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【女神転生】ノーライフノットキングのようです(・血・)
137
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/27(土) 00:53:56 ID:LkHkT0rs0
マリンカリンとテンタラフー喰らって取り乱しました。
失礼致しました。
やっとガーターベル…イズンちゃんとクー・フーリン仲魔にできたので執筆の方進めていきたいと思います。
序盤までやった感想ですが、真Ⅰと真Ⅲの最高の悪魔合体って感じで楽しいです。
真Ⅲでテンポ重視の為に削られ気味だった悪魔会話が豊富で楽しき。
今後ともご愛読ヨロシク…
138
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/28(日) 11:39:51 ID:QCdsk55U0
(・j・)「で、どうするね」
テーブルに肘をかけるジャック。
(・五・)「何がさ」
拠点に戻り、会議室に主力メンバーが集まる。
(・j・)「君達の処遇だ。ここに吸収されるか、出ていくか。
シンジュクに行くか、ロッポンギに行くか。
シンジュクならひもじさと引き換えに生きてはいける。
ロッポンギは大破壊後しばらくは歓楽街だったそうだ。
今はどうなっているか知らんが、女の方は売春婦として生きていくのも」
大地震でも起きたかと思うほど、テーブルが揺れる。
イーが両拳を叩きつけていた。
(#・e・)「テメェいい加減にしろ!人の心ってもんがねぇのか冷血ロボット野郎が!」
ジャックが崩した肘をかけなおす。
(・j・)「イー、君がその二人の食い扶持を背負うというなら置いていてもかまわないよ。
年端のいかん子達はともかく、私達と同程度の年齢の者をタダ飯喰らいさせるほど自費も慈悲もない。
動けるマシンを一機オシャカにしかけてしまった事もある。コロニーに残っていたマッカでは到底足りないぞ。
まぁこれはアヤメの独断だから免責とするが、今回は何のメリットもない戦いだった」
(・五・)「…つまり何が言いたいの?」
(・j・)「能なしなら出て行ってもらいたい、と言えばわかるかな」
(・五・)「行くよ、ネズミ。ここまで言われてしがみつくなんてあり得ない!」
(;・鼠・)「え、ああ…」
サツキがネズミの手を取って立ち上がる。
(・d・)「待て。サツキ、君、ライフルは使えるか。遠距離対応用のものは」
(;・五・)「動いてない獣族くらいなら遠くから狙える。スコープありなら」
(・d・)「それなら結構。女狙撃手が欲しかったところだ。
失礼な話ではあるが、女と侮って隙を見せる敵も多い。
そしてネズミも自分のいた基地とはいえ、見取り図の書き方と隠し経路の把握は見事だった。
それらがなければ俺達は脱出時に蒸し焼きか酸欠になっていたかもしれない。
よかったらエンブリオンで暮らさないか」
ディーは両手を差し出す。無言で二つの手が強く握り返された。
(・d・)「ジャック、色々言いたい事はあるが、吸収って言い方はやめろ」
139
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/28(日) 11:40:12 ID:QCdsk55U0
く(^d^)「ジャックフロストにマハブフストーンを投げて無駄にした事を思い出してしまう」
深夜。
ディーは親父の執務室に来ていた。
よく整理された部屋だ。
(・d・)「親父。どうしました」
(・ハ・)「まぁ、かしこまるな。ここに座れ
夜遅くですまんな。明日はゆっくり寝る事についやせ」
ベッドを指さす。
(・d・)「失礼します」
こまめに干しているのか、布団はふわっけがあり多少心地いい。
(・ハ・)「ここから見えるか?」
親父は机の上のパソコンのディスプレイを少し傾ける。
金の王冠を被った顔のない悪魔が、鬼と化した人間を中途半端に切り裂いてまわっている。
再生能力と傷付けられた怒りにより、理性をなくした鬼同士で殺しあいが始まる。
(;・d・)「ひどい…これは?」
(・ハ・)「ネズミが防衛用のカメラの録画メモリを引き抜いてきた。
カメラ自体は壊されていたらしいが、見事な手際と判断だ。
彼は偵察役とするといい。逃げ足も速いしな」
(;・d・)「なるほど…あっ!」
顔のない邪悪な神がくぐもった笑いを上げ、カメラにヘラのような手を向けて映像が途切れる。。
握り潰されたのだ。
(・ハ・)「奴は何もかも分かっている。わかっていてあえて人間を弄ぶのだ」
(;・d・)「これを俺達や誰かが見る事を予想してあえて…?」
(・ハ・)「そうだ。そしてこれは俺の罪でもある」
(・d・)「どういうことです?」
(・ハ・)「以前キョウさんが話してくれたかな?
お前らに出会う前の俺達の仲間、というか連れ合いのうちに、クトゥルー信者がいてな。
邪神など災いしか投げつけてこないというのに、よりにもよって主神と従者を呼んでしまった…」
親父は一瞬言葉を途切れさせた。
(・ハ・)「キョウさんは召喚者もろとも主神を瞬殺したが、俺は従者を逃がしてしまった。あの黒いのがそれだ」
140
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/28(日) 11:40:40 ID:QCdsk55U0
(;・d・)「でも兄貴は、逃した悪魔はいたことはないって…」
(-ハ-)「黒き神は俺の討伐担当だった。キョウさんは担当以外は追わない。それ以外は気まぐれが発動だ」
フッ、と自嘲気味に嗤う。
(・ハ・)「そこで、だ」
電子チップを二枚、ディーに投げて寄越す。
(;・d・)「これは、COMPのメモリーチップ」
(・ハ・)「挿せ」
拡張用挿入口に挿す。
『なんじゃい、契約が変わったわい!今度はおっさんじゃなくて小童かい』
『アニキぃ…?』
(・d・)「マンティコアとホブゴブリンの声…?」
(・ハ・)「お前に預けておく。そいつらで皆を護れ」
アヤメの夢を思い出す。皆が死ぬという予知夢だ。
(;・d・)「どういうことです…?」
一息置いて、親父は重い声で話し始めた。
(・ハ・)「俺は、あの黒い悪魔を探し狩る」
(;・d・)「えっ…俺も行きますよ!親父の役に立つはずだ!」
(・ハ・)「これは大人の責任、俺の責任だ。
こればかりはお前らを巻き込むわけにはいかない」
(・ハ・)「俺は一人戦う、そんな生き方がいい。
俺は信じた。そう俺の力だけを…
あの頃、自分だけの力だけが全てだった」
(-ハ-)「でもお前達がいて…新しい『教える』喜び、『護る』戦いを知った」
(・d・)「親父」
(・ハ・)「これからはまた、一人きり戦場に行く。
元に戻っただけだ」
(;・d・)「無責任じゃないですか!」
141
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/28(日) 11:41:00 ID:QCdsk55U0
(・ハ・)「お前に最近の陣頭指揮を任せたのは、ある意味抜き打ちテストだ。
お前は見事に揉めるメンバーを諫め、先陣に立ち、戦った。新リーダーよ」
(;d;)「親父ィ…」
(^ハ^)「泣くな。男だろ。もう16か17だったか?」
腕で涙を拭う。
(・ハ・)「それにずっと離れるわけではない。まずは奴の情報を集める。
文献も探し求め、奴の弱点を徹底に突いて今度こそ狩る」
(;・d・)「…」
(・ハ・)「サツキ達のいたコロニーが壊滅したのはある意味、俺の責任だ。
彼女らには申し訳ないと思っている。いずれ様子を見て幹部にしてやってくれ」
(・d・)「しかし、なんで俺をリーダーに?」
(・ハ・)「アヤメはサイコメトラーだ。まだ少し自分のカンに頼りすぎるきらいがある。
イーは激情家だし、ジャックはあれ以来自分を冷徹にしすぎているフシがある。
ランには代えが利かないし、幹部の中でお前が適任だと思ったからだ…それに」
(・d・)「それに?」
(・ハ・)ニア「あれを見ろ」
部屋の隅の木箱を指す。
(・ハ・)「オオツキロボ開発と同時進行で、キョウさん秘蔵の武器を解析して
デチューン…つまり弱体化して複製したものだ。
俺がいない間、未曽有の危機がきたら迷わずあれを使え。
機械仕掛けとはいえ鍛冶なんてしたのは始めてだ。
俺の銘は入ってないが、二振りとない剣だ」
(・ハ・)「それに…俺はお前を贔屓していたと思う。
俺も名前が『ディー』だからな」
(・d・)「!」
(・ハ・)「もちろん皆には平等に接してきたつもりだったがな」
く(・d・)「光栄です、親父!」
部屋のドアの向こうで聞き耳を立てる者が一人。
(・j・)「…なんで僕じゃないんだ…一番冷静で頭がいいのは…」
142
:
◆MxHvQqijkA
:2021/11/28(日) 11:41:50 ID:QCdsk55U0
某ホテル跡。
綺麗に修復されている。
暗黒召喚師の重鎮二人が会食をしている。
( ■∀■)「クソゲルガー、何の用だ。てめえの顔なんて見たくねぇっての」
( ´)Д(`) 「ククク、そう言うなよ葛葉キョウイチさん。
ジャン・ユーの糞爺がくたばって随分経つから、そろそろ決めておこうと思ってよ。
俺とアンタの二大巨頭、どっちが最高幹部から総統になるかをな」
肥え太った男が、大量の護衛を背に大きな鶏肉のグリルをメインとしたフルコースを貪り食べている。
サングラスの男の食事は、小さなカップに鶏肉の欠片が入ったものだけだ。
( ´)Д(`) 「アンタ鳥が好きだったろう?遠慮なく食えよ」
デブは食べかけの肉入りの唾をスープに吐き飛ばす。
( ´)Д(`)「きったなくて食えねえか?じゃあいらねえよな?」
傍らの髑髏付き錫杖を使い、カップを薙ぎ倒す。
見えない動きで飛び散るスープを躱す。
( ■∀■)「考え事を邪魔すんじゃねえ!」
フォークを投げる。
( メ)Д(`) 「目がぁぁぁぁ!」
( ■∀■)「耳だ!」
テーブルを横にひっくり返し、両手の手刀で耳を削ぐ。
( メ)Д(`) 「ぎゃああああああ!殺れ、てめえらあああ!!」
デブの背後には、二人の男と血だまりと肉塊があった。
(⌒▽⌒)
(`Д´)
サングラスの男は足で杖を砕き潰す。
それを見せる為に片目だけ潰したのだ。
( ■∀■)「豚鼻!
読み違えたな。俺は鳥を食うのが好きなんじゃねえ…
鳥を愛でるのが好きなんだよッ!ヒョホホホホォッ!」
デブ男の鼻を潰し、狂気の笑いをあげて壁際に磔にし、素手で殴る、裂く、潰す。
醜く肥大した喉から出る断末魔を、あえてすぐに止めさせはしなかった。
143
:
名無しさん
:2021/11/28(日) 22:25:36 ID:E/9XTgoU0
乙
144
:
◆MxHvQqijkA
:2021/12/04(土) 22:01:12 ID:v5E9w4vE0
(・c・)『じゃあ兄ちゃん』
(・d・)『あ?』
(^c^)『最後に薬、ありがとう』
(;・d・)『おい!戻れ坊主!シィィィィ!!!!!』
( ゚c゚)『ディー兄ちゃぁぁあああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!』
あの日の爆発音。
(・・・)『罪から目を逸らし、逃げ続けたければそうすればいい。
だがあの子供達がどうなるか、お前は知っているはずだな?
契約を交わした以上、お前は私の物だ。宿命の糸に操られし人形だ。
待っているぞ。待っているぞ…』
(;・ハ・)「ハッ!」
銃を構える。夢だった。
いやに脂汗をかき、ベットと寝巻がベトベトになる。
(;・ハ・)「糞が!」
ガキどもには一度も見せた事がない憤りを、銃を投げ飛ばして発散する。
あいつを守ってやりたかった。楽しげにゲームの話をしながらどこか悲しげで寂しげなあいつを。
なのに俺はしくじった。
一度目は三十年前、二度目は【奴】の召喚時。
だから俺は逃げ出した。ガキどもを拾ってママゴトを
しかし三度目はクロエの…
やるべき事は一つだ。
犯した罪と引き換えに命が欲しいならくれてやる。
闇に堕ちろというなら同じ土俵に登ってやろう。
だが、ガキどもだけは…
未来への希望達が生きるこの世界だけは、奴の好きにはさせはしない。
【奴】は俺を完全にナメている。
かつての仲間の居場所を潰し尽くしたのが挑発と挑戦だろう。
だが、容易く眷属に堕ちる気はない。
ちっぽけな俺の総てと引き換えに、油断しきったあの嘲りが浮かぶような貌なき貌を!
【奴】の世界もろとも壊し尽くす!
(・ハ・)「…行くか」
服を着替え、腰に七星剣を携え、夜が明けないうちにそっと「家」を出る。
145
:
◆MxHvQqijkA
:2021/12/14(火) 21:01:27 ID:CgETzR8Q0
永い間お待ちさせてしまい申し訳ありません。
イズン狂を極めたいのと、体調不良精神バステでしばらく休載します。
(?'A`? ) いやー参ってるところにリアルメシア教の救済勧誘はきついっす、休載だけに
146
:
名無しさん
:2021/12/14(火) 21:12:25 ID:mlOxet7.0
お大事に!!!!!!
147
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/05(火) 22:52:39 ID:4ezJCqR.0
あれからどれほど経っただろうか。
「親父」がいなくなってから、ディーが暫定の指導者として戦っていた。
何も悪魔との交戦だけが戦いではない。
シンジュクでの交易、拾ってきてから少し大きくなってきた子供達への防衛指導。
兄貴も最近姿を見せてくれていない。
代わりに変な神父が常駐するようになった。
(黒^Ω^)つ「よくできましたお」
ジャックが勉強を任意で教え、授業に出た子供達には褒美に神父が菓子を配っていた。
(・d・)「ありがとうございます内藤さん。最初は疑ってしまって申し訳ない」
(黒^Ω^)「いいんですお。私も子供達の相手は楽しいですからお。
ところで、このエンブリオンという組織名に意味はあるんですかお?」
(・d・)「卵とかそういう意味だったような気がします。
行き場のない子供達がこれから巣立っていけるような場所…
創設者達はどう思ったかわかりませんが、俺はそういう組織にしたいと思っています」
(黒^Ω^)「ほうほう。子供達が大事なんですおね。
それはそれは…」
神父がより深い笑顔を見せる。
(・五・)「ボス、今日の狙撃訓練終わりました」
数人の子供達を引き連れてサツキが報告に来る。
(-d・)「お疲れ様。隊のみんなで休んでくれ
それとボスはやめてくれ、俺はあくまで暫定だ」
頭を掻いて照れる。
(・五・)「悪魔狩りなだけに?あははっ」
お互いに大笑いする。
(;・d・)「夜の見張りは俺がす…」
くらっと眩暈がして、倒れかけた。
サツキが咄嗟に支えてくれる。
(・e・)b「ディーのアニキ、今日は俺の当番だぜ」
向こうからやってきたイーがサムズアップして肩を叩く。
(;・d・)「そう…だったかな」
(・e・)「アニキ最近動きすぎだぜ。少し安静にしてた方がいいんじゃないの」
148
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/05(火) 22:53:07 ID:4ezJCqR.0
(・d・)「そうするか。すまんが任せたぞ」
ラン ゚ -゚)「リーダー、少し頑張りすぎです。2日はゆっくり休んでくださいね」
ランから睡眠薬をもらうと、自室に戻った。
(・d・)「アヤメ」
(・殺・)「ディー、くたくただね」
アヤメがベッドに腰かけて足をぶらぶらしていた。
(;・d・)「おっ」
ふらつき倒れかける。
アヤメが胸で支える。
(;・d・)「すまんな」
(・殺・)「少し気を張りすぎなんじゃないの?お師匠がいなくなったからって全部背負うことないのよ」
(;・d・)「アヤメの胸も張ってるな。このまま寝てしまいたいようだ」
冗談を言いながら、睡眠薬を水で流し込む。
アヤメに抱かれながら、少し感情を吐く。
(・d・)「結局、俺達は子供なんだ。あんな正直胡散臭い神父に頼らなきゃいけない程に」
(・殺・)「それはそうよ。私達中核メンバーはおおよそまだ16よ。
大破壊前ならコウコウ?っていうのに通っている頃」
(・d・)「大破壊前なら18歳で大人扱いになるっていう法律が決まりかけてたらしいな。
あと2年でエンブリオンを立派な大所帯にしないとな」
(・殺・)「今日はこっちはいいの?あっ…」
アヤメの胸元をまさぐり、口に舌を入れる。
(;・殺・)「うぐっ…うっ!」
(・d・)「すまん。書庫にあった本に書いてあったキスっていうのを試してみたんだが…」
(・殺・)「もっと優しく。やってみようよ」
二人でベッドの上に座り込み、改めて再挑戦する。
しばらくするとがくんと糸の切れた人形のように倒れ込み、アヤメを押し倒してしまった。
ランの睡眠薬が効いてきたようだ。
149
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/05(火) 22:55:54 ID:4ezJCqR.0
なんだこの官能小説もどき(セルフプリンパドン引き)
本調子ではないですがリカームしました。
これから食いしばりからデスカウンターをかましていきますのでコンゴトモヨロシク…
150
:
名無しさん
:2022/04/05(火) 23:42:59 ID:pHJfpOYs0
otsu
151
:
名無しさん
:2022/04/05(火) 23:46:32 ID:s.hspgVU0
おつつ
152
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/06(水) 23:17:19 ID:QTmH2m8o0
目を覚ました時には二日後の深夜だった。
スマホの時計でわかった。
(-殺-)「zzz…」
アヤメが隣で寝ている。
様子を見ていてくれいたのだろう。
(;・e・)「アニキ、大変…うわぁ!
