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切り落とされた首の話

12名無しさん:2021/10/23(土) 22:24:58 ID:S/RA0zHE0
(;'A`) 「……あ、えっと」

言い訳の言葉を口にするより早く、少女は足元に置かれた鞄を持ち上げた。
壊れかけの留め具を外し、中を覗き込む。
ドクオは真っ白な思考のまま、少女の様子を眺めることしかできなかった。

ζ(゚ー゚*ζ 「……」

ζ(゚ー゚*ζ 「確かに受け取りました。ありがとうございます」

鞄の中身を覗いて数秒、少女が発した言葉はドクオの理解を超えたものだった。
硬直し、身動きが取れぬドクオに一礼して少女は走り去る。
その手には生首の入った鞄が強く握られている。

(;'A`) 「た、助かった……?」

ようやく言葉を発した頃には、少女の姿は見えなくなっていた。
何が起こったのかは理解できないが、既に生首は手元に無い。
安堵の溜息が口から漏れる。

ドクオは新たに手にした鞄を抱えたままその場にへたり込んだ。
夜通し彷徨った足は棒のようで、踵には血が滲んでいる。
今の今まで全く感じていなかった疲労感が全身を襲い、いっそ寝転んでしまいたい気分だ。

( <●><●>) 「おい」

突然、背後から声がしてドクオは飛び上がった。
振り返ると背の高い、黒尽くめの男がこちらを見下ろしている。
男の手には、真新しい鞄が握られていた。


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