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それじゃあ、バイバイのようです

19 ◆Jf73tb1kAI:2021/10/17(日) 22:05:59 ID:N7zK4HMk0
いざ歩き始めても、突然はずむような会話は無かった。
また僕たちはしばらく無言のまま歩き、海沿いの夜景をただ歩きながら眺めているだけだった。
しばらく歩くと公園があって、ベンチが数基、海の方に向かって並んで設置されていた。
砂浜へと降りることのできる階段もあり、色々と遊べる公園だ。
僕と伊藤さんは空いていたベンチにとりあえず腰掛ける。
街灯の明かりだけが僕たちを照らし、波の音が響くこの場所。ライトアップはされていないが、十分素敵な場所であることは間違いない。

「で、話したいことって何?」
そう聞こうと隣りに座った彼女の顔を見ようとしたその時。
隣から鼻をすする音が聞こえてきた。
僕は恐る恐る彼女の顔を見る。すると顔を歪めながら涙をポロポロ流している彼女がそこにいた。

(;・∀・)「えっ、ちょっと、どうした?」

それを見て僕は混乱した。
とりあえず今まで彼女が泣くような事はしてこなかったし、今泣く理由も分からない。
なんだって言うんだ、本当に。泣きたいのはむしろこっちの方なんだぞ。

( 、 *川「私、全然話せてない」

( ・∀・)「ええ?」

( 、 *川「話そうと思ってた事、何一つ話せてない……」

そう言いながら先程より多くの涙を流す彼女。
僕はその姿を見て、何とも言えない感情が浮かんできた。
何をやっているのだろうとか、そんな泣くほど話したかったのかとか、もう早く家に帰らせてくれとか。
とにかく色々な感情が、浮き上がって混ざってグチャグチャになっている。


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