なんでアヤメ姉まで!?」
(-d・)「どうした。」
(;・d・)「あ、いや、これはなんだ…ずっと寝てたみたいだから心配だったみたいだ」
(・j・)つ「そんな事より緊急事態だリーダー。正体不明の悪魔がシンジュクからアカサカ付近に現れた。
巨躯で辺りを破壊し始めている。
我々のアジトまで侵攻してくる可能性もあるが。どうする
試しに数人送り込んだが、対人、対通常悪魔の戦術が効かず踏みつぶされた」
ジャックがイーを押しのけて入ってきた。
(:・e・)「そうなんだよ!銃もろくに効かねえ!魔法石をブン投げてもダメだった!」
(#・d・)「お前ら!なんで未熟な戦士を向かわせた!」
(・j・)つ「これを見て欲しい。遠目から撮影してもこの大きさだ」
https://pbs.twimg.com/media/DlcKuvGUcAEMcF6.jpg
(;・d・)「おぞましいな…」
(・j・)「ウェンディゴの群れも周囲にいる。部隊を編成しても焼け石に水だろう」
(・d・)「わかった。オオツキロボで出る。整備は大丈夫か」
(・e・)「おう!定期的にじじいに見てもらってるから大丈夫なはずだぜ!」
(・d・)「装甲が貫通される可能性もある。できるだけ防具を着込んで先に搭乗していてくれ。
すぐに俺も向かう」
(・j・)「了解。念のためにサツキの仕込んだ狙撃部隊も呼び出しておく」
二人は早足で出て行き、スウスウと寝息を立てるアヤメを一瞥する。
防具を着込んで歩きつつ、厳重にカギをかけた親父の部屋に入る。
木箱を開ける。
153
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/07(木) 23:01:49 ID:OyahfsWY0
(;・五・)「そんな!困るよ!ボクの部隊を囮に使うなんて…」
(・j・)「追い出されたいか?それに別に特攻して死ねというわけではない。
遠方から狙撃して奴の弱点部位を探ればいい」
ドックに着くと、サツキとディーが言い争いをしていた。
(・d・)「ジャック!さっきも言ったが仲間を…」
(・j・)「仲間ではない。仲魔だ。
数人ではなく数体と言うべきだったな。語弊があったのは謝る。
私の部下達に交渉で手に入れさせた弱小悪魔を送り込んだのだ」
(;・d・)「しかし仲魔も仲間のようなものだ。無暗に使い潰すなんて…」
(#・e・)「とにかく行こうぜ!シンジュクをブッ潰されたら元も子もねえ!
ジャックの野郎をぶっ飛ばすのはその後でいいだろアニキ!」
(・d・)「ああ。そうだな
…サツキ、無理はしなくていい。巨大悪魔の取り巻きをそこそこやってくれれば」
(・j・)「まずはオオツキロボでウェンディゴの群れを一掃する。それから巨大悪魔と交戦だ。
側面や遠方から後方部隊が援護。プランは急造だがこれでいいか、リーダー」
(・d・)「ああ、行くぞ!」
三体のオオツキマシンが飛ぶ。
ホブゴブリンはサツキ隊につき、コカトライスは家の防衛にまわす。
(・d・)「チェンジ!オオツキ、ワン!」
人型になったメカが空中からマハラギストーンを濃縮させ放つ。
紫の邪鬼の軍団は一瞬にして溶けつきた。
(・j・)「やはり本体に魔法攻撃は効果が薄いようだ」
着地したオオツキロボと巨大悪魔は二倍ほどの差があった。
火炎を意にも介さずシンジュクビルを触手で破壊している。
(・j・)「行け」
ジャックが無線機で指示すると、地下街入口からとっこうたいとしょけいライダーの軍隊がやってくる。
各々突っ込む、銃を乱射するなど応戦するが抵抗むなしく触手に絡めとられて嫌な音を立てて喰われていく。
154
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/07(木) 23:02:30 ID:OyahfsWY0
(;・e・)「うげ」
(・d・)「まさか…仲魔っていうのは…」
(・j・)「奴らは金さえ払って契約すれば従順な仲魔となる。これも作戦の一環だ。
シンジュク周辺にのさばるチンピラも一掃できて一石二鳥。
逃げろ!シンジュクの街から遠ざかれ!」
凡庸なガイア教徒の脚力では触手から逃げることはできない。
全力疾走するライダーのバイクは貫かれ、爆炎とともに焼けた肉となる。
(・e・)「見てられねえぜ!チェンジ!オオツキスリー!」
戦車型のメカが太い腕で悪魔を殴りつける。
「わしゃしゃしゃ」
(・j・)「オープンゲット!」
ジャックが合体を解除する。
先ほどまでの場所に、衝撃で大穴が空いていた。
(・j・)「このマシンはワンオフ物だ。粗末に破損させるな」
(・e・)「おらおらこっちだぜ!獲物はよぉ!」
戦車で触手を撒く。
(・j・)「チッ」
ジャックが空中用に改装されたメカで機銃を撃つ。
悪魔の巨大な羽が穴だらけになる。
だが徐々に穴が塞がれていく。
(・d・)「そうか。異様な耐久だけではなく、再生能力も高いんだ」
(・j・)「アナライズ、未完成だがデータを送る。
先ほどの異様な衝撃波に加え、麻痺毒を持つ牙、触手を巻きつけての破壊攻撃が主なようだ。」
(・e・)「要は近付かなきゃいいんだろ!」
イーが戦車で体当たりをしつつヒットアンドアウェイで寸分の見切りを発揮する。
(・j・)「マグレに頼るのは危険だ。もっと注意深く」
尖ったトサカの生えた人鳥の群れが現れた。凶鳥フリアイだ。
次々と悪魔に突っ込んで喰らわれていく。
(・d・)「ダーク悪魔同士で戦いを…?」
155
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/07(木) 23:02:51 ID:OyahfsWY0
(・j・)「縄張りを荒らされて周辺の悪魔も怒り心頭のようだ。少し離脱しよう」
次々と触手に貫かれていき牙で砕かれるフリアイ達。
地霊ブッカブー達もやってきてブフーラの応戦をする。
一瞬触手が凍り、吹き飛ばされる。
コクピットに設置してあるスマホで悪魔に呼びかける。
(・d・)「近付きすぎてもやられる!できるだけ遠距離から放つんだ」
『あぁ?契約もしてねえのに俺様達に命令なんぞ…ギャ』
一体が氷結のつぶてを触手に上乗せで返されてミンチになる。
(・d・)「死にたいのか!このままではこの一帯が奴に食われるぞ!」
恐慌に陥ったブッカブー達は逃げまどいつつブフーラを放っていく。
突如、通信が入った。
ラン ゚ -゚)『リーダー、ランです。今は家からリモートで戦いの様子を見ています。
あの悪魔は、捕食する度に徐々にですが大きさを増しているようです。
あまり野良の悪魔に餌食になられても困るかも』
(・e・)「流石ドクターオペレーター。無事帰れたら悪魔のキスの一つでもしてやっかな」
(・j・)「殺すぞ」
(・d・)「ジャック、マハブフストーンとマハジオストーンの残量はどのくらいだ」
(・j・)「キョウ氏からの供給が絶たれている今、そう余裕はない。
それに一発づつ撃っても焼け石に水というのはリーダーが実感しているはずだが」
(;・e・)「ええい!なんとかならねえのかよ!」
(・d・)「ん?これは…
ジャック、マハブフストーンを一発づつ、違う部位から当ててみてくれ」
(・j・)「リーダーの提案には従うが…」
ジャックは空中からマハブフストーンを投擲してゆく。
頭、羽、触手、腕。
一瞬だけ凍り付くが、すぐに動き始める。
ラン ゚ -゚)『兄さん。やはり頭が一番効果的なようね。コンマ程度の差だけど』
(・d・)「フリアイさん、これ以上は退いてくれ。
人と悪魔として普段争っている仲だが、ここで奴の餌になられても寝覚めが悪いんだ」
『あら、アイツにいっぱい食べられた仲間達の仇は取ってくれるのかしら?』
156
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/07(木) 23:03:12 ID:OyahfsWY0
(・d・)「ああ、約束する」
『いいわ、言う事聞いてあげる。次に会う時には倍返しね!』
フリアイの一団は足早に去っていった。
(・e・)「ケッ、逃げ足だけ早いでやんの」
触手に絡め取られた戦車を、ジャックの機銃が援護する。
(・j・)「余り手間をかけさせないでほしいな」
(;・e・)「今回は感謝してやらあ!」
ドンッ。
赤い触手の目玉に、一発の銃弾が炸裂した。
「うごおおおおおじゅるる」
(;・五・)『サツキ隊、援護します!』
(・d・)『今のは通常弾か?ショットシェルか?』
(;・五・)『エンブリオンのお金で神経弾買っちゃった!ごめんね!』
(;・e・)『バカヤロー!あれ地味に高いんだぞ!
俺だって自腹で買って大事に使ってんだぞ!』
(・d・)『この際不問だ。毒針弾はあるか』
(・五・)『一応あるけど、ちょっとだけだよ。
悪魔相手なら睡眠効果で動きを封じられる神経弾の方がいいからね』
(・d・)『そのままスナイパーライフルで交互の弾を目玉に当ててみてくれ。
危なくなったらすぐに退避を』
(・五・)『了解!』
数百メートル先の高台からひたすら目玉を狙い撃つ。
多少再生能力が落ちているような気がした。
残った多数の目玉がギロリとサツキを見つめた。
睨んだのではなく、見つめた。
そのままノロノロと接近していく。
(・d・)「チッ!」
メカを降り、マンティコアを召喚して背に飛び乗る。
157
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/07(木) 23:03:34 ID:OyahfsWY0
(・j・)『リーダー』
(・d・)『恐らくはフリアイ達の放った防御破壊魔法、ラクンダが効いているんだ。
俺のマシンは回避優先の自動操縦にしてある。そっちの指揮はお前が取れ』
(・<_,・。)「久々の呼び出しじゃの。ワシに何か妖怪」
(・d・)つ「これで奴の触手を片っ端から滅多斬る。俺を乗せて奴の周りを旋回してくれ」
忍び寄る触手を、ジャックがマハブフストーンを投擲して凍らせる。
そこを切り取っていく。
(・j・)つ「絶止正棒(ゼットセイバー)!」
親父の部屋の木箱にある一振りの剣を持ち出していた。
未曽有の危機がきたら迷わずあれを使え、と言われていたが…
命を燃やせ、怒りを燃やせ。今がその時だ。
やっと形になってきたエンブリオン。
その希望を奪い去る者はどんな奴も許さない。
魂が震える、発ち上がるんだ。
機械で作ったと親父は言っていた。
普通の剣と違い、エネルギーの刃でよくしなる。
強靭だったはずの触手がバターのようによく斬れる。
マンティコアはスレスレのところで攻撃を回避する。
尻尾からの麻痺針で牽制もしてくれた。
(#・<_,・。)「ウオオオオオオオオオオ!」
噛み付こうとしてくる悪魔をバインドボイスで怯ませる。
知性があるかわからないが、触手をだいぶ切り落とされた事で弱気になってはいるようだ。
「ごにょおおおおおおおおお!」
突如、悪魔が家に向かって動き出した。
接近戦を挑んでいたディーは降り落とされそうになり、マンティコアに拾われる。
(・d・)『イー!』
(・e・)「チェンジ!オオツキ!スリー!」
素早く合体し、パワー重視の戦車ロボで足止めをする。
(;・e・)『サツキ!早く逃げやがれ!』
(;・五・)『わ、わかった!』
サツキは駆け足で要塞へ向かう。教え子たちは連れてきていなかったようだ。
158
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/07(木) 23:04:07 ID:OyahfsWY0
悪魔が下半身の触手を地面に刺し込む。
肉体の損傷が大幅に回復していく。
(;・d・)『イー!早く引っこ抜け!地面から生気を吸うつもりだ!』
(#・e・)『どおおおりゃあああああ!!』
ギシギシと嫌な音を立てながらも、巨椀が悪魔を薙ぎ倒す。
(・d・)『ジャック!ありったけの氷をぶちこんでやれ!』
(・j・)『!?』
(・d・)『マンティコア!俺を奴の口の中に思いっきり投げ飛ばせ!』
(;・<_,・。)「おいおいお前さんなぁ…」
(・d・)つ『勇気はあるか!希望はあるか!信じる心に!
明日のために戦うのなら!
今が!その時だァ!』
ディーが襲い来る牙を易々とバターのように斬り、口の中に突入する。
(・j・)『オープンゲット!』
合体を解除し悪魔の真上に浮かんだジャックは、全てのマハブフストーンをビームにして撃ち出す。
流石の巨大悪魔も数分は凍り付かざるを得なかった。
(・e・)「おい!アニキが中にいたんだぞ!」
(・j・)「リーダーの決定だ」
数分後、徐々に悪魔の表皮が内側から切り裂かれていく。
悪魔の上顎を寸断して出てきたのは、ディーだった。
(;・e・)「アニキィ!」
(・d・)b「シメは頼むぜ」
(・e・)「チェンジオオツキスリー!
渾身の!ハンマーパンチッ!!」
氷漬けの悪魔の体は粉々になった。
灰にはならず、大量の禍々しい色のマグネタイトが放出、分散されていく。
(・鼠・)『こちらネズミ!ウエノからジオンガストーン諸々仕入れてきたでやんす!』
(;・d・)(;・e・)(;・<_,・。)「「「おせーよ!!!」」」
159
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/10(日) 23:49:16 ID:gkzOBLmY0
(・j・)つと(・e・)
約束の殴り合いをする。
意気揚々と帰還する一行に、緊急通信が入る。
(・d・)『こちらディーだが。何かあったか』
『リーダー!子供達がいきなザザ…り…』
(;・j・)「ラン!」
ジャックは低飛空スレスレで単独でマシンを飛ばす。
道中のブッカブー達が寸断される。
(;・d・)『何があった』
『一部の子供達に角が生えて…他の子供達を…うう…
アヤメさんは念動力で抑えようとして、私は個室に隠れて…ごめんなさい』
(;・d・)『アヤメが前線に!?』
AI操作にマシンを任せ、マンティコアを全力疾走させる。
(;・e・)つ「二人とも焦りすぎだぜ!
サツキ乗れ!」
自分の戦車にサツキを引っ張って乗せる。
(;・e・)「うー、俺のが一番ノロいんだよなぁ…
お前を乗せてるから余計にな」
(#・五・)「自分から乗せといて!」
銃口でイーを思いっきり殴る。
(;・e・)「ばかやろばかやろ!誤射で殺す気か!
漫才やってんじゃねーんだぞ!」
家に真っ先に到着したジャックが銃を構えつつ城門を抜ける。
中庭でネズミが魔法石を投げて必死に謎の悪魔に対抗している。
(・j・)『リーダー。悪魔の襲撃だ。小柄で角が生えている。』
ディーは嫌な予感がした。
160
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/10(日) 23:49:38 ID:gkzOBLmY0
マンティコアが俊足で爪を降り、悪魔を切り裂く。
(・j・)「リーダー」
(・d・)「これは…アカサカシェルターで見た鬼そっくりだ…
頭を噛み砕け!」
マンティコアは再生途中の鬼の頭を噛み砕く。
おぞましい脳漿が飛び散る。
(・<_,・。)「まっず!」
マンティコアはペッペと吐き捨てる。
(・j・)「アヤメとランの通信が途絶えた。リーダーは中へ頼む。
イーが来るまで私達が凌ぐ。」
銃を構えてネズミと並ぶ。
まさか。
ディーの脳裏に嫌な予感が再び。
あの巨大悪魔の散ったマグネタイトは自分のスマホに吸収されなかった。
ではどこに行ったのだ?
(・d・)「マンティコアもここで迎撃だ。
外から便乗して悪魔が襲ってくる可能性もあるからな」
むき身の剣を片手に行く。
建物の中には子供達の死体と散らかった臓物が散乱していた。
(;・殺・)「みんな元に戻って!」
ホブゴブリンが盾になり、アヤメが鬼達に念を送っている。
(:・く・)
肉体と斧をぶんぶんと振り回して鬼を牽制する。
(;・殺・)「お願いホブゴブリンさん!殺さないで!」
(:・く・)「わかってる。でもこれ以上はキツイぜ」
(d)「マハラギオンだ」
(;殺・)「やめて!」
(・d・)「マハラギオン!」
161
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/10(日) 23:49:58 ID:gkzOBLmY0
スマホで強制命令を出す。
鬼達の引っかきに耐えきれなくなったホブゴブリンが炎を出す。
(・d・)「タルカジャ」
炭化した鬼達を、強化魔法をかけた剣で首をひたすら刈り取る。
(;殺;)「なんで…」
(・d・)「アカサカで見たはずだ。
ああなってしまってはもう…」
(・d・)『ラン、応答できるか。今そちらに行く。
どこにいる』
『二階の角部屋にいるわ…複数の音が扉を叩いてる』
泣き崩れるアヤメをホブゴブリンに任せ、二階へ上がる。
階段で背後から飛び掛かる鬼の頭を銃撃で砕く。
(・d・)「あそこか!」
親父からもらっていたデータに載っていた、幽鬼ガキにそっくりな鬼が扉をドンドン叩いている。
手榴弾を抱えた鬼が一体向かって来る。
腹を蹴り返し、ソードオフショットガンを手榴弾に命中させ大半の鬼を一掃する。
銃を投げ捨て、息のある鬼を剣で切り裂き室内のドアを開く。
(・d・)「ラン。無事か」
『アニキ!取り逃した奴が建物に向かっていきやがった!
