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( ^ω^)が異世界でアイドルと一緒に駆け上がるようです
1
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 01:31:46 ID:p0DR/8iY0
( ・∀・) 1.安価作品です。そこそこの頻度で安価が発生したりしなかったり
2.異世界転生します
3.現代知識無双やチーレム展開はありません
4.設定が覆ることもありますが勢いを大切にするときもあります
5.数レス程度でも毎日投下出来たらいいなぁという目標は持ってます
.
2
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 01:32:37 ID:p0DR/8iY0
( ^ω^)がアイドルと一緒に駆け上がるようです
第1話 就職
.
3
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 01:33:06 ID:p0DR/8iY0
―――― ==  ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ―― __――_━ ̄ ̄ ――_―― ̄__ _ ̄― _ ――_━ ̄ ̄
_―_____ ̄ ̄  ̄ ̄‐― ―――― ==  ̄ ̄ ̄ ――_ ―― ̄__ _ ̄― ==  ̄ ̄
 ̄___ ̄―===━_ _ _ ̄― ==  ̄ ̄ ̄ ――_――__―_ __ __ ̄ ̄  ̄ ̄ ――_―
_________.___________________________,
./" ̄ ,..-‐:,''"~|i| |
/ / ':, |l| /\___/ヽ |
,.-,'............................く,,,,,,,,,,,,,,,,,,;,ノl| /'''''' '''''':::::::\ .|
,_/´_______,´____ヽノ| |(●), 、(●)、.::| |
,| i ∧_∧. Of ̄~i.r――:i.|i‐i |;.| | ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| |
[;;] ! (・∀・ ) |[;;] |.| ,!|l .l |;.| | `-=ニ=- ' .::::::::| |
ヽ| っ⌒'と ) l[;;]_! !-‐'''"~ |~~ ! | \ `ニニ´ .:::::/, |
i ̄: ̄ ̄ ̄ ̄ : ̄i_| i'''"~フ =.|_|;.| ダディクール ,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、 |
|、_.:lニ=(-)=ニl:._∠l ''''=~ __'、__i;.| 異世界便 新鮮さをクールにお届けします |
,!==iニ====ニi===l|i-―,:''"ニ二|_|___________________________|
|‐-.,ニニニニ,.-‐y!l_//⌒ヽ;;;;i――――――――――――――‐i,//⌒ヽ;///⌒ヽ.ヽi――――‐! |
! ̄= [二] = ̄~ !二|」i ($)i ;;;|:ニニニニニニニニニニニニニニニl;|iii ($).iii:iii ($).i;;;;|lニニニニニ,/
 ̄ ̄ゞ;三ノ ̄ ̄ ̄ ̄ゞ_,ノ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ゞゞ;三ノ ゞゞ;三ノ  ̄ゞゞ,_ノ ゞゞ_ノ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄~≡3
―― ―― ==  ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ ―― __――_━ ̄  ̄ ――_―― ̄___ ̄―= ̄ ̄  ̄ ――
_―__ ___ ̄ ̄ ̄ ̄‐― ―――― ==  ̄ ̄  ̄ ――_―― ̄___ ̄ ― ―――
 ̄___ ̄―===━_ __ ̄― = =  ̄  ̄  ̄ ――_――__―____ _  ̄ ̄  ̄ __  ̄― =
(; ^ω^)「ぐあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!! 」
4
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 01:34:22 ID:p0DR/8iY0
内藤線太郎は東京都にある総合商社に勤める男であった。
営業ノルマに追われる毎日を必死に乗り越えていたが、43回目の誕生日を来月に控えた夜のことだ。
健康診断で芳しくない結果が出始めたのを機に日課となっていた公園でのランニング中に、
内藤はトラックに追われ、そして轢かれた。
・ ・ ・
(; ^ω^)『なんで公園内にトラックが走っているんだお』
そんなことを地上3メートルほどの高さで思い、
(; ^ω^)『仕事どうしよう』
そんなことを地上に叩きつけられ、バウンドしている時に思い、
(; ´ω`)『あぁ、死んだなぁこれ』
そんなことを折れ曲がった足と地面に広がる真っ赤な血を眺めながら思い、
(; ´ω`)『部屋の中、片づけておくんだったなぁ』
そんなことをトラックの後姿を眺めながら思い、
(; ω )『……ごめんなさい』
誰にでもない謝罪を思って、内藤は死んだ。
5
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 01:34:43 ID:p0DR/8iY0
ぷつん。
.
6
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 01:35:41 ID:p0DR/8iY0
詳細を諸々と省いて説明すると、内藤は異世界へ転生した。
異世界で生まれ育ったのはセンブラという村で、トーナイという家だった。
線太郎という名前は既に遠い記憶となり、ホライゾンというのが内藤の、ホライゾン=トーナイが馴染んだ名前となっていた。
ホライゾンはすくすくと成長していき、15歳になったころに家を出た。
【家を出るまでのすくすくの図】
__ /⌒ヽ
/ノへゝ \ ⊂[(_ ^ω^) 家を出ます!!!
|\^ω^)ゝ → ( ^ω^ ) → \/ (⌒マ´
\_ ̄ ̄ヾ ( ) (⌒ヽrヘJつ
\__/ U U > _)、
し' \_) ヽヾ\
丶_n.__
[I_ 三ヲ (
 ̄ (⌒
⌒Y⌒
7
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 01:36:43 ID:p0DR/8iY0
日雇いの仕事を繰り返しながら、ホライゾンは王都への道を歩んだ。
( ^ω^)「穴を掘ってまた埋める仕事ですか、はい……やります……」
なぜならそこには仕事があるからだ。
働くだけならどこでだって出来る。今までさんざんやってきた日雇いだって仕事だ。
そこで信を得られれば日雇いではなく、きちんとした雇用もされることだったろう。
( ^ω^)「え、穴を掘って埋める仕事の正社員、ですか……?いや、それはちょっと……」
(* ^ω^)「え、優秀って、そんな、照れちゃいます」
ただ、ホライゾンは異世界人であり、15年をこの異世界で過ごしたといっても40年を超える向こうでの生活水準は忘れられようもなかった。
そして何より王都では仕事が集まる。集まるということは選べるという事だ。選択できるのはとても良い。可能性を広げられる。
( ^ω^)(ファミチキ食べたいな、甘辛味の)
安定して得られる給料、王都の華やかさ、水準の高い生活、安心できる日々。
漠然としつつも、“生活”という水準を高めたいという思いでホライゾンは王都へやってきたのだった。
8
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 01:40:03 ID:p0DR/8iY0
ここまで延々とホライゾンの目的を説明したが、
ただ、これらも所詮無理やり作った理由に過ぎなかった。
ホライゾンは異世界へ転生した。
向こうの世界では近頃耳にしていた展開だった。
だからきっと、神様かなんかが現れて勝手な都合で話し始めて、転生に至ったきっかけや目的があるものだと思っていた。
しかしそんなことはなく、気づけば異世界だった、というのがホライゾンの現実だった。
それゆえ、ホライゾンはどこか現実味の無いまま15年を過ごした。
過ごしたまま、『なにかをしなければ』という漠然とした焦りと不安だけが胸の中にどろっとこびりついていた。
その焦燥感のような義務感のような、何とも言えない思いがホライゾンにはあった。
( ^ω^)「ここが王都、ロメリカかぁ。緊張してきたお」
家を出てから半年ほどかけ、ホライゾンは王都へとやってきた。
王都に近づくにつれ町並みは華やかとなっていくものだから、
道中何度も「ここが王都、ロメリカかぁ。緊張してきたお」と呟いていたくらいだ。
はっきりと「ここから王都です」という標識もないし、街をすっぽりと囲むような塀も勿論ない。
街とそうでない場所を明確にした境界線など、当たり前だが今の今まであった試しはない。
だからようやく、自分が今王都にいるのだとはっきりと実感できたのが王都名物の時計塔を見たときであり、
( ^ω^)「ここが王都、ロメリカかぁ。緊張してきたお」
思わず2度同じセリフを言ってしまうほど、ホライゾンの喜びもひとしおといったところだった。
9
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 01:41:38 ID:p0DR/8iY0
「ティンときた」
そんなホライゾンの背中に、低めだが明るい調子の声がかかった。
振り向くと、真っ黒な帽子に真っ黒な服を着た男が笑顔で手招いていた。
どうしようかと逡巡したホライゾンだが、男の方から近寄ってきた。
(`・ω・´)「そこでこっちを見ている君! そう君だよ、君! まぁ、こっちへ来なさい」
(`・ω・´)「ほう、何といい面構えだ。ティンときた! 」
男は随分と明朗な様子で、ホライゾンの両肩を掴んだ。
こっちへ来なさいと言いつつ、やってきたのは男の方だったのでホライゾンはぎょっとしてしまった。
そんな様子を無視するかのように男は笑顔の皺を増やして、言葉を続けた。
(`^ω^´)「君、アイドルのマネージャーやってみない?」
10
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 01:42:01 ID:p0DR/8iY0
( ^ω^)「やります」
ホライゾンは二つ返事で答えた。
.
