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切り落とされた首の話

6名無しさん:2021/10/23(土) 22:17:24 ID:S/RA0zHE0
爪'ー`) 「……流行りのアレか? お前はそういう不正はしないタイプだと思ってたが」

それは激務薄給の執行官達が密かに行っている、謂わば小遣い稼ぎ。

斬首刑に処された人間の首は通常、所定の期間が終わるまで市中に晒されることになっている。
遺族は首のない死体をまず受け取り、暫くしてから腐りかけの生首が届けられる。
犯罪者とはいえ血を分けた身内である。愛する家族の余りに変わり果てた姿に卒倒する者も少なくないという。
そこで生まれたのが「首隠し」の文化だ。

爪'ー`) 「遺族から金を受け取って死体も首も新鮮なうちに送り届けるんだっけ?」

爪'ー`) 「刑死者が多すぎて首の管理もザルになってると聞くが、お前が手を出す程とはな」

( ゚д゚ ) 「……」

「首隠し」は決して褒められた行為ではないが、非難するつもりもない。
誰が死ぬわけでもない、この時代においては些細な悪事。
むしろ、そのお陰で美味い食事にありつけているのだから依頼者には感謝しても良いくらいだ。
フォックスはそう考えた。

爪'ー`) 「それで、この酒のスポンサーは誰なんだ? 死体の親か? それとも友人?」

( ゚д゚ ) 「……俺だ」

爪'ー`) 「は?」

( ゚д゚ ) 「飯も、手間賃も俺の貯金だ。金なんか誰からも受け取っていない」


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