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ミセ*゚ー゚)リ ROMAN QUEST のようです
1
:
◆ubpKHJFedo
:2022/05/17(火) 23:29:55 ID:1k.qtK.20
初投下
立つかな?
135
:
◆ubpKHJFedo
:2022/05/29(日) 05:20:12 ID:y9jEkigI0
(,,メ゚Д゚)
(,,メ-Д-)「……ま、わかってたけどよ」
ギコはそういうと立ち上がり、ミセリに手を差し出した。
(,,メ゚Д゚)「長い旅の前に、幸いここはマラッカが近くにある、そこで休憩といこうや」
(,,メ̂Д̂)「風呂にも入りてぇしな!ギコハハハ!」
136
:
◆ubpKHJFedo
:2022/05/29(日) 05:20:36 ID:y9jEkigI0
海賊は無事打ち倒した。
しかし、こちらにも被害がなかったわけではない。
甲板で戦闘に参加した船員の数人が負傷したのち、死亡した。
(メ ^ω^)「お!ミセリ!大丈夫だったかお?」
ブーンはドクオと共にいたという。
私が衝撃で飛ばされてしまったため、ほとんど逆のところで戦っていたらしい。
('A`)「…こいつが落ちてたからよ、届けてやろうと思っただけさ」
そういうとドクオは男に止めを刺した剣を取り出した。
ミセ*゚ー゚)リ「これ、わたしの…」
剣があったとしてもニ対一。しかも素人とくれば勝負は怪しいどころではなかっただろう。
137
:
◆ubpKHJFedo
:2022/05/29(日) 05:21:15 ID:y9jEkigI0
ミセ*゚ー゚)リ「…結果オーライってやつかな」
そう零した私に、ドクオはこんなことを言った。
('A`)「…まぁ、海賊とはいえ殺さずに済んだのなら、それでいい」
('A`)「そう簡単に、手は汚しちゃいけねぇよ」
この言葉の、その重さがわかるのは。
その背後にあるものに触れることになるのは。
138
:
◆ubpKHJFedo
:2022/05/29(日) 05:21:39 ID:y9jEkigI0
ずっとずっと、後になってからだった。
139
:
◆ubpKHJFedo
:2022/05/29(日) 05:21:59 ID:y9jEkigI0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
140
:
◆ubpKHJFedo
:2022/05/29(日) 05:22:25 ID:y9jEkigI0
戦いは終わった。
少女は無力さを知ったが、その旅を諦めることは無かった。
無謀な旅でも構わないだろう。
誰も危険なしには勝つ事はできないのだから。
141
:
◆ubpKHJFedo
:2022/05/29(日) 05:22:52 ID:y9jEkigI0
.
142
:
◆ubpKHJFedo
:2022/05/29(日) 05:23:18 ID:y9jEkigI0
ジャワの海を渡り、赤道を越えて、船は海峡へ至る。
荒ぶる海の洗礼を受けた一行はマラッカへ。
緑青の海を割き、諸侯旗は進む。
143
:
◆ubpKHJFedo
:2022/05/29(日) 05:23:52 ID:y9jEkigI0
第三話 了
144
:
◆ubpKHJFedo
:2022/05/29(日) 05:35:51 ID:y9jEkigI0
>>101
ありがとうございます。
海賊はこのころに限らず、交易があるところには必ずいるものではあります。
東南アジア、特にマラッカのあたりは現代でも海賊はいるようです。
ただ、この当時のオランダの商船、フリュートという船が海賊に狙われやすかったというのはあるようです。
145
:
◆ubpKHJFedo
:2022/05/29(日) 05:37:09 ID:y9jEkigI0
以上になります。
いつも読んでいただきありがとうございます。
146
:
名無しさん
:2022/05/29(日) 22:48:02 ID:cMfj3NL.0
乙乙
一人で立ち向かったミセリがほんと凄いわ
ギコさんらの背景も気になるな
>>144
ご解説ありがとう!助かります
147
:
名無しさん
:2022/05/29(日) 22:50:11 ID:9Y0Iy8wE0
おつ
148
:
名無しさん
:2022/05/30(月) 21:44:28 ID:ZkrUjSR60
めっちゃ面白い!
