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それは砕けし無貌の太陽のようです

75 ◆HQdQA3Ajro:2021/10/16(土) 00:37:48 ID:jePDeZ3M0
               明


「なあ先生よ。争いってのは結局、信じる幸せの相違から起こるんでしょうな」

バカをやって、捕まって。そこを親父に拾われて。

「俺の幸せ、あんたの幸せ、あいつの幸せ、時代の幸せ――」

生きた心地なんてしない毎日で、そいつが実に充実していて。

「私はね、お世辞ってもんを口にしたことがないんです。ただの一度も、誰に対してもね」

親父の組を、俺の力で大きくしている実感があって。

「それがね、自慢なんですわ。
 そいつが私の矜持で、美学で、私なりの時代の愛し方ってやつだったんです」

そいつがずっと、この先死ぬまで続くもんだと思っていて。

「あんたの本にも、不格好な意気地を感じた……」

……まあ、若かったって、ことなんだろう。

「所詮は虚しい世迷い言<あの頃はよかった>に過ぎんのでしょうな、
 時代<今>に乗り遅れちまったジジイどもの」


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