11
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 01:44:05 ID:p0DR/8iY0
二つ返事からしばらくして、ホライゾンは男の後ろをついて歩いていた。
向かう先は事務所で、歩いてそろそろ10分ほどになるが人通りは変わらずあった。
(`・ω・´)「へぇ、センブラ村出身なんだ」
( ^ω^)「ご存じですかお?」
(`・ω・´)「いや全然。村って結構無くなったりしちゃうし。あんまり覚える機会もないからね」
男の名前はシャキリーヌ=ベスタといった。年齢は42歳。
奇しくも転生前のホライゾンと同年齢だった。
シャキンと呼んでくれと、暑苦しくも不快感の無い笑顔で言うものだから、ホライゾンは黙って頷くことにした。
道中、シャキンはホライゾンについていろいろと質問を投げた。
ホライゾンはその質問に真摯に答えていくが、シャキンの返事はどこか暖簾を押すような手ごたえの無さがあった。
(`・ω・´)「あぁ、ついた。ここが事務所。とりあえず、まぁ、入って頂戴な」
ドアを開け、お先にお入りなさいよと手招くシャキンに頭を下げながらホライゾンは足を踏み入れた。
踏み入れて、すぐに目に入ったのは─────
12
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 01:45:25 ID:p0DR/8iY0
■安価になります。
>>13
1〜5の好きな数字を選んでください。
1.一難に好かれてる
2.口は禍の元すぎる
3.借りれず被れず
4.無自覚再演
5.善意地獄
13
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 06:14:45 ID:sfLVQqec0
3
14
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 12:15:18 ID:d0rVP0mQ0
乙!続きが楽しみだ
15
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 15:30:02 ID:p0DR/8iY0
( ・∀・)
1.一難に好かれてる → ξ゚⊿゚)ξ
2.口は禍の元すぎる → 川 ゚ -゚)
3.借りれず被れず → (゚、゚トソン
4.無自覚再演 → o川*゚ー゚)o
5.善意地獄 → 从 ゚∀从
16
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 15:30:51 ID:p0DR/8iY0
(゚、゚トソン「?」
( ^ω^)「?」
(`・ω・´)「?」
部屋の真ん中でポツンと座り込んでいる少女がいた。
一体どこの誰かという目線をシャキンに投げるホライゾンだったが、シャキンでさえ小首をかしげてホライゾンを見ている。
( ^ω^)「事務所の子ではないんですかお?」
(`・ω・´)「いやぁ……え、君の知り合いじゃないの?」
( ^ω^)「なんで会ったばかりの貴方の事務所に僕の知り合いがいると思うんですか」
(`・ω・´)「そりゃ確かに」
( ^ω^)「僕はてっきり所属アイドルなのかと思ったんですけど」
(`・ω・´)「いやうちにまだアイドルは」
( ^ω^)「え?」
(`^ω^´)「ん!? なにかな!? 」
17
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 15:33:28 ID:p0DR/8iY0
シャキンが笑顔を向けたと同時に、部屋の真ん中から「アイドル」と、単語が聞こえた。
声の主は正体不明の少女で、しかし、先ほどのぽかんとした顔とは打って変わった自信のようなものが見えていた。
(゚、゚トソン「なるほど、アイドル」
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン「つまり、アイドル」
( ^ω^)「アイドルですって?」
(`・ω・´)「じゃあアイドルなのかも?」
(゚、゚トソン「ここはアイドル事務所」
(`・ω・´)「そうとも事務所」
(゚、゚トソン「じゃあ、私はアイドル」
(`・ω・´)「ほら、アイドルだってさ」
( ^ω^)「じゃあって言いましたよ、じゃあって」
(`、´トソン「なんだいなんだい! 文句でもあるっていうのかい君はぁ! 」
(`・ω・´)「そうだそうだ! アイドルなんだからアイドルなんでしょうとも! 」
(; ^ω^)「いや、文句というわけじゃ……単に状況に追いつけないだけであって」
(`・ω・´)「やれやれ仕方ない、ティンとこさせるか。はいはい、ティンときたティンときた。
どうだい、これで納得できたかいホライゾン君」
( ^ω^)「いや、そのティンと来ることに信頼を寄せてはいないので……」
18
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 15:35:50 ID:p0DR/8iY0
不信感を拭えないでいるホライゾンだったが、シャキンは少女のことを歓迎しているようだった。
(゚、゚トソン「ふふ、そう熱い視線を向けられても困るな」
(`・ω・´)「ちょっとちょっと、アイドルとの恋愛はご法度だよ」
_,
( ^ω^)「……」
自分のことをアイドルだという少女。
アイドル事務所所長であるャキン。
二つ返事でマネージャーをやることになったホライゾン。
少女にとっては幸運なことに。
シャキンにとっては千載一遇のチャンスとして。
ホライゾンとしては為されるがままで。
幸か不幸か、人材がいま、ここに集った。
19
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 15:36:11 ID:p0DR/8iY0
(`^ω^´)「じゃあ、そういうわけでホライゾン君。今日から彼女のマネジメントをよろしく」
( ゚ω゚)「」
ホライゾンは耳を疑った。
20
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 15:40:34 ID:p0DR/8iY0
(゚、゚トソン「ふーん。あんたが私のマネージャー?まぁ、悪くないかな。アイドルなんて笑っておけばなんとかなる楽な商売だよね」
(`^ω^´)「このメンバーでアイドルフェスを勝ち抜くぞ! 負ければみんな仲良く借金まみれだ! 」
( ゚ω゚)「」
ホライゾンは本当に耳を疑った。
21
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 15:51:03 ID:p0DR/8iY0
(`・ω・´)「あぁ、いや、正確にはまだあと────」
(; ^ω^)「しゃ、借金てどういうことですかお?」
(`・ω・´)「え?いや、うち、というか俺なんだけど借金まみれでさ」
(゚、゚;トソン「えぇ! 借金!? 一体どうして!? もういいよ、私アイドルやめる! 」
(`・ω・´)「しかし偶然にも今年は100年に1度の祭典、アイドルフェスティバルが開催されるんだ」
(`・ω・´)「優勝者には途方もないお金と名誉、魔力が与えられるという噂だ」
p(゚、゚qトソン「私、精一杯頑張りますから、一緒に夢叶えましょうね! よろしくお願いしますっ! むんっ」
(`^ω^´)「うんうん、まさに渡りに船ってやつだ! 一蓮托生、みんなで頑張るぞ! 」
( ゚ω゚)「」
22
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 15:52:06 ID:p0DR/8iY0
異世界前で42年。
異世界後で15年。
計合わせて57年の人生経験を踏んだホライゾン。
こんなみっともない騙され方をしてしまい、思わず言葉を失ってしまった。
(゚、゚トソン「優勝? なるほどね、朝飯前ってやつさ」
(`^ω^´)「ははっ、頼もしい」
( ゚ω゚)「」
23
:
◆vtoohbaqDM
:2021/09/11(土) 15:54:55 ID:p0DR/8iY0
■安価になります。
>>24
0〜100までの好きな数字を出してください
-------------------------------------------------------------------------------------------
トリップキーに数字を混ぜたものを仕込みましたので、
それとの合計値が高いほどセンブラ村としては“環境の良かった生活を送っていた”ことになります
例) トリップキー :#72suwasuwa
出された数字:10
合計値は72+10=82なので、良い環境で生活を送っていたことになります
-------------------------------------------------------------------------------------------
24
:
名無しさん
:2021/09/11(土) 16:14:39 ID:qgsCZeUo0
93
25
:
◆vtoohbaqDM
:2021/09/12(日) 00:27:37 ID:5WGMt5KI0
( ・∀・)
#48oisu
48+93=(1)41
26
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:29:01 ID:5WGMt5KI0
_,
(; -ω-)「うーん、正直今すぐにでも逃げ出してなかったことにしたいけど……」
う
ホライゾンの脳裏にセンブラ村での日々が過る。
三男坊として生まれたホライゾンの1日の大半は、農作業と村から外れた場所にある川から水を汲んでくることだった。
人通りの少ない道は獣が多く、時には命の危険すらあった。
ホライゾンのこの家での価値は、一人の人間というよりも労働力としてのものだった。
食事も必要最低限のみ、学習機会など殆どなかった。
小さいホライゾンがこの醜悪な環境から逃げ出すために真っ先に考え付いたのは、
現代知識を使って異世界で無双することだった。
しかし、子供の言うことを素直に信じる大人などいるはずもない。
そして何より、異世界にだって歴史はある。
歴史があるということは知識の積み重ねがあり、文化があり、つまるところ、
ホライゾンの考え付くようなことなど当然、この世界の常識レベルのものであった。
27
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:29:48 ID:5WGMt5KI0
何がじゃがいも農作だ。
お前、この畑の土で育てるには何が適しているかも知らないだろうに勝手なことを。
父親に殴られながら、しかし正論をぶつけられたこともあった。
へぇ、洗濯板ね。そんな古い道具で何をしろって?
