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それじゃあ、バイバイのようです

7 ◆Jf73tb1kAI:2021/10/17(日) 21:50:35 ID:N7zK4HMk0
『She'sカフェ』の店内へ去っていく女性に、ありがとうございましたと一礼をして見送る伊藤さん。
僕はなんて言葉をかけたらいいか、そればかり考えていた。
いざ会ってみると懐かしさだとか恐怖だとかより先に、「本当にいた!」という驚きの感情が勝ってしまって、何も言えなくなってしまっていたからだ。
「久しぶり」とでも普通に言えばいいのか、はたまた「あんた誰?」とでもとぼけるか。
僕は色々と考えながら逡巡していた。

('、`*川「あの、モララー君、来てくれてありがとうございます」

そうしていると、彼女の方から話しかけてきた。引きつった笑みで、かなりぎこちなく。
モララーという、大分昔のあだ名を言ってきたことから考えても、やはり彼女は幼馴染の伊藤さんだ。
彼女はおそらくだが、何かを言わなきゃと必死になっているのだろう。誘った張本人であることもあって、僕の数倍緊張しているはずだ。
そんな彼女が無理矢理とはいえ笑顔を作って話しかけてくる。
こんなに健気な事をしてくれる相手を無下にすることは、許される事なのだろうか。

( ・∀・)「いや、ね、幼馴染からの手紙だったから」

('、`*川「ごめんなさい、いきなり手紙なんてビックリしましたよね」

( ・∀・)「そりゃあそれなりに驚きましたよ」

( ・∀・)「なんせ今時手書きの手紙をしたためる物好きがいるなんて思いもしなかったし」

その言葉を聞くと、彼女は硬かった表情を少し崩して、笑った。
まだ硬さが残る笑みだったが、それでも先程までよりは大分マシだった。

('、`*川「連絡先、聞いたんです、モララー君の」

('、`*川「そうしたら下宿先の住所と、モララー君の電話番号を教えてもらえて」

('、`*川「とてもじゃないけど電話する勇気は無かったので……お手紙を書かせてもらいました」


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