149
:
名無しさん
:2023/01/23(月) 00:47:05 ID:PMSuE1rI0
読み返したけどやっぱり超面白い
続き待ってる
150
:
名無しさん
:2023/12/12(火) 16:17:02 ID:SxXHshAU0
トリを忘れてしまったけれど作者です
放置していて申し訳ない……
私事が落ち着いてきたのでそろそろ再開します
ただPCのデータが飛んでしまったので最初から書き直してます、申し訳ない
その分序盤の掘り下げをちゃんとしようと思います
ではまた
ttps://postimg.cc/0K9F51Y4
151
:
名無しさん
:2023/12/13(水) 07:03:47 ID:KO0.gpEo0
やったあ!
152
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:36:32 ID:aDFllpmQ0
おひさしぶりです、いろいろ消えてしまったので酉も大筋も変わってます。
それに伴って最初からにはなりますが、よろしくお願いします。
153
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:39:17 ID:aDFllpmQ0
*
主よ
わたしが呼んでいるのに
いつまで沈黙しているのですか
わたしはあなたへ
非道な暴虐を訴えているのに
*
154
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:40:34 ID:aDFllpmQ0
1639年6月、第五次鎖国令発布。
三代将軍徳川家光、ポルトガル船の入港を禁じ、同年10月、紅毛人とその家族をバタヴィアへと追放した。
それから15年。
155
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:41:29 ID:aDFllpmQ0
ミセ*゚ー゚)リRoman Questのようです
序章 前夜
156
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:42:15 ID:aDFllpmQ0
1654
けさはスコールが吹いたらしい。
熱帯のぼんやりとした風が、起き抜けの鼻に潮の香りを運んできます。
通りでは荷役に向かう華人たちのおしゃべりが、まだ薄暗い町の眠りを覚ましていきます。
その声に押されてのそのそと、わたしは寝床から這い出して。
まだ眠りから覚めやらぬ眼をこすりながら、一層暗い部屋の奥へと言葉を投げました。
ミセ*゚ー゚)リ「おはようございます」
返事はありません。
いつものこと。
ミセ*゚-゚)リ(さいごに話をしたのは、いつだったかな)
奥の部屋に眠っているのは、母さん。
157
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:42:49 ID:aDFllpmQ0
ミセ*゚ー゚)リ(ちいさな頃は、ほんとうに仲が良かったんだけれどなあ)
年の頃が12を数えたころからでしょうか、近づけば、ひどく取り乱すようになりました。
昔みたいに笑ってほしくて、その腰にとりついたときにはそれはもう大変な目にあったのでした。
それからは昼と夜とですれ違いの生活を続け、
ちかごろはわたしに顔すら見せなくなって自室に籠ったままなのです。
ミセ*゚ー゚)リ(お金がたまって、お医者様に診てもらえれば、元気になってくれるかな)
わたしに何か原因があるのかな。
考えつくしてどうにもならずに干からびてしまった問題を、頭の隅に追いやって仕事に出かける準備をします。
戸棚からすっかり固くなってしまったパンを取り出すと、二切れほどをナイフでざくと切り分けて
そのうち一片を鞄に入れ、もう一片はあっという間に平らげてしまいます。
"食事"を終えると、シャツとズボンにブーツを履いて。
革手袋にベストを羽織れば、わたしだっていっぱしの荷役人。
白み始めた天末が曙色に燃える頃、通りの行進に加わっていきます。
ミセ*゚ー゚)リ「いってきます」
太陽はまだ波の向こう。
*
158
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:43:22 ID:aDFllpmQ0
傷つくことを恐れて
向き合うことから逃げ出した。
遠ざかるほどに伸びていく影は
わたしの罪を教えている。
159
:
名無しさん
:2023/12/18(月) 15:43:41 ID:fUaDEwLM0
支援
160
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:43:43 ID:aDFllpmQ0
*
足元には夜が残って、少しもつれるくらいの時間。
港はそれでも人の波、寄せて返すは荷役の人夫。
わたしは水面の少し下で、積み荷をもっては行ったり来たり、
さかなみたいに働きます。
ミセ;゚-゚)リ(あつい……おもい……)
バタヴィアの港は商業の街、植民の街。
大人の男の人に混じって働くわたしが珍しいのか、積み荷と一緒にやってきた
ムスリムや西洋の商人さんが、足を止めては眺めていきます。
ミセ;´-`)リ(本当にさかなになった気分……)
ぴちぴちはねる市場のさかな。
*
161
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:44:13 ID:aDFllpmQ0