気ィを付けてくれ!』
ラン ;゚ -゚)「ありがとうございますリーダー。
兄さんは?」
ランは複数の子供達と抱き合い、震えていた。
ラン ゚ -゚)「よかった。
みんな眠っている間に急に…子供達が急に」
(;・d・)「今は話さなくていい。
うぐっ」
鬼がショットガンを持ち、撃ったのだ。
ラン達を散弾から背中で庇う。
幸い最近はいい防具をつけていたので、致命傷にはならなかった。
振り向きざまに滑り込んで首を斬る。
(・d・)「さよならだ」
162
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/10(日) 23:50:19 ID:gkzOBLmY0
夜明けの10時ごろ、幹部会議が始まった。
生き残ったある程度の年齢のメンバーは、鬼達による破損個所を悪魔達と一緒に補修している。
(・j・)「私の隊では10人行方不明になった」
鬼達は恐らく子供達が変異したものだろうが、灰になってしまい身元がわからない。
故に行方不明者として扱うしかなかった。
(・e・)「俺のとこは15人だな」
(・鼠・)「地下の寝床もひどいもんでやんす。
逃げ出せた子はいるけど血まみれで臭いでやんすね」
(・d・)「アヤメのところでは6人だそうだ。」
(・j・)「彼女はどこにいる。そしてあの神父も」
ランに手当てされながらディーは続ける。
ランの医療班では犠牲は出なかったようだ。
緊急時があればライフラインの自分達はすぐ避難できるように日頃から教えていたおかげだろう。
(・d・)「アヤメはショックで自室にこもってる。
あの神父は姿を見ないな。ラン、何か知らないか」
ラン ゚ -゚)「深夜だったからわからないわ。
死体がないということは、どさくさに紛れて逃げられたのかもしれない」
(・j・)「サツキの隊では行方不明者は一人だけ、恐らくリーダーを撃った者だろう
よく鍛えた結果がこれとは皮肉だな?」
(・五・)「…」
(・d・)「やめておけ。どこの隊でも犠牲者が出たのは事実なんだ。
それにサツキはこれで二度目だ。トラウマになっていてもおかしくない。
ラン、ありがとう」
自分で巻いた下手な包帯を巻きなおしてもらい、立ち上がる。
(・e・)「アニキ、どこへ?」
(・d・)「アヤメと話をしてくるよ。それと各自、今回の事で遺恨は持たない事」
そしてランに耳打ちをする。
(・d・)(すまないが手が空いてる時でいい、神父が持っていた菓子があれば解析を頼みたい。
あのアホっぽくてお人好しな人を疑いたくはないが、万が一ということもありうる。
悪魔学に精通した人を呼ぶならマッカの用意をしておくから)
ラン ゚ -゚)(わかりました。秘密裏にやっておきます)
163
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/10(日) 23:50:48 ID:gkzOBLmY0
アヤメの部屋の扉をノック。
「誰?」
(・d・)「俺だ」
一言で開けてくれた。
やつれている気がする。心なしか。
(・d・)「朝食は…食べる気がまだないか?」
(・殺・)「うん…」
(・殺・)「ごめんなさい」
(・d・)「ん?」
(・殺・)「その怪我…私が躊躇わず戦えていればしなくて済んだかもしれないのに」
ベッドに座る。
(・d・)「意外と大した事はないさ。数日休ませてもらって悪魔狩りでカンを取り戻すよ。
それに多分見てたんだろ?子供達が鬼に変わる様を
仲間が悪魔になったからって即殺せなんて、躊躇するのも仕方ない」
(;殺・)「うん」
早くも半泣きになっている。
(・d・)「ここだけの、あとランとの間だけの話なんだが。
アカサカと今回の件の原因は徹底的に洗うつもりだ。」
(;殺;)「やはり元凶がいるの?」
(・d・)「サツキが助けを求めに来た時の話だと、悪意ある人間か悪魔が噛んでいる可能性が高い。
この家も正直人が頻繁に出入りしているから、いくらでも隙はあるといえばある。
これからは客人にも検問を設置するしかないのかもな…」
(;殺;)「悔しい…悔しいよ…何もできない私が…!」
今回はアヤメがディーの胸に飛び込んだ。
(・d・)「俺もだ。所詮まだ俺達も子供だから。
じっくり、もっと力をつけないといけない」
幼少期編 完
164
:
名無しさん
:2022/04/11(月) 10:45:58 ID:Hx01HWos0
乙
165
:
名無しさん
:2022/04/11(月) 22:09:45 ID:YG4CyVVg0
おつ
166
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/14(木) 22:31:35 ID:HpJybzAY0
鬼の惨劇から約2年後。
(・D・)「お疲れ様です」
城門前まで来た商人と、護衛のメンバーを出迎える。
スマホをかざし本人認識をして、取引を始める。
デビルアナライズを流用したものだ。
人間に化けていないか、殺されて成り代わられていないか、悪魔の因子を持っていないかのチェックだ。
「今回はこれとこれとこれですね。一万マッカでどうでしょう」
古米と多少の肉、少量の酒がトラックに積まれている。
(・D・)「これだけの数を調達してくれたんだ。倍出しますよ
超えた範囲はバレない程度に小遣いにでも」
「ありがとうございます。護衛までつけていただいて」
(・D・)「店主によろしく伝えておいてください。もう慣れましたか?」
「いやあまだまだ。買取品の査定も勉強中でして」
男は照れくさそうに頭を掻く。
シンジュクを出禁になったエンブリオンの為にジャンク屋の店主が孤児を拾い、出張販売用と店番として雇ったのだ。
(・D・)「せっかくです。食事でもlされていかれますか?」
男は手を横に振る。
「いえ今回は遠慮しておきます。早く帰らないと親父にどやされるし、ちょっと酒も飲みたいんですよ
本当に申し訳ない。」
男はメンバーに連れられ、空荷のトラックに乗せられていった。
朗らかな顔で手を振ると、リーダーらしき顔に戻り近くのメンバーに指示を出す。
(・D・)「食糧の検品を頼む」
「了解しました」
敬礼をすると、メンバーはリヤカー一杯の食糧を運んでいく。
酒はディーの手の中だ。
自室に戻る。
(・D・)「さて、どうしたものかな…」
今回買取に出せる戦利品はなかった。
ジリ貧だ。
粗悪な酒を煽りながら、掌を額に当て今後の事を考える。
そして、ほんの1,2か月前の事を思い起こしていた。
167
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/14(木) 22:31:56 ID:HpJybzAY0
ある時、気分転換にアヤメと二人でシンジュクをぶらついていると、数人の男に囲まれた。
白制服に警棒、オザワ配下の私設警察達だ。
その中心にいる長官が口を開く。
「抵抗は無駄だ。オザワ様が話があるという。ついてきていただけるかな?」
(綾゚ -゚)(どうするの、ディー?
私のテンタラフーで撹乱して逃げられるけど)
(・D・)(ここで騒ぎを起こしたらシンジュクに来れなくなるかもしれない。
ここは従っておくのが得策だ)
ディーとアヤメは両手を上げる。
私設警察ディーに軽く身体チェックを行う。
次はアヤメの版だ。
いやらしい顔つきで、丸みを帯びて女性らしくなったアヤメに手を伸ばす。
まずはノースリーブのジャケットの胸のファスナーに手をかける。
すかさずディーが腕をつかんで押し返す。
(・D・)「彼女は武器を何も持っていない。銃オンチでね。
彼女に触っていいのは俺だけだ」
(綾゚ -゚)「あっ…」
ディーが素早くアヤメの体をまさぐる。
頭、胸、腰、脚、全てに触れていく。
特に膨らんだ胸には少し力を入れた。
(綾#゚ -゚)「ちょっと痛い…!」
(・D・)「すまない。これでいいかな?」
苦虫を噛み潰したような顔をして、長官が口を開く。
「いいだろう。抵抗すれば即座に射殺させてもらう」
そのまま南東のクラブを横に通り、連行される。
喧騒が外からでも聞こえる。
(・D・)(俺達が孤児で虐げられてる間、こいつらは毎日楽しく過ごしてたんだよな。
オザワに媚びを売って、シンジュクから出られないまま)
南西のオザワのオフィスに向かう。
オフィスビル内には悪魔がうようよいる。
威嚇する豹の悪魔や冷ややかな視線をアヤメに向けるガイア教徒の女。
しかし私設警察が同行しているからか、敵としては認識されないようだ。
ドロドロの緑色の、人間を合わせたような何かが蠢いていたりする。
「ようこそ。デートの途中申し訳ないね」
168
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/14(木) 22:32:20 ID:HpJybzAY0
( ・ノ∀・)「私はオザワ。知っているかもしれないがこのシンジュクを…」
(・D・)「まずこいつらをどうにかしてくれませんか。銃を向けられていると気分が悪い」
俺はもう18だ。
自分が生まれた日はわからないが、親父に拾われた日を誕生日としていいだろう。
大人同士で対等な話ができる。
( ・ノ∀・)つ「下がりなさい」
スーツにガウンを羽織ったセンス最悪の出で立ちで、ワイングラスを傾けて言う。
私設警察達が一礼してオフィスを出ていく。
(・D・)「要件はなんでしょう」
( ・ノ∀・)「君達の保有するマシンを無償で譲っていただきたいのだよ」
心臓がどくりと鳴った。
(・D・)「何のことでしょうか」
( ・ノ∀・)「とぼける必要はない。
シンジュク外部に取り付けてあったカメラに記録が残っていた。
度々、シンジュクを守ってくれていたようだね。
特に一年半前の巨大な悪魔との戦いは実に素晴らしかった。
テンプルナイトの群れですら」
(・D・)「…それがどうして、譲渡する事に繋がるのですか?」
( ・ノ∀・)「否定はしないのだね。
いいかね、君達のような無知な若者には過ぎた力は危ないのだよ。
私達の方が有意義な使い方ができる」
(・D・)「あれは我々が自分達を守る力です。
あなた方の物にはなりません。
シンジュクに脅威がまた迫れば出撃しましょう。
手を引いていただきたい」
オザワのこめかみがピクッと動き、歯をむき出して笑う。
( ・ノ∀・)「大した自信だな。
君達がシンジュクを守るといっても何ができる。
君らの巣穴は知らんが、シンジュクまで遠くからやってくる間に犠牲者は出るのだぞ?
私の治めるシンジュクにあのマシンを納めれば、即座に防衛に移れる。
君達をヒーローとあがめる民も出ている。それを聞かれれば私設警察にお灸をすえられてしまうのにな。」
(・D・)「…何が治めるだ。支配だろ」
( ・ノ∀・)「民に希望を与えてそれを奪う。ずいぶん非道い事をしてるんだよ。君達はッ!」
169
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/14(木) 22:32:42 ID:HpJybzAY0
ディーは壁に思いっきり拳を叩きつける。
と(#・D・)「お前らはなんだ!私設警察を使って俺達に使って暴力を使ってたじゃねえか!」
( ・ノ∀・)「暴力に頼り使うような暴徒になる前に教育をしてあげているだけ…
…ん?お前達はまさかシンジュクの浮浪児出身か?」
(・D・)「そうだ!俺達はまだ幼い頃に私設警察に殴られ虐げられ人売りに投げられた!
どうにか生き延びてこの数年、自分達の力で生きて来たんだ!」
(綾;゚ -゚)「ディー、熱くならないで」
せき止められていた鬱憤は止まらない。
(・D・)「シンジュクから逃げ出して撃ち殺された大人達も幼い目でよく見て来た!
この彼女なんか私設警察に辱められそうになった!」
( ・ノ∀・)「ほう。シンジュクからの脱走者か。それはいけないな。
私の素晴らしいオフィスに来る途中、汚らしい肉塊を見なかったかね?」
(・D・)「まさか…貴様」
( ・ノ∀・)「そう。シンジュクの掟を守れなかった者たちの末路。
屍鬼コープスだよ。
そしてここまで話したということは…わかるね?」
扉を開けて私設警察達がなだれ込んでくる。
入口に集結する奴らを次々とサブマシンガンで掃射する。
血だまりの中から警棒を拾い、長官を殴り飛ばす。
(#・D・)「やれるものならやってみろ!」
次は悪魔達が押し寄せてくる。
「あらぁ、いい男ねぇ。いただきま」
幽鬼マンイーターがオザワ側から噛み付いてくる。
(綾゚ -゚)「テンタラフー!」
アヤメが両手をかざし、悪魔達を昏睡させる。
(;・ノ∀・)>「むっ…精神干渉か!」
オザワもたまわず耳を塞ぐ。
ディーがマンイーターの頭を足で思いっきり砕き、オザワに詰め寄る。
(・D・)「!」
オザワが懐から出した拳銃を咄嗟に避ける。
170
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/14(木) 22:33:15 ID:HpJybzAY0
( ・ノ∀・)「私には悪魔召喚の心得もあってね。それっ!」
ボロマントを纏った悪鬼が数体、壁として立ちふさがる。
「マハーブフ!」
寒波の連続に腕、脚がかすかに凍る。
(;・D・)「く…」
( ・ノ∀・)「そっちの彼女はいい体をしているね。
最上級のマンイーターにして私の愛人にしてあげよう」
「マハー…」
「マハジオンガ!」
氷結の渦を、雷撃が打ち消し貫いた。
躍り出てきたのは、ハイレグアーマーにマントを羽織った女性だった。
オフィス入り口をチラリと見ると、焼け焦げた悪魔達が徐々に灰と化していた。
長官はへっぴり腰で逃げ出していく。
( ・ノ∀・)「また君かね救世主様。いい加減しつこいんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「ドルミナー」
肉の壁達は感電から立ち直った途端に昏睡して倒れ込んでしまった。
ξ゚⊿゚)ξ「貴方たちは早く逃げてください!トラポート!」
(綾;゚ -゚)「な、なに!?」
二人の姿が徐々に消えていく。
( ・ノ∀・)「散々君には煮え湯を飲まされたものだが、もう終わりだよ。
君はこの悪魔に勝てない
救世主伝説はここで幕を閉じるのだ!」
気付けばシンジュク地下街の出口にいた。
(・d・)「どけっ!乗れ!」
いきなり現れた人間を見て呆然としているしょけいライダーを蹴り倒し、バイクを奪う。
アヤメを後ろに乗せて、フルスロットルで爆走する。
突風で体についた氷が溶けて飛び散っていく。
(綾゚ -゚)「つめたっ」
逃避行は、数十分が数時間にも感じられるような必死さと緊迫感だった。
171
:
名無しさん
:2022/04/15(金) 13:07:20 ID:7kCAGorc0
乙
172
:
名無しさん
:2022/04/15(金) 21:18:05 ID:rZTR35pw0
おつ
173
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/23(土) 01:49:34 ID:6f/N0vP.0
(・D・)「腰が痛い」
(・J・)「は?」
(・D・)「腰が痛い」
(・J・)「…どういう意図だ、リーダー?」
(・D・)「オザワから逃げてきた時に無茶にフルスロットルしたから身体がガタガタだ。
ランから痛み止めの薬をもらってきてくれないか」
(・J・)「別に構わないが…何があったのだ?」
ディーは、事のありさまを洗いざらい話した。
(・J・)「あなたはリーダーであるという自覚がない。
もう少し護衛をつけるなど自愛を…」
(・D・)「わかってるさ。しかしここ最近のシンジュクは何か様子がおかしかったんでな。
偵察でこれ以上メンバーを失うわけにはいかないだろう?」
アヤメとのデートを兼ねていたのはヒミツだ。
(・J・)「兵隊の代わりはいくらでもいる。リーダーの代わりはいない。忘れな」
(・D・)「そしたら次のリーダーはお前がなれ」
(・J・)「…ッ」
(・D・)「時折俺を射る視線、気付かないとでも思ったか?」
(・J・)「だからなんだというんだ!」
(・D・)「俺は別に責めているわけじゃない。親父がいなくなったら俺、俺がいなくなったらお前、だ。
イーは俺ほどじゃないが無茶をしすぎて後先を考えない。アヤメは戦闘スタイルからして精神的に不安定に陥る時がある。
今のうち、参謀候補でも見つけて叩き込んでおけよ」
(・J・)「…ランに薬をもらってくる」
(・D・)「あー…それとな。すまんがランにメディック隊の誰かに看護してもらうように頼んでもらえないか。」
(・J・)「リーダーをか。無防備な間は護衛でも何でも付けるつもりだ」
(;・D・)「いや…アヤメ…にだ。
シンジュクを脱出する際、テンタラフーを最大放出したらしい。
だからこうやって二人とも戻ってこれたんだがな」
(・J・)「了解した。幸いメディック隊は女子ばかりだから特に何もないだろう」
その後、もらった痛み止めと睡眠薬で強制的に眠りについた。
174
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/23(土) 01:49:55 ID:6f/N0vP.0
翌日。
幹部内で緊急会議が行われた。
(・J・)「悪い知らせといい知らせがある。どちらから聞きたい」
(;・D・)「ラン!アヤメは…」
睡眠薬でだるい体をマッスルドリンコで起こし、一番遅れてやってきた。
ラン ゚ -゚)「大丈夫よリーダー。魔力…精神力かしら?を使いすぎて軽い昏睡状態に陥っているだけだわ」
(・J・)「いい知らせがそれだ。悪い知らせは…」
(・J・)「ゲリラ行為を行っていた自称メシアがオザワに敗北し、行方不明になった。
つい昨日の事だ。
ついでに言うと、私設警官の警備が強化されたとの情報がネズミからがあった」
ジャックは蔑みの視線をディーに向けた。
全て君のせいだよ、と言うように。
(;・E・)「はぁ!?マジかよブラザー!
