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( ・∀・)救出の魔法使いたちのようです
374
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:26:40 ID:kdpiK/xs0
lw´‐ _‐ノvまあいつかの借りもあるし困った時はお互い様。もちつこねつ
( ・∀・)持たれつ
lw´‐ _‐ノv迷わずつけよ、つけば分かるさ、元気ですかーっ
( ・∀・)おばかな事言ってたらまあまあ出たかな
lw´‐ _‐ノv善哉善哉。おちゃらけがいちばん
( ・∀・)お互いこういうのばっか得意なんだもんなあ
lw´‐ _‐ノvまあね。忘れろなんて偉そうに的外れぶっこくつもりないからさ、ちょっとは居させてよ
( ・∀・)…しょうがない。ココア飲んだらすぐ隊舎で寝ること
lw´‐ _‐ノv甘ったるぅいやつでお願いね!具体的には大さじ4杯!
( ・∀・)はーいよっと
375
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:27:55 ID:kdpiK/xs0
lw´‐ _‐ノvんでさ、そろそろバラしてもらいたいの。モラちゃんの秘密
( ・∀・)
( ・∀・)…何を?
lw´‐ _‐ノvなんとなーく分かるんだよ。モラちゃんが何か抱えてるって。でもみんなそんなの関係なしにモラちゃんに仕事させてるでしょ?
( ・∀・)仕事しなきゃ成り立たないもん。特に今は
lw´‐ _‐ノvそれ。みんなモラちゃんの仕事のことばっかでもっと漏れ出てるモラちゃん自身の何かには私とデミさん以外気付いてない感じ
lw´‐ _‐ノvその認識のズレとモラちゃんが抱えてるものの正体が分かんないのが今一番モヤモヤするかな
( ・∀・)なるほどね…さっき僕が何か寝言を言ってたなら、多分それが理由じゃないかな
lw´‐ _‐ノvシィ様のこと?
( ・∀・)さてね。答えは自分で見つけなさいな
lw´‐ _‐ノvぶー、すぐ煙に巻く
( ・∀・)んふ
376
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:28:42 ID:kdpiK/xs0
lw´‐ _‐ノv飲み終わっちまった 大将おかわり
( ・∀・)店じまいだよ。ほれけえったけえった
lw´‐ _‐ノvホントにだいじょうぶ?
( ・∀・)大丈夫、本当に辛いときは頼るからさ
lw´‐ _‐ノv絶対だよ?漢と漢女の約束だぜ
( ・∀・)破ったら?
lw´‐ _‐ノv薬指折る
( ・∀・)ありがとね、シューちゃん。送ってくよ
lw´‐ _‐ノvどういた島の戦い。しっかりエスコートしてくんなまし
377
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:30:25 ID:kdpiK/xs0
<ヽ;`∀´>隊長〜!探したニダよ!夜中に急に居なくなるなんてやめて欲しいニダ!まったく!
6番隊隊舎でシュールとモララーを迎えたのは細目のやや口うるさそうなな中年男性であった。
( ・∀・)おや、彼が副官かい?
lw´‐ _‐ノv2枚看板のでっかい方
<ヽ`∀´>どうも。ウリはニダー・チャンガと申しますニダ!
lw´‐ _‐ノvニダちゃんさ
( ・∀・)君はよくよくおっさんをちゃん付けするのが好きらしいな
lw´‐ _‐ノv不機嫌そうな顔をするねえ
<ヽ`∀´>ウリが何か?
( ・∀・)…べっっっっっっっつにぃ?
lw*´‐ _‐ノvんへへへ…
378
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:32:52 ID:kdpiK/xs0
『救出の魔法使いたちのようです』
その8
379
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:33:49 ID:kdpiK/xs0
( ^^)それでは皆さん、私と同じように水魔法を出してみてくださいね
アカデミーの生徒達の前で教師が軽く杖を振ってみせた。大勢の真剣な眼差しが注がれる中ただ一人ひどく気の緩んだ顔をしている生徒の存在に気付いた教師は、やや不機嫌そうにその名前を呼んだ。
( ^^)ブーム・ソヤナルカ、まずは君から
| ^o^ |がんばってこい
| ^o^ |は?
指名された本人は他人事のように隣で驚いている同級生の肩へぽんと手を当てた。呆れたような顔をして同級生は即座に訂正する。
| ^o^ |ブーム 呼ばれたのはあなたです
| ^o^ |わたし?
| ^o^ |がんばってこい
| ^o^ |やれやれ しょうがねえな
| ^o^ |スカしおる
380
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:34:35 ID:kdpiK/xs0
( ^^)では、私が唱えたのと同じように。感じるままに魔力を練ってみてくださいね
| ^o^ |みずよ ちよりわきでろ
ブームの帽子に付けられた宝石が光を放つ。確かに水は噴き上がった。だが勢いが強すぎた。茶色の飛沫はそのまま教師や周りの生徒へと降り注ぎ、わあわあと服を汚した生徒達の悲鳴が上がる。
( ^^)ブーム・ソヤナルカ…
| ^o^ |君の水魔法はしょっぱい
| ^o^ |おやおや
( ^^)そうではない!君は何を見ていたんだ!
| ^o^ |せんせいのおてほんです
ブーム・ソヤナルカ、15歳。
彼は不器用な人間だった。
381
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:35:45 ID:kdpiK/xs0
| ^o^ |あなたはどうして魔法がまともに使えないのでしょうか
| ^o^ |だからアカデミーにきているのでは?
| ^o^ |いくら学んでも結果が出せなければ意味はありませんよ
| ^o^ |ゆうたろうはてきびしいです
ブーム自身、自分が不出来な人間であることは自覚していた。火を放てと言われれば油を出して風を起こせと指示されれば雷を起こす。水魔法を出せと言われれば醤油を出し岩を生成しろと言われれば泥を放つ。
ブームには魔法を使う時、余計な属性を混ぜてしまう癖があった。
| ^o^ |適性は悪くないのにどうしてそうなるのか
| ^o^ |はて?
| ^o^ |そんな調子で遠征任務で一人遭難でもした時どうするつもりですか 水も飲めないなんて
| ^o^ |おしょうゆはつくれますよ
| ^o^ |じまんにならん
382
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:36:54 ID:kdpiK/xs0
アカデミーの図書室に来る人間は二つに分けられる。勉強熱心な魔法使いと、持て余した時間を無気力に浪費する人間だ。ブームは前者の人間だ。
素質はあるのだからしっかりと学べば良い魔法使いになれる。誰もがブームにそう言った。ブームは愚直に様々な本を読み漁った。されど上達するのは威力ばかりで制御はいつまで経っても進歩しなかった。
| ^o^ |あかりくらいつけたらどうですか
( ^ν^)別にいいじゃん、人なんて滅多に来ねえし。いちいち帰りに火消したりするの面倒でしょ、アレで充分
| ^o^ |まあひかりにはこまらないかもしれませんが
図書委員のニュッケン・ニューソックスが指し示す先へ視線を移すと、本棚から仄かな光が放たれている。アカデミーの読書家達が「この本は面白いぞ」と誰かに見つけてもらおうとしてつけた魔力の光だ。
( ^ν^)本の光に包まれて読書ってのも落ち着くじゃん?
| ^o^ |いんきなごしゅみで
( ^ν^)殺すぞ
383
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:37:30 ID:kdpiK/xs0
この目印を最初につけたのは他でもないブームだった。
それを見つけたニュッケンは咎める事もなくあろうことか真似をして自分の好きな本に目印をつけ始めた結果、一人また一人とそれを真似する生徒が増えてしまったのだ。
| ^o^ |へんきゃくです
( ^ν^)どうも。毎日毎日借りてはすぐ返しに来るけどちゃんと内容理解してんの?
| ^o^ |ええ ドラゴンのえがかっこよかったですよ
( ^ν^)・・・・・・
ブームが誇らしげに出した本の題名はあくまで「火属性魔法の書」であって表紙の魔竜と戦う魔法使いの絵は内容とはまったく関係ないものだ。が、ニュッケンにはそれをどうこう言う気すらなかった。面倒くさいからである。
384
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:38:41 ID:kdpiK/xs0
| ^o^ |あたらしいゆめもできました ドラゴンのせなかにのってとぶゆめです
( ^ν^)非効率的。魔法靴や箒や風魔法と違って制御きかねえし、魔法局でもそんなもん採用してねーし
| ^o^ |ろまんですよ
( ^ν^)浪漫がわからんわけではないけどさ
| ^o^ |まほうきょくにはいれば ドラゴンとおともだちになるゆめもきっとかないます
( ^ν^)未来の犬死に野郎になる前にお前じゃ卒業自体無理
| ^o^ |なんと
385
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:39:37 ID:kdpiK/xs0
( ^ν^)まあ今度大魔導師が見学に来るっつってたし物珍しさで引き抜きなんてのもあるかもよ
| ^o^ |だいまどうし!
( ^ν^)望みは薄いけどな
| ^o^ |まほうきょくいりもゆめではない!
( ^ν^)望みは薄いけどな
再三同じ忠告をしたが、それをブームは聞かない事も分かっていた。都合のいい情報だけを切り取る事に長けているブーム・ソヤナルカの性格は積極的に人と関わる方ではないニュッケンでも知っている。事実彼は尚更勉強せねばとうきうきとした様子で図書室を歩き回っていた。
| ^o^ |だいまどうしになるためのおすすめのほんはどれですか
( ^ν^)目的が魔法局すっ飛ばして大魔導師入りになってんぞ
386
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:40:39 ID:kdpiK/xs0
( ・∀・)呼ばれておいてなんだが僕から生徒に言えることってそんなに無いんだよね。適性面では死んでるし
( ・∀・)だからまあ、極力死なずに楽がしたい連中は4番隊に来なさい。待ってるよん
(*゚ー゚)マタリウス、あなたねえ…
壇上に登った若い大魔導師は顔を引き締めた生徒達の緊張をほぐすように軽い口調で挨拶した。その側に立つ女性が軽く咳払いをする。光の大魔導師シィ・ニャイッキーだ。
誰もが自分は今彼らに見定められているのだと姿勢を整える中、ブームはいつも通りに気の緩んだ顔をしていた。
| ^o^ |となりのひとはふくかんのひとですか?
| ^o^ |非常識ってレベルじゃない
387
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:41:51 ID:kdpiK/xs0
(*゚ー゚)あなた達がこれからする事は簡単、自分の一番得意な魔法を見せてちょうだい
( ・∀・)もちろん全力でね。まあがんばってよ
興味の無さをまるで隠さない片方の大魔導師の姿に対抗心を燃やした生徒達が一人、また一人と派手な魔法を見せていく。生き物のように踊る水柱、自分の背丈以上もある巨大な火球、魔法で生成した木を風魔法で切りつけ彫刻を作る者も居た。
思わず観客のつもりでそれを熱心に眺めていたブームは自分の名を呼ぶ声に気が付くのに少し遅れた。
(*゚ー゚)次、ブーム・ソヤナルカ君!
| ^o^ |わたしですか
| ^o^ |他に誰がいる
前に出たブームに様々な視線が注がれる。場違いな物を見るような目、こういうどこか尖った者を大魔導師は欲しているのかもしれないと焦る目。共通しているのはこの変わり者が何を見せてくれるのかという期待である。
| ^o^ |では ごらんあれ
388
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:42:57 ID:kdpiK/xs0
まるで緊張する様子もなくブームは人差し指と中指をぴたりとつけそっと唇に当てる。ふうと息を吹き込むと、宝石は混じり気の無い淡い青の輝きを見せ指の隙間からシャボン玉が次々に宙を舞った。
(*゚ー゚)なかなか綺麗じゃない。魔力を上手く安定させているわね
| ^o^ |これからです
ブームは胸の高鳴りを覚えた。より驚かせてみよう、より褒められるものを見せようと体を後ろに反らし頬を膨らませさらに大きなシャボン玉を形作ろうとした。
すると途端に宝石の光は変わり、透き通るような水色のシャボンは濁ったまま膨れ上がりブームの頭上で弾け飛んだ。
| ^o^ |おや?
