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切り落とされた首の話
19
:
名無しさん
:2021/10/23(土) 22:33:45 ID:S/RA0zHE0
【小村の少女の話】
街道の起伏を尻に感じながら、少女は戦利品の鞄を大切に抱えていた。
駅馬車の内部は閑散としている。
ζ(゚ー゚*ζ (あとはこれを村に届ければ……)
少女は街から少し離れた小さな農村の生まれである。
家族とともに畑を耕し、麦を育てて暮らしてきた。
裕福ではないが平穏な暮らし。少女は村での生活を愛していた。
干魃が村を襲ったのは、半年ほど前のことだった。
罅割れた大地、干上がった川、枯れゆく草木。
愛する村の平穏が恐るべき速度で破壊されてゆく。
村に残された最後の手段は、生首だった。
村には伝承が有った。
大昔、同じように干魃が起こった時、人柱を立てて神に祈った。
生贄の首を祭壇に捧げると、たちまち雨雲が空を覆い、三日三晩の雷雨が続いたという。
根拠のない迷信。しかし、それに縋るほか無かった。
生首は新鮮な物が良いだろう。
当然、殺人は犯罪であるし墓を掘り返しても新鮮な死体は出てこない。
そうなると、調達先は自ずと絞られる。
( ∵) 「新鮮な人間の頭部か……」
ζ(゚ー゚*ζ 「はい、それも出来るだけ早く」
( ∵) 「何に使う気やら……まあ良い、ちょうど始末する予定のクズが一人いる」
( ∵) 「三日後の昼、中央広場の樹の下で待て」
( ∵) 「金は新品の黒鞄に詰めておけ。目印だ。当日は代理の男が交換に行く」
金さえあればどんな物でも用意してくれる組織。それ以上の知識は身を滅ぼすだろう。
目の小さい、黒尽くめの男に指示されるまま、少女は中央広場の樹の下で取引を完遂した。
「代理の男」が想像よりも見窄らしい服装で、挙動不審だったことだけが少しばかり気がかりだった。
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