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それは砕けし無貌の太陽のようです
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◆HQdQA3Ajro
:2021/10/16(土) 00:12:41 ID:jePDeZ3M0
照出麗奈は、関係ない。
照出麗奈が会場へ付いてこなかったことと、この苛立ちとの間には微塵の相関関係も、ない。
「ごめんなさい先生。今日だけはその、どうしても外せない用事があって」
外せない用事、三日の連休。理由を探れば、どうやら叔父がなんだという話。
事故や不幸の類でもないそうだ。急な要素など、どこにもない。つまるところ、口実なのだ。
逃げるための口実。俺から。かつて理想の存在であり、而して実像に触れたことでその認識を改めてしまった、
ニュッという作家から。驚くことではない。そんな経験は、これまでにも何度も出くわしてきた。
結局奴らは、口だけなのだ。多少冷ややかに対応されたくらいで嫌気が差し、容易く言葉を撤回する。
当然だ。何故なら奴らは、“編集“なのだから。始めから期待などしていない。期待など、始めから。
故に、相関性など絶無なのである。この苛立ちと、照出麗奈の二項において。
あいつがどこで何をしていようと、俺の知ったことではない。断じて。
スピーチを終える。畜群が一斉に、ばちばちと蹄をかき鳴らす。
轟々と圧を伴い壇上へとぶつけられるその波、熱。仮面の群れ、畜生の群れ。
ああ、うるさい。
「ようようニュッちゃん、ずいぶんご活躍みたいじゃんか、なあ」
思慮浅きマスコミの中身無き質問攻めに辟易し逃げ込んだ先の厠で俺は、面倒な男に絡まれた。
男は引き寄せるようにして肩を組み、旧来の親友かのように馴れ馴れしく顔を寄せてくる。
「俺も鼻が高いってもんよ、目にかけた後輩がこんなに有名になってよ」
「……どうも」
男の名は、ジョルジュ。本名ではない、ペンネームだ。
俺よりも数年前にこの世界へと入り、確かに男の言う通り、一時は世話にもなっていた。
……いや、正確に言うなら面倒見の良い先輩というジョルジュの自己アピールのポーズに、
無理やり付き合わされていた。
「ところでよ、ニュッちゃん聞いたぜ」
ぐいっと、強引に肩を引き寄せられる。酒くさい息が鼻腔を突く。
「キツネのやつ、袖にしたんだってな」
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