捜 朔 島 公 民 館             |
______|_________________________|_______
         ヽ                                      /
          ヽ                                  /
     ̄ ̄ ̄ ̄┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ┃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
            ┃                ┃               ┃
            ┃                ┃               ┃
            ┣━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━ ┫
            ┃                ┃               ┃
            ┃                ┃               ┃
            ┃                ┃               ┃
            ┃                ┃               ┃
            ┃                ┃               ┃
            ┃                  (←)┃(→)              ┃
            ┃                ┃               ┃
            ┃                ┃               ┃
            ┃                ┃               ┃
            ┃                ┃               ┃
            ┃                ┃               ┃
            ┃                ┃               ┃
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       /                                           \
      /                                             \
    /                                                 \

140 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:41:01 ID:ikYlHdj60

( ´_ゝ`)「さて、どうしたもんかね」

(´<_` )「他に穏当な手段で何かあるかというと」

リ゚▽゚ リ<l「んー、世捨て人の婆さんのとこでも行ってみるか?」

( ´_ゝ`)「何それ、そんな人いんの?」

リ゚▽゚ リ<l「おんねん。山の麓の小屋に住んどってな、狩人をしとる。
      月例祭にも参加せえへんから疎まれとるけど、村八分とかやなくて一応存在を許容はされとる感じや」

ハ’ノ_’ ハ「変わった人なんですね」

(´<_` )「しかし、その口ぶりからすると以前にも訪ねたのでは?」

リ゚▽゚ リ<l「せやけどな。いくらか新しいこと知った今なら別の訊き方もできそうな気がするからな。
      島で唯一といっていいくらいのさくのかみ信者やない人間やから、何か聞けるかもしれん」

( ´_ゝ`)「なるほどな」

(´<_` )「まあ、行ってみますか。他に思いつくこともないですし」

リ゚▽゚ リ<l「午前中は山ん中おるけど、昼頃には小屋に戻っとるはずや。腹ごしらえしてから行くで」

( ´_ゝ`)「おけ、そんじゃ飯にするか」



 ―――。

141 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:41:35 ID:ikYlHdj60




  ( ´_ゝ`) ズー(´<_` ) ズー ハ’ノ_’ ハズー
  (っ. 川 .o     (っ川 .o     (っ川 .o
 ̄ ̄`ー―′ ̄ ̄`ー―′ ̄ ̄`ー―′ ̄\



( ´_ゝ`)b「「うめぇ……!」」d(´<_` )





  Case11「捜朔島」
  Day4A「資料漁り」

                          To be continued...

142 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/06(土) 23:42:09 ID:ikYlHdj60
今回はここまで

143名無しさん:2023/05/07(日) 00:12:50 ID:Dsz8GKs20
乙乙
茜ちゃん登場してくれて嬉しい

144名無しさん:2023/05/07(日) 09:02:47 ID:Sd.Aazog0


145名無しさん:2023/05/07(日) 12:33:57 ID:.GhWqpQE0

たぶん新月の日に島を訪れないとオカルトが発生しなかっただろうことを考えると流石兄弟は運がいいな……いや悪いのか

146 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/13(土) 21:44:52 ID:rGqKHV0k0
>>143-144
リ゚▽゚ リ<l「乙ありやで」

>>145
(´<_` )「どうだろうな、この島には他にもまだ何かありそうな気がする……」

147 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/13(土) 21:46:26 ID:rGqKHV0k0
リ゚▽゚ リ<l「すまんな、今週忙しすぎて全然進んでないんや。間に合えば明日、無理そうなら水曜投下するで」

148名無しさん:2023/05/14(日) 00:17:01 ID:YULA8OK20
毎週このクオリティとか充分過ぎるんでたまにはお休みしてもええやで٩( ・ω・ )و

149 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/14(日) 23:03:33 ID:D4XNnE8s0
>>148
リ゚▽゚ リ<l「今月はどっか一週やむを得ず休載すると思うで」

150 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/14(日) 23:04:10 ID:D4XNnE8s0
リ゚▽゚ リ<l「進捗3割」

151 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:21:22 ID:9dog0Vjg0
リ゚▽゚ リ<l「進捗9割」

152名無しさん:2023/05/17(水) 22:33:55 ID:Ro9M90Tg0
わー!

153 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:51:41 ID:9dog0Vjg0
>>152
リ゚▽゚ リ<l「わー!」

154 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:52:28 ID:9dog0Vjg0
前回のあらすじ
・この一か月。月例祭の一日が繰り返されてるんや
・さくのかみと儀式について知ることができれば、脱出する方法も見えてくると思います
・んー、世捨て人の婆さんのとこでも行ってみるか?