例のメシア様はヒットアンドアウェイで持ちこたえてたって話じゃなかったのかよ!?」
(;・鼠・)「マジでやんすブラザー!」
各地から物資を買いあさってきたネズミが入ってくる。
(・J・)「ここは幹部以外立ち入り禁止だが?」
(・D・)「気にするな。情報の共有は大事だ」
(・J・)「何が起きたかは不明だが、事実だ。
オザワが無敵の悪魔を手に入れたという噂もある。
恐らく交渉、調停に赴いて返り討ちにあったのだろう」
175
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/23(土) 01:50:15 ID:6f/N0vP.0
(・J・)「顔は割れていないか、エンブリオンの存在、所在地は割れていないか、リーダー?
オザワが盤石の力をつけたということは、独裁と侵略が更に過激化するということだ。
他のコロニー、シェルターも各個撃破され屈服する事になるだろう」
(;・鼠・)「アヤメ姉の為に色々と回復薬を調達していたでやんすが、シナガワ大教会内は大混乱だったでやんす。」
(・D・)「その救世主に助けてもらって、すぐにしょけいライダーのバイクで逃げてきたから大丈夫だと…思う。
バイクも一目につかないところで捨てた」
(・J・)「思うだの確定事項でない事を話すな。あなたは私情でシンジュクに出入りし、捕まった。
メシアが健在なら協力を持ちかけてオザワ打倒も不可能ではなかったかもしれない」
(#・E・)「アニキだけ責めんなよテメー!それに確定じゃない事を話してんのはてめえもだろ」
(・J・)「自己弁護と作戦を寝るのは全く違う事だ」
(;・E・)「とにかくよ、メシア様を助けようぜ!
まだ俺らと同じくらいの女の子っていうじゃん!
オオツキロボで出撃してオザワを脅してさぁ…」
(・J・)「ネズミの情報では、メシアに便乗した反乱分子は見つかり次第処刑されているらしい。
超常的な力を持つ小娘をタダで生かしておく理由があると思うか。
恐らくは処刑されたかガイア教への媚の為に引き渡されたか」
(;・D・)「それに、オオツキロボで出撃してどうする。
用心深いオザワはシンジュク中枢のオフィスの中だ。
地下街を荒らしまわって罪もない犠牲者を出すのは容認できないよ。
それにオオツキロボの存在はあの巨大悪魔との戦闘で把握されていたらしい。
奴はそれを欲しがっていた。奴が何か罠を仕掛けていないとも限らない」
ラン ゚ -゚)つ「あ、ネズミお疲れ様。色々買ってきてくれたのね」
「駄目ですアヤメさん!まだ意識が…」
(綾;゚ -゚)「私が…行くわ…」
付き添いのメディックに引っ張られながら、強靭な意思で部屋に入ってくる。
(綾;゚ -゚)「オザワは私を愛人にしたがっていた。メシアさんがまだシンジュクに捕らわれているなら…
私の身柄と引き換えに…」
(;・D・)「やめろアヤメ!奴は確か幽鬼マンイーターを秘書代わりにしていただろう!
つまり…」
(・J・)「別に戦略としては構わないが」
(#・E・)「てっめ…」
殴りかかるイーをかわす。
176
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/23(土) 01:50:46 ID:6f/N0vP.0
(・J・)「はっきり言っておこうか。
アヤメのような能力者をマンイーターにして奴が嗜虐趣味を満たしたり、私設警察の慰安婦にするとは思えん。
屈服させるか洗脳なりして戦力増強に使うのが妥当だろう」
(;・D・)「何よりアヤメが定期的に念を注がなければオオツキロボは出力不足だ」
「アヤメさん、魔法瓶やおみくじが届きましたよ。これで魔力を整えつつお休みしましょう」
(・D・)「頼んだ」
メディックが袋に入った物資をネズミから受け取り、アヤメをゆっくりと立たせる。
(・E・)「そうだ!オオツキロボがバレちまってるなら、いっそ自爆させて…
っていくら俺でも色んな意味でやべーのはわかるわ」
(・J・)「だろうな。やっと脳細胞が活性化し始めたか」
自体が深刻悪化しすぎて段々とダメ学生の暇つぶしの雑談のようになってきている。
(・J・)「しばらくはシンジュクに行くのはやめておいた方が良いな。
ネズミには悪いが、足の速い物、交渉の上手い者を使い周囲で物資調達してもらおう」
(・D・)「しかし資金は…」
(・E・)「俺達の隊が悪魔狩りや発掘で稼ぐよ、アニキ!
見てくれよ、イッパシにそこそこの頭や悪魔を使えるようになったんだぜ」
スマホをタップして現れたその見慣れた姿。
(;・D・)「ウェンディゴ…!」
(・E・)「ビビらないでって。こいつは俺が合体でちゃんと作った味方だよ。
こいつがいる時に同族に話しかけると、センベツに?ってバカにならねえマッカやマグネタイトをくれる時があるんだ。
俺らの縄張りを荒らさないように話し合いもつけてくれるしな。
言っても聞かない馬鹿はぶちのめすしかねえけど!」
(・J・)「サツキがいないようだが」
(・E・)「どうせ仲魔パワーでグーグー寝てるんだろ。狙撃手は集中力がだから仕方ねえや。
アニキも眠そうだし解散!閉廷!また後で色々考えようぜ!」
各々の去り際に、イーに肩を叩かれ、何か渡される。
(・E・)「いつかウェンディゴと会話したらもらったんだ。元気出してくれよな。アヤメ姉へのプレゼントにもいいかも」
ターコイズ。美しい薄いブルーの天然石には、数々の素晴らしい石言葉があったのをまだ知る由はなかった。
177
:
◆MxHvQqijkA
:2022/04/23(土) 02:19:09 ID:6f/N0vP.0
訂正
(・E・)「どうせ仲魔パワーでグーグー寝てるんだろ。狙撃手は集中力が命だから仕方ねえや。
アニキも眠そうだし解散!閉廷!また後で色々考えようぜ!」
腰が痛い中で書いてみたらこんな話になりました。
頭イーになりますわほんと
178
:
名無しさん
:2022/04/23(土) 13:25:20 ID:tDCojOpY0
おつ
179
:
名無しさん
:2022/05/14(土) 00:14:21 ID:ZQ1xlkAY0
2048年、冬。
財源も少なくなってきた頃。
(・J・)「本気か?」
(・D・)「ああ。教徒に扮したネズミから聞いた。
三日後にメシア教本部から、シンジュクに物資輸送トラックが来るそうだ」
(・J・)「それを襲撃すると?リスクが高すぎる。
リーダー、私は反対だ」
(・D・)「アヤメにも散々反対されたよ。
護送にはテンプルナイトが乗っている可能性があるからってね」
ディーは苦笑いする。
(・J・)「では尚更反対だ」
(・E・)「俺は賛成だぜアニキ!上から目線のヤな奴らを合法にぶっ殺せるんならな!
最近ストレスたまってたし」
ラン #゚ -゚)「イー!」
(・E・)「いいじゃねえかラン!おめぇは知らねえだろうが
外に出て会えば、有無言わさず襲い掛かってくるか金を強請ってくるような奴らだぜ」
(・D・)「テンプルナイトとも交戦になるだろう。
シンジュクを出禁になった俺達は収入源がない。
今まで切り詰めてきたところだが、ジャガイモ等の収穫物だけでは幼い子供達の栄養に偏りが出る。
オオツキロボでの悪魔狩りも、オザワに目をつけられている以上は不可能だ」
ノ皐゚⊿゚)「この辺の遺物採掘も、やり尽くしちゃったしねぇ」
(綾゚ -゚)「私の念動力も、もしテンプルナイトが大勢だったら撃ち漏らす可能性があるわ。
殺さず資材だけ奪うにしてもデメリットが高いわ」
(;・鼠・)「…」
(・D・)「今まで散々悪魔を殺してきたし、なんなら売られた喧嘩とはいえガイア教徒を殺している。
全て、生きる為だ。
戦って殺す事が罪ならば、俺が全て背負おう。
もちろん抵抗感がある者は辞退しても構わない。」
結局幹部の多数決で決める事になった。
(・J・)ラン ゚ -゚)(綾゚ -゚)
(・E・)ノ皐゚⊿゚)
否定派が勝ったはずだったが、押し黙っていたネズミが手を挙げて拮抗した。
180
:
名無しさん
:2022/05/14(土) 03:34:47 ID:ZQ1xlkAY0
そこに不意に現れた南一佐が挙手したことで、作戦を決行することになった。
(・D・)「決まりだ。ジャックは隊の編成を、ネズミはすまないがまたメシア教に潜入してトラックの経路を調べてくれ」
─
ディーの自室にアヤメがいる。
(綾゚ -゚)「ねぇ、なんで強硬したんですか」
アヤメはジト目でディーを見る。
(・D・)「わかってるだろ。今年の冬は特に厳しい。
大きく稼いでおかなければ、餓死者も出る」
数年ぶりに久々に現れた南は一人だった。
当然、エンブリオンでも幹部でもない者の挙手にジャックは反発した。
リーダー権限で緊急で幹部にしたのはディーだ。
(・D・)「それに、オザワはいずれ打倒しなければならないのかもしれない。
もし運ばれてくる物資がオザワへの貢物だとしたら、猶更な。
推測に過ぎないが」
(綾゚ -゚)「きっと戦死者がいっぱい出るわ」
(・D・)俺一人でヤツを暗殺するさ。
今回の作戦だって俺が先頭に立って戦う。」
(綾゚ -゚)「そういう事じゃない。あなたは気付いていないかもしれないけれど
その背中にはもう、お師匠以上に命を抱え込んでいるのよ」
急にディーは声のトーンを落とした。
(・D・)(それにジャックは俺を妬んでリーダーの座を欲しがっている。
俺が万が一死ねば、俺以上に優れたリーダーになってくれるだろう。
そうしたら幹部みんなで力を合わせて、エンブリオンをやりくりするんだ)
(綾;゚ -゚)「そんな…なんとなく気付いていたけど…ジャックが…」
(・D・)「親父もどっか行ったまま帰ってこないからな。
正直言うと、ちょっと疲れた。
親父もこんな気分だったのかな」
どっと寝落ちし、アヤメが添い寝をする。
181
:
名無しさん
:2022/05/14(土) 12:48:14 ID:ZQ1xlkAY0
三日間の間で、各々の幹部はできる事をやった。
イーは悪魔を片っ端から捕まえ合体し量産する。
ジャックはラン以外の各幹部を隊長に、戦える者を選定し編成していく。
アヤメはオオツキロボを増幅器にし悪霊や精霊たちと交信、霊力(魔力)を上げていった。
サツキはひたすら部下に近距離、遠距離でガンナーとして戦えるように鬼教官のようにしごいた。
南がなだめつつ、しごかれた者には優しくゆっくり指南する。
郊外のバラックに二人の男がいる。
(・D・)「本当にお久しぶりですね、南さん。いつかはありがとうございました。
でも、なんで急にここに?」
(・南・)「鬼子母神、鬼女ハリティーの伝説を知っているかな?」
(・D・)「?」
(・南・)「ハリティーは自分達の子供に、他人の子供の肉を与えていた悪鬼だったそうだ。
釈迦というとても偉い神様に見咎められてね、百人いるうちの子供の一人を隠されてしまったんだ。
百人いるうちのたった一人の末子がいなくなっただけで、彼女はひどく悲しんだ。
しかし哀しいか、人肉を好む性質は変わる事がない。」
(・南・)「ハリティーは飢えに耐えながら、代わりの食べ物を模索し始めた。
やがて人肉に似た味がするザクロという果実を食べるようにし、釈迦に末ッ子を返してくれるように懇願した。
そして無事に末っ子を返してもらい、今までしてきた事の謝罪として安産と育児を司る地母神となったんだ。
いつか一緒に鬼子母神社に行ってみないか?」
(・D・)「…何が言いたいんですか?」
(・南・)「今のエンブリオンと状況が似ていると思わないかね?
100人以上の大所帯、他人に害を負わせても食わせていかなければいけない状況。」
(・D・)「…確かに」
(・南・)「戦いでは流血を避ける事は出来ない。
戦いというものはいつもそんなものだ。綺麗なものなどありはしない。
だが、血を流しすぎるのはよくない。いかに合理的に目的を達成できたとしてもだ。
あまり無理をするな。私が君と共に戦おう。
無言で二人は手を握りあった。
(;・D・)「南さん、力、強い」
(;・南・)「すまん、つい」
182
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/14(土) 16:35:59 ID:ZQ1xlkAY0
いよいよ前日の朝。
(・鼠・)「リーダー、経路がわかったでやんす。
シナガワの本部から西を突っ切って、シロガネダイ、シブヤを経由してシンジュクに飛ばすようでやんす」
(・J・)「なに?ギンザ方面からではないのか?」
珍しくジャックが虚を突かれる。
(・D・)「ギンザ方面からでは連絡通路を通れるトラックのサイズは限られる。
それに確か、ロッポンギを通るには結界が張られているはず。
だから足止めを食ってしまうんだろう」
(・E・)「でもよぉ、シロガネダイの向こうは海だらけだろ。
どうやってトラックで進むつもりなんだよ?」
(綾゚ -゚)「強力な念動力者でもなければ、トラックを浮かせるのは無理ね」
(・鼠・)「それが、詳細は不明だけど新型の耐水マシンを使ってトラックを持ち上げて
そこから上陸するらしいでやんすよ」
(・D・)「…敵はテンプルナイトだけではないということか。出発時間は?」
(・鼠・)「深夜零時、らしいでやんすよ。予定通りトラックは三台」
(・J・)「では作戦を公表する。
イーの第一部隊が先頭を務め、サツキの第二部隊が狙撃で援護、アヤメの第三部隊が撹乱。
…そしてリーダーと南一佐が伏兵。異存は」
無言の沈黙。
(・D・)「、ということでいいな。各自参加メンバーは11時まで眠っていてくれ」
要点だけ話し合って打ち合わせは終了した。
二人だけ残る。
(・D・)「俺だけでやれますかね?南さんの足を引っ張ったりしません?」
(・南・)「あくまで不測の事態が起こった時だけの役割だ。気を負う事はない。
エンブリオンのリーダー、ディーよ」
南はごつい手で笑いながら肩を抱く。
183
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/14(土) 17:03:45 ID:ZQ1xlkAY0
(・J・)『…標的がシロガネダイに上陸したのを発見。
例のマシン電源を切って置いていくようだ。
確認できるテンプルナイトは三人』
ジャックが瓦礫の中でスコープを使い、斥候を務める。
戦闘メンバーは隊ごとに散り散りになり、シンジュク地区手前の朽ち果てた巨大道路の上で待ち伏せする。
(・D・)『了解した。ジャックはトラック群が離れ次第、マシンをハッキングできるか試してみてくれ』
(・南・)「流石だな。リーダーが板についてきている」
(・D・)「やめてくださいよ。まだまだ親父には及ばない」
照れ隠しにヘルメットを掻く。
(・J・)『トラックが出発するようだ。シブヤに寄る様子はない』
(・D・)『よほど時間厳守のようだな。奴さん達は。
シナガワから送られてきているテンプルナイトだ、ここらのとはきっと腕が違う。
抜かるなよ!』
目標が通り過ぎようとした時、サツキ隊の銃弾が雨あられと降り注ぐ。
タイヤを撃ち抜かないように。
「なんだ!?」
「敵襲だ!」
先頭の車から2人のテンプルナイトが出てくる。
盾を貫通し、狙撃を受けて倒れる。
ノ皐;゚⊿゚)「やった!」
184
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/14(土) 22:35:33 ID:ZQ1xlkAY0
暗闇で獣がごちる。
(・<_,・。)「暇じゃのう。早く人を石化させたいわい」
(・D・)「今日は殺人をしに来たわけじゃないんだ」
止まった一台目に後続の二台目、三台目が追突する。
二台目まではそこそこいいトラックのようだったが、三台目だけはやけに粗末だ。
ジャンク屋の見習いが時たま乗ってくるリヤカーのような軽トラだ。
(・D・)(あれには大したものは積んでいないだろうな)
話しておかなければならない。
まだシンジュクの警戒態勢がもっと厳重になる前の話だ。
面が割れるデメリットを避け、買い出しは一人で行く事になっていた。
地下街の隅で泣いている少年がいた。
手足はヒョロヒョロで、戦闘には向いていなさそうだ。
(・E・)「どうしたよ、オイ。」
「…」
(・E・)「泣いてちゃわかんねえって」
少年によると、両親はウエノ出身というだけでガイア教徒扱いされ過激派のテンプルナイトによって殺された。
その時暮らしていたのはシブヤだった。
彼は悪魔からの襲撃から逃げのび、シンジュクに逃げ込んだのはいいが今度はシンジュクから出られなくなり
古い住民や私設警官にいじめられる日々だという。
(:-E-)「頼むおやっさん!古い付き合いだと思ってこいつを雇ってくれねえか!」
いつも短気で喧嘩っ早いイーが、いくら馬鹿にされてもジャンク屋の親父に頭を擦り付けて頼み込んだ。
「だからなんで俺がそいつを引き取らなきゃいけねえんだ。お前らのところでやれよ」
(;・E・)「こいつの体じゃ戦闘員には向いてねえ!かといってここで浮浪児のままいたら私設警官に殴り殺されちまう!