お前、私が今までどんなやり方で家事をしてきたかわかっているのかい?
母親に呆れられながら、自分の無知を恥じたこともあった。
囲碁?将棋?オセロ?
お前何言ってんの?自分で考えたように言うけど、そんな遊び、みんな知ってるよ。
年の離れた兄に言われ、自分の知っている物とは名前が違うだけの同じ物が既にあることを知った。
異世界の歴史を、人間を舐めていたのかもしれない。
28
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:30:29 ID:5WGMt5KI0
ホライゾンはそれから家の手伝いの合間を縫って、自力でこの世界について学ぶ努力をした。
寝る間を惜しんでだとか、手伝いに支障をきたすほどの勝手なことはしない。
こちらでの生活も大事でもあったからだ。
それが例え、前の世界では人並み以下のものであったとしても。
結果として、ホライゾンはこの世界で自分に何か特異な力があるとは思えなかった。
ただただ、別世界の記憶が、前世の記憶があるだけ。
それは転生前の世界においても、「へぇ、そうなんだ。変わってるね。で?」と済まされるようなものである。
_,
(; -ω-)「……」
う
29
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:31:14 ID:5WGMt5KI0
そうして思い返すだけで、ホライゾンは「もう二度とあの家には戻りたくない」という気持ちが強まった。
仕事はしたい。良い環境で過ごしたい。
何かを成し遂げたい。“意味”のあることをしたい。
目の前の二人から早く、一刻も早く、何が何でも、遠く離れるべきだ。
そう思うが、しかし思考の隅にあるドロッとしたものが足を掴む。
それが一瞬のうちにホライゾンの意識を「とりあえずやるだけやってみたら?」というものに変えてしまい、
(; ^ω^)「とりあえず、まぁ、優勝、目指しますかお?」
自分でも信じられないような言葉になって、口から出たのであった。
30
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:31:38 ID:5WGMt5KI0
(`^ω^´)「その言葉を待っていた! 」
(゚、゚トソン「ところでこの黒い飲み物は一体……?飲むと余計に喉が渇く不思議なものだ」
(`・ω・´)「醤油だね」
(゚、゚トソン「へぇ」
( ^ω^)「……」
少しだけ、ほんの少しだけ自分の言った言葉を無かったことにできないかなと、ホライゾンは思った。
思ったが、すでに時は進み続ける。
決して戻ることはありはしない。
(`・ω・´)「はい、それじゃこの紙に名前を書いてっと……」
( ^ω^)「なんですかお、それ?」
(`・ω・´)「え?事務所申請書兼アイドルフェスティバル申込書だよ」
31
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:32:37 ID:5WGMt5KI0
(`・ω・´)「これでようやくここも事務所になるし、フェスティバルにも参加できるってものだよ」
(`^ω^´)「いやぁ、期日が今日までだったんだけど。ギリギリセーフってね」
( ^ω^)「へぇ……え? じゃあ、ここって今の今まで事務所ってわけじゃなかったってことですか!? 」
(`^ω^´)「ははっ。えーっと、所長は俺にしておくか。マネージャー兼プロデューサーをホライゾン君」
(`・ω・´)「アイドル名は……」
(゚、゚トソン
(`・ω・´)
(゚、゚トソン
(`・ω・´)「君、そういえば名前は?」
(゚、゚トソン「え、私ですか?」
(゚、゚トソン
(゚ー゚トソン「ふふん、なんだと思います?」
( ^ω^)「こういうタイプの血液型クイズ出してくる人初めて見た……」
32
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:33:52 ID:5WGMt5KI0
(`・ω・´)「ヒント! ヒントちょうだい! いやもうわかんねーな、答えくれよ! 」
(゚、゚トソン「えっと……」
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン「マリントン、榊原マリントンです。はい」
(`・ω・´)「へぇ、その醤油の製造者と同じ名前か。まぁいいか」
( ^ω^)「いいんですかお?明らかに偽名臭いですけど」
(`・ω・´)「いや、だって、そんなの分かりっこないし。優勝さえしてくれれば別に……名前なんて……」
(`゚ω゚´)「んあぁぁ!! 書き損じた! トソンでいい!? いいか! よし、申請するぞ! 」
シャキンが記入を終えると、紙がうっすらと青白い光を纏う。
ひとりでに折り紙のように形を変えていくと、鳥のような姿となって申請書は窓から飛び出した。
33
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:35:33 ID:5WGMt5KI0
(`・ω・´)「はい、これで完了」
(`・ω・´)「それじゃ……」
(`^ω^´)「改めて、二人ともこれからよろしく! 」
初めて会った時と同じように、暑苦しくも不快感の無い笑顔をシャキンは見せた。
騙されるような形ではあるが、この事務所の一員として働くことを決めたのはホライゾンである。
とにもかくにも、アイドルフェスティバルでの優勝を目指す。
窓の外見ると、自分たち以外にも申請書を出した者が多くいるようだった。
折り紙の鳥達が、空を飛んでいた。
34
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:35:53 ID:5WGMt5KI0
( ^ω^)が異世界でアイドルと一緒に駆け上がるようです
第1話 就職 完
.
35
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:43:35 ID:5WGMt5KI0
■状況
( ^ω^):ホライゾン=トーナイ
15歳。男。
転生者。公園内でトラックに轢かれる。
転生後の生活は死ぬようなものではなかったが生活水準は低かった。
自分の持つ現代知識は役に立たないし、特異な能力があるわけでもない。
安定した生活を望みつつも、その実、どこかで何か自分にはあるのではないかと期待してしまってる。
(`・ω・´):シャキリーヌ=ベスタ (シャキン)
42歳。男。
事務所所長。借金だらけ。
ホライゾンが何をどう言おうが絶対にマネージャーをやらせる気でいたし、
逃げようものなら力づくも考えていた。
事務所経営経験はゼロではないらしい。
(゚、゚トソン:榊原マリントン (アイドル名:トソン)
事務所の部屋の中にいたアイドル。
偶然にもシャキンが愛用していた醤油の製造者と同じ名前。
目標:アイドルフェスティバルで優勝してシャキンの借金を完済する
36
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:51:29 ID:D7JAz8Qo0
シャキンの借金・・・シャッキンの・・・・・・
37
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:53:29 ID:D7JAz8Qo0
ごめんなさいなんでもないです続き期待
38
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:56:52 ID:5WGMt5KI0
■安価になります。
>>38
1〜5の好きな数字を出してください
1.髪難
2.ベーグル難
3.水難
4.盗難
5.東難
39
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 00:57:16 ID:5WGMt5KI0
■安価になります。
>>41
1〜4の好きな数字を出してください
1.髪難
2.ベーグル難
3.水難
4.盗難
5.東難
40
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 15:31:09 ID:m2FwdkWw0
2
41
:
名無しさん
:2021/09/12(日) 16:19:22 ID:o4KShndM0
2
42
:
名無しさん
:2021/09/13(月) 00:52:20 ID:L28mQKuA0
_,
(; ^ω^)「はぁ、いや、しかし、僕が来た時にはもう既に……」
ホライゾンは不安そうに後頭部を撫でていた。
営業ということで訪れていた『シャーミンズチャーミンズ』という複合施設内のバックヤードでは
ホライゾンを取り囲むように男が二人、おろおろする女性が一人、椅子に座って肉まんを頬張るアイドルがいた。
,(・)(・),「とはいっても、君ぐらいナリだすからなぁ、アリバイがないのは」
<ヽ`∀´>「はっ、言うだけなら誰だって出来るニダ」
_,
(; ^ω^)「そ、そうですけど……」
ホライゾンがちろりと視線を下へ向ける。
そこには倒れている男がいた。
名前はボルジリアーノ=ヨハネス。
ボルジョアと呼ばれていた男で、『シャーミンズチャーミンズ』の従業員であった。
43
:
名無しさん
:2021/09/13(月) 01:00:30 ID:L28mQKuA0
;,(-)(-),「あー、もー、これどうすれば良いナリだすかぁ! 」
<ヽ`∀´>「初めてのことはなんだって戸惑うニダ。しかし、それが人を成長させる」
(゚、゚トソン「こんなにおいしい肉まんは初めてです……戸惑うなぁ、戸惑っちゃうなぁこれは」
<ヽ`∀´>「……おかわりなら向こうにあるニダ」
(゚、゚トソン「わーい」
_,
(; ^ω^)「こんな状況でよく食べれるね、トソンさん」
先ほどから頭を抱える独特な語尾が特徴の小柄な男は、亜人であるシャーミン=ギルベストといって、
この『シャーミンズチャーミンズ』の経営者である。
それを宥めるようにしつつ、決してホライゾンを視界から外さないよう鋭い目で牽制をしているのが
レオ=ニダーという長身の男だった。こちらも『シャーミンズチャーミンズ』の従業員である。
そして二個目の肉まんを頬張るのが榊原マリントンで、
アイドル名をトソンといって、
シャキンの指示のもと『シャーミンズチャーミンズ』へ営業をしにきたアイドルで、
(゚、゚トソン「あんまんだこれ」
( ^ω^)「口から出すな」
<ヽ`∀´>「動くな」
(; ^ω^)「ひぃ」
彼女を担当しているのが、第一容疑者であるホライゾンであった。
44
:
名無しさん
:2021/09/13(月) 01:01:57 ID:L28mQKuA0
( ^ω^)が異世界でアイドルと一緒に駆け上がるようです
第2話 復讐のベーグル
.
