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切り落とされた首の話

10名無しさん:2021/10/23(土) 22:23:03 ID:S/RA0zHE0
【盗人の話】

昼下がり、真新しい鞄を抱えながら挙動不審に街を歩く男がいた。

(;'A`) (とにかくこいつを処分しないと……)

家に帰り、盗み出した鞄を開くと、そこには光のない瞳でこちらを見つめ返す男の生首があった。
うわあと叫び、鞄を放り投げる。床に落ちた鞄からは金具が壊れる音とともに生首が転がり落ちた。

現実感の無い光景に込み上げる熱。
吐瀉物の臭いを口中に感じながら、ドクオは生首の入った鞄を抱えて家を飛び出した。
人混みを避け、民家の明かりに怯え、いつの間にか日が沈み、日が昇り、
そして今、太陽はドクオの逃げ場を奪うように真上からその身を照らしている。

(;'A`) (家には置いておけない。見つかったら俺が殺したと思われる)

(;'A`) (とにかくどこか、人の目につかない所に捨てなければ……)

貧民窟を抜け出して、路地裏を進む。
建物の隙間から見える中央広場では、多くの人々が平穏を享受していた。

(;'A`) (畜生、俺がこんな思いをしているのに奴らときたら……)

('A`) (……おや……?)

広場の一角、樹木に背中を預けて佇む少女の姿が目に入った。

ζ(゚ー゚*ζ

少女の足元には鞄が置かれている。
真新しい鞄。色も、形も、ドクオが持っている物とよく似ていた。

('A`) (……)

これだ、とドクオは考えた。


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