 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 |  流石だよな、俺ら  |
 \_  _____  __/
    V      V
  d( ´_ゝ`)人(´<_` )b
  \   /.  \   /
    l   l     l   l
  //l |      | l\\
   ̄   ̄.       ̄   ̄

【標準AA環境】

   ※右のAAのズレない環境が標準です。  |     |\|/ |     |   |
                             | ∧ ∧  |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ |
                             |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|

155 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:53:03 ID:9dog0Vjg0
Case11-Day4B
``'x
;';';'ノ,vivu,
;';';'ミミメヾ;:ミ:从
;';'ミミミミYヾ;:ミ:淡x
;';'ミミミミメヾ;:ミ:ハ淡<⌒^7                                _,,..、、--‐'''""´
;';ミミミミメヾ;:ミ:ヾ}淡!`丶(,、、  γ⌒ヽ        __       _,,,、、--‐''´;';':;.:,:;.:,;';';';';';';';'i:i:
;'ミミミミミミメヾ;:ソ淡ノ, : ::)ノ'㍉ー-{i:i:i:i:i:}_,.、-''"~ : : : : : : : : : :``'ィi〔i:i:;:;:i:i:i:i:i:;';';';';';';';'i:i:i:i:;:;:i:i:i:i:i:_:_:
ミミミ|ミ:ミ|iミ.:.:シ爻彡';:.〈;';'.:..;';'`'㍉i:i:i:ソ:;.:,ィzzzzxX父爻xv'⌒ヽ__,..-‐ー…¬冖 ''' ""  ̄. . : . . . . .
;';';';')j___」Lと|i:i:i:i:ソ:;.:ノ,;';';';';'.: . .:ン ```〜TニT爻淡淡爻:;.:,:;.:,ノ: : : : :xx<ぅs。 . . . : . . . . : . . . : . . .
,.:'´. . : . . . : : . . ⌒``"``^⌒^^´. . : . . . : ``''ー''"⌒¨´`^^´__r〜く乂爻:. . .`丶 . . : . . : . . . : . . .
. . : . . : . . : . . : . . : . . : . . : : /\~ ̄\ . : . : . : . : . : . : ..( ノい乂爻淡爻.:. ノ . : . : . : : :
,: . .: , .: , .: , .: , .: .,: . .: , .: /     \  \ . . : . . : . . : . . Y辷爻;';'爻淡爻ツ′. : . : . : . .: .: .: .:
.: , .: , .: , .: , .: , .: , .: , . /       \  \. : . : ..,v〜、、乂..:.乂. 爻ミ.:;';'ソ  r〜〜、、 . : . : .
,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:'.../|∠二二二二7  \__\ ノ(.. ノ⌒丶`Tトミミメミメヾ;乂 ノン爻. : .`㍉ . : . :
,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:' |  | ̄|┌┐     |   |.:.:.:辷 ;' ;';'乂爻淡淡爻ヾ;:ミメ^'^ンく.: .:;';'.: } i. : .. : .
:´:´:´:´:┌┐:´:vivン_|  | _|└┘     | Γ|γ乂爻父狄淡爻爻父父ミメ::; :;. 爻ソ.: ;';';'ン゚ .: .: .: .:
=====)=|::::|=ノ什ノ|:::|""""゙;゙|:|丁 丁 TTニ7=-‐_、r-<⌒'爻淡淡慫衒衒慫淡淡父__ソソ, : , : , : ,
ノィ(ノィ(ノ(|::::|v(ノメ川;|:::|kv:;.: : |:|乂ノ(ノ ノ;:ノ; '(  ``'ミ;';'``〜 _n⌒'v蕊蕊ッ'^'X彩'′, : , : , : , : , : ,
しル《ノ.: |::::|ノ(ノ从ノ|::从小vivifノし(ノし':;.:,:;.:,狄    `'㍉.:;'.;';'ミミメv_`iii´.:'.:'n.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'
{ノVソし人从;';'Yi:i:少'冖㍊:, . . ノ(ノ.:ノミメ;';';';'i:ン       ´"'爻:;.:,i:i:i:;'^ソ7ァ┴‐-  __ ;";";";";";";
找ルノ(《州川;';i洲り;'.:. ノ《价ミrf爻リンルンi:i:ソ        . . : ``'爻:;.:,狄;';'ノ州川 i i^^'冖¬vvu
:`i:Y; 狄ノjル州:从州i:狄;';')水ツンミメハノi:i:ツ'′ .         . :. :...:`'爻洲州川狄狄州川i:i:゙;゙;゙;
;'ノ八ノハ从ノノノ从小价ソ少沙';';':;.ノ.:.:丿'′  .:     :         ``'爻ミ狄刈狄ノ川i:i:i::;.:,

156 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:53:36 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)「あれがその世捨て人の婆さんの家か」

