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それは砕けし無貌の太陽のようです

36 ◆HQdQA3Ajro:2021/10/16(土) 00:19:01 ID:jePDeZ3M0


『おまえはわるくないよ』


スクリーンが切り変わる。

(やめろ……)

青年がいる。青年が、彼の木の前に立っている。

(やめてくれ……)

無数の紙片が、その一枚一枚が、
その一行一行が至宝そのものであったそれらが、風に呑まれて散っていく。

(こんなもの、見せないでくれ……)

凝固した眼球は、それから視線を外すことを赦さなかった。
これより起こることから目を離すなと、肉体が精神を戒めた。

(やめろ、やめてくれ……)

青年が、スクリーンの向こうから俺を見ていた。
俺を捉え、認識し、微笑んだ。

(お願いだ……)

頭蓋の砕けたその青年が。無間の洞が。そして、洞の底にて仄見える――。

(頼む、助けて――)

青白く腐敗した、太陽の残滓が――――。

(だれかぼくを――――)

首を――――――――。

(だれか――――――――)

.


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