45
:
名無しさん
:2021/09/13(月) 01:03:27 ID:L28mQKuA0
━━━━━━
━━━
━
(`・ω・´)「それじゃ、さっそく仕事に向かってほしいと思う」
あれからすぐに申請が完了したらしく、その旨を記載した紙が同じように鳥の形をして入ってきた。
それを受け取ったシャキンがホライゾンたちに向かって指示を投げた。
(`・ω・´)「……あれ?」
指示というボールを投げたはいいが、返事というボールが返ってこない。
強いて言えば、ぽかんとしか顔だけが返ってきたくらいであった。
どうしたことかとシャキンが訪ねると、恐る恐るといった様子でホライゾンが手を挙げた。
46
:
名無しさん
:2021/09/13(月) 01:08:02 ID:L28mQKuA0
(`・ω・´)「はい、ホライゾンくん」
( ^ω^)「仕事に向かってほしいと言われても何をすればいいのか全く分かりません」
(`・ω・´)「な、なにぃーーー!!!! 」
(`・ω・´)「それもそうだ」
(゚、゚トソン「何にも分からないとは情けないね、君ってやつは。教えてもらえるからしっかり聞くといい」
ホライゾンの質問はごもっともなことで、
シャキンは笑いながら「そんなこともあろうかと」と、ロッカーからファイルを取り出した。
ファイルの表には『マネージャーのいろは』とあり、仕事内容に関することが手書きでまとめられていた。
47
:
名無しさん
:2021/09/13(月) 01:09:17 ID:L28mQKuA0
( ^ω^)「なるほど、これをまず覚えれば……」
(`・ω・´)「それでここから南へ行くとイシキャワっていう町があってね」
(`・ω・´)「そこの『シャーミンズチャーミンズ』ってところで営業をかけてほしいんだ」
( ^ω^)「はぁ、いつからですか?」
(`・ω・´)「今」
(; ^ω^)「えっ」
(`・ω・´)「さっきも言ったけど、さっそく向かってほしいんだよね」
(`-ω-´)「アイドルフェスの本格開始はまだ数日先だけど、それまでに地盤を固めなければならない……」
(`・ω・´)「俺たちに時間はないんだよ!!!! 」
( ^ω^)「で、でも僕まだこのファイルだって読んでませんけど」
(`・ω・´)「ホライゾン君!!! 」
48
:
名無しさん
:2021/09/13(月) 01:09:49 ID:L28mQKuA0
(`・ω・´)「マネージャーはね、まずは担当アイドルとの信頼関係を築くのが第一なんだよ! 」
( ^ω^)「し、信頼……」
確かにシャキンの言うことはもっともであった。
転生前で20年ばかしの社会経験があるホライゾンも、最終的には信頼関係がものをいうと知っていた。
ただそれは基礎がしっかりと出来上がったうえでの話ではあるが、
そこは信頼関係と一緒に積み重ねてけば良い。
今はシャキンの言う通り、実績を積み上げていくべきだと判断した。
(゚、゚トソン「信頼だよ信頼。頼むよ、君ィ」
( ^ω^)「信頼……!!! 」
判断したうえで、目の前でふんぞり返る、思わずビンタの一つでもしたくなる顔を持つアイドルに、
ホライゾンは少しだけ挫けそうになった。
49
:
名無しさん
:2021/09/13(月) 01:10:18 ID:L28mQKuA0
(゚、゚トソン「それじゃ早速、今からでも────」
意気揚々と事務所を出ようとするトソンに、ホライゾンは待ったをかけた。
少しだけ眉を吊り上げてトソンは振り返る。
こういう、人がノッてきたぞ!というタイミングで気分を外すような感じで話しかけてくるって所が
すでに信頼を置けないなとトソンは思った。思ったので、口に出した。
(; ^ω^)「い、いやそれを言われてもまだ会ったばかりだし、
トソンさんがどういう人なのかさえ知らないのに機微を察しろというのは難しいですお」
(゚、゚トソン「それは確かに」
(; ^ω^)(あぁ、うん、そういうとこは素直に聞いてくれるんだ……)
( ^ω^)「……」
う
50
:
◆Ir0EjOuO6k
:2021/09/13(月) 01:13:40 ID:L28mQKuA0
■安価になります。
>>52
0〜100までの好きな数字を出してください
トリップキーに数字を混ぜたものを仕込みましたので、
それとの合計値で質問をします(百の位は切り捨てます)
例) トリップキー :#72suwasuwa
出された数字:10
よって合計値は72+10=82
該当する合計値で↓の質問をします
0 :あっ
1〜30 :年齢について
31〜60 :名前について
61〜80 :出身地について
81〜99 :なんで部屋の中にいたの?
51
:
名無しさん
:2021/09/13(月) 14:12:33 ID:Rc8E.IyM0
あっ・・・?
52
:
名無しさん
:2021/09/13(月) 21:51:37 ID:eYlQFIsgO
50
53
:
名無しさん
:2021/09/15(水) 23:25:16 ID:Hf4tPlk60
#kf31yq
31+50=81
54
:
名無しさん
:2021/09/15(水) 23:26:25 ID:Hf4tPlk60
( ^ω^)「そういえばなんですけど、なんで部屋の中にいたんですかお?」
(゚、゚トソン「?」
(`・ω・´)「?」
( ^ω^)「いやなんでシャキンさんも首をかしげるんですかお」
(; ^ω^)「だっておかしいでしょう! 見知らぬ人が部屋の中にいたんですお!? 」
(`・ω・´)「確かに! 」
(`・ω・´)と(゚、゚トソン「でも待って、彼にも事情があるのかもしれない。何もそんなことで殺す殺さないの話をしなくても」
(`・ω・´)「!?!?!? 」
55
:
名無しさん
:2021/09/15(水) 23:27:49 ID:Hf4tPlk60
( ^ω^)「シャキンさんは部屋にいておかしくないですお。おかしいのはあなただって話をしてるんです。殺す殺さないの話もしてないですお」
(゚、゚;トソン「まぁ! やっぱり殺すんですか!? 物騒なことを言うんですね!! 」
(; ^ω^)「いや、そうじゃなくて……で、結局なんでこの部屋に君はいたんだお?」
(゚、゚トソン「逆に聞くけど私が部屋にいたとして何か問題でも?」
(`・ω・´)「確かに! 」
(゚、゚トソン「むしろ何故貴方たちがこの部屋にやってきたのか……それこそが最大の疑問じゃないのかな?」
(`・ω・´)「そうかも! ………そうかも?」
(; ^ω^)「そうかもじゃないですお! 」
56
:
名無しさん
:2021/09/15(水) 23:34:13 ID:Hf4tPlk60
(`・ω・´)「まぁまぁ落ち着いてホライゾン君」
(`・ω・´)「もしかしたら、彼女はいわゆる記憶喪失なのかもしれない」
(; ^ω^)「き、記憶喪失ですかお?」
(`・ω・´)「見てみなさい、あの哀れな姿を」
うーん、しょっぱい! おかわり!
(゚、゚トソン__ヾ
| 、 ┐|〕
──L^)ー┴'──
/三/ 旦
(`・ω・´)「正気の沙汰じゃないだろう、あれで5杯目の醤油だよ」
( ^ω^)「それを放置してるシャキンさんも正気じゃないですお」
(`・ω・´)「まぁまぁ。ともあれ、本当に記憶喪失だとしたら事だよ」
( ^ω^)「うーん、やっぱりそうですおね」
(`・ω・´)「あぁ。うまいこと活用してしまおう」
(; ^ω^)「!? 」
57
:
名無しさん
:2021/09/15(水) 23:34:46 ID:Hf4tPlk60
(; ^ω^)「か、活用!? 普通に警察か王都内のギルドへ相談しに行った方が……」
(`゚ω゚´)「それじゃあウチに所属するアイドルがいなくなるじゃないか!!!
記憶喪失だってねぇ、もしかしたらアイドル活動をするうちに治るかもしれないんだよ!!
今警察に行ったって、変な奴が彼女を保護したらどうするんだい!? えぇ!?君に責任とれるってのかい!?