茶色い飛沫のまとわりつく指先を少し舐めてブームは小首を傾げた。
389
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:44:06 ID:kdpiK/xs0
( ・∀・)…ぷっ、うふふ
(*・∀・)あはははは!サイコーだよ、サイコーだ!!
静寂の中でただ一人、大魔導師モーラ・モラール・マタリウスが吹き出し喝采の声を上げた。ざわめきの中これを嘲笑すべき空気であると解釈した周囲の生徒達は次の瞬間発せられた言葉に凍りついた。
(*゚ー゚)ブーム・ソヤナルカ。君を魔法局へ招待するわ
| ^o^ |おや ひとあしさきにあがりですか
( ・∀・)ウチにおいで。君の力を貸してほしいんだ
誰の目にもそれは失敗として映った。ブーム自身も飛沫に塗れながらぼんやりと失敗したと思った。
しかしブーム・ソヤナルカが評価されたのはその失敗にあった。魔法属性の合成を当たり前のように瞬時に行えるブームの才能は時の大魔導師モララーが最も欲しがっていた才能だったのだ。
390
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:45:03 ID:kdpiK/xs0
――――――
―――
| ^o^ |…おや
魔法局、4番隊隊舎。照りつける日差しの暖かさに、ブーム・ソヤナルカは自分がうたた寝していたことに気がついた。
| ^o^ |たいちょう?ペニサスさん、デミタスさん…ドクオくん?
| ^o^ |だれもいない
| ^o^ |わたしのてんかだ ふはははは
| ^o^ |さみしいのでさがしにいきますか
391
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:46:37 ID:kdpiK/xs0
( ^ν^)で、なんで俺
| ^o^ |せんぱいでしょう こうはいをあまやかせ
( ^ν^)アカデミーではそうだけどな。魔法局で言えばお前のが先輩だろ…そんな暇じゃないしだいたいモララーさんがどこに居るかとか知らね
| ^o^ |おちゃがしとかないんですか
( ^ν^)ここはラボだぞ。くつろぐな
(#゚;;-゚)…ただいま
| ^o^ |おかえりなさい
(#゚;;-゚)ニュッケン、こいつは誰だ
( ^ν^)クソバカ大陸無知蒙昧ランドの王子様
| ^o^ |4ばんたいのせかいがこいするてんさいじことブーム・ソヤナルカです
(#゚;;-゚)6番隊の副官ディだ、よろしく
392
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:48:56 ID:kdpiK/xs0
| ^o^ |6ばんたい?ここは7ばんですが
( ^ν^)都度ここで活動記録とか消費した魔力の補給とかしなきゃいけねえの。今日はどうよ?
(#゚;;-゚)シュールとニダーから炒飯を教わった。まだまだ自分には進化の可能性があると感じる
( ^ν^)染まってんなー。魔法の課題は?
(#゚;;-゚)光波防壁がまだ上手くいかない。どうにも守るという意識はまだ…
( ^ν^)なるほどね、メガネにはこっちで報告する。俺忙しいからそいつと遊んでろ
(#゚;;-゚)・・・・・・
| ^o^ |なんですか
白い肌をした短髪の少女ディは困惑したような視線を向けた。ブームには特に狼狽した様子はなく、彼女を見て不思議がる素振りもない。それがディには余計に奇妙に見えた。
393
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:51:00 ID:kdpiK/xs0
とりあえず目についた部屋を覗き蝶を見ればそれを無邪気に追いかけ、疲れたら適当な椅子を見つけて座り込む。ディはそうしたブームの奇天烈な動きに同行した。それは命令である以上にディの彼に対する強い興味もあった。
(#゚;;-゚)同じ隊の人間を探しているのでは?
| ^o^ |さがしていますよ?
(#゚;;-゚)お前の動きは無軌道すぎる
| ^o^ |よゆうがたりないですね じんせいつかれちゃいますよ?
(#゚;;-゚)かもしれないな。シュールにも言われたが、私はそういう思考をするのが下手らしい
| ^o^ |わたしはドラゴンにのりたいのです
(;#゚;;-゚)は?
話の腰を派手に折るブームの言動にディは暫し固まった。先程までのどこか呆けた雰囲気ではなく、まっすぐに遠くを見据える眼差しもまた不可解なものだった。
394
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:52:51 ID:kdpiK/xs0
| ^o^ |ドラゴンのせなかにのれれば おそらのうえからたいちょうたちをさがせます
(#゚;;-゚)魔力を流し込んで屈服させられれば理論上不可能ではないが…実用化は難しいだろう
| ^o^ |じゅつしきのそざいあつめのときにかりにいったのですが やはりむずかしいのです ふりおとされてきずだらけになりました
(#゚;;-゚)諦めてはいないのか?
| ^o^ |ええ ゆめですから
ディが魔法局の中で今まで見てきた人間は多かれ少なかれ瞳に漠然とした不安を宿していた。巨大な運命めいたものの無慈悲さを知っていて、抗うにしろ諦めるにしろ目をそらすにしろ誰もがその不安を抱えていた。
しかしこの男はそんな感情を欠片も覗かせず、覆い隠すような素振りもない。
| ^o^ |つよいにんげんでありたいなら いきていくりゆうはおおいほうがいいのです
(#゚;;-゚)生きていく、理由?
395
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:53:47 ID:kdpiK/xs0
| ^o^ |しりたいというよく ためしたいというゆめ こえたいとおもうかべ それとたたかいかちつづけるのがじんるいというひとつのしゅのりそうてきなありかたかもしれません ビバエゴイズム ビバとうそう
(;#゚;;-゚)待て待て、飛躍しすぎだ
| ^o^ |ドラゴンにのれたらまずせんじょうでおもいっきりかつやくして そのあとはゆうびんやさんになりたいですねえ
(;#゚;;-゚)どうして魔法局の人間は人の話を聞かない変人しか居ないんだ!
| ^o^ |ディさんものせてあげますよ これであなたもいきるりゆうがふえましたね
(;#゚;;-゚)勝手に増やすな!なんなんだお前は!
| ^o^ |クソバカたいりくむちもうまいランドのおうじさまです
396
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:55:28 ID:kdpiK/xs0
会議室の円卓へ両足を乗せるモララーを無作法だと注意する者は特に居ない。生前のシィや側に立つ副官のデミタスが放置しているのだからもはや誰が何を言っても無駄だろうという諦めの現れである。
( ・∀・)到着から僅か1日でクーデター成功ね…感覚狂っちまうな
(´<_` )大方あの勢い任せの阿呆のせいだな。後始末に時間がかかる分下手に決裂するより厄介だ
( ´ー`)どうせいつかやらなきゃいけない事なら早いに越したことないんですけどねえ…いくらなんでも初日とはいやはや…
(‘_L’)…直近の厄災の覚醒は?
(´・_ゝ・`)8月19日、シベリア領ニガティタ島…巨鯨の厄災バハムート・ディザスター。キュート隊長の合流は間に合うかと
(´<_` )ニガティタ島なら知っている。3匹の厄災の巣だ、攻め込むなら準備が必要だな。追加でもう一体は骨が折れるなんてもんじゃないぞ
lw´‐ _‐ノvきょげーってのは古代の海の生き物でしょ?てことは味方の可能性もあるんだよね?
(´・_ゝ・`)海に生息する厄災だからといって味方とも限りませんよ。海月の厄災の例もあります
( ´ー`)島だからな…攻め込むか今まで通り防衛戦を挑むか、これも難題ですよ
397
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:57:00 ID:kdpiK/xs0
(-@∀@)ロマキングを使おう。前回大破した物を合わせ3体分は用意してある
( ・∀・)正気か?
lw´‐ _‐ノv1体でもクックル、3体でもクックル、8体でもクックル、9杯でもジュース
(-@∀@)正気で戦争はできんよ。クックルを戦線に引きずり出せれば複数の厄災を弱体化させる事も可能、もしくは弱体化したクックルをこの手で討滅する事も可能だ
(,,゚Д゚)…クックルが島の厄災と手を組んで襲ってきたらどうするつもりだ?
(-@∀@)魔術核を使う
lw´‐ _‐ノv核とはなんぞよ
<ヽ`∀´>知らない単語をポンポンと出す前に説明を要求するニダ!
(-@∀@)まだ完成はしていないがね…要するに旧人類の遺跡に記されたなにやら凄い爆弾らしい代物、こいつを複合属性弾の応用で今ある技術で再現するのさ。理論上島を一個吹き飛ばせる
398
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 05:57:42 ID:kdpiK/xs0
( ・∀・)無謀だしクックルに拘りすぎだ。それに殺し急ぎ過ぎる。それで大地や海を汚してしまってはせっかく調停者ダイオード達海の厄災から示された和解の芽を自分から摘み取るようなもんじゃないか
(#-@∀@)では君達は漠然と数だけ揃えて奴らに挑み厄災の群れに蹂躙されるといい。我々人類が生き残るために必要なのは力だ!クックルの火を見ただろう!?
lw´‐ _‐ノvだからって天も海もおちょくってたら旧人類と同じ道を辿るんじゃないの?二度あることは三度笠ですのよ瓶底メガネ様
(,,゚Д゚)こいつ一人の責任でダイオードがこの国まるごと霧で包む事態は避けるべきです
(´<_` )シベリアとしては厄災を討滅出来るならそれでも構わん。フィレンクト殿は?
(‘_L’)…アサピエーラ君、申し訳無いが魔術核の開発に関しては凍結してもらおう
399
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:00:17 ID:kdpiK/xs0
(#-@∀@)何故だ!?君達は生き残りたくないのか!!!?神に背いた以上どうせ退けない道だ、突き進む他ないだろう!!何を今更!!!!!!
感情を剥き出しにして激しく机を叩くアサピーに周囲は沈黙するほかなかった。厄災との賭けには勝てるかもしれない、だが勝った瞬間に人類が全て滅ぶ結果を招くとしたらそう軽々しく決断する事は出来ない。しかし他に妙案が思いつく事も無く、後戻りの出来ない戦いであることも事実だった。
暫くの静寂の後、重い口を初めて開いた者が居た。モナー・マエモゼムだ。
( ´∀`)仮に魔術核が完成したとして厄災との戦いが終わった時、3カ国内で最も危険視される国がどこだかわかるモナ?ソウサクしか無いモナ
( ・∀・)余計な火種になる前に今から情報を全て処分するべきだろうね。抱え込むには危険すぎる
(´<_` )…む
( ´∀`)魔闘家の国にそんなもん必要無いモナよね?