あくせくと働いていると、時間はあっという間に過ぎているもので。
あたりに響く鐘の音にお昼の時間を知りました。
誰も彼もが手を止めて、木陰や建物の中へと入っていきます。
わたしも人気のない木陰を探すと、鞄の中からお昼のご飯を取り出します。
十字をきって、お祈りをして。
ミセ*゚ヮ゚)リ「いただきます」
僅かのパンでもお昼のご飯はなんだかうれしい気がします。
一度忘れた時なんか、午後の気分はどん底でした。
食べ終わって少しだけ、真昼の静かな時間。
風が揺らす木々の葉音と、打ち付ける波の砕ける音。
張り詰めた袋の縫い目から空気がゆっくり漏れていくような、そんな時間の隙間が好きで、
いつもは体を幹に預けて、眠ったりなんかしているのですが。
「よう、調子はどうだ?」
(,,゚Д゚)「ミセリ」
今日はちょっと違うようです。
162
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:45:04 ID:aDFllpmQ0
ミセ*゚ー゚)リ「あ、ギコさん」
ミセ*-ο-)リ「お久しぶりです」
弛緩していた体を起立させ、ぺこりと頭を下げると彼は苦笑いで片方の手をあげました。
(,,゚Д゚)「いい、いい、楽にしてろ」
座りなおしたわたしの隣に邪魔するぞ、といって座ったこの人の名前はギコ。
母さんをこの島に連れてきた船の船長さんをしていたとかで、小さなころにはよく相手をしてくれていた、
父さんがいないわたしにとっては父親代わりの人。
すごく背の大きなオランダ人で、わたしの上にもう半分わたしが乗っかりそうなくらい。
ここバタヴィアを治める"オランダ東インド会社"の船長さんのうちの一人です。
ミセ*゚ー゚)リ「もうお仕事は落ち着いたんですか?」
(,,゚Д゚)「ああ」
オランダというのはずっとずっと西の方にある国で、ギコさんの故郷があるところなんだそうです。
わたしが働けているのもこの人のおかげで、時々こうして気にかけては様子を見に来てくれるのです。
この間までイングランドという国と戦をしていたとかで毎日どこかに出払っていて、
ここ暫くは挨拶をするだけだったから、お話しするのはほんとうに久しぶりのことです。
163
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:45:42 ID:aDFllpmQ0
(,,-Д-)「負けはしたが……勝ちみてえなもんらしい」
(,,゚Д゚)「ま、これでもう面倒な海上封鎖やらがなくなると思や万々歳だ」
そう言ってはわざとらしく伸びをして、少しの沈黙。
鳥の声と波の音。
何か言いたいけれど、言えないような、そんなむずがゆい空気が、
熱帯の湿気をより不快に感じさせます。
(,,゚Д゚)「――もう、今年で14になったんだっけか」
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
(,,゚Д゚)「おまえのおっかさんがここに来たときは腹も大きくなかったのになあ」
(,,-Д-)「母さん、元気か?」
なにを聞きたいのか、なんとなく予想はついていた。
母さんが表にも出なくなってから数か月。
いくら忙しいとはいえ、きっとギコさんの耳にも入ったのだろう。
ミセ*。_。)リ「……」
ミセ*゚-゚)リ「じつは――」
164
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:46:20 ID:aDFllpmQ0
*
戦争が始まってから、お母さんがおかしくなったこと。
わたしの顔を見るたびに、金切り声をあげては暴れるようになったこと。
そうして、夜に起きだすようになったこと。
最近は、顔すら見せなくなったこと。
ミセ*。_。)リ「わたし、誰にも言えなくて」
扉を開けてしまえば、お母さんはもう、お母さんじゃなくなる気がして。
ミセ*゚-゚)リ「でも、お医者さんなら、なんとかできるかもっておもって、それで」
そこまでを言うと、ギコさんはわたしの頭に手をのせて。
(,,゚Д゚)「わかった、よく頑張ったな」
わしゃわしゃと、ちょっと荒っぽく撫でました。
(,,゚Д゚)「俺がなんとかしてやるから、今日は家に帰らずに、商館で待っていてくれ」
(,,-Д-)「午後の作業は、無理しなくていい、邪魔したな」
申し訳なさそうにそういうと、ギコさんは立ち上がって、通りの方へ消えていきました。
去り際に「すまなかった」とだけ言い残して。
165
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:46:54 ID:aDFllpmQ0
*
太陽は傾きはじめていた。
166
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:52:09 ID:aDFllpmQ0
今日はこれだけ、短めです。
久しぶりだからどれだけ書けばいいのかわからん……
支援ありがとうございます。
時代背景とか解説あった方が楽しめると思うので話の最後にでもそのうち補足していきます。
では、また。
167
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/18(月) 15:53:16 ID:aDFllpmQ0
https://postimg.cc/47HTGStS
168
:
名無しさん
:2023/12/18(月) 23:23:41 ID:zfyzb06Q0
乙乙
再開めっちゃ嬉しい!