それにフェスを勝ち抜いていけば彼女のことを知ってる人が出てくるかもしれないだろ!
いいかい、これは彼女のためでもあるんだよ! このたった一つの正解を君はぶち壊す気かい!? 」
(; ^ω^)「け、結局はシャキンさんにとって都合がいいってことだけのような……」
(`゚ω゚´)「馬鹿を言うんじゃないよまったく!!!!!!! 」
(; ^ω^)「あ、はい……」
(`・ω・´)「とにかく、彼女はウチのアイドル。君はマネージャー兼プロデューサーなんだから。頼むよ! もう! 」
(`・ω・´)「それにね、アイドルってのは人の思いを受けて変わっていく偶像なんだ。ある意味では、記憶喪失は最高の素材でもあるんだ……」
( ^ω^)「?」
58
:
名無しさん
:2021/09/15(水) 23:35:45 ID:Hf4tPlk60
(`-ω-´)「まぁ、とにもかくにも」
(゚、゚トソン「おかわり! 」
(`・ω・´)「えぇ……もう醤油瓶が空じゃないか。コーラで良い?」
(゚、゚トソン「よかろう」
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン
(゚、゚トソン「!!!!!! 」
(゚、゚トソン「口の中が爆発する!!!!!! 」
(`^ω^´)「はっはっは」
目をぱちくりとさせながら慌てるトソンを見てシャキンが笑う。
果たして自分はこの場所でやっていけるのだろうか。
再びの不安に駆られるホライゾンだったが、そこへドアをノックする音が転がり込んだ。
シャキンが「帰ってきたな」と呟きながら、急いでドアを開ける。
ホライゾン達からは見えないがノックしたのは女性のようで、シャキンの背中に隠れた向こう側から「荷物を持ったらどうなんですか」と、
少し怒ったような声が聞こえた。
59
:
名無しさん
:2021/09/15(水) 23:37:29 ID:Hf4tPlk60
(*゚ー゚)「ん?あれ? お客様ですか?」
そうして、シャキンの背からひょっこりと顔を見せたのは随分と可愛らしく小柄な少女だった。
シャキンに先ほど言っていた荷物を渡すと、少女はホライゾンとトソンを一瞥して頭を下げた。
(*゚ー゚)「初めまして、根古谷しぃです。本日はどのようなご用件で……?」
(`・ω・´)「しぃくんしぃくん、彼らはウチのアイドルとマネージャーだよ」
(*゚ー゚)「は?」
随分とドスの効いた「は?」だった。
ホライゾンとトソンに向けられた営業スマイルは一瞬のうちに崩れ去ってシャキンをにらみつける。
p(゚、゚qトソン「どうも、優勝候補筆頭です。一生懸命頑張りますっ! むんっ」
(*゚ー゚)「黙っててください。あなたみたいなのが優勝なんて出来るはずないでしょう」
p(゚、゚qトソン
p(゚、゚qトソン
(´、`トソン シュン....
( ^ω^)「もっと言ってやってくださいお! 」
(*゚ー゚)「あなたもです」
( ´ω`) シュン....
60
:
名無しさん
:2021/09/15(水) 23:38:27 ID:Hf4tPlk60
(`・ω・´)「こらこら、随分なことを言うじゃないか。これから同じ社員になるわけだし、仲良く────」
(*゚ー゚)「私、アイドルフェスなんて絶対にやめた方がいいって言いましたよね!!!! 」
(`・ω・´)「そ、そうだけど。でも、借金もあるしさぁ……」
(*゚ー゚)「変な買い物するのやめればいいだけでしょう!!! 」
(`・ω・´)「た、確かに……」
(*゚ー゚)「……申請は? もうしちゃったんですか?」
(`・ω・´)「……………はい」
(*゚ー゚)「……チッ」
(`^ω^´)「おっと、今、キスの音が?」
(*゚ー゚)「折りますよ、首」
(`・ω・´)
(*゚ー゚)「……はぁ、いいですよ。もう。申請しちゃったなら、もう出るしかありませんし」
(*゚ー゚)「……………どうせ初戦敗退に決まってるんですから」
(`・ω・´)「ま、まぁまぁ。よし、それじゃ場も温まったところで改めて自己紹介に移るけど、彼女、ウチの事務員の根古谷しぃくんだ」
( ^ω^)「どこが温まってました?」
61
:
名無しさん
:2021/09/15(水) 23:40:36 ID:Hf4tPlk60
━━━━━━
━━━
━
(*゚ー゚)「そういうわけで、改めまして根古谷しぃといいます。東の方にある小国出身です」
(`・ω・´)「うんうん。優秀だからね彼女は。今後も君たちのバックアップとして大きな力になってくれるはずさ」
(*゚ー゚)「アイドルフェスはとっとと初戦敗退すべきです」
(`^ω^´)「ははっ、ユニーク」
自己紹介をするしぃは、最初にホライゾン達に向けた笑顔とは違ってどこか崩したような、
良く言えば距離を近づけた雰囲気を出していた。
そのこと自体にホライゾンは特に気にはしないようだったが、少しだけ質問を投げてみた。
( ^ω^)「……」
う
62
:
名無しさん
:2021/09/15(水) 23:41:42 ID:Hf4tPlk60
■安価になります。
>>64
1〜5の好きな数字を選んでください。
1.トソンが気になる?
2.肩にゴミがついてますよ
3.そういえば、その荷物は……?
4.東の小国?
5.シャキンさんとはどういう関係?
63
:
名無しさん
:2021/09/16(木) 04:50:20 ID:B0tDpic60
かそく
64
:
名無しさん
:2021/09/16(木) 14:51:17 ID:f6LWke660
1
65
:
名無しさん
:2021/09/16(木) 21:11:48 ID:LoCfpA3o0
( ^ω^)「あの、さっきからトソンさん……榊原マリントンさんの事を見てますけど、何か気になることでも……?」
(*゚ー゚)「え、あ、いや……」
ふふ、まず自分の名前を名乗るのが礼儀ではなくって?
ノ⌒ヽ
(( ( ○ ), ))
(⌒⌒) ヽ__メ´
|__| _____ 彡"
(゚、゚トソンノ━ヽ___ノ'''゙ ッパ..
ノ/ :/
ノ ̄ゝ
( ^ω^)「ついさっき名乗ったでしょ」
(*゚ー゚)「……」
(゚、゚トソン「へいお待ち、特製ご飯を食べておくんな! 」
(`・ω・´)「醤油を炒めただけでは?」
(*゚ー゚)「……まぁ、気のせいか」
66
:
名無しさん
:2021/09/16(木) 22:05:07 ID:LoCfpA3o0
(*゚ー゚)「あ、そういえば正式にアイドルフェスに参加することになったということは、仕事もしていかなくちゃですよね」
( ^ω^)「あ、はい。先ほどシャキンさんから仕事に行くよう言われまして」
(*゚ー゚)「は?」
(; ^ω^)「え?」
(*゚ー゚)「……シャキンさん、先方へのアポはしてますか?名刺の用意は?アイドル活動に当たっての書類申請諸々は?」
(`・ω・´)「…………先方は知り合いだから良いかなって。後のことは知りません」
(*゚ー゚)「でしょうね。してないと思ったのでさっそく仕事に行かそうとしてることに驚きましたよ。はい」
(`・ω・´)「でもでも、もう相手の方には昨日のうちに連絡しちゃったし」
(; ^ω^)「えっ、昨日ってまだ僕たちいませんでしたおね?」
(`・ω・´)「だってどちらにせよアイドルフェスに参加しないと借金で首がチョンパな危機だったから、
背水の陣で空手形を売るような真似をしないといけなかったんだよ」
(`^ω^´)「いや、俺はやっぱり運がいいよ。君たちを見つけることができたし。結果オーライってやつだ! 」
(*゚ー゚)「……ホライゾンくん、本当にこんな人の下で働くの?」
_,
(; ^ω^)「……まぁ、もうやるしかないですし。ここでやめるのも無責任ですので」
(゚、゚トソン「うお、この醤油熱々なんですけど!! 」
( ^ω^)「君がさっき炒めたからだよ」
67
:
名無しさん
:2021/09/16(木) 22:05:51 ID:LoCfpA3o0
(*゚ー゚)「うーん、すでに先方に約束を取り付けてるなら行かなくちゃですね……」
(`・ω・´)「うんうん、しっかり励んでくるんだよ」
(*゚ー゚)「名詞とかまだなくて申し訳ないけど、アイドルフェス参加者の証明書はあるから、これだけでも持って行ってね」
( ^ω^)「あ、はい。シャキンさん、これすら渡そうとしてなかったですおね」
(*゚ー゚)
(`・ω・´)「その目は何だね、忘れてたとでも?あぁ、そうだよ! 」
(*゚ー゚)「……あの、もしかしてなんですけどフェスの概要も全く話してないとか?」
(`・ω・´)「概要……?」
( ^ω^)「概要……?」
(゚、゚トソン「知ってる。胃が痛くなるやつでしょ?いやよ、そんなの聞きたくないわ」
(*゚ー゚)「それは胃潰瘍だし聞いたところで発症しないからおなかを押さえなくて大丈夫」
68
:
名無しさん
:2021/09/16(木) 22:07:13 ID:LoCfpA3o0
(*゚ー゚)「まぁざっくりと説明するけど、君たちが参加しているアイドルフェスティバルは100年に1度開催される催しなの」
(*゚ー゚)「参加者はその間、事務所を立ち上げる必要があるけどこれは申請書さえ出せば問題ない」