リ゚▽゚ リ<l「せや。多分帰ってると思うんやけど」

(´<_` )「まあ、留守のようなら待ちますか」

( ´_ゝ`)「だな、そのうち帰ってくるのはわかってるわけだし」

ハ’ノ_’ ハ「えっ……? ちょっと待ってください」

(´<_` )「どうしました?」

ハ’ノ_’;ハ「念のため家に探知をしてみたんですが、反応が……」

リ゚▽゚ リ<l「何やて?」

( ´_ゝ`)「……結界か? 他のものか?」

ハ’ノ_’;ハ「侵入を拒む類の結界です。それも、結構古風な」

(´<_` )「それは」

( ´_ゝ`)「んー……古風ってとこからすると婆さんが張ったもんなのかな?」

157 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:54:10 ID:9dog0Vjg0

(´<_` )「どうする?」

( ´_ゝ`)「まあ問題ないだろ、最悪夕方の船に乗ってリセットできるし」

リ゚▽゚ リ<l「あんま安易にやるのもどうかと思うけどな、あれも結構正気削れるで正直」

ハ’ノ_’ ハ「同感です」

( ´_ゝ`)「あくまで最悪は、だ。恐らくまずい可能性は低いと思うし、それに」

(´<_` )「飛び込んでかなきゃどうにもならん、か」

( ´_ゝ`)「そういうこと。穏当な行動の選択肢があまりない以上、尻込みしててもしゃあない」

リ゚▽゚ リ<l「あー、それはまあそうやな、身に沁みとるで」

ハ’ノ_’ ハ「うーん、そう言われるとそうですけど」

(´<_` )「いざとなったら例のスタングレネード的ガジェットよろしく」

ハ’ノ_’ ハ「あ、それ聞いてちょっと気になったんですけど、使っちゃったものは繰り返した時どうなるんですかね?」

リ゚▽゚ リ<l「元に戻るで。じゃなきゃ今頃うちの服とかミステリの被害者より酷いことになっとるわ」

ハ’ノ_’ ハ「ん、なるほど」

158 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:54:43 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)「んじゃ、声かけるか。ごめんくださーい!」



 ………



( ´_ゝ`)「ありゃ、留守か?」

リ゚▽゚ リ<l「ま、そんなら待たせてもらおか。よっこらせ」

ハ’ノ_’ ハ「俺は周辺をちょっと調べてみます」

(´<_` )「付き合います」

( ´_ゝ`)「ほどほどにな、戻ってきて不審がられても面倒だし」

(´<_` )「確かに」

ハ’ノ_’ ハ「すぐ戻りますよ」

( ´_ゝ`)「ならいい」



 ―――。

159 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:55:17 ID:9dog0Vjg0

リ゚▽゚ リ<l「あ、戻ってきたみたいやで」

( ´_ゝ`)「おっ」

(´<_` )「すぐ切り上げて正解でしたね」

ハ’ノ_’ ハ「ですねー、ただでさえ怪しげな集団ですし」

( ´_ゝ`)「双子と外国人とコスプレイヤーの集団とかもうね」

リ゚▽゚ リ<l「せやな、ってコスプレちゃうわ」

( ´_ゝ`)「そうか?」

リ゚▽゚ リ<l「そうや」

ハ’ノ_’ ハ「えぇー……それが普段着って方が無理ありますけど」

リ゚▽゚ リ<l「いつでも見られとる思っとけってムカキンも言うとるやん」

(´<_` )「それってそういう意味なんでしたっけ……?」



八-ム-)

160 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:55:51 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)(思ったより全然老婆感薄いな……60行ってないくらいか?)

八-ム-)「何だい、あんたら」

( ´_ゝ`)「ただの旅行者、だったらよかったんだけどな」

(´<_` )「人を探しに来たんですが。ちょっと、おかしなことに巻き込まれていまして」

八-ム-)「ああ……悪いこと言わないから早く帰んな」

リ゚▽゚ リ<l「そうしたいのは山々なんやけどなぁ……」

ハ’ノ_’ ハ「島から出られないんです」

八-ム-)「ん? それはどういうことだい?」

( ´_ゝ`)「言葉通り。船に乗っても気づいたら公民館に戻ってる」

八-ム-)「むぅ……? ああ、立ち話もなんだね。入んな」

(´<_` )「え? あ、はい」

ハ’ノ_’ ハ「あの、いいんですか? 自分で言うのも何ですが結構怪しげな集団だと思うんですけど」

八-ム-)「構いやしないよ。こんな婆一人どうこうしたってどーにもならんからね」

( ´_ゝ`)「んじゃ遠慮なく」

161 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:56:25 ID:9dog0Vjg0
【老婆の家 居間】
    | {二二}{二二| {二二}{二ニ ,'| ! .二} |二}{二二}{二二} |   |
    | {二二}{二二| {二二}に.  ,' j | ニ二} |二}{二二}{二二} |   |
    | {二二}{二二| {二二}{ニ. ,′| ! .二} |二}{二二}{二二} |   |
    | {二二}{二二| {二二}{ニ..' ニ.|__| ニ二} |二}{二二}{二二} |   |
    | {二二}{二二| {二二}{ニ..辷z.!i_..ニ} |二}{二二}{二二} |   |
    | {二二}{二二| {二二}{ ../.:::::::::::::::/ニ} |二}{二二}{二二} |   |
    | {二二}{二二| {二二}{  くx=┬< .ニ} |二}{二二}{二二} |   |
    | {二二}{二二| {二二}{二二 八  二} |二}{二二}{二二} |   |
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    | {二二}{二二| {二二}{二二 r=' 二二} |二}{二二}{二二} |   |
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162 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:56:59 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)「まさかの囲炉裏」

八-ム-)「あたしの稼ぎじゃガス買うのも一苦労だからね。基本は水と米以外自給自足さね」

(´<_` )「大変ですね」

八-ム-)「何の因果か、随分と長生きしちまったもんだよ」

ハ’ノ_’ ハ「おいくつなんですか?」

八-ム-)「今年60だよ」

( ´_ゝ`)「お、還暦か、そりゃめでたい」

ハ’ノ_’ ハ「「おめでとうございます」」(´<_` )

リ゚▽゚ リ<l「おめでとさんやで」

八-ム-)「……何で生きてるのかもわからん老いぼれだけど、そう言われると何か嬉しいねえ」

ハ’ノ_’ ハ「いえ、まだまだお若いですよ」

( ´_ゝ`)b「生きてるだけで丸儲け」

(´<_` )「これまで相当なご苦労があったのだとお見受けします。
      それでも日々仕事をして生活してらっしゃるのは尊敬します」

八-ム-)「そうだねえ……色々あったさ、そう、色々ね」

163 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:57:33 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)「その色々を聞きたいんだけど」