こいつ足だけは早いみたいなんだ!なんか使えねえか!?」
「…まぁ最近ここも出入りの規制が激しいしな。お前らも売り買いに来るのがめんどくせえだろう。
うちには跡継ぎのガキもいねえな。俺の子って事にしといて見習いで雇ってやる。
そこのおめえ。おめえはどうすんだ、おめえの話だぞ。」
少年は涙と鼻水に塗れた顔を上げる。目には光が宿っていた。
「お願いします。イーさんも、ありがとうございます!!」
ブンブンと手を握られ振られる。イーは帰ったらジャックにしこたま怒られた。
185
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/14(土) 23:02:43 ID:ZQ1xlkAY0
(#・E・)「お前らはそこで見てろ!うっだらあああああ!」
部下を残し道路から飛び降り、積み荷を確認しに出てきたテンプルナイト達に飛び込む。
ノ皐#゚⊿゚)『イー!俺が撃ちにくいだろうが!』
「ガイアの手の者か?」
体格のいいテンプルナイトが問う。
しかし相対する相手がまだ子供だと見て取り、驚愕する。
「隊長!」
他のテンプルナイトが、イーのアタックナイフによる攻撃を弾く。
それが自分の腹に向けられたものだと察し、ハッとした隊長が指示を出す。
「総員、私に続け!」
第二車両の荷台から次々とテンプルナイトが押し寄せてくる。
「子供だろうと容赦はせんぞ!」
(・E・)「容赦されるいわれはねえぜ!」
チェーンソーを振りかざし、プラズマソードをがりがりと削っていく。
左右からも、テンプルナイトが迫ってくる。
「なんだ、足が…!」
仕掛けておいたマハブフストーンが発動し、トラバサミのようにテンプルナイト達の足を止める。
プラズマソードを折られた騎士はそのまま首筋を斬られ、血の噴水を出して倒れ込む。
イーが後退すると、サツキ達の狙撃がテンプルナイト達の頭を撃ち抜く。
隊長は咄嗟に、トラックの脇について逃れる。
三台目の布をかけただけの粗末な荷台から、数名のテンプルナイトが飛び出してくる。
(綾゚ -゚)「テンタラフー!」
後方からアヤメが悪霊の力を解放し、たちまち聖堂騎士団達は錯乱する。
イーは隊長格を引きずり出し、胸にナイフを突き立てる。
(・E・)「ケッ。」
レ -)「…サマナーか」
186
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/14(土) 23:39:22 ID:ZQ1xlkAY0
荷台から一人の男が躍り出る。
テンプルナイトとはまた異質な雰囲気で、全身にレインコートのようなものを被っていて顔が見えない
レ -)「貴様ら、誰の命令で動いている?
ダークサマナーに雇われたか?」
(・E・)「誰だかしらねーが、不意打ちとはいい度胸じゃねえか。
次はおめーの番だ、死んでもらうぜッ!!」
レ -)「…まだ幼いようだな。
過ぎた野心は身を亡ぼすぞ」
(#・E・)「やかましいんだよぉォッ!
この状況が分かってんのか、タコ!」
レ -)「…タコは嫌いだな」
(・E・)「調子乗りやがって!」
素早くスマホから氷結系の悪魔を召喚する。
地霊ブッカブー、邪鬼ウェンディゴだ。
(・E・)ニア「やれッ!こいつを殺っちまえッ!」
氷結が降り注ぐ前に、二体の悪魔は光を受けて消滅した。
(;・E・)「何が起こったってんだ!?
うわああああああ!」
闇雲にチェーンソーで斬りかかる。
単調な動きを見切られ、半身で避けられる。
レ -)「動揺して攻撃を外すなど、戦士として失格だ。
悪魔を使役するもの…処刑す」
イーに向けた十字架の銃剣を、宙に振りかざす。
サツキ隊の一斉射撃を一振りで防御した。
『BURST MODE』
そのまま道路上を撃つ。悲鳴が上がる。
(;・E・)『サツキッ!この野郎!』
電源が切れかけのチェーンソーを振りかぶる。
脚底で止められ、そのまま踏まれて折られる。
レ -)「手詰まりだ。死ね」
突如、黒い影が姿を現した。
187
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 00:08:39 ID:Pq3GbDxY0
マンティコアに騎乗したディーと南だった。
(・<_,・。)「ひよっこが!早く逃げんかい!」
男との間に割って入り、疾風の速さで尻尾を振りかざしイーを一台目の運転席に乗せる。
(・D・)『イーはそれに乗って逃げろ。俺がこいつを引き留める』
(;・E・)『すまねえアニキ。どけっ!』
助手席のテンプルナイトを突き飛ばし、エンジンをかける。
マンティコアが勝手にスマホに戻る。
(・D・)「なにっ!?」
『奴はごっどさまなぁじゃ。悪魔を強制的に魔界にレッツゴー!させてしまう厄介な能力持ちじゃ』
(・D・)「ゴッド…サマナー…?」
レ -)「貴様はゴッドサマナーの存在を知っているようだな。
だがそいつは逃がすか!」
銃剣で一台目のガソリンタンクを狙い撃つ。
それが別の銃弾に阻止された。
レ -)「やるな…」
(・南・)つ「私の存在を忘れてもらっては困るな。
あまり無益な血を流させたくない。これ以上はお互い痛み分けの撤退にしないか」
レ -)「何をいまさら。襲ってきたのlはそっちだろうが。
それに貴様からも悪魔の臭いがするぞ」
十字架から光る剣を伸ばし、超速で斬りかかる。
(・D・)つ「南さんッ!ゼットセイバー!」
咄嗟に秘剣を出し、受け止める。
(・南・)「ディーくん」
南を横目で見ながら言う。
(・D・)「あなたは年上で経験豊富な戦士だが、エンブリオン幹部である以上は俺が守ります。
今のうちに他のトラックを奪取して逃げてください」
(・D・)『こちらディー。敵の大将がおいでなすった。総員退避しろ。
運転できる者はトラックを奪って逃げてくれ』
188
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 00:28:30 ID:Pq3GbDxY0
レ -)「フン、気を取られているとこいつが頭を切り裂くぞ」
光刃がジリジリと迫る。
今受けているのが普通の鉄製の剣ならば、とっくに焼き切られていただろう。
(;・D・)「くっ…!」
レ -)「あんなゴミクズどもを逃がして殉教でもするつもりか!?
道を違えなければ貴様も筋のいいゴッドサマナーになれていただろうに」
思わず力が入る。
(・D・)「あんたは知らないかも知れないが、みんな親から捨てられたり悪魔に住処を奪われた子供達だ。
癖のある奴ばかりだが、俺達はみんな一緒に生死をかけてここまで生きて来たんだ!!!」
(#・D・)「それ以上、何か言うなら許さない!!!」
一瞬だがゼットセイバーの力が勝った。
数歩だけ相手を押し戻す。
レ -)「フン、性質の似た剣か。
つまりはエネルギーが切れた時点で生死が分かたれることになるな」
男は怯まず構えなおす。
「テンタラフー!」
レ -)「精神干渉か。残念だが俺には効かん」
片手で手榴弾を取り出し、地面に放る。
(綾;゚ -゚)「キャ!」
(・D・)『アヤメも早く逃げろ!』
(綾゚ -゚)『でも…ディーを置いていけないよ!』
レ -)「ゴミクズ同士の庇いあいか。実に美しいことだ。
下らん感傷ごと順番に焼き斬り殺してやるから、首を洗って待っていろ」
(・J・)『リーダー、ここで全員撤退させるのは愚策だ。
相手はかなりのつわものなのだろう。あなたが死ぬぞ』
(;・D・)『俺が死んで皆を生かせるなら、それでいい』
189
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 00:47:41 ID:Pq3GbDxY0
(・E・)「よし!かかった!」
イーは全速力でUターンし南方向に飛ばす。
レ -)「おっと」
(;・D・)「うおっ!」
二人の間にトラックが突っ込んでくる。
危ういところだったが、お互いが離れ鍔競り合いの膠着状態は解ける。
レ -)「仕切り直しか。だがそちらはいつまで持つかな」
(;・D・)「…」
見ると、棒状の剣が消えかかっている。
充電は十分したはずだ。この男との闘いでかなり消耗してしまったという事か。
手書きの説明書によると剣の出力は、ロー、ミディアム、ハイ、アルティメットの4段階に調整が可能らしい。
今がアルティメットなので、出力を下げれば長持ちはするだろうが男の剣を受けられるかが怪しい。
「ウオオオオオ!」
物陰から誰かが飛び出し、拳を突き出した。
(・南・)「私はこの子達を何年も見守ってきた!
侮辱するなら、私が許さん!」
余裕ありげにガードの体制を取るが、そのまま吹き飛ばされ宙に浮く。
レ -)「…チッ!先の小僧との戦いで意外と体力を消耗してしまったか!」
ジェットブーツで足を地面に留める。
素早く回り込んだ南に羽交い絞めにされ、身体を締め上げられる。
レ -)「わざわざ敵の陣地に入るとは、バカめ」
銃剣を後ろに向け撃つ。
南の拘束が緩まる。
更にジェットブーツの促進による蹴りが顔面に入る。
(;-南-)「ぐっ」
レ -)「闇の中で、老いさらばえろ」
完全に拘束を解かれ、ガントレットで腹筋に殴りを入れる。
何かが折れる嫌な音が聞こえる。
追い打ちで光弾を連射され、トラックの向こうに吹き飛ばされる。
(;・D・)「南さんッ!」
190
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 01:03:01 ID:Pq3GbDxY0
怒りのあまり男のレインコートの胸倉を掴む。
(・D・)「許さねえ」
レ -)「ほお」
(・D・)「テメエだけは許さねえ」
レ -)「オイオイ、悪魔も召喚できないひ弱なサマナーに何ができる」
その時、物陰から巨体が現れた。
https://i.imgur.com/S2Vi4Pt.jpg
ごつい鎧を身に纏った恐ろしくも芸術的な姿の悪魔は、男を張り倒す。
レ -)「なに!?」
いきなり現れた高位悪魔の出現に、男も狼狽したようだ,。
(・D・)『今がチャンスだ!アヤメ!二号に乗り込め!』
(綾゚ -゚)『…わかった!ディーも生きて帰ってきてね!』
アヤメは素早く乗り込み、必死にエンジンをかける。
レ -)「させる…ガッ!」
悪魔に連続で張り倒され、男は動くことができない。
(増・д・)「ウオオオオオ!」
三号車を持ち上げ、男に投げつけ下敷きにする。
レ -)「クソっ」
今がチャンスだ。
(;・D・)「うおおおおお!」
銃であからさまに見えているをエンジンタンクの蓋を撃つ。
三号は爆発、大炎上。
191
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 01:51:54 ID:Pq3GbDxY0
アヤメの二号車も無事にエンジンがかかったようだ。
炎を避け、フラフラしながら走り去る。
いつの間にか、加勢してくれた悪魔はいなくなっている。
(;D;)「やったか…しかし…南さん…すまな…」
倒れ込むディーを、誰かが支える。
(・南・)「大丈夫かね、ディー君」
(・D・)「南さん!?生きて…」
く(;・南・)「面目ない。あの男にやられて気を失っていた。
さっきの爆発で目を覚ました。
軍人失格だな」
苦笑いする
(・南・)「で、あの男は?」
大炎上する軽トラックを指さす。
(・南・)「そうか…できれば殺したくはなかったが…
あれだけの強敵だったのだ、手加減などできなかった。
自分を責める必要はないぞ、リーダー」
(・D・)「恥ずかしいですが、エンブリオンの仲間達を馬鹿にされて頭に血が昇ってしまいました。
俺の方が力が強かったら、命乞いされても殺していたかもしれません」
(・南・)「それは君が真に仲間を思っているという証拠だ。
オザワなど見てみろ。人も悪魔も使い捨てじゃないか。
誇っていいんだ、その怒りは」
(・D・)「とりあえず、帰りましょう。
みんな怪我がないといいんですが」
192
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 20:52:23 ID:Pq3GbDxY0
(綾; -;)「ディー!」
気が付くと医療室のベッドの上。
頭には包帯が巻かれている。
(・D・)「泣きすぎだよ、アヤメ」
飛びついてくるアヤメの頭をなでてなだめる。
(綾; -;)「だって夜明けから三日間も寝てたのよ!?
もうこのまま目を覚まさないかもって…」
(;・D・)「三日!?みんなは無事なのか!」
ラン ゚ -゚)「おはようございます。
焦って逃げて転んで怪我した子とかはいるけど、大事に至ってはいないわ。」
(・D・)「それはよかった」
(;・E・人)「すまねえアニキ!俺のせいだ!」
(・D・)「藪から棒にどうした、イー」
上体を起こして出迎える。
(;・E・)「あの変なマント野郎の代わりに、アニキを吹き飛ばしちまったんだ!」
ラン;゚ -゚)「南さんがあなたを担いで蒼白で帰ってきた時はビックリしたわ。
医療班のみんなの仲魔で回復魔法をかけたんだけど…それでも目を覚まさなくて」
(:E;)「すまねえ…すまねえ…」
土下座して頭をこすり合わせる。
(・D・)「ラン、医療班の仲魔にも攻撃特化の仲魔を一体は入れておけ。
痕跡は恐らく消してあると思うが、メシア教の報復がここまで来るかもしれないかな。
今回の詫びに、イーに合体で適任な仲魔を見繕ってもらおうか」
(・E・)「! やるよアニキ!何でもやる!」
途端に顔を上げて喜ぶ。やはりちょっとアホでいい奴だ。
ラン ゚ -゚)「さあさ、リーダーは怪我人なんだから出てった出てった」
ランが皆を追い出す。
193
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 21:10:19 ID:Pq3GbDxY0
ラン ゚ -゚)「さてリーダー。聞きたい事があるのだけれど」
(・D・)「何かな?」
ラン ゚ -゚)「隠さずに話して。もしかして、帰ってくる途中で頭痛で気を失ったんじゃないかしら」
(・D・)「御明察。よくわかったな」
ラン ゚ -゚)「医学書で調べたんだけどね、車の衝突事故って普通はひどい後遺症が残るものなの。
脳が揺れる脳震盪、脳挫傷、体中が後から痛くなってくるむち打ち症とかね。」
(・D・)「あの男との戦いに夢中で覚えていないが、俺がイーのトラックに撥ねられたっていうのは本当らしいな。
よく死なずに済んだもんだ」
苦笑いして肩をすくめる。
ラン ゚ -゚)「それでね…提案なんだけど…
しばらく休んではどうかしら。
アヤメ姉の報告によると、以前から何日も動いては何日も寝るというのを繰り返していたというし。」
(・D・)「嬉しい申し出だが、断る」
ラン#゚ -゚)「リーダー!」
(・D・)「まぁそう怒るな。あの襲撃がうまくいったかどうか、確かめておく必要があるしな」
ベッドから完全に体を起こし、よろよろと立つ。
ラン ゚ -゚)「どこへ行くの?」
(・D・)「お前の兄貴のところさ。強奪品がどれだけか確かめておきたい。
それと一番強い痛み止めをくれるか」
ラン ゚ -゚)「…」
何も言わずに、瓶をそのまま手渡してきた。
そして数粒飲み、瓶はポケットに入れた。
(・D・)「悪いがこの事は誰にもナイショにしてくれな。」
194
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 21:32:55 ID:Pq3GbDxY0
(・D・)「ジャックか」
(・月・)「おお、久しぶりだな」
(・D・)「科学的根拠爺さん」
(・J・)「リーダー。無事で何よりだ」
振り返るジャック。
(・D・)「何をしているんだ?」
(・J・)「先日のマシンの解析を頼んでいる。
残念だが私には最新鋭のマシンを操れなかったからな。
解体して持って帰ってきた」
(・月・)「時間はかかるが、いい仕様にして組み立てなおすことはできるぞ!
出来ない科学的根拠はないに等しい!」
(・D・)「ジャック。トラックと積み荷は」
(・J・)「あそこに」
顎で指す方向の二台のトラックを調べる。
空荷だ。
(・J・)「どういうことだ、と聞かれる前に言っておこう。
リーダーが昏睡している間、私なりに考えた。
荷物をそのままにして、万が一メシア教に嗅ぎつけられても困る。
マッカは貯蔵庫、武器類は武器庫、弾薬は最低限のものを残してジャンク屋の使いに売った」
(・D・)「マッカの額は?」
(・J・)「約50万マッカだった。
正直、リーダーをチップにしての賭けにしては期待外れだ」
(・D・)「でもこれで冬はどうにか乗り切れるな。
引き続き、できる事を頼む」
次は武器庫で手入れをしているサツキに会う。
ノ皐゚⊿゚)「おーリーダー!生きてたかー!」
(・D・)「お前もな。無事だったか」
195
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 21:47:44 ID:Pq3GbDxY0
ノ皐゚⊿゚)「あの変な野郎に撃たれたけど、ビビって身を隠してどうにか生きてたよ!