(´<_` )シベリア魂に誓おう。我々は我々の肉体がある
( ´ー`)(こういうとこあるからついてくんだよなこの人に…)
( ´∀`)モナモナ
400
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:01:18 ID:kdpiK/xs0
lw´‐ _‐ノv島に上陸するとしてどうすんの?船で移動する間に下から厄災がザバーンなんてキツいよ
( ´∀`)魔法靴だけでは限界があるモナ。魔力さえあれば適性問わず人を飛ばすことが出来ても咄嗟の時に速度が足りない、かといって箒は風適性が無いモナ達は使えないし
(‘_L’)機動力は確かに必要だな
( ・∀・)それならいい考えがあるんですけどね。アサピー?
(-@∀@)今更僕を頼るつもりか?
( ・∀・)+ ニコヤカ
(´・_ゝ・`)なるほど
(;-@∀@)君達だけで納得しないでくれないか!?
( ・∀・)魔竜を使おう
401
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:03:16 ID:kdpiK/xs0
会議室を出て、モララーは書類の束をデミタスに預け4番隊隊舎へと向かって廊下をふらふらと歩いていた。
視界が塞がれるほどの書類の量ではない。だが普段からほのかに風を纏わせながら周囲の気配を注意して歩く癖がデミタスにはいつのまにかついていた。
モララーはそれを知っているので、危ない時は声をかけてくれるだろうと安心して周囲への関心を疎かにして考え事に耽った。
たが、モララーの脳が誰かとぶつかったと状況を理解する前にデミタスからの制止の声はなかった。
( ・∀・)ああ、すまない…少し考え事をしていたものだから
申し訳なさなど欠片も感じていない調子で呟く。しかし眼前には誰の姿もなかった。
( ・∀・)デミさん?
それどころか背後を歩いていたデミタス・モリオカウルの姿がない。呆然と立ち尽くしたモララーはまず俯いて現状を整理しようと頭を掻いた。なんらかの幻覚だろうと結論を出すのにそう時間はかからなかった。
「ここですよ、時の厄災」
思考を遮断されハッと頭を上げた先に黒ずくめの服装をした男がこちらを向いていた。顔がはっきりと見えないほど遠くに居るのに声は耳元で囁かれたような感覚があった。
402
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:04:25 ID:kdpiK/xs0
(;・∀・)誰だ!
( <●><●>)貴方は幸福ですか?
(;・∀・)…この顔が幸福そうに見えるかい?
男はすぐさまモララーの視界の前に現れた。
必死に自分を落ち着かせて返すが、男はまるで余裕を崩さず薄く笑った。
( <^><^>)幸福でないなら何故世界を否定しないのですか?
(;・∀・)してるさ。まだここで生きていたいから足掻いてるだけでね
( <●><●>)足掻いた所で来るものは来ます
(#・∀・)だったら叩き出す。そのために僕はここに居る!
男の大きく開いた目に吸い込まれそうになりながらもモララーは怒気を含んで答えた。
403
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:05:44 ID:kdpiK/xs0
( <●><●>)歴史を狂わせる存在らしい物言いです。しかし貴方が恐怖しているのも分かってます
(;・∀・)歴史…?何の話だ
( <^><^>)シュルルド・ライスィ・スナール。あの女はまだ死んではいませんね?歴史は必ずあるべき姿に戻りますよ
その名前を聞くとモララーの心臓の鼓動はいっそう激しくなり、本能的にその名を口から吐き出した。
(;・∀・)天の…厄災…
( <●><●>)―――ワカッテマス。遥か昔の人間が「全能」という意味を込めて崇めた名前です
男はどこからともなく赤い実を取り出すと、身体を震わせるモララーの口を無理やり開けて飲み込ませた。
( <◎><◎>)私は全能。それ故に貴方という想定外はそのままにしてはおけない…天使達と共に待っていますよ、モーラ・モラール・マタリウス
(´・_ゝ・`)モララー様!
(;・∀・)…デミさん
思わず一度閉じた瞼を開くと黒ずくめの男は姿を消していた。突然崩れ落ち、汗だくで息を荒げた様子のモララーにデミタスは心配そうに駆け寄った。
(´・_ゝ・`)いったいどうしたのですか…いや、何を見たのですか?
(;・∀・)何を見たのか…そうだなあ、はは…何を見たんだろうねえ…
404
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:07:06 ID:kdpiK/xs0
7月13日、ソウサク領内での大規模なドラゴン討伐命令が下された。モーラ・モラール・マタリウスとアサピエーラ・ガデライトの計画という事もあり多くの魔法使いがこの国にとって新しい力となる事を期待した。
それを最も望んでいたであろうブーム・ソヤナルカ以外は。
| ^o^ |なぜわたしたちも?
('A`)実戦経験を積めってのがモララーの考えなんだろ?だからペニサスさんをヴィップに行かせたんだ。次は俺達、違う?
ドクオがペンダントを弄りながら伏し目がちに答えた。彼らはシュール率いる今6番隊へ一時的に編入され出征の途中だった。まだ6番隊のメンバーがほぼ新米という事もあってのフィレンクトとモララーの意向である。
| ^o^ |そうではありません なぜドラゴンをとうばつしにいくのかというはなしです
('A`)なぜってそりゃ、次の厄災戦には空飛ぶ乗り物が必要だからで…
(#゚;;-゚)今更そこに疑問を持つ必要はない。実用化出来ればお前の夢も叶う
| ’o’ |それでソウサク中のドラゴン族を狩り立てると?
(;'A`)だああ、顔が近えよ!
目を見開いて詰め寄るブームにドクオは思わず狼狽し抑えろ抑えろと獣をなだめるような仕草をした。
405
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:08:16 ID:kdpiK/xs0
('A`)まあわからんでもないぜ、自分の勝手な都合で他の種族を滅ぼすだなんて厄災とどう違うんだって話だろ?
| ^o^ |いいえ?それはかんけいありません
('A`)じゃあなんだってんだよ
いつものすっとぼけたような顔に戻ったブームを見て彼がドラゴンに危害を加える事に心を痛めているのだとばかり思っていたディとドクオは安堵と困惑混じりの表情になる。
| ^o^ |わたしはまちがったみちすじでゆめをかなえたくないのですよ
(#゚;;-゚)夢というものはそんなに複雑なものなのか?
| ^o^ |ふくざつでいたみやすいものなのです
じっと遠くを見つめるブームの目はまるで空を呪っているようだ。この男にもそんな一面があったのかとドクオは驚き、この男を強く動かす「夢」とはいったい何なのかとディは強く興味を持った。
406
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:09:57 ID:kdpiK/xs0
lw´‐ _‐ノv諸君、恋をしているかね?しているなら生きよう。してないならもっと生きねば
<ヽ`∀´>えーと、時期を過ぎた男は…
lw´‐ _‐ノvとにかく生き抜くがウチのモットーさ。逃げたくなったら逃げていい
軽く無視した後、谷を見据えてシュールが隊員達に告げた。
lw´‐ _‐ノvいい?こんな所で死んじゃいけないよ。これから先は箒を使う、飛べない奴は私と同じように魔法靴で。危なくなったらすぐ箒に乗せてもらいなね
言い終わるとシュールは遥か先へと素早く跳躍し、隊員達もそれに続く。
<ヽ`∀´>放てニダ!
副官の号令に従い、火の玉が岩場で眠っていたドラゴンにぶつけられた。目を覚ましたドラゴンは遠吠えを上げて仲間を呼ぶ。それが狙いだとシュールは口を歪ませた。
407
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:11:47 ID:kdpiK/xs0
<ヽ#`∀´>極力ドラゴンがこちらへ飛来する前に水流で勢いを挫くニダ!後方部隊はモタモタしてないで岩石弾急げ!そこ!命令は極力原型を留めての討伐ニダよ!?
(;'A`)無茶言うな!火力が違うんだよ火力が、な?
(#゚;;-゚)すまない…どうしても壊すイメージしか練れなくて
(;'A`)あんたはあんたで真面目過ぎだよ…っと!
前に出たニダーが怒鳴る中すかさずディを守ろうとドクオが光弾でドラゴンの首を消し飛ばした。
シュール、ドクオ、ディは先頭で敵の目を引きつける役割をしているため6番隊の実質的な指揮はニダーが執る形になる。語気は苛烈だがその戦術は6番隊の生存第一の姿勢を最大限に理解した攻防一体のものだった。
408
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:14:03 ID:kdpiK/xs0
('A`)だいぶやかましいけど…あのおっさんの部下らしいや
<ヽ`∀´>ウェーハッハッハッハ!快調快調!シュール隊長に続くニダよ!
ニダーが威勢のいい声を上げた瞬間、土砂崩れと共に山を内側から砕いて今まで倒してきたどのドラゴンよりも大きなものが雄叫びを上げた。憤怒の頂点に達しているようだ。
<ヽ;`∀´>で、でででででででで、でか、でかいニダ…!厄災ニダかぁ!?
(#゚;;-゚)原型を留めてなんて余裕はない
激しく狼狽するニダー、身構えるディ。しかしシュールとドクオはこの巨竜が厄災ではなくただ大きいだけの魔物だと肌で分かっていた。
「ギュアアアア!!」
咆哮と共に巨竜が口から閃光を放つ。即座に6番隊は散り散りに回避したが、シュールの爪先は石化していた。
409
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:15:43 ID:kdpiK/xs0
(#゚;;-゚)このっ…!合わせろ!ドクオ・マンドリューク!
(#'A`)任せなおチビ!
光線が両翼を貫き、巨竜は山頂へと力無く飛んで行く。その隙にニダーはシュールへと箒を全速力で飛ばし駆け寄った。
<ヽ;`∀´>隊長ーっ!?
lw´‐ _‐ノv靴だけだから脱げば大丈夫。かたっぽじゃ飛べないから乗せてってえな
<ヽ`∀´>お任せくださいニダ!全員、追い打ちかけるニダよー!
| ^o^ |…!
(;#゚;;-゚)ブーム!?
(;'A`)今更良いとこ取りかよ!手負いとはいえ出過ぎちゃ危ねえって!