(´<_` )「その前に。自己紹介が遅れてすみません、流石累次です。こちらが兄の」

( ´_ゝ`)「流石真理男だ」

ハ’ノ_’ ハ「ハロルド・エンヴィーです」

リ゚▽゚ リ<l「木葉茜やで」

八-ム-)「あたしゃ吉野ツルだよ」

( ´_ゝ`)「ん、吉野って」

(´<_` )「……ハルさんのお母さんでしょうか?」

八-ム-)「ああ、そうさね」

ハ’ノ_’ ハ「えっ、そうだったんですね」

( ´_ゝ`)(彼女、母親を僻地に放っておくようなタイプには見えんが……信仰の違い故か?)



「おーい、ばあちゃーん!」

164 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:58:06 ID:9dog0Vjg0

八^⊿^)「「ん??」」リ’-’ル

八-ム-)「おや、隼人にリル。今はお客さんが来てるんだ、ちょっと待っておくれ」

八^⊿^)「客……?」リ’-’ル「お客さん?」

ハ’ノ_’ ハ「お孫さんですか?」

八-ム-)「ああ。二人とも、お客さんに挨拶しな」

八^⊿^)「……吉野隼人、です」

\リ’-’ル「リルだよ!」

( ´_ゝ`)「お、礼儀正しいな若人達。流石真理男、探偵だ」

八^⊿^)「探偵……?」

(´<_` )「弟の累次です」

ハ’ノ_’ ハ「ハロルド・エンヴィーです」

リ゚▽゚ リ<l「木葉茜や」

リ’-’ル「わっ! お洋服可愛い!」

リ゚▽゚ リ<l「あはは、ありがとさんやで」

165 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:58:40 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)「二人はよく遊びに来るのか?」

八^⊿^)「うん、いや、はい」

( ´_ゝ`)「別に無理して敬語なんて使わんでいいぞ」

八^⊿^)「え?」

リ゚▽゚ リ<l「せやな、無礼講や無礼講」

ハ’ノ_’ ハ「無礼講って宴会とかじゃなかったでしたっけ?」

(´<_` )「言葉の意味は置いといていいかと」

八^⊿^)「ほんとか?」

( ´_ゝ`)b「男に二言はない」

リ’-’ル「おなじかおー??」ペタペタ

(´<_` )「んっ? いや、ちょっと」

166 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:59:13 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)「弟者はロリに好かれる」

(´<_` )「おい、あらぬ風評はやめろ」

リ゚▽゚ リ<l「あっ……」スッ

(´<_`;)「地味に距離取らないでください!」

( ´_ゝ`)(そういや合法ロリだな……)

リ’-’ル「?」

八^⊿^)「おい、リルに手ぇ出したらただじゃおかねーぞ」

(´<_` )「いや真に受けないでください」

( ´_ゝ`)「悪い悪い、ちょっとしたジョークだ。弟者は性犯罪者ではない」

ハ’ノ_’ ハ「俺はそういうジョーク嫌いです」

( ´_ゝ`)「む、すまんな」

リ゚▽゚ リ<l「えー、何やうちらが悪いみたいやん?」

(´<_` )「悪いです」

八-ム-)「悪いなあ」

167 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 22:59:47 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)「ええーっと、DOGEZA??」

リ゚▽゚ リ<l「おっ、ええやん。一度やってみたかったんや」

(´<_` )「やめい」

八^⊿^)「えーと……よくわかんねーけどあんたロリコンじゃないのか?」

(´<_` )「断じて」

( ´_ゝ`)(いやそれは嘘だろ、普通に見境があるだけで)

八^⊿^)「……そりゃそうか。あんたみたいな真面目そうなやつが巌のクソ野郎と同じわけない」

( ´_ゝ`)(ん?)

ハ’ノ_’ ハ「ん?」

(´<_` )「巌って、山口さんですか?」

ハ’ノ_’ ハ「……えっ、ロリコンなんですかあの人?」

八^⊿^)「リルにベタベタ触ってきやがる」

( ´_ゝ`)「「アウト」」(´<_` )

ハ’ノ_’ ハ「アウト」

( ´_ゝ`)ノシ「スリーアウト、チェンジで」

168 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:00:22 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)「え何、あんまそんな感じなかったけど。言われてみれば目線が怪しかった気も……?」