(*゚ー゚)「そして月に数度、参加者同士でオーディションを行い、勝った者だけが引き続いてアイドルフェスに参加できるの」
(*゚ー゚)「何度かオーディションを繰り返し、本選が開始されるの。この時点で残ってるだけでも大変な栄誉があるから、
まぁ、無いとは思うけど誇ってもいいと思う。借金も返せるほどの利益はこの時点で出てるんじゃないかな」
(`^ω^´)「へへっ」
(*゚ー゚)「そして、オーディションにせよ本選にせよ、まずは知名度を上げなければならないの」
(*゚ー゚)「だからまずは地道に営業や外回りをする必要があるから、今回のシャキンさんの仕事もその一環という事なの」
( ^ω^)「なるほど、わかりますお」
(゚、゚トソン「なるほど。分かったうえであえて聞くけどもう一度説明して頂戴?」
69
:
名無しさん
:2021/09/16(木) 22:09:17 ID:LoCfpA3o0
しぃの説明を受け、ホライゾンは理解した。
要はアイドルという商品を売るために営業をして、売れる商品に仕立て上げろという事だ。
転生前の仕事を思い出して思わず吐き気が襲った。
下手なこと言ってしまったトソンがしぃに首根っこを掴まれながら再度説明を受けている間、
シャキンがぼそりとホライゾンに耳打ちをした。
(`・ω・´)「ホライゾン君、これ、仕事先のシャーミンさんに渡しておいてね。中は見ちゃだめだよ」
封筒を渡されたホライゾンは何だかやだなぁと思いつつも頷くと、ついでにと渡されたカバンの中へそれをしまい込んだ。
そうして一通りの説明も終わったところで、ホライゾン達はシャキンに渡された地図を基に今回の仕事先である
『シャーミンズチャーミンズ』へ向こうことにした。
70
:
名無しさん
:2021/09/16(木) 22:13:29 ID:LoCfpA3o0
━━━━━━
━━━
━
, -‐ー- 、─、─、-、
/ , ニニニ 、ヽ ' , ', ヽ
| l::::::::::::::::::l | ; ; | ガラゴロ
∧,,∧ | l::::::∧,,∧ | ; ; |
/・・ ヽ | l:::::/・・ ヽ | ; ; |
(ω ノ ⌒ヽ (ω ノ ⌒ヽ.,-‐'! ダダッダダダッ
/ヽ / ノ ̄/ヽ / ノ`i_.iイ
( へ /|.|:「~( へ /|.| |:{}|. !j
ヽヽ| | .Uレ ヽヽ| | .U i_ッ
| | | |
U U
71
:
名無しさん
:2021/09/16(木) 22:28:42 ID:LoCfpA3o0
目的地である『シャーミンズチャーミンズ』は歩いて向かうにはいささか時間がかかるため、
ホライゾン達は馬車を使うことにした。
( ^ω^)「……」
(゚、゚トソン「馬って食べるとおいしいってほんと?」
( ^ω^)「……」
御者「お、お嬢ちゃん! 危ないから身を乗り出さないで! 」
(゚、゚トソン「うるさいですね……」
身を乗り出して御者を慌てふためかせるトソンを、ホライゾンは疲れた目で眺めていた。
ホライゾンは非常に酔いやすい体質だったのだ。
( ´ω`)「……」
馬車の中は自分とトソンを含めて5人いる。
通気性が程よく悪い馬車の中はむわっとした湿気と独特な匂いが充満していた。
( *゚A゚)「……」
( ・∀・)「……」
ミ,,゚Д゚彡「……」
72
:
名無しさん
:2021/09/16(木) 22:30:41 ID:LoCfpA3o0
■安価になります。
>>74
1〜4の好きな数字を選んでください。
1.外の空気を吸おう……
2.気分転換に誰かに話しかけようかな
3.トソンさんを止めないと……
4.その時突然馬車が止まった
73
:
名無しさん
:2021/09/16(木) 23:02:35 ID:LJc1yatw0
2
74
:
名無しさん
:2021/09/17(金) 01:36:09 ID:F28wiPCA0
2
75
:
名無しさん
:2021/09/17(金) 18:52:45 ID:J5VVAMYI0
追い付いた
トソンのキャラ強烈すぎる
76
:
名無しさん
:2021/09/18(土) 20:06:34 ID:uk5JU60A0
( ^ω^)「……どうも」
ミ,,゚Д゚彡「……あ、あぁ。どうも」
吐き気が少しでも良くならないかと、ホライゾンは隣に座っていた犬の亜人である男に声をかけた。
男はホライゾンをちろりと見てから頭を下げるとすぐに目を閉じた。
気難しい人なのか、自分と同じように酔いに堪えているのか。
ホライゾンはこれ以上は詮索しない方がいいと判断し、
(゚、゚トソン「ごきげんよう犬の人。鼻が良いとやっぱりこの馬車は厳しかったりするのかな?」
ミ;゚Д゚彡「……」
それを無視するかのように、御者弄りに飽きたトソンがさらに踏み込んできた。
ホライゾンは更に頭が痛くなった。
痛くなったので、とりあえず痛みに耐えることでトソンを無視することにした。
犬の人ごめんねという気持ちは、少しだけあった。
77
:
名無しさん
:2021/09/18(土) 20:07:08 ID:uk5JU60A0
ミ;゚Д゚彡「……なんだ、お前」
(゚、゚トソン「おやおや〜?人に名前を尋ねるときはまず自分から名乗るのが礼儀だと思ったのだけど、
ここでは違ったのかな?」
ミ,,゚Д゚彡「む。確かに。失礼した。俺はフシャール=ギル(゚、゚トソン「私の名前はホライゾン=トーナイ。よろしくね」
ミ,,゚Д゚彡「……」
(; ^ω^)「ちょっと待って!?!?!?」
ミ,,゚Д゚彡「何だ、お前ら知り合いか?」
(; ^ω^)')「ま、まぁ知り合いというかなんというか……」
(゚、゚トソン「私たち、アイドルフェスティバルに参加するの」
(* ゚A゚)” ピクッ
78
:
名無しさん
:2021/09/18(土) 20:07:36 ID:uk5JU60A0
ミ,,゚Д゚彡「あいどるふぇすてぃばる……?」
(゚、゚トソン「ププー! 知らないの犬の人?」
ミ,,゚Д゚彡「犬の人ではない。俺はフシャール=ギル(゚、゚トソン「アイドルフェスティバルはね、フフフ、私も知らないの。何だろうね?」
ミ,,゚Д゚彡「……」
(; ^ω^)「ご、ごめんなさい、この人少し頭の病気で……」
ミ,,゚Д゚彡「……この人? ふむ」
(* ゚A゚)「なぁなぁ、あんさんら。アイドルフェスに出るっちゅーんはホンマか?」
( ^ω^)「あ、はい。一応」
79
:
名無しさん
:2021/09/18(土) 20:08:55 ID:uk5JU60A0
(* ゚A゚)「へー。ほー。ふーん……ちゅーことは、他のアイドルの事も知ってたりするん?」
(* -A-)「すでに地力のあるもんは知名度、実力ともに飛び抜けとるからなぁ。
二つ名のあるもんもおるっちゅー話や。歌姫、灰かぶり、枕、トップオブアイドル、催眠術師、魔砲使い……」
(* ゚A゚)「その中でも特に有名なのが優勝候補筆頭のニュージェネレーションっちゅー二つ名の───
(゚、゚トソン「あれ、それって私の事じゃない」
(* ゚A゚)「!?」
(; ^ω^)「ごめんなさい違います!!! 」
(゚、゚トソン「私じゃないということは、まさか犬の人がニュージェネレーション!? 」
ミ,,゚Д゚彡「!? 」
ミ;゚Д゚彡「お、俺は違うぞ! 」
(* ゚A゚)「言われへんでもわかるわダボ」
ミ,,゚Д゚彡「!? 」
80
:
名無しさん
:2021/09/18(土) 20:09:54 ID:uk5JU60A0
(* ゚A゚)「まぁええわ。ニュージェネは二つ名だけが知れ渡っとる割になーんの情報もでてこーへんねんな」
(* -A゚)「本選に向けて情報をひた隠ししとるっちゅー噂らしいけど……なんとか尻尾だけでも掴みたいねん
ま、もしニュージェネ以外にも情報が手に入ったらウチに連絡くれると嬉しいわ。謝礼は勿論出すで」
(; ^ω^)「は、はぁ……」
(* ゚A゚)「ウチは文屋のノー=ノクティス。これから長い付き合いになるかもしれへんし、よろしゅうな」
そういってショートヘアの女性、ノーが差し出した名刺を受け取ったホライゾン。
マネージャーとしてこちらも名刺を返すべきだったがその名刺が無いため、ホライゾンは代わりに事務所名を伝えることにした。
ノーはそれをメモし満足そうに頷くと、今度は犬の亜人である男の方へ意識を向けた。
(* ゚A゚)「そういえばあんさん、犬狼種の亜人やろ? こないな馬車の中だと、鼻がかなわんやろ」
ミ,,゚Д゚彡「馬車に乗る前に一時的に鼻を利かなくする薬を飲んだからな。平気だ」
(* ゚A゚)「ほーん、良すぎるのも難儀なもんやな」
81
:
名無しさん
:2021/09/18(土) 20:10:42 ID:uk5JU60A0
( ^ω^)「そういえば僕、犬狼種の亜人の方とお会いするの初めてですお」
ミ,,゚Д゚彡「そうか。亜人の中じゃ割と多い方だが、猫虎種の方が目にすることも多いだろうな」
(* ゚A゚)「せやなぁ。猫虎種のアイドルもぎょうさんおるようやしな」
( ^ω^)「む、強力なライバルになりそうですお」
ミ;゚Д゚彡「……ライバルになるのか、あいつで」
馬車の中でジャンプ!