それよかリーダー!体の方は大丈夫なのか!」
(・D・)「三日も寝てたらしいからな。ビンビンだ」
ノ皐*゚⊿゚)「あんなバケモノみたいに素早いヤローに引けを取らないなんて、やっぱすげーよ!」
尊敬の眼差しで見つめてくる。
それがディーには痛かった.。
(・D・)「奴の死体は確認できたか?」
一番気がかりだったのはそれだ。
ノ皐゚⊿゚)「手下の連中と一緒に確認に行ったんだけどさぁ、焼けた死体は発見できなかったよ。
まぁトラックの下敷きになって爆発大炎上に巻き込まれたんだ、骨も残ってねえさ!」
男らしく豪快に笑う。
女なのだが。
夕食。
作戦成功祝いに、久々のストーンカ肉のステーキが出た。
(;・D・)(ぐっ…)
飲み込もうとするが、強い嘔吐感が勝った。
急いで水を飲んで誤魔化す。
ラン ;゚ -゚)「リーダー!?」
(・E・)「サツキの調理担当分が当たったんじゃねえの?」
ノ皐#゚⊿゚)「ンだとこら!ギガスマッシャーの巣にするぞ!」
(;・D・)「大丈夫だ。寝すぎたせいか食欲がないだけだ」
バラすなよ、と目くばせをする。
ラン ゚ -゚)「…そうね。数日間絶食状態の人って急に固形物を胃に入れるとショック状態を起こすの。
後で点滴で栄養を取りましょう」
古米に手を付けず、ステーキは9割残して去る。
(綾゚ -゚)「私が食べるわ。命に失礼だもの」
196
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 22:02:27 ID:Pq3GbDxY0
その後数か月、日を挟みつつリハビリとして悪魔狩りによく出かけた。
だが眩暈がして銃の昇順を外したり、剣戟の途中で吐き気を催したりした。
魔獣ストーンカの突進を止め、尾で串刺しにしたマンティコアが言う。
(・<_,・。)「いい加減に公表したらどうかのう、ひよっこよ。
お前は前任のディー程じゃないがよく頑張ったと思うとるよ」
(;・D・)「ハァ…あ…お前からそんな事…言って…もらえる…なんてな」
頼りがいのある妖獣の背に乗り、帰還する。
ラン ゚ -゚)「ちょっと来て」
砦で待っていたランに、病室に連れて行かれる。
ラン ゚ -゚)「幹部ではなく主治医として言います。休養してください」
(・D・)「それはダメだ」
ラン ゚ -゚)「戦闘に支障も出てるんでしょう?今の状態じゃ無理よ。
どうにか腕のいい医者を…」
(・D・)「それもダメだ。エンブリオンの資金を個人的に使う事は許されない。
親父だって同じ立場だったらそうする」
頭がモヤモヤする。
兄貴の葉巻を幼い頃に吸わせてもらった時のような。
ラン - --)「そうね…そうやって意地になるところがお師匠そっくりよ。
私だってお師匠を尊敬している。でも、今会えたら言いたい事があるの。
当時の私達は非力だったかもしれない。でも無力じゃない。
皆の力を頼ってほしかった。なんで勝手に出て行っちゃったの。
リーダーだからって自分だけで全部背負い込んで、帰らぬ事になってしまうなんて…」
ラン ゚ -゚)「そんなところまで真似しないでね。私、そんなところまでは尊敬できない」
(・D・)「わかった。死なない程度に頑張るよ」
「そうだぜ!」
197
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 22:17:31 ID:Pq3GbDxY0
病室の入口には、幹部の面々が立っていた。
(・D・)「お前達」
ラン ゚ -゚)「ごめんなさい、リーダー。でももうバラしちゃった」
下を出して少し笑う。
(・D・)「何故だ…!何故だ…!」
(綾゚;-;)「ディーは私達の事、信用できない?
それとも自分を信用できないの?」
アヤメに抱きつかれる。言葉が出ない。
(綾゚ -゚)「じゃあ、ディーを信じる私を信じて。
私…ディーよりディーの事知ってるから。」
(・E・)「そうだぜ!俺達が十年来の付き合いなんだぜ!」
(・J・)「数々の挙動の不振さ、気付いていないとでも思ったか」
ノ皐゚⊿゚)「俺とネズミは新参だけどよぉ、だいぶ力はついてきたはずだぜ。
俺達も信用しちゃくれねえのかい?」
>…
(-D-)つ「観念した。そろそろ限界か…」
アヤメに抱かれるディーの手から灰がこぼれる。
(綾;゚ -゚)「ディー!?」
(;・D・)「俺もやっぱり失敗作だったというわけか」
198
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/15(日) 22:47:59 ID:Pq3GbDxY0
(;・J・)「失敗作?どういうことだ?」
(・D・)「…俺はずっと前に死んでるんだ。
親父に拾われる前の、シンジュクで浮浪児やってる頃にな」
一同が唖然として沈黙する。
(・D・)「アヤメ達と会うずっと昔の頃だ。
親から捨てられ、訳もわからず外に出てとっこうたい達にリンチされ殺された。」
(・D・)「そして邪教の館で、禁断の死体合体の素材にされた。」
(;・E・)「死体合体だぁ!?そんなの聞いた事ねえぞ!」
(・D・)「今考えると、自我のない従順な悪魔兵士でも作りたかったんだろう。
だが実際は失敗だった。俺と似たように殺された仲間は…魔法陣から変な肉塊として出てきた
俺は…合体の儀式の最中に失敗しシリンダーから弾き飛ばされ、息は吹き返した。息はな
覚えているのはそこまでだ」
ノ皐;゚⊿゚)「リーダーは悪魔…ってこと?」
(・D・)「いや、多分合体が失敗に終わったせいで悪魔のデメリット…灰になる事だけ引き継がれたんだろう。
悪魔も瀕死体だったからな」
改めて自分の掌を見る。
意識するほど灰化が進んでいるようで、思わず目を逸らす。
(綾゚ -゚)「お願い。ディーは一度リーダーを降りて、ゆっくり休んで。
私達幹部が協力してエンブリオンを運営するわ」
(・E・)「そうだ!俺とサツキが悪魔を狩って稼ぐぜ!」
(・J・)「…数か月前の襲撃が功を奏したか、冬を凌いでも貯蓄は十分にある。
無理せず悪魔狩りと交易をしていれば、食うには困らないだろう」
(・D・)「みんな…すまん」
ラン ゚ -゚)「きっと諸々の後遺症の治療法も見つかるわ。
いや、見つけてみせるから!」
(・J・)「とりあえずしばらくはアヤメはリーダー、いやディーのそばにいてやってくれ。
精神安定剤がまずは必要だろう」
アヤメは小さくうなずき、弱弱しいディーをおんぶした。
199
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 21:33:04 ID:qK5o..R.0
2049年、某日。
うだるような熱さは、調子の悪さによるものか。
自室のベッドで安静にしているディーは思った。
時々、アヤメがディーをおぶって散歩デートに出かけた。
(綾゚ -゚)「雪は嫌い」
(・D・)「なんで?」
(綾゚ -゚)「両親が焼け死んだのが、雪の日だったから」
アヤメは雪が嫌いだった。
アヤメはシンジュク生まれでなく、移民のようなものだった。
六回目までは楽しかった。
七回目のクリスマスの日、アヤメは両親を失った。
あの日、アヤメは両親と一緒に決して質はよくはない食材を買いに行った時
暴徒達による放火に巻き込まれた。
両親は建物からアヤメを突き飛ばし、代わりに悪魔の炎に巻かれた。
https://i.imgur.com/gvb91SN.jpg
メシア教の上級戦士達が駆けつけ、多大な被害を出しながらも悪魔と暴徒達は討伐された。
真っ黒に焼け爛れたお父さん、お母さんの死体。
いつの間にか雪が降り始めていた。
焼死体の発する熱が雪を解かす。
それは、両親がまだ生きているかのように感じられた。
そしてどこかの業者に引き取られ、シンジュクにぶち込まれるに至る。
200
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 21:52:50 ID:qK5o..R.0
あの話はだいぶ前だったような気がするから、今は冬は終わっているのだろう。
ディーは正反対に雪が好きだった。
雪に当たると、徐々に灰化していく自分の身体が癒されていく気がした。
だから雪の日の夜中には、こっそりフラフラになりながらも浴びに行った。
護衛は相棒がついていてくれる。
─
(・<_,・。)「ワシは氷結には強くないんじゃがのお」
(-D・)「すまんな。もう少し寝かせてくれ」
獣の背に乗ったまま、まどろみに身を任せる。
ああ、心地よい。
リーダーでなくなった事でディーが気付かないうちにつけていた枷と
生きる気力が同時に失われれていっていた。
(・<_,・。)「ひやっこくて気持ちいいからって雪は食うなよ。
ひよっこにはわからんと思うが、放射能が含まれてるかもしれんからの。
死にたければやるがいい」
(D)「こんな何もできない体だが、まだ死ねないよ。
アヤメを残しては」
─
最近は立つのも億劫だ。
他の皆は諦めてしまったが、ディーだけは親父の行方を探っている。
はー、と溜息をつきながら、マンティコアは二日に一度はそこら中を走り回る。
人間に狩られかけたことも何度もあったという。
しかし上級の妖獣、全て返り討ちだ。
召喚師が稼がないので、帰りは悪魔を適当に狩ってマグネタイトを補充している。
時々悪魔ハンターを斃した時に装備を持ち帰り、エンブリオンの財源とする。
組織の要である悪魔が独断で行動しているのも、それで言い訳はつく。
今日も頭が割れるようだ。
その時、大声が響いた。
ラン;゚ -゚)「どいてどいて!怪我人よ!」
201
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 22:01:33 ID:qK5o..R.0
外を覗くと、メガネの男が担架に運ばれていく。
ディーは重い腰を上げる。
誰か新人が悪魔にやられたのか。
鬼の事件以来、ディーは自分以外のメンバーが死ぬのは心底イヤだった。
だからあの謎の男との戦いでも、自分だけ残った。
(・D・)「よっ。薬を貰いに来た」
ラン ゚ -゚)「リーダー。ごめんなさい、ちょっと待ってね。
アヤメ姉が外で怪我人を見つけてきたの」
ランは背を向けたまま答える。
「動かないでください!」
(□A□)「余計な事をするなよ。かすり傷だ」
迷彩服を着た男は迷惑そうに言う。
本当にかすり傷程度のようだ。
(綾;゚ -゚)「でもあんな数の悪魔相手に無事なわけがありません」
(□A□)「お前ら脆弱と一緒にするな。俺はな、生まれた時代が違うんだよ」
202
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 22:17:37 ID:qK5o..R.0
物珍しい来客を食堂に誘う。
(・E・)「おっ見た事ねえ銃だ。これマシンガン?」
(□A□)「大破壊前に流通していたMP5だ。あとベタベタ近づくな、暑苦っしい」
イーは物珍しい銃を手に取り興奮している。
ノ皐゚⊿゚)「すげーなこれ!どこで手に入るんだ?
シンジュクじゃ売ってるの見た事ねえよ」
(□A□)「そりゃねえだろうな。大破壊前のブツだぜ」
ノ皐゚⊿゚)「じゃあ型落ち銃ってコトか!?
そんなんで悪魔数十体を相手にしてたって、これマジ?」
(□A□)ニア「俺の主武装はこれだ」
指先をメラメラと燃やす。
ノ皐;゚⊿゚)「あぶね!引火するだろうが」
思わず殴りかかるサツキの拳を正面から握り止める。
ノ皐;゚⊿゚)「な…俺のウルトラパンチを…」
サツキは女の子とはいえ腕っぷしはそこらの男子よりいい。
タンクトップに筋肉のしっかりついた二の腕でわかる。
(□A□)つ「甘いな。そんなド正面から戦ってんのか、お前ら?
そんなんでよく生きていけるもんだ」
(・J・)「失礼する」
ジャックが入ってきた。
(・J・)「我がアジトの外で暴れていたというのは君か。
正直、素性のわからないものは出て行ってほしいのだがね」
ジャックがナイフで脅しをかける。
(□A□)「ほう。俺とやるのか。後悔するぜ」
ドクオは折りたたまれた小さく長い入れ物から何かを取り出した。
ディー達は知るよしもなかったが、単車の免許証だった。
「鬱田 ドクオ」という名前と顔写真がある。
(□A□)「俺は異世界から来た。大破壊を経由してな」
203
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 22:33:58 ID:qK5o..R.0
(;・D・)「生まれた時代が違うって、そういう事ですか?
でも異世界って?」
(・E・)「しっかしよぉ、なんかガテンがいかなくねえか?
だってよぉ、大破壊前生まれなんだろ?
40過ぎの親父には見えんぜ」
(□A□)「どこにあるかわからないなんたら神界に、なんたら回廊を通ってな。
俺は大破壊前の2019年でICBMを確かに食らった。
そしてなんたら神界で目が覚めた。」
(□A□)「そして悪魔をひたすら倒して、力をつけた。
そして…俺は帰ってきた。
オザワとその血族を皆殺しにするために…」
(・南・)「大破壊の影響で、次元の裂け目でも…?
君にとっては、つい昨日の出来事というわけか」
(□A□)
男が少し口端を上げて笑った気がした。
(・D・)「オザワ?オザワって言ったのか?」
(□A□)「そうだが?
大破壊前の本人とも限らんが、少なくともあの血縁の可能性は高いだろう」
(綾;゚ -゚)「シンジュクは辞めた方がいいわ。
あそこにはオザワの雇った人売りや、人を容赦なく殺す私設警察が山ほどいるもの」
(□A□)「…詰めが甘いぜ、お前ら。
虫も殺せねえようなマシンじゃ、悪魔の襲撃は防げねえ」
男が明後日の方向を見て呟く。
204
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 22:45:50 ID:qK5o..R.0
(□A□)「どっかでメカニックでも見つけて、マシンの自動化をやっておけ。
そうすりゃこの廃墟もマシになるだろうよ」
入口の砦を手で叩いて言う。
(綾゚ -゚)「あの…!」
(□A□)「あ?」
(綾;゚ -゚)「もう少しここに留まりませんか?」
(□A□)「…俺に用心棒になれってか?」
(綾゚ -゚)「…行くところがなければ」
(□A□)「悪ィがツレが二人ほどいるんだ。探さなきゃいけねえ。
それにシンジュクには武器が売ってるんだろう?新調もしたいしな」
(綾;゚ -゚)「じゃ、じゃあせめてこのオニギリを持って行って…」
(□A□)「いらん。こんな子だくさんのとこから取れるかよ」
包みを押し返し、逆にいくつかの武器を押し渡す。
(□A□)「お節介だったが、世話になった礼だ。それとこれとこれを土産としてもらっていくぜ」
いつの間にかボロバイクに跨り、右手には酒瓶を持っている。
(・J・)「物資を勝手に持ち出すな」
っ-l--゙
(□A□)「拉致したのはお前らだろうが」
っy=
男は走り去っていく。
205
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 22:58:22 ID:qK5o..R.0
約一か月後。
使いを出し、ジャンク屋のバイトを呼んだ。
「うわあ、こんないっぱいのプラズマソード!
これどうしたんですか?」
(・D・)「あー、知り合いにもらってな」
「ああ、それと一度シンジュクに来てもらえませんか?
店長がお話があるようで」
(綾;゚ -゚)「え…それはちょっと」
「今は大丈夫なんですよ。
幹部の皆さん、どうぞ」
乗ってきたトラックを指さす。
「よう、久しぶりじゃねえか」
(・D・)「どうも。なんか雰囲気がかわりましたね。」
「ほっとけ。すぐ酒飲みに行きたがるアホの面倒見るので疲れてんだ」
ジャンク屋主人は多少嬉しそうだ。
「さて、いつも通り裏口にまわんな」
ディー達が入ると、バイトは素早くシャッターを閉めた。
「税金の束縛はなくなったが、今度は悪魔が出てきやがって怠いったらありゃあしねえ。
おっ、なんだこの大量のプラズマソードは。
支給されたもん無くした青い顔のテンプルナイトが高値で買ってくれそうだぁな。
特別に高く買ってやるよ」
ラン ゚ -゚)「で、幹部総出で呼び出すなんて何の話なの?」
「知らねえのも無理ねえか。オザワがどっかの馬の骨にタマぁ取られたって話だ」
206
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 23:08:02 ID:qK5o..R.0
(・D・)「!?」
散々自分達を苦しめてきたオザワが、死んだ!?
ディーを始め、全員が驚愕していた。
オザワは最強の悪魔を手に入れ、シンジュクの支配者としての地位を盤石にしていたはずだが…
(;・E・)「どんなバケモノだよ、そいつは」
「年上には敬語を使え。どいつもこいつもなれなれしい…
まぁ噂の噂だから話半分で聞いとけよ」
親父はおしゃべりなおばさんに性転換した。
「どこから湧いて出たのか素性はまったくわからん。
三人組の、お前らくらいの歳の男三人でな。
恐ろしいことに三人とも綺麗なスマホ持ちのサマナーだったそうだ。
そのうち一人は背の高いメガネで神経質そうな男でよ…」
「そいつはオザワと因縁があったらしく、シンジュク中を嗅ぎまわって悪行の証拠を突き付けたらしい。
そして奴のオフィスを襲ったらしいが、奴の召喚した悪魔にあっけなくやられて逃げ帰った。
そして命までは取られなかったのを感謝し、奴に屈服して私設警察入りするのかと思えば…」
「そいつは…邪教の館で悪魔と合体しやがったそうだ。」
207
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/21(土) 23:27:02 ID:qK5o..R.0
初期メンバーの四人は目を見張る。
人間と悪魔の合体は、人間側の意識が保てない禁忌の術だから絶対にやるなと親父から言われていたからだ。
ラン ゚ -゚)「噂にしては、いくらなんでも眉唾物じゃない?」
「俺だってこの目で見たわけじゃねえ。
だが、三人が再びオザワんとこに行って奴を殺ったのはマジだ。
しかも合体した男がタイマンで悪魔ごと滅ぼしたって噂もあらぁ。
そんな芸当、悪魔と合体した化け物…超人や魔人、ダークサマナーじゃなきゃできねえわな」
(綾゚ -゚)「オザワがいなくなったということは、施設警察も…?」
「そういうこった。もうシンジュクの出禁も解除されて税金もなくなり自由の街さ。
もっとも悪魔も自由になっちまったけどな」
ノ皐゚⊿゚)「ざまあ!散々威張り腐ってた奴らもひどい目にあってるんだろうな!」
「ああ。長官は火炙り…というより部屋ごと焼き尽くされて名目上は行方不明。
更に部屋の中で炭化しかけたオザワの生首が見つかったそうだ。
流石に売り物にしようとは俺は思わなかったがな」
「他の奴らも見つかり次第リンチされてるらしいぜ。
逃げ出そうにも外には悪魔がワラワラ、今度は住人が出て行こうとする奴を見張りしてるしな
自業自得っていうのはこのことだ」
(・J・)「しかし悪魔が出てくるようになっては、また別の地獄だな
独裁が混沌に変わったに過ぎない」
「そーなんだよ。だからよリーダー、いや今は休養中の元リーダーか?
今すぐってわけじゃあねえが、エンブリオンの中から腕っぷしの立つヤツを少し用心棒に回しちゃくんねえか?