(´<_` )「マジか」

ハ’ノ_’ ハ「えぇ……」

八-ム-)「いや、あいつはただ見境がないだけだね」

( ´_ゝ`)「ああ、そういうこと?」

ハ’ノ_’ ハ「えぇ……」

リ゚▽゚ リ<l「どっちみち近寄らんとこ」

八^⊿^)「リルは俺が守る」

( ´_ゝ`)「気に入った。俺らでよければ力になるぞ」

(´<_` )「ええと、一応聞いときますけど警察とかは?」

八-ム-)「役に立ったことは一度もないさね」

ハ’ノ_’ ハ「はぇー……何だかとんでもないところに来てしまいましたね」

( ´_ゝ`)「色んな意味でな」

169 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:00:55 ID:9dog0Vjg0

リ’-’ル「お兄ちゃんお外いこー!」

八^⊿^)「ん? おう!」

八-ム-)「行っといで。猪に気をつけるんだよ」

八^⊿^)「わかってるって! 行くぞリル!」

リ’-’ル「わー!」

ハ’ノ_’ ハ「良いお孫さんですね」

八-ム-)「ああ、あたしなんかにゃ勿体ない孫たちさ」

(´<_` )「あの……聞いていいかわかりませんが、どうしてここに住まわれてるんですか?」

八-ム-)「山の管理なんて誰もやりたがらんからね、誰かがやらにゃならん」

リ゚▽゚ リ<l「作業小屋があれば十分な気するけどな」

( ´_ゝ`)「あー、もういいか。ぶっちゃけ村の人たちとの折り合いがよくないからっしょ?」

八-ム-)「……ま、そうだね」

170 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:01:29 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)「その、折り合いが悪い理由を聞きたいんだけど」

八-ム-)「……」

ハ’ノ_’ ハ「別にあなたが魔術師だから、ってわけでもないですよね」

八;-ム-)「!? あんた」

ハ’ノ_’ ハ「改めまして。品川商事顧問魔術師のハロルドです」

( ´_ゝ`)「えっ、顧問魔術師とか何それ初耳なんだが」

ハ’ノ_’ ハ「あはは、なんかとんでもない好待遇で招致されちゃいまして……」

(´<_` )「俺らに付き合っちゃって大丈夫だったんですか?」

ハ’ノ_’ ハ「ボスの了承は得てますよ。他ならぬあなた方の頼みってことで」

八-ム-)「驚いた、あんた魔術師なのかい」

ハ’ノ_’ ハ「ヘッポコですけどね」

( ´_ゝ`)「不本意ながら俺ら、魔術師や化け物と戦ったりヤバい橋には慣れてる」

(´<_` )「本当に不本意ながらな……」

リ゚▽゚ リ<l「いやどんな探偵やねん」

171 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:02:02 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)「というわけなんでまあ、心配ならご無用だし」