(゚、゚トソ/゙) 馬車の中でジャンプ!!!
/, /
'') (⌒))
し''
ノノノ
_,
(; ^ω^)「……」
う
( ^ω^)「……どうすれば勝てますかね」
ミ,,゚Д゚彡「お、俺に言われても……」
(* ゚A゚)「……」
82
:
名無しさん
:2021/09/18(土) 20:30:18 ID:uk5JU60A0
(゚、゚トソン「ジャンプからのスライディング!!! 」
(゚、゚トソン (´´
( つ つ (´⌒(´
/ /〉 〉≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
(__)(__) (´⌒(´⌒;;
( ・∀・)「こらこら、こっちに突っ込んでこないでくれ 」
(゚、゚トソン「へいへい、一人でそんな隅で寝たふりしてて、がっかりしてめそめそでもしてるのかい?」
( ・∀・)「そんなことはしてない」
(゚、゚トソン「呼吸くらいしなさいよ! 」
( ・∀・)「それくらいはしてる」
(゚、゚トソン「……」
( ・∀・)「……」
83
:
名無しさん
:2021/09/18(土) 20:32:59 ID:uk5JU60A0
(゚、゚トソン「なによ! 」
( ・∀・)「なんなのよ! 」
(゚、゚トソン「きぃ〜〜〜!!! 」
(; ^ω^)「こらこらこらこら」
( ^ω^)「……?」
( ・∀・)「なにか?」
(; ^ω^)「あ、いえ、ウチのバカが失礼をば……」
(゚、゚トソン「かまわんよ」
84
:
名無しさん
:2021/09/18(土) 20:51:35 ID:uk5JU60A0
( ・∀・)「……」
( ^ω^)「……?」
( ・∀・)「アイドルフェスに参加するのかい?」
( ^ω^)「あ、はい。出来る限り頑張ろうかと……」
(゚、゚トソン「ファンになってくれてもいいんですよ」
( ・∀・)「はっはっは」
85
:
名無しさん
:2021/09/18(土) 21:02:00 ID:uk5JU60A0
ローブを纏った男が笑う。
ホライゾンはその男にどこか見覚えがあるような気がしたのだが、
それよりもトソンが何かしないかとひやひやしていたため、気が完全に逸れていた。
それからすぐ馬車が止まったため、乗車していた5人は馬車から降りることになった。
御者「はい、イシキャワに着きましたよ。それじゃ、私はこれで……」
(゚、゚トソン「さようなら、花京院……」
( ^ω^)「お。あの人の名前かお?」
(゚、゚トソン「いや違うけど。今頭の中に浮かんだ名前だよ」
(; ^ω^)「……」
いよいよこいつ大丈夫か、とホライゾンの中で不安が募ってくる。
そもそもトソンのことをホライゾンは何も知らないのだ。
ふと目を上げてみると、乗り合い所から時計塔が見えた。
時間を確認すると、どうやらシャキンに紹介してもらった店に行くまでにまだ時間はあるようだったので、
どこかで時間をつぶそうかとホライゾンは考えた。
(* ゚A゚)「ほな、ウチはここで」
ミ,,゚Д゚彡「……元気でな」
ローブの男の姿はすでに無いようで、ホライゾンは二人に手を振ると乗り合い所から早々に立ち去った。
86
:
名無しさん
:2021/09/18(土) 21:11:08 ID:uk5JU60A0
━━━━━━
━━━
━
(* ゚A゚)「……」
(* ゚A゚)「ふぅん、なかなか面白そうなやつやったな」
(* ゚A゚)
(* ゚A゚)「しかし、アイドル、ねぇ……?」
(* ゚A゚)
(* ゚A゚)「……アイドルフェス、“無事”に開催されるとええんやけどねぇ」
(* ゚A゚)「はてさて、楽しみやで。なぁ?」
(゚、゚トソン
ミ川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川彡
三 三
三 三
三 三
三 ホライゾン=トーナイさんよ……!!! 三
三 三
三 三
三 三
彡川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川 ミ
87
:
名無しさん
:2021/09/18(土) 21:11:46 ID:uk5JU60A0
━━━━━━
━━━
━
ミ,,゚Д゚彡「……」
ミ,,゚Д゚彡「ふん、所詮“人”だな」
ミ,,゚Д゚彡
ミ,,゚Д゚彡「……しかし、気になる」
ミ,,゚Д゚彡
ミ,,゚Д゚彡「あんなものが人の世にいるものなのか……?
ミ,,゚Д゚彡「……なぁ、お前は一体何者なんだ?」
(゚、゚トソン
ミ川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川彡
三 三
三 三
三 三
三 ホライゾン=トーナイよ…………!!! 三
三 三
三 三
三 三
彡川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川川 ミ
88
:
名無しさん
:2021/09/18(土) 21:13:50 ID:uk5JU60A0
━━━━━━
━━━
━
(; ^ω^)「ぶえっっっっくしゅ!!!! 」
(゚、゚トソン「ぎゃー! 汚い! 」
(; ^ω^)「ご、ごめんお……」
乗り合い所から降りてしばらく歩くと急な悪寒に襲われたホライゾンは、
どこかで休める場所が無いかと周りを見渡した。
( ^ω^)「お、あれは……」
89
:
◆L5xIlunp6o
:2021/09/18(土) 21:17:49 ID:uk5JU60A0
■安価になります。
>>91
0〜100までの好きな数字を出してください
トリップキーに数字を混ぜたものを仕込みましたので、
それとの合計値で質問をします(百の位は切り捨てます)
例) トリップキー :#72suwasuwa
出された数字:10
よって合計値は72+10=82
該当する合計値で行き先が決まります
0 :あぁっと!!
1 :おぉっと!!