給金も買取価格もハズムぜ。どうよ?」
(;・D・)「俺にはその権限は今はない。幹部全員で決めさせてもらう。それでいいですか?」
「頼んだぜ。何せあいつは逃げ足だけ早くて戦闘の役には…あっ、あの野郎また酒か!
今日は閉める。用が済んだらとっとと帰れ」
ノ皐゚⊿゚)「自分が呼んだくせに」
頭痛がする、また指から微かに灰がこぼれた。
食糧を調達し、サツキをなだめながら岐路につく。
トラックの中で居眠りしつつ考える。
長官室を焼き尽くしたという炎。
炎使い。
何かが引っかかった。
208
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 00:00:26 ID:wsiqK6720
更に半月後の深夜。
女子達が一斉に行方不明になる事件が起きた。
親父が残していった「ハーメルンの笛吹き」のようだった。
(綾;゚ -゚)「う…」
自室で寝ていたアヤメが突然直立に立ち上がる。
緊縛を受けたように体の自由が効かない。
見ると、自室等や相部屋から次々と女子ばかり出て行っている。
一人にひっしに念を送ってみる。
一瞬振り返るが、目はうつろで、また歩き出してしまった。
やがてアジトの砦にまで来ると、一人の女子が銃で簡易セキュリティシステムを破壊した。
これで出入りは自由というわけだ。
恐らくこの手際はサツキ隊の子だろう。
(綾:゚ -゚)(ダメよ…そんな事しちゃいけない)
地下防空壕の幼い子達も這い出てくる。
アヤメは必死に抗うが、足を止められない。
(綾;゚ -゚)(助けて…ディー、助けて…!)
209
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 00:28:02 ID:wsiqK6720
そこはかつて、アカサカで最も高い高層を有したホテルの跡地だった。
目を覚ますアヤメ。
(綾゚ -゚)「ここは…?」
(・ハ・)「この地に客人とは、珍しいものもあったものです
まあ、私が呼んだのですがね。クククッ」
(綾;゚ -゚)「そのお顔は…お師匠!」
顎髭もあるが、あの顔立ち。
(・ハ・)「お師匠…?違いますね。
私は高貴なるヴァンパイア、ラプトキア」
(綾;゚ -゚)「お師匠は悪魔だったの…?」
(・ハ・)「そう、私はこの時を待っていました。
貴方達が熟れていい果実になるのをね…」
(・ハ・)「古来より悪魔は数あれど、私の眷属はあなたがたの世界と特にかかわりが深い。
普段は魔界に住んでいますが、ニンゲン界にこのような別宅も有しています。」
(綾;゚ -゚)「私達をここまで連れて来たのはあなたですか?
何か私達に用事でも?」
(・ハ・)「貴女達は徒党を組んで、私の領地を荒しまわっている。
思い上がったオザワも消え、ロッポンギの統治者気取りのベリアルがいなくなった事で、この一帯は再び私のものになりました。
他人の領地に住むのなら、貢物は必須でしょう」
他の子達も起きてきた。幼い子などは無理矢理歩かされてクタクタだ。
(綾;゚ -゚)「貢ぎ物とはマッカですか?マグネタイトですか?」
これじゃオザワの税金と同じじゃない。そう思う。
(・ハ・)「貴女達全員の血で贖ってもらいましょうか。」
(綾;゚ -゚)「なっ…」
(・ハ・)「お嬢さん、あなたは特に美しい。
しかもあの拠点に住んでいた女性たちは皆処女だ。匂いでわかる。
私と交わり花を散らし、血を貪らせる生贄となるのです」
(綾;゚ -゚)「悪魔の男の人っていつもそうですね!私たちのことなんだと思ってるんですか!?」
つと
「ただの餌だ」
210
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 00:46:52 ID:wsiqK6720
乾いた銃声が響く。
(#ハ・)「ガ…!」
(・パ・)「アヤメ。大丈夫か」
っy=
続けざまにヴァンパイアの顔面に銃を放ち続ける。
https://pbs.twimg.com/media/D7d6vPSUYAEUPwa.jpg
(丶´皿`)「おのれ…貴様…」
激昂し、青白いヴァンパイアの本性が見えた。
撃たれた箇所が徐々に再生していく。
(綾;゚ -゚)「本物の…お師匠?」
(・パ・)「ああ。遅くなってすまなかった。
こいつは親のヴァンパイアをゴッドサマナーに殺され、逃げだしたクズ野郎だよ。
おまけに俺に擬態して愛娘達を穢そうとはな」
(丶´皿`)「しつこい野郎だ!ここまで追ってくるとはな!」
ヴァンパイアの魔法をかわしつつ、肉薄する。
(・パ・)「間抜け野郎が。なんでバレたと思う?
いるのは分かってんだ。出てこいよ、センセイ」
急に手に出てきた手を咄嗟に避ける。
誰かがアヤメの後ろから到着する。銃を撃つ。
ノ皐#゚⊿゚)「てめー!俺だけ誘拐しなかったって事は、俺は女として見なされなかったって事か!
俺も処女だぞ!ぶっ殺す!」
( ^Ω^)「フハハハハハッ、ご苦労だったな。
そろってここまで来てくれるとは。
こちらから出向く手間が省けたというものだ。
役立たずどもは皆やられたようだしな」
(綾゚ -゚)「内藤神父…!」
(丶´皿`)「ニャルのセンセイ!助けてください!」
( ^Ω^)「いいだろう。哀れな貴様の願いを聞いてやろう。
だが…奴らを放っておいていいのかな?」
突如、上から轟音。
211
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 01:02:35 ID:wsiqK6720
https://www.youtube.com/watch?v=v08Qfrj07jA
(丶;´皿`)「なんだ!?」
「チェーンジ!オオツキィ、ワン!」
寂れた最上階を突き抜け、オオツキロボが降臨する。
(綾;゚ -゚)「みんな!」
(・D・)「危機一髪だったな。アヤメのスマホにGPSを入れておいたのさ!」
(・J・)「せっかく救助に来たのだ、メンバーを潰すなよ。特にイー」
(・E・)「わかってらあ!チェンジ!オオツキスリー!」
渾身のハンマーパンチが吸血鬼に炸裂する。
(丶#皿`)「バカな…セキュリティは破壊してオスどもには悪魔の軍勢を送っておいたはずなのに…」
(・E・)「ある人の助言でな!射程圏内の悪魔を掃討するようにマシンを改装しといたのさ!」
(・J・)「チェンジ!オオツキ、ツー!」
腕のドリルがヴァンパイアに追い打ちをかける。
しかし、ぬめっとした手で止められる。
( ^Ω^)「なかなかやるな。だが、ここまでだ!
ここのホテル全体が生贄の魔法陣なのだ!」
内藤神父の肉体が裂け、名伏しがたい姿に変貌する。
(・・・)「我は邪神ニャルラトホテプ!男どもはまとめて死んでもらおう!」
https://pbs.twimg.com/media/EwdAHspVkAU5V7i.jpg
黒い翼から放たれる異界の風でオオツキロボが転ぶ。
ノ皐#゚⊿゚)「てめえかああああああ!よくもクロエ姐ぇを!」
っy=
(・・・)つ「テトラカーン!」
ありったけ放った散弾を全て返される。
オオツキロボが咄嗟に庇った。
(・パ・)「焦るなサツキ。そういうところは母似だな。
俺も奴には借りがある。じっくり追い詰めてやろうじゃないか」
(丶´皿`)「アスモのセンセイ!」
212
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 01:23:39 ID:wsiqK6720
http://f46.aaacafe.ne.jp/~aqul/aton/mt/74.PNG
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「人の子よ、ここまで来たのは見上げたものだな。
それもここまでだ、我が力見るがよい!」
奥の部屋から三つ首の悪魔が突進してくる。
(;・D・)「ぐおっ!
ジャック、オオツキツーの機動力で避け…」
(・E・)「いや、ここはこれだ!」
チェンジ、オオツキスリー!
無骨な戦車型マシンで押し返す。
(・パ・)つ「乱戦になってきたな。
アヤメ、お前は女の子たちを避難させろ」
(綾;゚ -゚)「はい。みんな!」
大きく手を振り、意識のある者を誘導する。
意識が戻っていないものは、数人がかりで持ち上げて建物の外に出す。
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「ジオラオン!」
オオツキロボがビクッと跳ねる。
電撃には弱い。
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「ブフダイン!」
ボディ全体を軽く氷漬けにされてしまった。
(;・E・)「くっ!うごかねー!」
(;・J・)「ペンパトラを使える仲魔はいなかったか…?」
(;・鼠・)「はやく乗るでやんすよ!」
ネズミの用意したトラックに、若い順から押し込まれる女子達。
(・・・)「ククク、美しい友情だな。
さて、近隣の建物にはまだ少しニンゲンが住んでるみたいじゃないか。
建物ごと叩き潰せば、どれだけ恐怖の絶叫を上げるかな」
(;・E・)「くそっ、やめろこの野郎!」
(・・・)「いいぞ、もっとだ!もっと恐怖し、憎悪しろ!
それこそが糧となるのだ!」
(・D・)「くそ、なんて奴だ…内藤め」
213
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 01:37:06 ID:wsiqK6720
https://www.youtube.com/watch?v=1HvUwr8XOV0
???「…」
「あれが魔王アスモダイよ」
???「あんな不細工イキリが魔王?ちょっと拍子抜けだな」
穴だらけになったホテルから邪神が三つの眼で見つめる。
(・・・)「ん?」
赤い出で立ちの男と、かわいい女の子が現れる。
(;・D・)「あ、あれは?」
???「マハラギオン」
クトゥルフの悪魔達ごと建物を焼き払う。
???「マハラギ」
続いて二棟目。
???「マハラギオン!」
主戦場にも放つ。
三つ首と邪神に反射される。
???「火炎反射か…面倒だ」
(・E・)「…なんてことしやがる!」
ノ皐;゚⊿゚)「敵の足を止める為に、わざと街を破壊してるのかよ…
クレイジーだぜ」
(;・D・)「やめろぉっ!まだ人がいるかもしれないんだ!
やめろぉっ!」
イズ#゚ー゚)ン「ドクおオオオオオォォォォッ!」
('A`)「…」
214
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 01:48:48 ID:wsiqK6720
(・パ・)「なんという戦い方をするんだ」
(・J・)「だが、少なくとも敵ではないようだな。
今は奴らを叩くことが先決だろう」
(・・・)「…なんだよ、あのイレギュラーは。
クククククッ、すごい、すごいな。
感じるぞ、圧倒的な憎悪と渇望を。
この憎しみ、普通じゃない!
面白い、面白いぞ貴様!」
(;・D・)「ドクオって、あの時のメガネ男か?」
超人は返答の代わりをする。
('A`)「…油断するな。まだ敵がくるに違いねぇ」
っy=
(・・・)「雑魚の処理は我々がする。
アスモダイ卿は奴を頼めるか」
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「よかろう。叩き潰してくれる」
かじりついていたオオツキロボを投げ捨て、突進する。
(・E・)「動けるぞ!」
(・J・)「チェンジ、オオツキ」
(・・・)「させるか」
また風を吹かせ、分離寸前の結合部にダメージを与える。
(・J・)「ツー!」
(;・D・)「無茶だ!合体事故が起こるぞ!」
無理矢理可変、合体する。
(丶´皿`)「あまいわ!マハジオンガ!」
ヴァンパイアもどきの存在を忘れていた一行は、直撃を受ける。
215
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 01:57:37 ID:wsiqK6720
(丶;´皿`)「ぐああああああ!」
しかし二人分のダメージを返されたのは向こうだった。
(・・・)「ペンタグラムの仕込みか。読みが甘かったな」
(;・J・)「ぐうううあああああああ!!」
(・D・)「どうした、ジャック!?」
(;・J・)「電子機器の異常で右腕が…挟まれた…」
(・E・)「大丈夫かよ!?
でも、このまま棒立ちだとやられるだけだぜどうするアニキ!」
(・J・)「私の誤判断だ…ツケは…自分で払う」
ジャックは右腕にナイフを突き立てる。
血が噴き出す。
(・J・)「ふぐううううううう!」
コクピットの映像を見ていた二人が叫ぶ。
(;・D・)(;・E・)「やめろ!」
(;・J・)「第二波が来る…暇は…ない…
オープン…ゲット!」
(・・・)「マハザンマ!」
両手から放たれる衝撃波を分離で避ける。
(J)「ぐがあああああああ!」
二号機から転げ落ちたジャックの腕は、無惨に切断されていた。
216
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 02:11:06 ID:wsiqK6720
(#・E・)「ジャック!てめえら…許さねえ!」
剣を構える。
ラン ゚ -゚)「にぃに!」
トラックに少女たちを詰めていたランが駆け寄り、建物の外に出す。
ラン ゚ -゚)「ひどい出血!応急手当を…」
(・パ・)「ラン、ジャックを頼む。イー、冷静に銃で追い詰めるんだ。奴の魔法は見ただろう」
っy=
(・E・)「わかったぜ!お師匠!」
っy=
(・D・)「…が」
(・パ・)「ディー?」
(・D・)「ジャックの痛みは俺が背負う!」
っ-l--゙
ペンタグラムを張りながら、突撃していく。
邪神の致死の風を防ぐ。
(・D・)「まずはお前だ!」
っ-l--゙
ヴァンパイアもどきに銀のナイフを刺そうとするが、腕を掴まれる。
召喚した妖獣はトラックを守らせている。
(;・鼠・)「ラン姐とジャックアニキを連れて一回戻るでやんす!御無事で!」
(^a^)「どうぞどうぞ、お逃げなさいな」
(・パ・)「貴様もか!エー!」
っy=
トラックの進路を邪魔するエーを撃つ。
悉く避けられる。
(^a^)「戦いに来たわけじゃあ、ありませんよ。
決着をつけたいなら本部で、ね」
男は一瞬でかき消えた。
「ぐあああああああああ!」
217
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 02:21:28 ID:wsiqK6720
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「ブフダイン!」
('A`)「ブフーラ」
相殺。
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「何のため三つもクビがあると思う!
ニンゲンの限界だ!」
二つの首から続けて氷塊が放たれる。
('A`)「マハラギオン!」
着弾前に溶かす。
だが少しかすり、身体が一瞬止まる。
('A`)「魔王の名は伊達じゃ…」
続いて電撃三連を食らい、凍った体によく通電する。
( ´艸`)( ゚д゚ )(^Д^)「ニンゲンにしてはよくやったな。死ね!」
巨体で体当たりをされ、三つ首の殴打を受ける。
('A`)「て、てめぇ…」
('A`)「皆殺しにしてやるぜッ!」
っ-l--
ムラマサで、噛み付いてこようとする右首を切断する。
( ´艸`)( ゚д゚ )「バカなッ!」
('A`)ニア「その怯み、いただき」゙
っy=
ブフーラが足元を凍らせ、胴体を黄金銃が貫通する。
口から何かを出そうとする両口をブフーラで塞ぎ、タルカジャをかける。
横凪ぎで一気に首を寸断する。
灰になった魔王は崩れ落ちる。
218
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 02:31:23 ID:wsiqK6720
(丶´皿`)「ブラッドスチール!」
(D)「ぐおおおおお…あ…」
首筋から血を吸われ、がくりと膝をつく。
(;・パ・)「ディー!」
(・E・)「アニキ!」
(・・・)「あー…やってしまったな。
吸血なんかしなければ勝っていたのに」
(丶´皿`)「どういうことですか?」
(・・・)「見てみればいい」
ガクガクと立ち上がるディー。
目は血走り、牙が生えている。
(・・・)「あとは『親』としての責務を果たすといい。
諸君、また会おう!いい見世物だった!」
邪神はぬめった翼で飛び立つ。
(・パ・)「待て!」
っy=
セミオートで撃つが、もはや遠ざかっていく。
(・E・)「お師匠!アニキが!」
(つ ゚血゚)つ「ウオオオオオオ!」
ヴァンパイアもどきを素手で引き裂き、断末魔の声を楽しんでいる。
(丶´皿`)「ギャアアアあ!?」
一分にも満たない蹂躙のあと、血を吸い返す。
あとはヴァンパイアもどきの元の姿であったであろう老人が、ミイラのようにカスとなっていた。
それも夜風に灰として消し飛ばされた。
219
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/22(日) 02:32:14 ID:wsiqK6720
今回はここまで
見てくださってる人いるのかなぁ…
220
:
名無しさん
:2022/05/22(日) 10:51:39 ID:MSEr25n60
乙乙乙
221
:
名無しさん
:2022/05/23(月) 20:25:00 ID:OQsxLeEU0
乙乙
まさかのドクオ登場だ!