(´<_` )「何かしら手助けもできるかもしれません」

( ´_ゝ`)「とはいえ今はちょっと困ったことになってるから知恵を貸して欲しくて」

八-ム-)「うーん、なるほどねぇ……」

リ゚▽゚ リ<l「どうやろか?」

八-ム-)「……まずはその困ったこととやらを聞かせて貰おうかね」

( ´_ゝ`)「わかった」

(´<_` )「では、最初から説明します」



 ―――。

172 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:02:36 ID:9dog0Vjg0

八-ム-)「……なるほどねぇ、そういうカラクリだったのかい」

(´<_` )「何か思い当たることが?」

八-ム-)「まず、だけど。あたしには月例祭で稀人が供物にされる、という認識はあっても、
     それが誰だったのか、どんな姿をしていたのか、とんと記憶がない」

( ´_ゝ`)「なるほど」

八-ム-)「改めて考えてみるまで気づかなかったけどねぇ、随分とおかしなことだよ」

リ゚▽゚ リ<l「ん、月例祭出とらんって聞いとったけど」

八-ム-)「あたしだって昔は出てたさ、この生活を始めるまでは」

(´<_` )「どうしてこのような生活を?」

八-ム-)「村での生活がしにくくなっちまってねぇ、当時山の管理をしてた婆様がくたばったこともあって、
     あたしが手を上げたというわけさ」

( ´_ゝ`)「理由について詳しく」

八-ム-)「ろくでもない島だよ、ここは。さっさと滅んじまえばいいんだ」

リ゚▽゚ リ<l「なんやめっちゃ激しいやん」

173 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:03:09 ID:9dog0Vjg0

八-ム-)「……あたしもね、稀人だったんだよ」

リ゚▽゚ リ<l「えっ?」

八-ム-)「乗ってた船が座礁してね、救命ボートで辿り着いたのがこの島だったのさ」

( ´_ゝ`)「なるほど」

八-ム-)「……状況からして他にも乗員はいたと思うんだけどね、記憶にはない。
     恐らく、供物にされたってことだろうね」

(´<_` )「それは、たまたま新月の日に辿り着いたということですか?」

八-ム-)「いいや。色々理由をつけて何日も留め置かれたんだよ。
     最後の方は銃持って脅されとったね」

ハ’ノ_’ ハ「うわぁ……」

リ゚▽゚ リ<l「それで、なんであんただけ残ったんや?」

八-ム-)「……当時の村長だった100歳の妖怪爺に気に入られたから、だろうね」

( ´_ゝ`)「あー……そういう」

(´<_` )「最悪だ……」

174 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:03:43 ID:9dog0Vjg0

八-ム-)「本当に最悪だよ。夜毎誰かしらに犯されたからね」

( ´_ゝ`)「……薄々思ってたんだけど。もしかしてこの島、夫婦の概念がない?」

八-ム-)「そうさね。この島じゃ女は男どもの共有所有物だよ」

リ゚▽゚ リ<l「うわ……」

(´<_` )「……」

八-ム-)「誰が父親かなんてわかりゃしないからね、産まれた子供は母親の姓を継ぐのさ」

( ´_ゝ`)「何だろう、思った以上に最悪でドン引きしている」

(´<_` )「奇遇だな、兄者」

ハ’ノ_’ ハ「ほんとに」

八-ム-)「狭い島だ、代を重ねれば血が煮詰まるからね。
     たまにあたしみたいなのを捕らえて外の血を入れてるんだよ」

リ゚▽゚;リ<l「こわー……もしかして新月の日で逆に助かったんか?」

( ´_ゝ`)「そういうことになりそうだな……」

175 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:04:17 ID:9dog0Vjg0

(´<_` )「しかしその理屈でいうと……島から逃さないような仕組みがあるなら人口爆発しそうですが」

( ´_ゝ`)「確かに。そこにも何かカラクリがある?」

八-ム-)「供物にされるのは稀人だけじゃない」

ハ’ノ_’ ハ「え……」

八-ム-)「病人やカタワ、爪弾き者は供物に選ばれる。それも全く記憶はないけどね、そういうことになってる」

リ゚▽゚ リ<l「……何やろ、絶句もんやな」

( ´_ゝ`)「あんたが選ばれないのは……山の管理を誰もやりたくないから?」

八-ム-)「そういうことさ。男は漁に出て、女は男に尽くして家事育児をするのが美徳とされてるからね。
     山仕事なんて誰もやりたがらないのさ。今はあたし含めた爪弾き者達で回してるよ」

リ゚▽゚ リ<l「あれ、他にもおるんやな。そりゃそうか、一人でできるもんやなし」

八-ム-)「常駐はあたしともう一人だね。他は必要な時に回される」

(´<_` )「何だろう……島から脱出しようと思ったりは?」

八-ム-)「そりゃ思ったさ。でもまあ、難しいね。今ならできなくもないと思うけども」

( ´_ゝ`)「……孫たちか」

八-ム-)「そうだね。隼人とリルをよそに連れて行く。今は準備期間といったところさ」

176 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:04:51 ID:9dog0Vjg0

リ゚▽゚ リ<l「隼人はなんや島の思想に染まっとらん感じやったな。反抗期やからか?」

八-ム-)「あたしの影響もあるだろうけどね。真っすぐないい子だよ」

ハ’ノ_’ ハ「あー……もしかしたらこの家の結界が関係あるかもしれません」

( ´_ゝ`)「む?」

ハ’ノ_’ ハ「この島、たぶんさくのかみの魔力らしきものが薄っすら漂っててですね。
      それが島の人の情操にも影響を与えているかもしれません」

リ゚▽゚ リ<l「なんやて?」

(´<_` )「ハロルドさん、そういうのは早めに教えて欲しいんですが……」

ハ’ノ_’ ハ「いや、俺もちょっとした違和感程度だったんですよ。
      この家に入って、外との違いで何となくわかってきたというか」

八-ム-)「そうかい……ハルの時は村の中で結界なんて張ってなかったからね。
     あの子には色々と思うところもあるけど、悪いことをしたかね……」

( ´_ゝ`)「いやそんなん気付くの無理っしょ。あんたのせいじゃないって」

リ゚▽゚ リ<l「せやで」

177 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:05:25 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)「なんとなく、子供たちはこの島の軛から解き放てる可能性がありそうなことがわかってしまったが」

ハ’ノ_’ ハ「いや、言ってから思いましたけど短時間の滞在でそこまで変わるとは到底……あくまで要素の一つでしかないかと」

(´<_` )「どのみち、流石に手が回らん。別に俺ら正義の味方でもないし……」

( ´_ゝ`)「まあ、特課に通報しとくくらいかな……」

ハ’ノ_’ ハ「ローレンツ先輩からこの辺の教会に話を通して貰うのもいいかもしれません。
      何なら、この話を聞いたら自ら出張してくるかも」

リ゚▽゚ リ<l「何や凄いツテとかそんなんがある感じ?」

( ´_ゝ`)「政府のオカルト対処部隊とバチカンのエクソシスト」

リ゚▽゚ リ<l「えぇ……なにそれヤバ」

八-ム-)「ほう……そんなのがあるのかい」

(´<_` )「そのツテを頼るにはまず脱出の必要があるわけですが」

ハ’ノ_’ ハ「何か思い当たることありませんかね?」

八-ム-)「ふむ……」

178 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:05:58 ID:9dog0Vjg0

八-ム-)「何かあるとすれば、村長の家かさくのかみの社だろうね」

( ´_ゝ`)「やっぱりそうなるか……」

(´<_` )「もうちょっと容易そうな搦め手とかないですかね?」

八-ム-)「何か知ってそうな有力な魔術師は村長の家に詰めてるからね。
     強いて言えばばらけて行動しているところを狙うくらいさ」

リ゚▽゚ リ<l「ん? ってことは社の見張りは大したことないんか?」

八-ム-)「猟銃を大したことがないと思うのであれば、そうだね。
     魔術師としちゃいいとこあたしと同程度のペーペーさ」

( ´_ゝ`)「猟銃は普通に大したことあるな。使い手がヘボならどうとでもなるが」

(´<_` )「実戦経験少なそうだしな、兄者なら普通に何とかなりそう」

ハ’ノ_’ ハ「俺がサポートすれば普通にいけそうですね。とりあえずそっちから当たりますか?」

( ´_ゝ`)「村長の家はルナティック過ぎるしな、見張りに拷問なり夢の臨界なりかけて足掛かりを得たい」

リ゚▽゚ リ<l「夢の臨界?」

(´<_` )「詳細は省きますが知ってる情報を抜ける魔術です」

179 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:06:32 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)「おし、俺とハロルドさんでちょっくら行ってくるわ。
      弟者と茜ちゃんさんはここで待機しといて」