魔法靴だけの速さとは思えない速度で空を駆け抜けて行く姿に思わずディは振り向いた。先程までは上の空といった様子でぷかりと浮かんだまま新米魔法使いに守られている始末でドクオは遠目に呆れ果てていたが、「追い打ち」という言葉に彼は目を覚ましたかのように突然動き出したのだ。
410
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:18:10 ID:kdpiK/xs0
暫く身体を引きずった後、巨竜は動きを止めた。
| ^o^ |こうげきはまってください
<ヽ#`∀´>それを決めるのは君じゃないニダ!今ならトドメを…
lw´‐ _‐ノv待ったげて。考えがあるみたい
(;'A`)ブーム!
| ^o^ |なんですか
(;'A`)…アホな死に方すんなよな!
| ^o^ |わたしにはわたしのしごとがあります
山頂に降り立ったブームはゆっくりと疲弊した様子の巨竜へ近づいて行く。かっと目を見開いた巨竜は再び口から石化光を放ちブームに浴びせた。ブームは避ける事もせず、その姿は閃光に包まれ―――
411
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:20:05 ID:kdpiK/xs0
(;#゚;;-゚)こ、光波…防壁…
箒から降りたディが、魔竜の閃光を止めた。防壁が弱すぎたのか、石化光の力が勝ったのか。ディの腕だけは石化を免れなかった。
| ^o^ |ディさん
(;#゚;;-゚)腕なら代えが利く。貴方が何をしたいか…それは私にはまだわからない…けど、ここに来た以上死んだら駄目だ
| ^o^ |ええ しぬつもりはありません
| ^o^ |だいちのめぐみよ わがてにやどれ
帽子の宝石が眩い金色に光る。慣れない土の魔法でブームは葡萄のような小さな果実を生成し、力尽きた巨竜の口へと入れた。
| ^o^ |ちょっとすっぱすぎるかもしれませんが
巨竜はもう一度目を開き、もっとよこせと穏やかに大きく口を開けた。ブームは優しくそれを撫で、新しく生み出したそれを差し出す。
果実を数回咀嚼して、巨竜は今度こそ静かに眠りについた。
412
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:21:32 ID:kdpiK/xs0
(#゚;;-゚)あれは…
| ^o^ |ただのくだものもどきです どくなどありませんよ
ブームは立ち上がり、巨竜の背後を指差した。小さなドラゴンが魔法使い達を睨みつけ卵を守っている。
('A`)あいつ、子供を…!
<ヽ`∀´>…隊長、あれは
lw´‐ _‐ノvむやみやたらに殺さない。放置
| ^o^ |あなたのおかあさんはさいごまでこどもをまもろうとした りっぱなおかあさんです
| ^o^ |きみたちをおいつめたのは きみたちのちからを欲したこの国のエゴです
| ^o^ |なら私は私のエゴを通します、それが私の生き方ですから
ブームは幼いドラゴンへ敵意が無いことを示すいくつかのジェスチャーを見せた後、同じように果実を差し出した。先程まで殺気を放っていたドラゴンは穏やかな目で舌を伸ばしてそれを絡め取った。
413
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:25:03 ID:kdpiK/xs0
| ^o^ |おわびのしるしです
ブームがぺこりと頭を下げると、ドラゴンは彼に背中を向けて静止した。
(#゚;;-゚)乗れと言っているのか?
| ^o^ |…そんなつもりは
申し訳なさそうに微笑みながらもブームは卵を抱えてドラゴンの背に跨った。
| ^o^ |そのうでではほうきがつかめないでしょう のりな
(#゚;;-゚)だいぶきついと思うが
| ^o^ |だいじょうぶといっていますよ
('A`)撤収だな、隊長?
lw´‐ _‐ノvそーね。結果は上々、善哉善哉
| ^o^ |…かぜってこんなにきもちよかったんですね
(#゚;;-゚)ああ。生きる理由が一つ減ってしまったが?
| ^o^ |すきにふやせばいいのです
414
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:26:54 ID:kdpiK/xs0
ずらりと並んだ装甲に身を包んだ竜の姿はまさしく壮観と言うべき光景だった。アサピエーラ・ガデライトがくいと眼鏡の位置を直して得意げに腕を広げる。
(-@∀@)魔竜兵器、ASP-0068ドラグーン。討伐及び生け捕りにしたドラゴンを改造して魔力伝達機構、光波防壁、火器として複合属性砲を二つ取り付けた。3人までの騎乗、運搬、攻撃の全てをこなせる優れものだ
( ・∀・)魔法局の討伐部隊とシベリア部隊をこき使ってソウサク領内からかき集めたドラゴン250体だ。竜騎兵に選ばれた諸君には今のうちに操作に慣れてもらいたい
(#゚;;-゚)…ブーム、アサピエーラには頼んだんだが
| ^o^ |7ばんたいにかいしゅうされたじてんでわかっていたことです このなかにもいるのでしょうね
| ^o^ |ふざけたくにです
415
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:28:15 ID:kdpiK/xs0
ディは悲しげに目を伏せブームの袖を掴んだ。無表情のまま空を見上げていたブームの頬に一筋の涙が流れたのをディは見逃さなかった。
( ^ν^)って思うじゃん?
(#゚;;-゚)ニュッケン!
| ^o^ |おや
ニュッケンが乗っているのはドラグーンではない。ブームが乗った幼い竜の姿のままだ。
( ^ν^)案外食い気が強いしすぐ懐くなこいつ。まず胃袋を掴むことからってやつ?
| ^o^ |どうして
( ^ν^)運用するには小さすぎ、引き渡されたって使えるわけねーだろこんなん。仕方ないから第7のマスコット扱いだよ
| ^o^ |だい7にひとのこころがのこっていたとは
( ^ν^)否定出来ねえ職場だから困る
416
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/11/28(日) 06:30:22 ID:kdpiK/xs0
| ^ワ^ |よっこらせ おひさしぶり げんきしてましたか?
ドラゴンは嬉しそうに雄叫びをあげた。
( ^ν^)先輩様に感謝しろよな。あーあと名前聞いてねえんだけど
| ^o^ |なまえ…そうですねえ サルサです
(#゚;;-゚)良い名前だ
( ^ν^)そうか?
(;'A`)うおおおブーム!振り落とされるうう!コツ教えてくれぇぇぇぇ〜!
| ^o^ |すきこそもののじょうずなれ まずはまごころでつきあうことですよ
( ・∀・)4番隊ー!競争するよ、負けた奴は今夜奢りね!
( ^ν^)だってよ
| ^o^ |しかたがありませんねえ うちはおこちゃまぞろいです
翼を広げ、竜は魔法使いを乗せて飛び立った。
続く
417
:
名無しさん
:2021/11/28(日) 11:52:36 ID:Vte8.CBY0
おつ
418
:
名無しさん
:2021/11/28(日) 13:37:06 ID:BedPAKtw0
ブームくん回すき 乙
419
:
名無しさん
:2021/11/28(日) 22:59:19 ID:v4Yawu7o0
ブームくんいいわー
420
:
名無しさん
:2021/11/30(火) 11:46:29 ID:NXYB3C060
どのキャラも魅力的だなぁ
421
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 05:52:33 ID:obMedmTo0
フード越しでも照りつける日差しに焼かれてしまいそうだと空をのろのろと飛びながらドクオは思った。
ドクオは齢15歳ながら、どこか大人びた少年と言うよりもくたびれた背の低い大人のような顔をする事が多くなった。
魔法局に来て以来あの胡散臭げな優男、モーラ・モラール・マタリウスのおかげで過密スケジュールの中過ごす事が多くなったからだ。
身体検査、特訓、術式製作、事務、就寝。この日課に最近新しく魔竜兵器ドラグーンの操縦訓練という項目が増え彼の一日はより忙しなくなっていた。
('A`)疲労とは無縁な属性してるとはいえな…
遠くの空を自由自在に舞う竜の群れを見つめながら呆けていると、並んで飛んでいたブーム・ソヤナルカが声をかけた。
| ^o^ |のんびりでもふりおとされなくなっただけたいしたせいちょうです
('A`)魔力流し込んでるせいもあるけどな。日に日にこいつの目からやる気が失せてきてる気がする
422
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 05:54:16 ID:obMedmTo0
| ^o^ |のりてにドラグーンはにると けっかんへいきらしいですね
('A`)お前ほんとドラグーン嫌いだよな。着脱式の武装化も断ってたし
| ^o^ |しんでもおことわりだとサルサもいっています
頷くように魔竜サルサが咆哮した。その声に驚き滑り落ちたドクオの手をブームはすぐさま掴んだ。
| ^o^ |よそみしてるとあぶないですよ
(;'A`)ばか。お前のダチのせいだぞ、お前の…
| ^o^ |ふちゅういをたにんのせいにするのはよくないですよドクオくん
(;°A°)おわあっ!?
| ^o^ |おや
自分のドラグーンへもう一度乗ろうとして魔法靴で空へ浮かんだドクオの身体を突然力強い風が吹き飛ばしていった。
ブームは必死にサルサの身体に掴まって堪えながらも、過ぎ去って行くその竜の背中に描かれた模様を見た。
| ^o^ |いなずま…
423
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 05:56:13 ID:obMedmTo0
ミ,,゚∀゚彡邪魔だ邪魔だ!ノロノロ浮かんでる暇あったら引っ込んでろってんだよ、マ〜ヌケ〜!
(#'A`)このっ…元だよ元!元魔抜け!!
稲妻のパーソナルマークを付けたドラグーンを駆る少年の挑発にまんまと乗せられたドクオはすぐさまそれに追いすがった。しかしどこまで加速してもその背中は遠ざかるばかりだ。
かと思えば突然急速にスピードを落とし、あと少しでその手が届きそうな所で思い切り速度を上げていく。
こちらの怒りを誘う気のガキ臭い手だ。そう分かっていてもドクオはさらに苛立ちを募らせてしまう。
(#'A`)背後から翼でも撃ち落としてやろうか…
| ^o^ |ねらえっこないしおいつけもしませんよ あのはやさでは
(#'A`)なら、先回りすればいい!
ドクオは手を前へ突き出し、闇魔法で異空間への小さな門を開く。
転移先は相手の目の前、正面衝突は免れないだろう。それでも奴の肝を冷やす事さえできれば充分だと口角を上げ、ドクオは門の先へ飛び込んだ。
424
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 05:57:32 ID:obMedmTo0
('∀`)へへ、こんちは
青空を裂くようにして空を舞う少年の前にドクオは現れた。
この勢いのままぶつかれば鋼の装甲を纏うドラグーンとてただではすまない。だから自ずと相手は焦りながら急ブレーキをかけるはず。
常識的に考えれば、誰もがそう思うのだ。
(;'A`)っ!?
ミ,,゚Д゚彡へえ…だから?
しかし少年はドクオの想定を裏切り減速する気配を見せずに突っ込んできた。動揺したドクオは躱す事も出来ない。
(;°A°)(衝突する…!)
ミ,,゚∀゚彡ニヤリ
竜と竜の頭が掠るすんでのところで少年はやや斜めへ方向をずらして衝突を避けた。その瞬間、相手のドラグーンの翼が顔面に直撃しドクオの身体が叩き落とされる。
見た。確かに見た。
笑っていたのだ。
こちらの浅い考えにあえて乗っかって、その上で追い越して行きやがった。
(#'A`)あ…あの野郎ーっ!
空の彼方へ消えて行く少年の姿に、ドクオは思わず歯ぎしりをした。
425
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 05:58:47 ID:obMedmTo0
『救出の魔法使いたちのようです』
その9
426
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:00:34 ID:obMedmTo0
(´・_ゝ・`)お疲れ様でした。しかしシラネーヨさんは操縦・射撃共に順応が早いですね
ドラグーンを駆る竜騎兵部隊には各隊から最低でも隊長、副官、他1名の参加が義務付けられている。それ故にデミタス達が顔を合わせることも多くなった。
中には一部のシベリア人も入隊しており、昼夜問わずソウサクの空には竜の姿があった。
( ´ー`)もともとこういうもんは年寄りの方が案外吸収力あるもんだぜ、な?
