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('A`)姥捨川のようです

9 ◆SvZ5lqBEjM:2021/10/16(土) 19:16:49 ID:XDMznai60
('A`)「ああ……。それでさ、昨日警察から電話がかかってきたんだけど―――」


それからしばしの間、母と会話をした。
母が言うには、買い物で遅くなっただけで特別変なことはしていないのだと。

しかし、俺が週末に帰郷するつもりだと告げると、母は大歓迎だった。
「お父さんのお墓にも顔見せてあげなさいね、きっと喜ぶから」と。



そして週末、俺は新幹線に乗り込み、数年振りの帰路に就く。

窓から流れ行く風景を眺めつつ、考える。
母と電話した時―――もしそこで、特に何も察知しなければ、わざわざ帰る必要も無かったかもしれない。
しかし俺は、その時に漠然とした不安を抱えていた。
「まさか……」と思う反面、きっと思い過ごしだろうと、半ば強引に楽観視していた。



だが、そういう時の不安というものは、往々にして当たってしまうのだろう。
本人の希望に反する形として。



新幹線から普通電車に乗り継ぎ、さらに揺られること数時間。最寄りの駅に到着した。
駅を出て、家までの道のりを歩いていく。
幅の広い川に沿って進んだ。幾百とも見てきたその景色に、思わず舌打ちをする。


('A`)(ちっとも変わらないな……。まるでこの一帯だけが時代に取り残されたようだ。それが嫌で、俺は―――)


この町を捨てて、都会に出た。
もはや俺にとって、ここは帰ってくる場所では、無いのだ。


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