(´<_` )「二人で大丈夫か?」

( ´_ゝ`)「むしろ身軽な方がいい」

(´<_` )「なるほど。……吉野さん、暫くいさせて貰って構いませんか?」

八-ム-)「ああ、構わないよ」

( ´_ゝ`)「ついでに何か良さそうな魔術あったら弟者に教えてやってくれない?」

八-ム-)「構わんけど……あんたらも魔術を使うのかい?」

(´<_` )「成り行きで身に着けたのでラインナップはかなり偏ってますが……」

リ゚▽゚ リ<l「なあなあ、それってうちも覚えられるか?」

( ´_ゝ`)「流石にゼロからは短期でどうにもならんと思うぞ」

ハ’ノ_’ ハ「ですね、余程の天才なら可能性はゼロじゃありませんが。
      俺は割とすぐ使えましたけど、後で知った話では魔術師の家系だったみたいですし……」

リ゚▽゚ リ<l「えー、そうなんか。残念やな」

(;´_ゝ`)(別府の魔術書改めてヤバすぎる……)

180 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:07:06 ID:9dog0Vjg0
【さくのかみの洞穴】
      |:――-     __                /⌒ ̄ ̄  、
_    |:          {     \      __  /_   \     }_
⌒ ̄ ̄ノ^  ___  j        、 >''“” ̄ ̄ ̄”“''<\    、 | ̄⌒}f
   ̄ {   | ̄ ̄    { ̄ ̄ ̄ ̄ |/::::::::::::::::::::::::::: : : . .. ..\ 、   \   {{ ̄ ̄ ̄
     {   |        {      〃::::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : : ..∧ V     、 {
     {   |        {      i{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ∧ V    } _}
____ノ_ /   __ ノ=‐―   __.i{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i  }     厂⌒≧=―
 ̄ ̄ ̄⌒\__/⌒ ̄ {       ]{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i  }  /    {
        {         {       ]{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i  }_/{    _」___
        {         {       ]{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i  } ̄ ̄ ̄⌒\{
        {         {       ]{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : : . . . ..}/       ノ]
        {         {        ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : . . ....{          {
        {         {     /⌒ r ┐:::::::::::::::::::::: : : : : : : . . ....{        ノ
―=冖⌒ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{   八_ノ=――-  _____」___/⌒ ̄ ̄ ̄
                    ̄ ̄         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(__)

181 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:07:40 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)(なるほど、あれか……立ち姿から、大した使い手ではなさそうだ)

ハ’ノ_’ ハ(魔力は……俺よりちょい下くらいか? まあ問題なさそうかな)

( ´_ゝ`)b(そんじゃ手筈通り)

ハ’ノ_’ ハb(おけです)


       。
ハ’ノ_’ ハっ/



       。      ―=≡>
ハ’ノ_’ ハっ/



                    `     '
                      、   ノヾ     '
                      )ヽ/  ヽ、ノ|ノ´
          ------- ―== ニ ニ二       二ニ ニ ==― --------
                       )     (
                     , '´⌒`Y´⌒` 、
                          ,     \

182 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:08:13 ID:9dog0Vjg0

(;・村・)「!? て、手がッ……!?」

三( ´_ゝ`)┫「いただきっ!」

(;・村・)「!?」



  \\             | | |       /       /
.  \\\           .| | |        /      /
     \\          | |       /'!     /
       \\..        | |      ./ !    //
        \     |\   |     //| |___
         \    |  \ |    .// .l_   /
       ____| |\\/\//  / /
        \  ____|  \/\/ / /  _______
         \ \            /   ̄ ̄  __     /
          \ \  __lV 、_  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄― ""   / ―――
           /  / , >  へ´  ` 、 ̄ ̄         / ――
             /  ///  Y l\    \         く ――――――
         /  /./    !  \  | ̄         \
           / / //  /! .! l\ \l   ! ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        // ..// / ...! l l  \     |       \
         /   //// | .l l l    \   |         \
     / /   / /   l ∥l     \ |         \\
    ./ /    //     l  .i       `        \\

183 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:08:47 ID:9dog0Vjg0

(;・村(::)「ぐっ……!」

( ´_ゝ`)┫「大声を出せば殺す。……さて、質問に答えて貰おうか」

(;・村(::)「何だと? 誰がっ――!?」



( ´_ゝ`)┫))村(::) ゴッ!



ハ’ノ_’ ハ「あー、やっぱ大声出させずには厳しかったですね」

( ´_ゝ`)┫「しゃあなし、気絶させちったしプランB」

ハ’ノ_’ ハ「とりあえず中に運びますか」

184 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:09:21 ID:9dog0Vjg0
【さくのかみの社】
 lj    i  .| |    .|l゙.゛  | ュ! U | |  lj   !| │l  U    ` l .!   l !     .! |   l .| | l゙ ″ .| .|  .| .lU
.! |ゞ .! .|  lj二二二二二二∨二 U 二二二二 lj二二二二二 .lj二二.lj二二二 .lj 二 .U .∨二二 .レ゙ !.l二二
.| |二 l l二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二 lj二二二
. lj二 .lj二二二二二二二二二二二___________________二二二二二二二二二二二二二
二二二二二二二二二二二二二二|                      ......::::::::i二二二二二二二二二二二二二
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三三三三三三三三三三三三三三三三|. . __i___┃    ┃____ .:::|三三三三三三三三三三三三三三三
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185 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:09:54 ID:9dog0Vjg0