地上へ降り立ってシラネーヨ・グラントはドラグーンの頭を撫でた。
<ヽ`∀´>年季の違いってやつニダ。ウェーッハッハッハ
(´・_ゝ・`)お二人とも30代で年寄りぶらないでください。シィ様に流れ弾が当たりますから
( ´ー`)美人だったからいーの。あの人はさ
ちらりと視線を移した先には、ギコ・ネルク・ゴウラが怒号と共に指揮を執っていた。
427
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:02:48 ID:obMedmTo0
( ´ー`)頑張ってるよな、あいつ。真っ先にドラグーンの扱いもマスターしやがったし
(´・_ゝ・`)ええ。1番隊を率いる手前、見本を示さねばなりませんから…相応の重圧もあるでしょうね。尊敬しますよ
それを聞きシラネーヨは笑顔で「ちょっとした息抜きにどうだ?」と手で何かをぐいっと飲み干すような仕草をする。副官会への誘いだ。
(´・_ゝ・`)私は構いませんよ。毎度毎度欠席者が居るのが残念ですが
( ´ー`)そっか…ナベちゃんも誘わなきゃあな
(;´ー`)早く帰ってきてくれよ〜おっさんは若者と酒が飲みてえんだ〜〜!!
(´・_ゝ・`)周りに誰が居るかとか関係なくただのアルコール依存では?
428
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:03:47 ID:obMedmTo0
( ´ー`)かもな〜。ニダちゃんはどうよ?いける方?
<ヽ;`∀´>え、え〜っと、その…ウリは…
(´・_ゝ・`)下戸であると
口ごもっている所をにべもなくデミタスに一刀両断され、ニダーは恥ずかしげに頭を掻いた。
( ´ー`)なんだなんだ、恥ずかしがることねーのに
<ヽ;`∀´>シュール様には内緒にして欲しいニダ…こう、大人としてのイメージ的に…
lw´‐ _‐ノv時すでにロスし延長戦、並み居るノロマをごぼう抜き!加齢臭漂う男達の背後杯見事シューちゃん1着でゴール!!
<ヽ;`∀´>!?
( ´ー`)無惨だな、ミエッパリ
(´・_ゝ・`)不似合いな装飾は遅かれ早かれ剥がれるものです。開き直るが吉ですよ
429
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:05:16 ID:obMedmTo0
1番隊の隊員達にとって、ドクオとフィレンクトが隊舎の闘技場の一つを長々と独占し特訓する姿とそれに伴う轟音はいつもの光景と言うべき見慣れたものであった。
ドクオと戦っているのはフィレンクト・シェフェルトン本人ではない。彼の作り出した影そのものだ。
故に攻撃を避ける時、溶け込むべき影はフィレンクトの足元にはない。
('A`)(なら出入りするためにはどうしても俺の影を利用せざるを得ない…)
読み通りドクオが背後へ放った閃光がフィレンクトの身体を貫く。闇の魔力と反応を起こし、その身体が爆ぜる。ドクオは勝利を確信した。
だが、飛び散った闇は集まって一つの球体となりドクオの腹部へと体当たりを仕掛ける。
('A`)…なんかさ、あんたの指導ってパッとしねえよな
(‘_L’)そうかい?
身を翻し体勢を整えドクオは呟いた。それにフィレンクトは数メートル離れた場所で本に何かを書き綴りながら聞き返す。
430
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:06:25 ID:obMedmTo0
('A`)そうだろ。シィ様だったらこう…矢継ぎ早に新技身体に叩き込んだりとか机にかじりつかせて俺が思いつかないような応用教えてくれたりとか。そういうのねえじゃん
同じように虚無の魔法で球体を消し飛ばす。これは相手を欠片も残さないための威力を出す訓練なのだとドクオはなんとなく理解して、それに応えていた。
(‘_L’)焦るな焦るな、上手い狩り方を教えるのは人の仕事。どう蹂躪するかは獣と獣で学ぶんだ
ドクオの影が伸び、人の形を成す。背後に立ったのはフィレンクトの分身だ。分身はドクオを羽交い締めにし、闇の球体を直撃させる気だ。
その時、自分へまっすぐ殺意を向け突っ込んでくる闇の中にドクオは先程争った稲妻マークの少年の姿を見た気がした。
('A`)獣ね…パッと見じゃ一番あんたから遠い言葉だよ、闘争心なんざこれっぽっちも無さそうなツラしてさ!
瞬時にドクオは指を真っ直ぐに伸ばして手刀を作り光の刃でフィレンクトの腕を切り裂き拘束を解く。
そのままほんの少しの八つ当たりを込めて、全身全霊を眼前の球体へ叩き込んだ。
(‘_L’)ふっ、ツラだけはね
フィレンクトはその時点でピリオドは打たれたとぱたんと本を閉じ、静かに微笑んだ。
431
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:07:33 ID:obMedmTo0
(‘_L’)私はね、出来る事なら不老不死になりたい側の人間なんだ
('A`)まあそうだろうよ。今も人生綱渡りだしあんた
フィレンクトは右腕と血液を闇で代用している。そのため自分の魔力が切れた時、その命は尽きてしまう。訓練している最中にもうっかり冷たくなっている可能性すらあるのだ。
故にドクオはこうして訓練が終わる度にフィレンクトに魔力を分け与えている。
(‘_L’)寿命を考えればこうして歳を重ねる事はあと数十回程度だろうな。しかしこの時代では突然死んでしまう事だってあるんだ
(‘_L’)…私は昔からそれがズルいと思っていてね
('A`)ズルいとかズルくないとかってレベルか?
(‘_L’)うむ、そんな言葉では括れない理不尽だ。だから私は逃げてきた。どんな場面でも…
432
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:08:33 ID:obMedmTo0
(‘_L’)私が居なくなっても変わらず過ぎゆく日々が、私が死んでも生を感じていられる連中が、身勝手に我が人生の幕を下ろそうとする奴らが憎らしくてね
('A`)思い通りになんてなってやるもんか、ってわけね。あんたにもそんな反骨精神があったんだな
ふむ、と顎に指を当てて呟くドクオにフィレンクトは苦笑する。
(;‘_L’)君ねえ…私はそんなに覇気のない男に見えるかい?
('A`)格好いい所より情けない所の方が多く見てるからな。こいつ俺そっくりだわって何度思ったか
(‘_L’)ほう、それは嬉しいことだ。こんなおっさんが君に似ているか…ははは、光栄の至りだよ
('A`)元魔抜けのガキだぞ?
433
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:09:54 ID:obMedmTo0
(‘_L’)過去や生まれはこの際重要じゃないさ。この先私は君になり、君は私になる。そして私を越えていって欲しいんだ
('A`)…はあ
もったいつけた言い方に混乱してドクオは曖昧に答えた。その様子にフィレンクトは暖かい笑みをこぼす。
(‘_L’)つまりね、私がシィくんに代わって教えていくのは光魔法だけじゃなく逃げる事を恐れず、生き延びるためならなんでもする勇気さ
(‘_L’)その代価に私は君からいつもこの時代で戦うための勇気を教えてもらっている。師は弟子の中で生き、弟子は師の中で生きていくんだ。悪くない一節だろう?
('A`)やっぱ詩人や作家は無理だよ、あんた
(‘_L’)…そうか。それでも生きていればいつか伝わる時も来るよ
434
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:11:52 ID:obMedmTo0
('A`)…はいお疲れさんお疲れさん。次使っていいぜ、隊員諸君
('A`)・・・・・・
('A`)薄々考えちゃいたがあの野郎…急に手記なんか書きだしたり、目線がシィ様みたくなったり…
(;'A`)死に支度する気満々じゃねえかよぉ!!
闘技場を出て、ドクオは一人胸の内で騒ぐ言葉を吐き出した。
(;'A`)モララーもフィレンクトも…シィ様死んでから変に焦ったり悟ったりして…
ミ#,,゚Д゚彡(;°A°)アホじゃねーの!?
ミ#,,゚Д゚彡偉そうな事言って結局何でもかんでも全部俺様に押し付ける気じゃねえかあの野郎…!
(;'A`)まったくだ、どいつもこいつも好きにもてはやして…
ミ,,゚Д゚彡口を開けばシィ様シィ様、いもしない無駄死に女のケツばっか見やがってさ!
(#°A°)無駄死に女だとコラァ!!!
435
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:12:38 ID:obMedmTo0
怒鳴り声を上げてドクオは焦燥感をそのまま言葉にしていたのが自分の心の声ではない事に気がついた。相手も真正面に立つ男の顔に初めて気がついたようだ。
ミ,,゚Д゚彡あ?…マヌケか
(#'A`)稲妻マークのガキ…!
(#'A`)魔抜けじゃねえ、元魔抜けだ!それよりシィ様が無駄死に女ってのはどういうこった!?
ドクオは少年へと掴みかかった。しかし少年は先程と同じように挑発の笑みを浮かべる。
ミ,,゚Д゚彡どうもこうもねえ。お前やギコみたいな腰抜けを守って死んだ奴が無駄死にじゃなきゃ何なんだ?
ドクオは少年を突き飛ばし怒りのままに無言で光弾をぶつけた。しかし少年はそれを避け、懐へと飛び込み掌から雷撃を浴びせた。
(;°A°)がはっ…
ミ,,゚Д゚彡感電死させねえだけ感謝するこった。少ししたら起き上がれるからよ
436
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:15:06 ID:obMedmTo0
ミ,,゚Д゚彡軟弱者から教わった魔法で俺様に敵うわけねえだろ、マヌケ
去り行く背中をドクオは睨みつけた。呼吸はまるで整えることができない、身体が痺れる、脳もぼんやりとしつつある。それでも聞き逃がせない言葉があった。黙っていられない言葉があった。
ドクオの身体は痺れを振り払い、その背中へ殴りかかる。しかし少年はそれを難なく止めた。
(#'A`)軟弱っつったか…!シィ様の魔法を…!!
ミ#,,゚Д゚彡そうさ!光魔法、人を生かす魔法だ?それで厄災が殺せたかよ!シィも、フィレンクトも、その弟子のお前も…軟弱の極みだろうが!
(#'A`)野郎言わせておけば!!
ミ#,,゚Д゚彡今度は死んでみるか?腰抜けのマヌケが!!
437
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:16:27 ID:obMedmTo0
(#,,゚Д゚)やめろフサギコ!!
ドクオを組み伏せ容赦なく顔面に殴りかかろうとした少年へとギコが怒声を浴びせた。
小さく舌打ちをしてその場から退こうとした少年、フサギコの頭を掴みドクオへ向けて下げさせる。
(,,゚Д゚)弟がすまない事をした
('A`)…謝るんならシィ様に謝らせろ。それと教育がなってねえぞ、そのガキ
ミ,,゚Д゚彡ガキはどっちだ、すぐカッカしやがって
フサギコの声にぺっと床へ唾を吐きドクオは不愉快さをあらわにした。
438
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:17:16 ID:obMedmTo0
(#,,゚Д゚)貴様…またシィ様を侮辱したのか!?まるで反省していないようだな!!
