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幸せを運ぶ青い花のようです
12
:
◆.gUmAKQk76
:2021/10/16(土) 00:20:14 ID:oseQiRso0
そうしてまた数ヶ月後。
あれからどんどんと寒くなり。
気がつけば村はすっかり雪におおわれていました。
(; ・∀・)「困ったな......」
彼は思わずそんなことを呟いてしまいます。
彼の目の前には病で苦しむ人が何人もいました。
そう、彼が困っているのは決して雪ではなく、体調の悪い人が予想のはるか上を行く数になっていたのです。
(; ・∀・)「薬は効いてるみたいだけど......うーむ、村の貯蓄じゃあ栄養が足りないのか?」
薬で症状は抑え込めてもなかなか完治ができません。
寒く、そして栄養の片寄った備蓄の食事ではいくら薬があってもその効果は低く、普段の何倍も治りが遅くなっていました。
(; ´∀`)「お、お願いだよ......万能薬、万能薬を......」
患者の皆が、苦しそうな声で薬師に万能薬を求めます。
(; ・∀・)「す、すみません......万能薬は」
(; ´∀`)「うぅ......頼むよぉ......苦しくて死んでしまいそうなんだ......」
(; ・∀・)「......」
薬師はただ、患者の苦しむ姿を眺めることしかできません。
確かに万能薬を使えばすぐにでも治るでしょう。
しかし万能薬の残りを考えれば他の薬で治すことのできる病に使うことはできません。
(; <●><●>)「おねがいです、どうか......」
(; ´∀`)「たすけて......ごほっ」
(; ・∀・)「......ごめんなさい」
万能薬を使ってしまいたくなる気持ちをどうにか抑え、ただひたすらに謝ります。
村の将来のことを考えれば、それが正解でしょう。
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