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それは砕けし無貌の太陽のようです
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◆HQdQA3Ajro
:2021/10/16(土) 00:24:55 ID:jePDeZ3M0
数日の辛抱だ。そう言い聞かせ、俺は盛岡を無視した。数日もすれば照出がもどってきて、元の生活にもどる。
高良のやつがどういうつもりでこの男を送ってきたのか知らないが、俺にこいつは合わない。
いや、こいつでなくとも、誰も俺に合いはしないのだ。……照出を、除いては。
だから俺は待った。さっさと帰ってこい。いつまでも人を待たせるなと腹を立たせて。
だが、三日経ち、五日経っても照出はもどってこなかった。流石に不信が募った。
俺の預かり知らぬところで、何か異変が起こっているのではないかと。盛岡は当てにならなかった。
自分は代理に来ているだけで、他のことはよく知らないと、それしか言わなかった。
直接電話を掛けようとも思った。何度も思った。だが、結局やめた。
電話を掛け、それで何を話せばよいというのか。お前がいなくてさみしいとでも?
それともどうして一人にするのだと怒り狂う? バカなそんな、みっともない。そんな真似、できるわけがない。
それに……それに。切羽詰まって電話をするという行為そのものに、抵抗があった。
それは、必要以上に照出を追い詰めてしまうことになるのではと思われて。
父との一件を、おそらく一生抱えていくであろう照出の心傷を、可能な限り刺激してやりたくはなくて。
故に俺は、自分から電話を掛けるのは、やめた。そうして更に二日経ち、三日経ち、そして――十日が経過した。
「これはこれは先生。どうですか盛岡とは。うまくやれていますか」
あいつも変わり者ですが実績はある男でしてね、
読書数はうちの中でも随一ですしきっと先生のお役に立つはずですよ。
軽薄な声で、べらべらと自分の都合ばかり話す。本当に、勝手な、高良。
俺が抱く“編集”像そのものである男。この世で最も唾棄すべき存在。
「照出は」
だが、そんな男でも部署を預かる群れの長だ。
長じてなお使えぬ男では有るものの、それでも部下の動向の把握くらいはできているはずだろう。
「照出は、どうした」
最低限の期待を込めて、尋ねる。しかし、返ってきたのは沈黙だった。
まさか、この程度の期待にも応えられないのか。早くも憤りつつ、それでも俺は高良の返答を待った。
すると電話校の向こうから、高良の声が聞こえてきた。聞こえてきたのは、唸り声。
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