ミ,,゚Д゚彡いってえなあ!?悪いかよ腰抜けギコ!!
ギコが掴んだフサギコの頭に力を入れる。「また」という事は常習犯でその都度ギコに叱られているのだろう。1番隊の人間らしからぬ男だとドクオは感じた。
ミ,,゚Д゚彡これ以上バカバカしい連中に付き合ってられるか!じゃあなマヌケ!
(#'A`)元だ、元!!そもそもドクオって立派な名前があんだよモジャ毛が!!
風を起こしてギコを振り払い、すぐさま駆けていくフサギコに向かってドクオが叫ぶ。
それを見てギコは不機嫌そうに眉を寄せた。
439
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:19:27 ID:obMedmTo0
('A`)知らないなら知らないで構わねえんだけどさ…フサギコって奴、知ってる?
4番隊隊舎で、ドクオはふとモララーに訊ねた。あれからギコは再び説教をしにフサギコを追いかけて行ってしまい、今も心をずきりと痛ませるあの憎たらしい針の素性を詳しく知る機会を失ってしまったからだ。
( ・∀・)フサギコ・ダカラ・ゴウラ、13歳。ギコくんの弟だね。急にどうした?
('A`)そこまでは俺も知ってるんだけどさ…
( ・∀・)ふむ…もう一つ言うなら今大魔導師にもっとも近い男だよ
(;'A`)はぁ!?
ドクオは驚愕の声を上げた。控えめに言ってもあの男には他の大魔導師のような器はないだろう。年齢の近いシュールやキュートよりも落ち着きの無さそうな人間だというのに。
440
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:20:44 ID:obMedmTo0
(´・_ゝ・`)雷の魔法…これは特殊属性ではなく水と風を合わせて起こす力なんですが、それを極めた実力と魔力は魔法局の上から下までみんなかなり有望視してるんですよ
(;'A`)ただのクソガキだろうがあんなの!
( ・∀・)うん、僕もありゃ兄に似ず子供だと思う。結構好きなヤツだし4番隊に来て欲しいんだけど…昇格試験の度にボコボコにしてたら随分と嫌われちゃってねえ
| ^o^ |かげんなしとは おとなげのない
( ・∀・)厄災は加減なんてしてくれないもーん。ま、直接的な破壊に向いてない僕にいいようにやられるんだからまだまだかな
( ・∀・)でもまあ、根っこは兄貴にそっくりだよ
(;'A`)どこが!?水と油だろ完全に!
441
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:21:35 ID:obMedmTo0
( ・∀・)いやね、彼はそりゃあもう模範的な1番隊の隊員なんだよ?睨んでくる時の目つきとか特に昔のギコくんまんまでね…んふふふ…
(´・_ゝ・`)何らかの誤解が生じている可能性もありますが…やはり本能的に分かるんでしょうね、ろくでなしの匂いが
( ・∀・)ニコヤカ〜
モララーの悪戯っぽい笑みになんとなくドクオは納得した。同時にそれならば何故あの男はシィを軟弱だ無駄死にだと断じたのだろう。
考えても仕方ない、というかあんな男の事を考えるだけ時間の無駄だろう。ドクオはぽりぽりと頭を掻き、切り替えて仕事することにした。
442
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:23:01 ID:obMedmTo0
ドクオにとって家と呼べるものはこの4番隊隊舎だけだった。
簡素な個室が用意されているため最低限のプライベートは存在するものの、そこは特に荷物のない身であるドクオでも非常に狭苦しく感じた。
('A`)ん〜…何?家帰ったんじゃねえの?明日休みでしょ?
眠りこけているとふと物音が聞こえ、ドクオはゆっくりと身体を起こし声を上げた。
モララーなら時間を止めている間に作業を済ますだろう。となると不在のペニサスを除けば候補は二人に絞られる。
性格を考えればわざわざ顔を見なくとも簡単に答えへ辿り着けた。暗がりで机にかじりついているのはデミタスだ。
ドクオはベッドから降りて眠たげな顔のままデミタスの側に立つ。
(´・_ゝ・`)ぶっちゃけ帰っても寝れないしする事なんて天井見てるだけですからね。ここにいる方が有意義なんですよ
('A`)いつかぶっ倒れるよあんた
443
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:24:31 ID:obMedmTo0
(´・_ゝ・`)過労死狙うとそれを回復する人が居ますから。おかげさまで4番隊はますます時獄極まれりといったところですね
('A`)好きでやってるわけじゃないんだけど…
(´・_ゝ・`)前は新しく魔法が使えるの楽しい!とかイキイキしてませんでしたか
('A`)…わかんねえ。誰かを助けて感謝されるのはそりゃ、悪くない気分だよ。けどシィ様の後継なんて考えるとちょっとな…
(´・_ゝ・`)…ふう。あなたが役不足なんて事くらい誰でも知ってますけど?
(;'A`)お前さ…もうちょっとさ…なんていうかさ…
(´・_ゝ・`)厄災は加減をしてくれませんよ
(;'A`)それ万能ワードじゃねえからな!?
444
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:26:24 ID:obMedmTo0
(´・_ゝ・`)1番隊のフサギコ君と喧嘩したんでしょう?
('A`)…まあ。俺みたいな腰抜けを守るためにあの人が死んだって言い方、あれが結構刺さってるっぽい
(´・_ゝ・`)どうも魔法局の実力者は例外なく重度のシィ様コンプレックス持ちみたいですね。アサピエーラさんとか
(´・_ゝ・`)あそこまで行くと私個人としては「そんなにかお前ら」といった感想なんですけれど、こればっかりはそれぞれ共に過ごしてきた時間もあるのでしょう
('A`)やっぱディって…
(´・_ゝ・`)あなたが意思としての後継者なら器としての後継者と言えます。二人してまったく…つくづく似た者同士の親だと思いますよ
(´・_ゝ・`)…だからこそ彼は癇に障るんでしょうね、自分ではなく他の隊の人間に光属性という資格がある事が、より深くシィ・ニャイッキーを知っている人間が選んだ後継者が自分ではない事が
('A`)フサギコと付き合いがあるのか?
(´・_ゝ・`)少しだけ。というか大魔導師の昇格試験の時審判やらされてますから、多少の人となりは
445
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:27:57 ID:obMedmTo0
('A`)お前はどう思うのさ、あいつのこと
(´・_ゝ・`)…ふふ。努力家だと思っていますよ
('A`)俺の中の調子こいてるクソガキのイメージと一致しねえ。同姓同名の知らん人の話してる?
(´・_ゝ・`)一人での魔法属性の合成はそれだけで魔力を大量に消耗するんです。それを日常的にかつ最低限の消費で行える人間は一握りの天才か、自力で鍛え続けてその頂に登りつめた秀才か…ブームくんは前者ですね
(´・_ゝ・`)その上で、合成した魔法を固有というか擬似的な特殊属性持ちのレベルまで極めた人間はそれはもう非常に稀な存在なんです。凡人達の星ってやつですよ
('A`)モララーが気に入ってるのはそういうわけか…でも要するにあいつも真似っこ野郎じゃんか
(´・_ゝ・`)スタート地点が物真似でも磨き続けて自分を確立するって、凄いことなんですよ。本人や貴方はあまりそう感じていないみたいですけど
446
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:29:44 ID:obMedmTo0
(´・_ゝ・`)まあそう嫌わないであげてください。薄氷に過ぎないかもしれませんが…彼もあなたの事は嫌いじゃないみたいですから
(;'A`)うげ、気持ち悪いこと言うなよ…てか絶対そんな事ねーから!悪意全開だったぞあいつ!
(´・_ゝ・`)あなたの境遇やフサギコの性格を考えると殺しに来ないだけ奇跡にも近いことだと私は思いますが
('A`)殺されかけはしたかな
(´・_ゝ・`)ちょくちょく忘れがちみたいですけど、あなた一応厄災なんですよ?それも今やほとんどの隊が知っている
('A`)フサギコから見れば俺は仇と変わらんと?
(´・_ゝ・`)ええ。だがあなたにシィ・ニャイッキーの属性的な直系の弟子という価値を付与することで、周りも野暮な口出しは出来なくなる。モララー様とシィ様なりの心遣いだと私は思います
('A`)その心遣いで今あいつにめちゃくちゃ反感買ってんだけど
447
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:31:56 ID:obMedmTo0
(´・_ゝ・`)…ドクオ、確かにあなたはまだ新人役者です。ですが…
ながら作業の手を止めて、デミタスが椅子をくるりと回転させ向き直った。
(´・_ゝ・`)悲劇であれ喜劇であれ、駄作であれ良作であれ。それが手垢のついた題材だろうが、下手な演技だろうがまばらな拍手だろうが、罵声を浴びせられようが…それでも最期の時まで演じきることに意義があるのです
(´・_ゝ・`)そしてあなたはもう舞台に立ってしまった。それだけは忘れないことです
デミタスは口元をにっと歪めた。穏やかで冷淡で、どこか無遠慮ないつものデミタスとはまた違った眼差しの凄みに、ドクオは思わず目を反らした。
('A`)目つきが年寄り臭いんだよ、あんた…
(´・_ゝ・`)6人家族の長男坊なんですよ、私。だからついこういう目をしてしまうんです
448
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:32:58 ID:obMedmTo0
('A`)どうせ俺はここの末っ子のチビスケですよハイハイ。で?あんたはさっきから何してんの
(´・_ゝ・`)露骨に話題を変えましたね
(;'A`)うるせえ
(´・_ゝ・`)…砂時計をひっくり返すにはどうしたらいいか、考え込んでるんですよ
(;'A`)は?そんなもん手でほいっと…
(´・_ゝ・`)やはり人の手しかないんでしょうかねえ…このままだとこぼれ落ちる砂、無くなっちゃうかもしれないんです
('A`)…モララーになんかあったのか?
(´・_ゝ・`)最近、何日以上普通の一日を過ごしてると思います?
('A`)それは、ペニサスさんが言ってたようにモララーもシィ様の事を引きずって…
(´・_ゝ・`)確かにモララー様は心を痛めておりました。しかしあの人はいつまでも抱え込んでいる場合ではない、そう認識して切り替えられる人です。ではなぜこの局面で時の結界を張ろうとしないのか
449
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:33:54 ID:obMedmTo0
(;'A`)魔力を使い続ける事に、なんらかの危険がある…?
(´・_ゝ・`)正解。つい昨日モララー様、コーヒーこぼしかけた時に時間を巻き戻したんです、初めて。あの人結界の中で150年以上生きてるんですよ?偶然使い方に目覚めたにしては不可解だと思って
(;'A`)…それって
モララーも、厄災として目覚める可能性がある?そうデミタスは言っているのか?
けど今までモララーはそんな素振りを欠片も見せず笑っていたじゃないか。どうしてそんな事ができる、どうして秘密にしていたんだ?