ハ’ノ_’;ハ「うわ、最悪です……いるだけで気分悪くなってきます」

( ´_ゝ`)「確かに嫌な感じはするが、そんなにか?」

ハ’ノ_’;ハ「これ感じないってどんだけ酔っぱらってたんだ俺……」

( ´_ゝ`)「屈強な男にときめく程度には酔っぱらってたな」

ハ’ノ_’;ハ「うわー……」

( ´_ゝ`)「んじゃ俺はこいつに魔術かけるから、見張りよろしく」

ハ’ノ_’;ハ「あ、はい。外で見張っときます」

( ´_ゝ`)「よろしく」



 ―――。

186 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:10:27 ID:9dog0Vjg0

ハ’ノ_’ ハ「どうですか?」

( ´_ゝ`)「気分最悪で収穫はちょっとだけ。
      ツルさんの話のウラが取れたのと、村長のとこにいるトキオって男がクサい」

ハ’ノ_’ ハ「ふむ……?」

( ´_ゝ`)「祭りの時村長の後ろに控えてたうちのハゲてない方」

ハ’ノ_’ ハ「ああ、あの人ですか」

( ´_ゝ`)「魔力とか感じなかったか?」

ハ’ノ_’ ハ「パッシブ探知では特に」

( ´_ゝ`)「そうか。たぶんあいつが大魔術師」

ハ’ノ_’ ハ「何を見たんです?」

( ´_ゝ`)「どうも村長が気を使ってる節があるのと、わたつみの兵を魔術で串刺しにしてた」

ハ’ノ_’ ハ「わたつみの兵というと、上半身が魚類の?」

( ´_ゝ`)「それ。フィレンクトさんが苦戦する程度には強い」

ハ’ノ_’ ハ「それだと俺は普通に秒殺されそうですね……」

187 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:11:01 ID:9dog0Vjg0

( ´_ゝ`)「……もしかすると、リトライしまくる必要あるかもな」

ハ’ノ_’ ハ「はぁー……持ちますかね、正気?」

( ´_ゝ`)「わかんねーけど。潜入トライアンドエラーの必要ありそうだ」

ハ’ノ_’ ハ「嫌になりますね……あっ、そうだ、社も調べましょうよ」

( ´_ゝ`)「む、そうだな。ついでに破壊も試みるか?」

ハ’ノ_’ ハ「え、他の皆に無断でやっちゃっていいんですかね?」

( ´_ゝ`)「社調べて何もなきゃ村長宅訪問デスマーチになりそうだし。
      むしろ今試してみといた方がいいかなと」

ハ’ノ_’ ハ「うーん……確かにそうかもですね」

( ´_ゝ`)「ま、調べてみてからだけどな」



 ―――。

188 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:11:34 ID:9dog0Vjg0

ハ’ノ_’;ハ「うーん、特に気になるものはありませんね、語弊はありますが」

(;´_ゝ`)「何となく予想はしてたけどな、語弊はあるけど」

ハ’ノ_’;ハ「で、その語弊が」

(;´_ゝ`)「……なーんだろね、この宝玉っぽいの」



               .,.,.,,,.,.,.
.            ,g:'戀戀戀戀'g:.、
            ,g必戀戀戀戀戀:沁;,
         ,犇:ji戀戀鑾鑾戀戀i:犇,
        ;淡:i戀戀鑾鬱鑾戀戀i:淡;
          淡:戀戀鑾鬱鬱鑾戀戀:淡
.          ‘黍:i戀戀鑾鬱鑾戀戀i:淡’
          '淡:i戀:戀鑾鑾戀:戀i:淡'
            ‘鳰戀戀戀戀戀戀炒’
              ‘'%:戀戀戀戀:沙'゙
.               `¨“““““¨´



ハ’ノ_’;ハ「絶対ヤバいやつですよこれ。島を薄く覆ってる魔力、発生源これです」

(;´_ゝ`)「触れたら取り返しのつかないことになりそうな気がプンプンする……」

189 ◆KDJGUfbY2o:2023/05/17(水) 23:12:08 ID:9dog0Vjg0

ハ’ノ_’;ハ「破壊、やってみます? 俺は正直今すぐ逃げ出したい、解析もしたくない」

(;´_ゝ`)「奇遇だな、俺も逃げ出したい。明らか元凶だろこれ。何であんな雑魚見張りしかいないんだ?」

ハ’ノ_’;ハ「誰にもどうすることもできないからでは?」

(;´_ゝ`)「あー、それだわ。すげーしっくりきた」

ハ’ノ_’;ハ「で、どうします?」

(;´_ゝ`)「撤収」

ハ’ノ_’;ハ「彼はどうするんです? 手の傷は治癒魔術で治しましたが」

(;´_ゝ`)「多少なり夢と現実の境界を操作してある。元の立ち位置で寝かせとけば状況的に夢だと思うだろうよ」

ハ’ノ_’;ハ「エグい魔術ですね……」

(;´_ゝ`)「時間かけて深度上げればマジで夢と現実の区別つかなくなるからな……」



 ―――。


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