ショボン達と合流する前にそんな事してたんだなあ
やっぱ普通の人達に比べるとかなり強いんだねぇ
222
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/24(火) 00:23:03 ID:0fnRwPRM0
>>220
ご愛読ありがとうございます。
正直、読んでいただいて感想いただけるのは結構励みになります。
個人的な解釈では、平和な現代からいきなり悪魔との
デスサバイバルに引きずりこまれた大破壊前生まれの人間の方が
物心ついてから既に悪魔が隣人的存在で、
対処法もある程度あって慣れてしまっている大破壊後生まれの人間より強いと解釈しています。
わたしがどっくん贔屓めなのもありますが。
こっちの方はもうラストまで突っ切ります。
こんごともよろしく…
223
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/24(火) 00:25:20 ID:0fnRwPRM0
('A`)「伝言だ。
>>221
さんへのレスを忘れていたとよ。
('A`)「応援してくれてるのに、間抜けな作者で申し訳ねえな。オザワの首いるかい?」
つ(゚ノД゚)
224
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/26(木) 22:41:26 ID:jwK.sv7.0
('A`)「助けてやったんだ。勝手で悪いが少しの間、滞在する。
こいつは俺の女だ。手出した奴は撃つなり斬るなり焼くなりしてやるからな」
イズ*゚ー゚)ン「ょ、よろしくお願いいたします…」
ズンと重い空気が走る。
(・パ・)「痴話喧嘩は終わったのか」
('A`)「まぁな」
二人で屋上に行く。
(・パ・)「やっぱり…生きていたのか」
('A`)y-「お互いにな。吸うか」
(・パ・)つ「大破壊後ではロクに手に入らないからな。大事にいただこう」
一本取る。
('A`)「詰めがあまいぜ、ディー」
(・パ・)y-「なに?」
('A`)「虫もブチ殺せねぇような兵隊じゃ、悪魔は倒せねぇ」
(;・パ・)「だったら俺達の仲間になれ!俺達は多くの同志を必要としている!」
('A`)「お前らの大義なんか知るか。勝手にやってくれ。
それよか、あの威勢のいいのはお前のガキか。立派に育ったもんだ」
(;・パ・)「気付いていたのか…あいつにとっては、生まれてから辛い事続きだったはずだ」
('A`)
ノ皐゚⊿゚)「ん?あの野郎、上から俺達の事睨んでるぜ!喧嘩か?」
(;・E・)「ガチで殺されるぜ。やめとけよ」
225
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/26(木) 23:14:40 ID:jwK.sv7.0
イズ*゚ー゚)ン「はい、どーぞ!お口に合うかしら?」
https://i.imgur.com/pV1va9J.jpg
女神は小さい子供達と既に打ち解けている。
レシピ本を秒で読み、普通のリンゴを即栽培し、女子陣と共にアップルパイを作った。
パイシートなしで作るアップルパイは本当に面倒だ。
朝起きてきた子供たちが芳香で防空壕から出てくる。
「おお、おいしそー!」
「おれのだ!」
ノ皐゚⊿゚)「俺のもでもある!」
イズ;゚ー゚)ン「まだいっぱいあるから!」
(*・E・)「アホかサツキ!すんませんどうも(かわいいなぁ。悪魔とは思えん)」
ラン ゚ -゚)「本当に色々ありがとうございます。最近皆沈みがちで…」
イズ*゚ー゚)ン「いいのよ。私だって楽しいし。子供達はかわいいし。
小麦粉とバターがあってよかったわ。
ところでお兄さんは大丈夫?」
ラン ゚ -゚)「あ…」
イズ;゚ー゚)ン「あ…ごめんなさい。私にも兄がいたから心配で」
ラン ゚ -゚)「ありがとうございます。緊急搬送して止血と輸血は済ませたので…
今はリー…ディーと一緒に眠っています」
イズ*゚ー゚)ン「無事に目を覚ますといいわね」
ラン ゚ -゚)「ええ。ところでイズンさん…」
イズ*゚ー゚)ン「なぁに?」
ラン;゚ -゚)「黄金のリンゴというもので、兄の腕は治せないでしょうか?」
イズ*゚ー゚)ン「ごめんなさい…普通の人間には黄金のリンゴの効果は強すぎるのよ。
あれは神が若さを維持する為のエネルギーだから…わかるでしょ?」
ラン ゚ -゚)「いえ…すいません。無理を言ってしまって」
イズ*゚ー゚)ン「こちらこそ何もできなくてごめんなさい」
ラン ゚ -゚)「とんでもない。イズンさんの回復魔法のおかげで、随分と怪我人が治りました」
226
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/26(木) 23:36:01 ID:jwK.sv7.0
('A`)「呑気なもんだな。いつもああなのか」
(・パ・)「いや。俺はしばらくあの邪神の手がかりを掴むのに奔走していてな。
顔を見せたのはあのヴァンパイア襲撃の時にようやくだ」
('A`)「間抜けな野郎だったな。まさかお前の仇を護衛にしていたらハーレム作り損ねるなんてよ、ひひ」
(・パ・)「笑いごとじゃないぞ!重傷者が二人もなんて…
いやお前のせいじゃないな…俺のせいだ」
('A`)「なぁ。『私はお前の父だ』って映画ばりに告白しちまえよ」
(;・パ・)「馬鹿を言うな!クロエ…あいつの母親を置いてけぼりにしていったなんて言えるはずが…」
('A`)「謝るなら早ければ早いほどいいと思うけどな。
溝も深まるのが早いんだぜ?」
(・パ・)「年寄りみたいに達観しやがって。しかし本当にここにいてくれないか?
他に行くあてもないんだろう?
オザワを倒してメシアを解放したというその実力を見込んでなんだ」
('A`)「話に尾ひれがつきすぎてやがる。
俺はオザワのタマを取って秩序を崩しただけだ。
…シーの事、引きずってるのか?」
(・パ・)「まぁな。だからこんな幼稚園みたいな事し始めた。
あいつはもう戻ってこないってのにな
だがエーが生きているという噂を掴んだ。その為に俺はここを空けなきゃならない」
('A`)「だから用心棒になれってか?どいつもこいつも…
俺にはやることが山ほどあるんだ」
(・E・)「しかし妙だよな。オザワ殺しの生ける悪魔合体、ドクオさんか」
アップルパイを頬張りながら二人が言う。
ノ皐゚⊿゚)「何言ってんだイー?そしてなんでさん付け?」
(;・E・)「強い男には尊敬の念を示すもんだぜ!
だってよぉ、ドクオさん達は大破壊ミサイルの爆心地にいたんだろ?
お師匠は兄貴に守ってもらって助かったらしいからわかるが…」
(;・E・)「それになんであんなに若いんだ。
お師匠と同世代には見えんぜ」
227
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/27(金) 00:02:29 ID:waBze.qc0
('A`)「俺は…あの時見た」
(・パ・)「あの時?」
─
(;・∀・)「死ねやァ!小僧!」
っ-l--゙
(□A□)「それは!こっちのセリフだぜ!!」
っy=
オザワの肩を弾丸で貫き、ナイフ裁きをマシンガンで防ぐ。
そこで閃光。
(□A□)「詰みだ。アギラ…」
(;□A□)(なんだこの光量は!ここは地下だぞ!
ショボンの奴、何かしくじ)
( ;∀;)「うわあああああああ!どきやがれ小僧!
ブレードの野郎!一人でシェルターに逃げやがったな!」
(;□A□)「うぎぎぎぎぎ…うわあああああぁぁぁ!」
─
('A`)「その時、俺は破壊の光ではなく優しげな光に包まれた。
そして打ち捨てられた空間、いや現世と隔離された空間で目覚めた」
─
金剛神界
(□A□)「…た 助けてやる
ミヤズ 今助けてやる」
うなされて蹲るドクオの首元を何かがかすめる。
地霊ツチグモの脚だった。
https://pbs.twimg.com/media/FCInaAmVgAM9rwC.jpg
(□A□)「このファンシーな壁紙…どうやら夢じゃねえようだな」
(□A□)「平安京のデビルバスター、源頼光が相手じゃなくて悪かったな!」
っy= っy=
(□A□)「邪魔する奴は誰でも倒す!うおおおおおおおおおおおおオ!!!」
228
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/27(金) 00:18:23 ID:waBze.qc0
─
(*´ω`)「ドクオよ、お主はこっちじゃ」
荒れ果てたトウキョウを駆け抜けていく三人の男の姿が見えた。
「共同体社会成立万歳、だよな。
メシア教出身の嫁さん貰えたしよ。
腕に変な機械つけたキチジョウジの高校生が
神と悪魔やっつけてくれたおかげだ」
「2050年前後の歴史には近づかないわ。時間旅行者なら常識中の常識よ。
昔に起きた…やらの余波が残っているとかで、縁起が悪いんだって」
(;□A□)「…だと…?」
─
(□A□)「俺は時の回廊で、様々な時代を見た。生まれる前から本来の最期までだ」
https://www.youtube.com/watch?v=aYL6qurL9pU
─
(;▽;)「そろそろ危ないから帰るでありんすよ!ドクオ君お元気で!」
(0倡0)「我は雷電属トール!キサマが真の戦士が見定める!」
(・前・)「ご苦労だったな。ここを通れば元の世界に戻れる…」
(・後・)「だが、俺達に勝てねば…ここは通さん!」
(´・ω・`) 「これで決める!ブーン!」
(;^ω^)「はいお!」
(□A□)「アギラオ!」
─
(□A□)「そして俺は…帰ってきた。
オザワの一族を今度こそ根切り…皆殺しにする為に。そして糞運命をブチ破る為に」
(;・パ・)「信じられない話だ…が
現世と隔離されていたから歳も取っていなかったのか。
大破壊も、お前にとっちゃつい昨日の出来事ってわけだな」
('∀`)「フッ」
https://i.imgur.com/LlXTw3Q.jpg
229
:
名無しさん
:2022/05/29(日) 12:07:26 ID:/TxGgu9A0
乙
本来の最期って言ったらあれだよねぇ
それをぶっ壊すってことはドクオも生存ルートクルー?
230
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 21:27:40 ID:J55sSvzM0
翌日の食堂。
(・パ・)「お客人には少し席を外して…いや、構わんか。
間接的に助けてくれた恩人だ」
('A`)「俺の気持ちを変えるつもりか?無理だね」
(・パ・)「エンブリオンの諸君!私はライシン。
かつてのリーダーでもあった。顔を知らない者も多いであろう」
演説が始まる。
(・パ・)「オザワの独裁の瓦解により、周辺の悪魔が活性化した。
それによって悪魔にエンブリオンの家族達が連れ去られた事は皆知っているだろう」
一呼吸置く。
(・パ・)「二代目リーダー、ディーは悪魔と勇敢に戦い、攻撃を受けなんらかの変化が起きた。
多少は悪魔と化したかもしれない。
そして幹部にして現リーダーのジャックは腕を失った」
会場が一気にざわつく。
(・パ・)つ「だが、差別やいじめをしてはいけない!
皆を助け、守る為に必死にやったのだ。
それを馬鹿にする事は誰にも許されない」
多少暗い雰囲気になったまま食事になったが、イズンのリンゴがおまけとしてついた事による喜びの方が幼い子達には嬉しかった。
イズ*^ー^)ン「みんな嬉しそう」
(・パ・)「イズンさんのおかげです。ありがとう。
食事が終わり次第、幹部とドクオさん達は集合してほしい」
231
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 21:41:53 ID:J55sSvzM0
(#・E・)つ「てめえジジイ!のせいだ!」
(・月・)「あまいわ!」
>
機械の腕で受け止める。
(;・E・)「チッ。てめえがロボのメンテを怠ったせいで、ジャックはなぁ!」
(・月・)「私のせいという科学的根拠はない。
そもそも長らく私を呼ばずほったらかしにしておいた方が悪いのだ」
(・血・)「イー、よせ。ジャックに障る
すいませんドクター」
(-J-)
ジャックは会議室のソファーに寝かされている。
服の下の右袖がブカブカになっている。
ラン ゚ -゚)「…兄さん」
(・月・)「おお、これはひどいな。
機械の義手を作るか?時間はかかるがな。
8000マッカやら5000マッカなんぞ取る気はないぞ。サンプルを取らせてくれるならな」
ラン ゚ -゚)「お願いするかもしれません。
…でも、兄の気持ちが落ち着くまで待ってください」
(・月・)「ええよええよ。一応、腕周りの寸法から始めるかの」
断面にメジャーを当てる。
(・月・)「しかしディーよ。いい面構えになったな」
(・血・)「よしてください」
(・月・)「ん?そこにいるのは…」
232
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 22:11:06 ID:J55sSvzM0
(・月・)「お前が悪魔合体に成功したという男かぁー!」
歓声を上げドクオに飛びつく。
(^月^)「えー体しとるのぉ!宮本明を思い出すわい!」
つ(;'A`)と
(;'A`)つ「なんだこのきったねえジジイは…!」
頬ずりされて軽く投げ飛ばす。
(;月;)「うひょぉー!うおおおおーん!」
歳柄にもなくひょうきんに泣き出す。
(・月・)「おっ、見た事のない悪魔だな!モテモテじゃな!」
イズンを見る。手は流石に取らない。
しかし籠の金のリンゴを手にする。
(・月・)つ〇「ん?こいつはなんだ?」
イズ;゚ー゚)ン「初めまして。それは神々に献上する黄金のリンゴです
人間の方は食べられませんよ」
(・月・)「んー、あんたがそうか!
メシア教で召喚された北欧の悪魔の一体っていうのは!
リンゴリンゴとうっさかったからのぉ」
(・E・)「じじい、メシア教の仲間なのか!」
(・月・)「冗談じゃない。私の腕を見込まれてマシンの開発やらを依頼されてるだけだ。
思い入れなんかないよ。
ああ、丁度いい。このリンゴ、少し分けてもらえんかな?」
イズ;゚ー゚)ン「いいですけど、人間には意味がないどころか…」
(・月・)「そんなのは知らん!科学的根拠などない!
加工すれば面白いことになりそうじゃからのう」
('A`)つ
(・月・)「なんだその手は?改造してほしいのか?」
('A`)つ「リンゴ持っていくならマッカ。金には困ってねぇが、タダほど高いもんはねぇ」
(・月・)つ「お安い御用!」
233
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 22:31:57 ID:J55sSvzM0
(・パ・)「そろそろ本題に入っていいかな」
('A`)y-「そうしてくれ」
(・E・)「ドクオさん、それタバコって言うんですよね!兄貴が吸ってたのと似てる!
俺にも一本くれませんか?」
('A`)つ「いいぜ。食後に吸ってみな、トぶぜ。
兄貴がいるのか?」
(・E・)つ「あざっす!
いや、本物の兄貴じゃないんですが、俺達が小さい頃に色々助けてくれて。
そういやドクオさんと同じくらい強かったし、雰囲気も似てるっすね」
('A`)「ふうん」
(・パ・)「では気を取り直して。
先日の戦いの損害をまとめる。
オオツキロボは回収できたものの大破、ジャックは合体事故に巻き込まれ右腕を欠損。
幸い拉致されたメンバー達に被害はない。
そして…」
(・血・)「俺のヴァンパイア化ですね」
234
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 22:56:17 ID:J55sSvzM0
(綾゚ -゚)「わかるの」
(・血・)「ああ。自分の体だからな。
代わりに、変な悪魔祓いの男で負った後遺症は綺麗サッパリ消えた」
(綾;゚ -゚)「よかった。本当によかった…!
ずっと面会謝絶だったからもうダメかと…」
アヤメが抱きつく。
(;・血・)「み、皆の前だ。やめておくんだ」
ラン ゚ -゚)「ディーにはどんな血液型の輸血も可能でした。
それがヴァンパイアという悪魔の特性なのですか?」
(・パ・)「ああ。夜魔ヴァンパイアは通常、あらゆる生物の血を吸いつくし体内で自分の血液に変換する。
だから実質血液型はないに等しい。
しかし妙だな」
親父が顎に手を当てて首をかしげる。
(・パ・)「ヴァンパイアは仲魔を増やす為、人間の血を吸ってエキスを注入し、従属させ『子』とするのだ。
『親』のヴァンパイアが倒されたら『子』のヴァンパイアも灰になって死ぬはず。
先に交戦したのは中途半端なもどきだったから、親ヴァンパイアが倒れても生き永らえたんだろう。
だがディーの場合は、『親』となるもどきを殺してもそのまま生きている」
('A`)y-「俺もチラッとしか見てねぇが、吸血されて速攻で殺したから影響がなかったのか。
血を残らず吸い返したから持ち堪えたのか」
(・血・)「もう一つの可能性があるかもしれません」
235
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 23:11:19 ID:J55sSvzM0
(;・パ・)「なに!?そんなことは聞いていないぞ!」
(・血・)「…すいません。あの頃はいっぱいいっぱいで
話すと皆に心配をかけると思って」
(・E・)「どんな過去があってもアニキはアニキだよ!」
ノ皐゚⊿゚)「そうさ!」
(・血・)「皆…」
(・く・)「アニキ!助けてくれぇー!」
(・パ・)「久しいな、ホブゴブリン。どうした」
(;・く・)「悪魔の大群が押し寄せて…隔壁がどんどん破られていってるよ!
マンティコアの爺さんが奮闘してるけど…数が多すぎる」
(・E・)「じじいがいねえぞ!」
('A`)つ シュッ
つ
(・パ・)「俺達も出るぞ!
それとディーとサツキ、お前達には個別で話がある…
だから…
ハジをかくなよ!」
236
:
◆MxHvQqijkA
:2022/05/29(日) 23:26:58 ID:J55sSvzM0
邪鬼ウェンディゴの群れが数百体寿司詰めになっている。
門の前で白衣が立っている。
(・ウェン・)「ぎゅぐいyぎうぎぎぃうyふ!?yぐyぎゅぐ!」
(つと)「だーれだ」
と(・月・)つ「私だぁー!プラズマッシャー!」
白衣をはだけ、全身からプラズマ搭載小ミサイルを発射し、先頭の数体が焼け焦げる。
(・パ・)「博士!くそっ…こんな数では…」
門外の防衛マシンは、ウェンディゴ達がへばりついて凍り付いている。
('A`)「…」
報を聞いて真っ先にイズンをお姫様抱っこし、跳躍したドクオが話しかけているようだ。
ノ皐゚⊿゚)「(デブのホブー!もっとはやく疾走れー!」
(;・く・)「ハァ…ハァ…」
('A`)「何が目的だ。雁首揃えてきやがって」
ドクオがスマホも起動せずに話している。
もはや悪魔の身となって会話程度なら必要ないのだろうか。
親父が慌ててプログラムを起動する。
(・ウェン・)「オールドワンを倒したあのマシンがなくなったって?
ニャルラトホテプの野郎に聞いたぜ」
(・パ・)「それで、何が欲しいのだ」
(・ウェン・)「お前ら全員の首だ!
ニャルの野郎に言われたのもあるが、うちの同族を悪魔質にして散々絞り取りやがって!」
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