溢れ出てくる疑問にドクオは冷や汗をかいた。
(´・_ゝ・`)正直あなたにバラすのもどうかと思うんですけど参考になる人が他に居ないですから
(;'A`)あ、あいつも…時間がない…?
(´・_ゝ・`)だから人間として動きを止める前に…どうにかあの人の時間を動かし続ける方法が必要なんです。これ、他言無用でお願いしますね。モララー様にも
450
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:35:13 ID:obMedmTo0
翌朝、魂の抜けた様子でドクオは魔法局内を歩いていた。
思えば今までどこか冷めていたかもしれない。
それが筋書きなら従おうと一歩引いて他人事のように認識し、これは自分に与えられた役割なのだと言い聞かせて。
今になってあれこれと疑問を抱くまで自分にただ流され続けていた部分が無かったとは言い切れない。
進むべき道は、他の大人達が示してくれたから。
lw´‐ _‐ノvふむ、それでシィ様と1番隊と今の自分を比べ血迷っておると
('A`)血は余計。迷ってんの
(#゚;;-゚)相談相手にウチの隊長を選んだ時点で血迷っているのでは?
('A`)だってこう…デリケートじゃん?モララーにシィ様あれこれ聞くのってさ。昔の女だし
lw´‐ _‐ノvちっちっちっ。モラちゃんとシィ様はそういうんじゃねえんだな
(;'A`)なんかすまん
シュールが眉を顰めたのを見てドクオは即座に謝った。
451
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:36:25 ID:obMedmTo0
(#゚;;-゚)構わない、話を続けてくれ。私もシィ・ニャイッキーなる人物の事はよく知っておきたい
('A`)…ぶっちゃけ悩みはシィ様やフサギコのことだけじゃなくてさ。その周り
lw´‐ _‐ノvもっもっ?
シュールは興味深そうに米を口元へ運んだ。
('A`)なんつーかさ。シィ様死んでからどいつもこいつも死を背負い過ぎてるんだよ、それでも前向きな顔してる奴がいくつか居る。前向きな顔して死や不幸を見つめて…そいつら見てると、分かんなくなってさ。たまに頭がおかしくなりそうになる
lw´‐ _‐ノvもっもっ…
452
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:37:20 ID:obMedmTo0
(#゚;;-゚)悪いがお前の現状への認識がまだ甘いのだと言わざるを得ない。戦う以上、死は常に我々の間近にある
自分は戦うために生み出されたと自称するディらしい答えだとドクオは思った。
('A`)それでもさ!それでも、それでも不気味なんだよ!運命が見え過ぎてるくらいなのに…
(;'A`)フィレンクトも!モララーも、デミタスも!シィ様も、ギコだって!
lw´‐ _‐ノv…あたしに言わせてみりゃさ、背負わなきゃ投げ飛ばすこともできんぜ
('A`)投げ飛ばす?
lw´‐ _‐ノvそれがどうした!ってやつさ。敵を知り己を知れば百戦危うからず〜
シュールは前のめりの姿勢になり、ドクオへ暗示をかけるように人差し指を回した。
453
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:39:17 ID:obMedmTo0
lw´‐ _‐ノv死を知れば生を知り、生を知ればまた死を知る。どっちか片方だけ見てちゃどっかの誰かさんみたいに潰れちまうよ。気をつけなさいな
('A`)大魔導師ってなんでこう年寄りから同年代までもったいぶる癖があるんだ
(#゚;;-゚)…ブーム・ソヤナルカを見てこい。おそらくお前の求めている答えがなんとなく分かるはずだ
('A`)俺の中の理解に苦しむ友達ナンバーワンじゃねえか
(#゚;;-゚)絶望を知れば人は深い闇の中から光を求めて足掻こうとするものだ。ブームが言う理想的な種の在り方というのもあながち間違いでもないと私は最近思う
('A`)モララー達もそうなのかな…
lw´‐ _‐ノvむしろ魔法局で一番悪足掻きしてる人の例じゃないかねアンタら
454
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:40:01 ID:obMedmTo0
lw´‐ _‐ノvま、なんだ…全部自分にかかってるとか、一人で戦ってるとは思わないこと。自惚れんなよベイビー
('A`)でも…けどさ、だって俺には、あんな風に…!
lw´‐ _‐ノvなれるよ、ドクオちゃん
lw´‐ _‐ノvお互い人の弱々しさを知り寄り添うだけじゃなくその人に眠ってる強さを支えてあげられる人間になろうな…それがこの世界じゃ一番大事さね
455
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:40:36 ID:obMedmTo0
厄災出現の報が魔法局の静寂を破った。このイレギュラーは覚醒済みの厄災である。
デミタスがぱらぱらと資料をめくり、円卓にて発言する。隊長機のドラグーンに備え付けられたミスリルを通し、離れた場所でもその声は響いた。
(´・_ゝ・`)厄災はすでにイタツーへ上陸、現在地はソウゴウです。非常にゆっくりなスピードですが…このままだとキューイタ方面から王都ファイナリへ向かいますね
(-@∀@)またイタツーか?防波堤でも作るべきだな。うんとでかくて硬いやつを
(‘_L’)そんな暇があればね…
(-@∀@)今ロマキングを消耗させるわけにはいかない。となると駐留しているシベリア人の力も借りる事になるな
(´・_ゝ・`)オトジャさんにはすでに連絡を入れてありますが…戦線への到着は遅れるでしょう
456
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:42:56 ID:obMedmTo0
(´・_ゝ・`)それと1番隊から6番隊を攻撃と住民の避難誘導へ向かわせていますが…どうも厄災の実態が掴めないんですよ
(-@∀@)おいおい、それが君達の仕事だろ?4番雑用隊
(´・_ゝ・`)だから苦労してんだよクソメガネが…失礼しました。周期表と合致する情報が無さすぎるんです
( ・∀・)『こちらソウゴウへ向かってるモララーでーす、これ便利だね。どうぞー』
lw´‐ _‐ノv『もしもしデミちゃん?俺だよ兄タス。厄災来ちゃってさ〜とりあえず300万オツ欲しいんだけど』
(´・_ゝ・`)どうでもいい報告しないでください
lw´‐ _‐ノv『冗談だよ。幸い厄災の動きも遅いしこっちは避難も順調でございます』
457
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:44:22 ID:obMedmTo0
( ・∀・)『遠目に見ただけなんだけどさ…なんかもう死体っぽいんだよね厄災』
(‘_L’)だが動いている…アンデッドということか?
(-@∀@)ならディを使え。有効なはずだ
( ・∀・)『アンデッドには近いとは思いますよ。ただ記憶してる中でその特徴に一致するやつ居ないんですよね…デミさんわかる?』
(´・_ゝ・`)いえ…まだ時間が
(-@∀@)…ふん、ドラグーンのいい試験にはなるか。ニュッケンに各機のデータを取らせねば
(‘_L’)ひとまず我々は奴を屍の厄災と呼称する。魔法局各位、油断こそ最大の敵だと思え。健闘を祈る…!
458
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:46:00 ID:obMedmTo0
一斉に厄災を追いかけて飛び立った竜騎兵達の中でもフサギコは文字通り頭一つ抜けた速さで先行していた。
誰よりも速く、誰よりも強く、自分の手で厄災をこの手で叩く。そう信じて彼は風を突き抜けて行く。
絶対的な強者であること。それが彼の厄災に対しての恐怖から心を守る姿勢であった。
ミ,,゚Д゚彡ちっ、ちょろちょろと…!
その背中を追いつく者がいた。光と風の魔力を伝達してスピードを上げるディ、同じく小規模な転移と光のエネルギーを使って加速し続けるドクオである。
('A`)抜け駆け厳禁だぜ、稲妻!
(#゚;;-゚)厄災討滅こそ私の使命…ぬかりはしない…!
光。
忌まわしい光。
それも二つ。
その存在だけでフサギコの神経を逆撫でするには充分だった。
ミ,,゚∀゚彡…来いよ腰抜け共、ついてこれるもんならなぁ!
ちょうどいい。むしろこの時を待っていたのかもしれない。そっちがその気なら自分も光へ挑戦してやろう。
フサギコは不敵に笑い、ドラグーンを加速させた。
459
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:47:28 ID:obMedmTo0
目視できる距離に来ても厄災の種別はつかない。陸上生物に似ているような、海の生き物…とりわけ鮫にも似ているような。しかし翼がへし折れているのを見るにドラゴンに近いのか?まさしく厄災、まさしく異様という感想を3人は抱いた。
明らかに腐敗した皮膚は所々抉れており、下顎は溶け、身体全体をぬめぬめとした体液が覆い、内臓のようなものも露出している。
('A`)なんだこりゃ…腐乱死体もいいとこじゃねえか
そうぼやいたドクオの横で、フサギコは容赦なく数発複合属性弾を撃ち込んだ。
命中はした。
しかし弾頭はずぶりと厄災の体表に吸い込まれるように消えてしまった。
ミ,,゚Д゚彡だったら…!?
低く唸り声を上げて厄災が身を震わせた。体液が飛び散り、フサギコのドラグーンの翼を掠める。
460
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:48:19 ID:obMedmTo0
(;'A`)野郎の体液はこっちも溶かしにかかるらしいな…!
(#゚;;-゚)すでに死んでいる、ということは…二度と死ぬことはないということ
('A`)死を知り生を知る、ってやつか…けどお祓いくらいできるはずだろ!
ドクオとディが野太い光線を合わせて浴びせる。
しかしそれも屍の厄災には通じず、吸い込まれていく。
ならば、とドクオは虚無で厄災を削り取る。しかし削り取った箇所から体液が噴き出しその身体を再生させてしまうのだ。
('A`)光も届かぬ深い闇ってかよ!?
(#゚;;-゚)光魔法に反応を起こさない…つまりあの死骸を動かしているのは闇ではない…?
('A`)くそ、ますますわけわからん奴だな…
461
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:49:44 ID:obMedmTo0
ミ#,,゚Д゚彡ちっ…すっこんでろ、軟弱魔法使いどもが!
フサギコは雷槍を生成し、両腕で掲げた。そのまま加速し続けてすれ違いざまに厄災の両腕を斬り落とす。
複合属性弾も、光魔法も通用しなかったことを考えると恐るべき破壊力だ。次の大魔導師と評される男は伊達ではない。ドクオは悔しさを感じながらもそう思った。
だが、すでに死骸である厄災には手応えはない。
その焦りは少しずつフサギコを蝕み始めた。
その時だ。厄災の首がフサギコへ向かって伸びた。腐り落ちた眼が、歯の所々欠けた上顎が、額に滴る体液がフサギコに冷たい殺意を向ける。
ミ,,゚Д゚彡面白えじゃん…!
フサギコはその厄災の顔に恐怖することもなく、むしろそこにこそ活路を見出した。
根拠などない。ただこんなギリギリの状況だからこそ、自分の強さが試される。そう思ったのだ。
どうせ何でも吸い込み喰らう単純な厄災だ、餌になるフリをして一撃を浴びせるのは容易い。
462
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:52:26 ID:obMedmTo0
(;'A`)あのバカが…!
ミ,,゚Д゚彡雷撃よ、我が敵を穿て!