169
:
名無しさん
:2023/12/19(火) 06:12:12 ID:EWnGhiJE0
乙
170
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/28(木) 00:10:55 ID:q6jnDI6c0
*
あの人は去ってしまった。
私が罪を背負わせたから。
*
171
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/28(木) 00:11:30 ID:q6jnDI6c0
ああ、どうか、どうかお赦し下さい。
あの日、あなたの苦しみを知りながら、身勝手な愛でつけ入ったこと。
それがあなたを更に苦しめると知っていたのに。
私の手を取るしかないあなたに。
この手を差し伸べたこと。
あなたを愛してしまったこと。
お腹の子は、主より与えられた、私の罪の証なのでしょう。
これからの白屋襤褸の暮らしも、あなたと分かたれてしまったことも。
逃げられぬように、あなたと共に行けないように。
すべて、すべて与えられた私への罰なのでしょう。
しかしそれでも。
ロマネスク様。
あなたのことを愛していることを。
どうか、お赦し下さい。
172
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/28(木) 00:12:48 ID:q6jnDI6c0
*
( ^Д^)「――死因は、衰弱によるものだそうです、"それ"は唯一部屋にあったものだと」
執務室。
小綺麗に片づけられた部屋、その中央に少し不釣り合いに大きなデスク。
部屋の扉と向かい合うかたちで置かれたそこで、扉の前に立つ部下から報告を受けながら
彼が持ってきた継ぎ接ぎの布切れに目をやる。
安価な麻布の切れ端を縫い合わせて一枚の大振りな布に仕立ててあるそれには、墨で誰かにあてた言葉が記してあった。
つまりこれは。
173
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/28(木) 00:13:25 ID:q6jnDI6c0
(,,゚Д゚)「……手紙、か?」
( ^Д^)「はい?」
(,,゚Д゚)「ああ、いや、なんでもない」
(,,゚Д゚)「これは、ミセリにはまだ?」
( ^Д^)「知らせていません」
σ(;^Д^)「なんというか、そのォ」
酷かとおもいまして。
そういうと、その部下――プギャーは気恥ずかしそうに頭を掻いた。
174
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/28(木) 00:13:59 ID:q6jnDI6c0
(,,-Д-)「そうだろうな」
ミセリの母親――ペニサスは、手遅れだった。
精神を病んでいただけならまだ助かりようがあっただろうが、栄養失調に、梅毒を患っていた。
直接的な死因ではないが、体力を奪うには十分だったようだ。
進行具合から見れば、発症時期は2年ほど前らしい。
(,,゚Д゚)(2年前……戦争か)
確か、彼女が国を追われたきっかけも戦争だったか。
(,,-Д-)(何か一言でも相談してくれていれば……)
いや、自分が少しでも気にかけてやれていれば。
175
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/28(木) 00:14:47 ID:q6jnDI6c0
母子二人で生きていくことなど、最初から無理があったのだ。
分かっていたが、同じく追放された子女たちは次第にバタヴィアの商人たちと籍を入れては、ここでの生活に腰を落ち着けていた。
ここは植民都市。
女性の需要はいくらでもあったから、ペニサスもいずれは落ち着いてくれると楽観視していた。
( ^Д^)「ですが、奇妙ですね」
(,,゚Д゚)「何がだ?」
いつの間にか手元の"手紙"を覗き込んでいたプギャーが、顎に手を当て何やら考えるそぶりをしていう。
( ^Д^)「この手紙の内容です」
そうして指で手紙を示しながら、俺は改革派教会ですからカトリックについては詳しくありませんが、と前置きして続ける。
( ^Д^)「ペニサスさんは洗礼を受けていましたから、子供をもうけるだとか、ましてや愛だの結婚だのは何ら問題はないはずです」
( ^Д^)「もしこの男とのあいだに個人的な何かがあったしても、主より与えられた罰というのは、なにか大げさすぎませんか?」
176
