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それは砕けし無貌の太陽のようです

39 ◆HQdQA3Ajro:2021/10/16(土) 00:20:35 ID:jePDeZ3M0
両手で顔を覆い隠し、目の前から隠された“顔”。
俺の言葉に呼応し、開かれた中指と人差し指の間から覗く“目”。

「不細工だな」

理解が追いつかず、ぽかんと口の開いた間抜けな“顔”。
理解が追いつくとともに紅潮し、釣り上がる“眉”。

「あんまりですよ先生! 乙女の純情もてあそんでこのやろー!」

迫力のない“顔“でわあわあと、私は怒っているぞと精一杯主張するその頭部。
砕けてもおらず、黒穴が広がってもいない、その、目まぐるしく移り変わる、人の、“顔”。

照出の、顔。

「食べないのなら先に帰るぞ……………………デレ」

立ち上がり、会計へと歩を進める。
ばたばたとした物音と共に背後から、強い勢いで騒がしい声がぶつけられる。
俺は気付かれないように、僅かに、僅かに身体を傾けて、俺を呼ぶその者の顔を確かめた。

「先生、いまデレって言いました? デレって言いましたよねせんせー!」

とてもうれしそうに笑う、その顔を。

照出麗奈について判明したこと。
ひとつ。不細工という形容には腹を立て、それから……デレと呼ばれると、喜ぶ。


書ける気がした。


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