腕から放った雷を鞭のようにしならせ、フサギコは真正面から厄災の頭を細切れにして見せた。しかし飛び散った体液は巨大な一つの塊となり、フサギコを包み込もうと襲いかかる。
ドクオは光波防壁を纏ってドラグーンを突っ込ませ、ギリギリでその間に割って入った。
ミ,,゚Д゚彡何しやがる、マヌケ…!
(#'A`)身体まるごとグズグズに溶けたくなかったらじっとしてろ、ガキ…
ミ,,゚Д゚彡余計な真似を…俺様の速さならあの時避ける事だって!
('A`)出来たってのか?あの範囲の攻撃を
463
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:53:59 ID:obMedmTo0
ミ,,゚Д゚彡少なくともこうして閉じ込められてるよりはマシな結果にできたさ!お前のくだらねえ光魔法のおかげで俺様達は溶けて死ぬのを待つしか無くなったんだぞ!
('A`)まあ防壁で守ってるからそうそう死にはしないとはいえこう包まれちゃ中から壊すのは無理だろうな。解いた時点で溶けるからな…
ミ,,゚Д゚彡じゃあどうするつもりだ!?
自由に飛び回れなくなった事で、フサギコはより焦っているように見えた。対照的に迷いを抱えていたドクオの思考は少しずつ冷めて行く。
('A`)決まってるだろ。仲間が助けてくれる
ミ,,゚Д゚彡何をバカな事を…!
('A`)俺達は大魔導師じゃない。いや…大魔導師でもだ、相手がどんなに嫌いでも一人きりじゃ…助け合わなくちゃ、厄災は倒せない
そう言い終えて、ドクオは自分で答えの一片を掴んだような気がした。
('A`)そうか…はは、シィ様がいろんな人を助けてたのも、フィレンクトが俺に託すような物言いばっかしてたのも、モララーが俺を助けたのも…
464
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:56:40 ID:obMedmTo0
('A`)絶望の中に居たんじゃない、光は誰でも持っているもの…だから戦えてたんだ、だから怖くてもなんでもないような顔して向き合えてたんだ…
('∀`)ふふ、ははは…!そうか、そうなんだよ!俺にも確かにあるんだよな、それが!はははは!
ミ;,゚Д゚彡こんな時にバカバカしい事を言うな、とうとうイカれたのか!?あんなちっぽけな力で何ができるってんだ…!
('A`)そうさ、俺達だけじゃちっぽけだ。だからこの先どうすればいいか…それは光をどこまで大きくしていくかなんだ。誰かと繋がって、人々に宿った光はより強くなる
ミ#,,゚Д゚彡ふざけるなと言ってるんだよ!!耳も無くなったか!?
('A`)…別にお前が雷の強さに拘るのは構わねえよ。けど光がシィ様を守れなかった力だと思って憎んでんなら筋違いだ
('A`)お前はそうやって自分を信じてりゃいい。今はそれが一番お前が強くいられる事だと思うから。お前を信じることで俺は俺の光を繋ぐ、今はそれでいい
465
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 06:58:20 ID:obMedmTo0
胸の内を言い当てられ、フサギコは硬直した。
ミ;,゚Д゚彡な、なんなんだよ…なんなんだよお前は、マヌケ…!
うっすらと口角を上げ、軽やかにおどけるような声でドクオは返事した。
('∀`)魔抜けじゃありませーん。我が名はドクオ・マンドリューク・テネブリス。ついこの間までは人呼んで救出される方の魔法使い!今はする方ね!
('∀`)出られるよ。俺たち魔法使いなら
466
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 07:00:22 ID:obMedmTo0
ディは厄災の鋭い爪を躱しながら思考を巡らせていた。空中にいる彼らを包んだ黒い塊は依然として動かない。ならば溶かしきれていないと考えるのが自然だ。ドクオとフサギコはまだ生きている。
(#゚;;-゚)助けるのならば、援軍を待つか厄災に大きなダメージを与えるか…
その時ディは厄災がフサギコの複合属性弾を数発飲み込んだのを思い出した。
数十発の弾を飲み込んだ今、奴の身体は火薬庫のようなものだ。
(#゚;;-゚)本体が苦しめば、たまらずドクオ達の拘束も解かれるはずだ!
もう一発撃ち込み、完全に飲み込まれる前に光線を放つ。
一度誘爆した弾丸は内部から敵を破り大きな爆発を起こした。
467
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 07:01:16 ID:obMedmTo0
(#゚;;-゚)くっ…!
辛くもその爆風からディは逃れる事ができた。厄災は燃え上がる炎を嫌がりながらも健在だ。
(,,゚Д゚)炎が嫌いか…だったら俺達の出番だ!各機、撃て!
| ^o^ |やりますよー
ディの背後でようやく魔法使い達が追いついた。魔力が伝達されドラグーンが口から火球を放ち、厄災へ攻撃が集中する。ブームが浴びせた油でその火はさらに燃え広がる。
尻尾でそれを薙ぎ払い、体表でそれを吸収し。負けじと防御しながらも、屍の厄災にも徐々にダメージは蓄積されているようだ。
すると突然黒い塊はその形を保ったまま超スピードで厄災の体へと引っ込んだ。
| ^o^ |あのくろいきゅうたいは?
(#゚;;-゚)…あの中にドクオと、フサギコという男がいる。防壁を張っているから無事だと思うがいずれ奴の体液に溶かされてしまう可能性がある
( ・∀・)なるほどね。やれやれ、つくづく厄災の腹の中に縁があるなあ…
(#,,゚Д゚)あのバカ…!
ギコは頭を抱えて唸ってしまった。その横でモナーが熟考した後口を開く。
468
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 07:03:59 ID:obMedmTo0
( ´∀`)おそらくあの厄災の身体を包む体液と死骸は、それぞれ独立した別の生命体。というか死骸に寄生している可能性があるモナ
( ・∀・)吸収は体液の側、パワーは死骸のもの。防御力と再生力は合体することで引き出されたポテンシャルって感じだね。引き剥がすなら…
( ´∀`)燃やすより凍らせる。モナならできるモナ
( ・∀・)ふふ、任せた!
( ´∀`)任されたモナ。ちょっとサイズが厳しいかもしんないけど…氷の大魔導師モナー・マエモゼムが命じるモナ。汝、凍りつくがいい!
モナーは厄災を足元から凍らせ、首元でその進行を止めた。
469
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◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 07:04:36 ID:obMedmTo0
モナーの推理は当たっていた。その死骸の中で血液のように蠢いていた液状の生命体は死骸が凍結させられた事で身動きが取れなくなり、逃げ場を求め体内を這い上がり噴出し、津波のように魔法使い達へ襲いかかった!
(,,゚Д゚)ちっ、翼で済んだだけマシだが…飛沫だけでも厄介だな…!
(;´ー`)隊長!剥がせはしましたけどこいつ、死骸の中に閉じ込めてた方が楽だったかもしれませんぜ!
( ´∀`)これしか方法無いんだから文句言うなモナ。しかしでかい癖にすばしっこいモナね…凍らせるのも難しいモナ
( ・∀・)厄災へ時間停止!どれだけもつか分かんないけどね!
その瞬間であった。
雷光が凍りついた死骸を粉々に砕き、中から2匹の魔竜が現れたのは。
470
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 07:06:06 ID:obMedmTo0
('A`)言ったろ、助けてくれるってさ
ミ,,゚Д゚彡…お前の邪魔が無ければそもそもああはならなかったがな
('A`)ケッ、まーだ言うか!
(#゚;;-゚)ドクオ!
液状の厄災は腕のような形へ変わり、二人を捕まえようとする。しかしドクオとフサギコはまるで歯牙にも掛けない様子で競争を続けている。
ミ,,゚Д゚彡俺様の疾風迅雷の速さに!
('A`)俺の光の速さに!
('A`)ミ,,゚Д゚彡ついてこれるもんならついてきな!!
ミ,,゚Д゚彡マヌケ!!
('A`)クソガキ!!
471
:
◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 07:07:30 ID:obMedmTo0
( ・∀・)…やるじゃん
モララーは感心して深く頷いた。完全に厄災は挑発に乗せられて今にも食らいつかんと二人を追いかけている。
彼らのゴールは沿岸近く。ギリギリまで街から引き剥がして全身全霊を叩き込むつもりだ。
(#゚;;-゚)あの二人…仲は険悪ではないのか?
( ・∀・)相性は最悪だろうね。でも喧嘩するほどってやつさ。今はあれがベストだ
( ・∀・)どっかの誰かさん達みたいでね!
モララーは笑顔で振り向く。
( ´∀`)そうモナね。どっかの同期の桜のバカ二人みたいモナ
( ・∀・)ん〜?僕は「モ」と「ア」のつくコンビを指したんだが。君は違う人を想像してるみたいだな
( ´∀`)自分の名前フルネームで言ってみろモナ
( ・∀・)年齢差は彼らと同じだよ?
( ・∀・)ニコヤカ
( ´∀`)モナモナ
472
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◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 07:08:45 ID:obMedmTo0
会話する事もなく、お互いに決めたゴールで二人は向き直った。
ミ,,゚Д゚彡ハッ、スピードじゃ俺様の勝ちだな
('A`)言ってろ。あの厄災を消し飛ばした方が勝ちだぜ…死骸から離れりゃあんなドロンコこっちのもんだ
ミ,,゚Д゚彡どうせ俺様が勝つから!
('A`)きっと俺が勝つさ!
(#'A`)ミ,,゚Д゚彡だから!ぶっ飛べぇぇぇっ!!
野太い虚無の閃光が、荒ぶる雷撃を纏って厄災へぶつけられた。
その凄まじいエネルギーすらも厄災は吸収しようとしたが、遂にその姿を維持する事は出来なくなった。
二人の魔法使いによって塵一つ残らず、それは消失したのだ。
473
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◆vkc4xj2v7k
:2021/12/04(土) 07:11:53 ID:obMedmTo0
ややあって、ドクオとフサギコはモララー達の所へ戻ってきた。並んで口喧嘩をしながら。
ミ#,,゚Д゚彡だーかーら、アレは俺様が討滅したんだよ!見たろ、あいつは痺れて吹き飛んだんだぞ!
(#'A`)バーカ、お前のモノマネ魔法の破壊力だけで殺れるわけねえだろ!ソウサク最強の戦法を一人で使える男だぜ俺は!
ミ#,,゚Д゚彡空中レースじゃ俺の方が速かったし!!
('∀`)じゃあそんな次期大魔導師のフサギコ様があの液体に閉じ込められた時の様子教えちゃおっかなー!ギコさぁぁぁぁーーーーーーーん!!
ミ;,゚Д゚彡てめっ、ギコは関係ねえだろゴルァ!?
(#゚;;-゚)…やっぱり仲が良いのでは?
| ^o^ |にんげんかんけいとは ふくざつかいきなものですよ
(#゚;;-゚)複雑怪奇の見本が言うと説得力があるな
| ^o^ |わたしはきかくがいのうつわなのです ほめたたえたまえ
(#゚;;-゚)…ああ、ある意味…ブームは理想的な魔法使いだと思うよ
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