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/28(木) 00:15:44 ID:q6jnDI6c0
確かにそうだ。
乱心していたとはいえ、ミセリに対するペニサスの態度も何か奇妙に思える。
(,,゚Д゚)「原因があるはずだ……おそらくは、手紙の宛先」
(,,゚Д゚)「この男の身分か、はたまた出自か……」
なにも珍しい話ではない。
本国から遠く離れたこんなところに来るのは、よほどの馬鹿か訳ありだ。
しかし。
( ^Д^)「ロマネスク……そんな奴いましたかね?」
(,,゚Д゚)「聞いたことがないな」
宛てられた名前は全く耳覚えのないものだった。
いくら数が多いとはいえ、同じ会社の人間で、たったひとつの都市で、全く名前を聞かないということはあり得ない。
(,,゚Д゚)(時期を考えてもラテン商人か)
我らがVOC(オランダ東インド会社)が日本の交流を独占するになったのは追放の後から。
それも幕府による厳しい統制のもとに置かれているため、可能性としてはまずないだろう。
もちろんそれ以前のオランダ商館員の妻子もいるにはいるのだが、情報は把握している上に、
ペニサスの出身地よりもっと北方の島に拠点を置いていた筈だ。
となればポルトガルやスペインといった国の商人になる訳だが。
(,,;-Д-)(それでも問題はないんだよな……)
なにか、こちらの常識の裏側にあるような可能性の一つを見落としているのだろう。
177
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/28(木) 00:16:35 ID:q6jnDI6c0
(,,゚Д゚)(どうやら一度調べた方が良さそうだな)
(,,゚Д゚)「プギャー」
( ^Д^)「はい?」
(,,゚Д゚)「俺は当時の記録から男の情報を辿ってみるから、お前はミセリの様子を見てきてくれ」
(,,゚Д゚)「あと、手紙だが……あの子に読まれないうちに、焼いて捨ててくれ」
(;^Д^)「え、いいんですか?」
プギャーが驚きを隠さずに聞き返してきた。
遺品でもあるこの手紙を勝手に処分してしまうのは、気が引けるとか、そういう次元の問題ですらないだろう。
(,,-Д-)「……あぁ、いい」
だが、母親が一人の女として書いたこの手紙は、少女にとって呪いにしかならないはずだ。
俺の返答を聞いても尚、少し困ったような表情を顔に張り付けたままのプギャーは
「了解」とだけ口にすると、手紙を持って執務室を出ていった。
*
178
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/28(木) 00:21:17 ID:q6jnDI6c0
少し口淋しい気がするので次回は多めに投下してみようと思います
小分けにしてる現状とどっちが見やすいかわからんorz
179
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/28(木) 00:32:54 ID:q6jnDI6c0
気になるところがあれば話のネタばれにならない範囲で答えます
180
:
名無しさん
:2023/12/28(木) 01:48:17 ID:.OoqYtk20
乙!
手紙の内容は初かな。意味深でドキドキする。
1話分の内容を小出しにされているような印象は受けるけど、エピソードの切りのいいところまで投下されているから、読みにくいとは感じなかった。
181
:
名無しさん
:2023/12/28(木) 17:40:49 ID:FQM9MVRc0
乙です
182
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/30(土) 02:37:41 ID:LhrIVKU60
>>180
㌧クス
人物の視点がころころ変わると読みづらいかと思って切っていたんですが、まとめて読むと変わらないことに気が付いたので次はまとめて投下します……
183
:
◆dznhurV8Xo
:2023/12/30(土) 02:40:08 ID:LhrIVKU60
オマケ
https://i.postimg.cc/FsKtkkcY/image.png
184
:
名無しさん
:2023/12/31(日) 21:33:49 ID:jLIQ21mE0
カコイイ!
よく見るとツナギみたいな服?
ギコさんはやっぱりムキムキっぽいなー
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