2〜30 :喫茶店
31〜60 :定食屋
61〜80 :人だかりのある場所
81〜99 :一人だけぽつんと広場で立ってる人がいる
90
:
名無しさん
:2021/09/19(日) 06:20:42 ID:8fzn.mw.0
ksk
91
:
名無しさん
:2021/09/19(日) 10:23:44 ID:VLSbtmyE0
32
92
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 00:03:55 ID:BO57gLfc0
#Ppo31
31+32=63
93
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 00:04:23 ID:BO57gLfc0
( ^ω^)「あそこ、妙に人だかりができてるお」
(゚、゚トソン「確かに妙ですねぇ、私、気になります! 」
(; ^ω^)「あ、ちょ、こら! 」
走り出すトソンを追いかけるホライゾン。
丁度広場になっているあたりに人が集まっているようで賑やかな雰囲気があった。
その中に沈み込むようにしてトソンの姿が消えていくものだったので、ホライゾンは声を上げながら人混みをかき分けていく。
その最中、周りの声が否応なしにホライゾンの耳に入るのだが、
どうやらこの先には高座があるようで誰かがそこで歌を披露するらしかった。
「アイドルフェスの参加者だろうか?」とホライゾンがそう考えると、人混みの中からトソンの姿が見えてきた。
94
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 00:04:44 ID:BO57gLfc0
(; ^ω^)「捕まえた!! 」
爪;゚ー゚)「え、な、なんですか!? 」
(; ^ω^)「……あれ!? 」
やっとの思いでホライゾンが掴んだ腕は、しかし赤の他人のものであった。
急にホライゾンに掴まれた女性はおろおろしながら、どっぷりと汗をかきながら顔を青くさせている。
(゚、゚トソン「現行犯、ですなぁ」
いつの間にか横にいたトソンがホライゾンの腕をつかむと、女性から引きはがす。
すると女性は腰を抜かすようにして、その場にへたり込んでしまった。
爪;゚ー゚)「あ、あぁ……すみません、すみません、ごめんなさい」
95
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 00:07:28 ID:BO57gLfc0
座り込んでしまったことに対してなのか、女性はうわ言の様に謝罪の言葉を繰り返し呟いている。
ばつが悪そうにホライゾンは女性へ気遣いつつ、ここから少しでも離れたい気持ちでいっぱいだった。
ただ、どういうわけか周りにいる人たちはホライゾン達のことなど気にでもしてないようで、
高座の方へ意識を向けている。
(; ^ω^)「大丈夫ですか? すみません、急に腕をつかんでしまって……
ちょっと向こうで休みますかお? あの、ここ、人だかりも多いですし」
(゚、゚トソン「……?」
( ^ω^)「悪いけど……えっと、あぁーー……うん、マリントンさんも手伝ってくれるかお?」
(゚、゚トソン「んー……」
爪;゚ー゚)「大丈夫、大丈夫ですから……ほっておいてください……」
(; ^ω^)「いや、でも……」
(゚、゚トソン「……向こう、気になるなぁ」
96
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 00:17:52 ID:BO57gLfc0
トソンの視線は周りの人たちと同じように未だ空席の高座へと向いていた。
最初は人混みで見えなかった高座だったが、広くは作られていない。
せいぜい3人ほどが乗って、演奏や芸を披露出来る程度のものだ。
(; ^ω^)「うん、気になるところ悪いけど、こっちの方が大事だから。頼みますお。ね?」
(゚、゚トソン「……まぁ、仕方ないかぁ」
もう少しごねるかと思っていたが、幾分か素直なトソンに少しだけ安堵したホライゾンは、
遠慮を続ける女性に肩を貸しながら今度は人混みの中から出ていった。
97
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 00:18:23 ID:BO57gLfc0
━━━━━━
━━━
━
│
士
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/\
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/ /..::.:..:: .:.::\
| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|´
| | [] ...:. .:::|
__ __ | | . : : : :ロ.::| ;ミ
/:/\ /:/\ | |.: :.: :.:.::.:.::.:| 彡ミ ;ミ、
_ | .| .:|__|_|_:|_______ /⌒) _____|_ |.::.:..:.[]::.:.::.:| 彡ミミ、 ;彡ミ
. ___|:| | | :|...:::|. ┌┬┐ . :┌┬i : .::┌┬ | T/⌒) ┐ . :┌┐|. |.: :.: :.:.:.:.:..::| 彡ミ彡ミ 彡ミミ、
\∠、 :.::::|:| ト、. l.└‐┴┘└┴─┘└──┘└ |`7'..:/ └─┘└l::.|.:.::.[]:.::_ :| ._ ,彡彡ミ幺彡彡 、,,
:::...\.\ ベ| |::∧_|__[]..::[] __[] .:.:[]..__: :.[]: :.:[]. : : |/...::::)::7 []:.: : []: :.::|: |.:::. //\/ /\'/ ̄/\:゙;;ミ゙o;ミ
‐- ,_\.\.| | ̄...:.::/\ ̄.:.::::/\ ̄/\ヘ. : : : : : :/^7<:〈 . : : : : : ::/ ̄ ∠/. : : : \/ : : : :.\/ ;.:゙;;ミyゞ;ミ゙o
.: ::: : : :|::.::.ト|_|;;;;:::/. :ロ : \:/.: : : : Υ :.: :.:.|::|: : : : /...::|::::|/|\. ∩.:.::.:| ̄ .:| | : : :.::[] []:|ェェェiェェェェ| ミヾ:;”゙':,oヾミ
::.: : : : :|コ:.:|:.: | ̄|: :.::.::..: : . ::| ..::_ .::[].::| : :.:ロ::|::|:. ://ト、У〕:|:....;>.| |. :..::| . :| |. _.:.:.:. : :|.lニニ|l .:.:|┌ヾ':,ゞ;゙;”;ミ;:ミ
工エエ|::.:.:旧:|::...|.::[].. .: :.ロ.::| ./:ハ.:..:: :|. .::.:: .:|:://.:::::;>|::::|/ヘ「 ー┴─ー|__;;| | |〒|:. :[] :|:| .:::::::||=|│|.::.[]:::}il|{´
: :∠7ヘlコ:::|::.:.|.ロ:|: :._. ..::..:.:|. |:|n| :[]::|:П:..::.レ: ̄\∧l\|工] l;,_|_|⊥|__|」 ===l|_|┴┴──|i|l|
: :|ェ| .:::::|:.:.|:::..|::::.| .:|襾|.: : : :|: |:||||,;,:.:⊥!‐'''" [ニニニ|ニ] ルヘ:
: :|ェl:∩ トi:.|::::.l\|_;;||;;:|L:: -‐'''"~ | . : :.:.:.| .
: :|ェ|:|;'|:.|:| |='′ | .: : .:.| . .
: :|ェ|:|;'|::l_レ' ' 、 | . : :.:.:.| ' .
: :|ェ|:|;'|::| _,‐| .: : .:.| 7!_ 、
: :|ェ|:|;;レ' ´ ' / / ゙'ー-‐''´// /| 、
: :|ェレ / lニニニニニニl/ //
/ ' 、 ` lニニニニニニニニニl/ 、
` 、
(; ^ω^)「この辺で大丈夫ですかお」
爪; - )「……え、えぇ。はぁ、どうも」
(゚、゚トソン「お水飲む?」
98
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 00:18:54 ID:BO57gLfc0
人混みからやや離れた場所にあるベンチへ女性を下ろす。
先ほどよりも顔色の悪い様子で、ホライゾンは心中穏やかではなかった。
ただ、トソンが水をあげたからなのか、そこからは少しだけ顔色が良くなった。
( ^ω^)「あの、お気分はどうですかお……?」
爪; - )「っ、はい、大丈夫です。もうよくなりましたので、はい。大丈夫です。ありがとうございます」
(; ^ω^)「……」
大丈夫だと女性はいうものの、やはり顔色が悪い。
どこか医者でも連れてきた方がいいのだろうか?とホライゾンが考えを巡らせていると、
わっと歓声があがった。出所は先ほどの人混みからであった。
それと同時に、どこかアップテンポな曲が流れだす。
「やはりアイドルフェスの参加者だろうか?」とホライゾンの意識がそちらへ向かうと、
トソンがホライゾンの服を掴んだ。
( ^ω^)「お?」
(゚、゚トソン「?」
( ^ω^)「いや、なんで服を掴むのかなと……」
(゚、゚トソン「……手を拭くのに丁度良くて?」
(; ^ω^)「……?なんじゃい、そりゃ」
99
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 00:26:10 ID:BO57gLfc0
(゚、゚トソン「……」
(; ^ω^)「……んー、そんなに向こうが気になるのかお?」
(; ^ω^)「とはいっても、この人をそのままにしておけないし……」
(; ^ω^)
(゚、゚トソン
爪; - )
(; ^ω^)「どうしたものかお」
100
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 00:26:34 ID:BO57gLfc0
■安価になります。
>>101
1〜5の好きな数字を選んでください。
1.女性が心配なので2人で医者を探すなりしよう
2.女性は自分が見ておくから、ステージ見に行っておいで
3.女性を見ておいて、薬か何か買ってくるから
4.女性が「ステージを見たい」と小声で言ってるっぽいな?
5.女性も大丈夫って言ってたし、ステージを見に行こうか
101
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 01:05:01 ID:CWPMSfZU0
4
102
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 22:34:46 ID:BO57gLfc0
( ^ω^)「お?」
爪; - )「あの、ステージが見たいので、元の場所まで連れてってくれませんか?」
(; ^ω^)「え、でも体調は……」
爪;゚- )「大丈夫ですので、お願いします」
小さな声に耳を貸すと、どうやら女性がステージを見たいと言っているようだった。
体調の方を心配するホライゾンだったが乞うような目で見られると、
こうなった原因の一端を担っているのもあり断るのも憚られた。
ステージの方を見るとまだ始まったばかりだろうが随分な盛り上がりを見せている。
爪;゚- )「お願いしますので」
( ^ω^)「それじゃあ……」
再度女性に頼まれ、ホライゾンは聞き入れることにした。
肩を貸そうと女性に触れようとしたが、女性はホライゾンを無視してトソンに頭を下げ、肩を掴んだ。
どこか誇らしげな顔をして鼻を鳴らすトソンに見られながら、ホライゾンはその後ろをトボトボと歩いた。
( ^ω^)(僕何かした……?)
( ^ω^)
(; ^ω^)(……何かしてたわ)
(゚、゚トソン フフン
103
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 22:37:15 ID:BO57gLfc0
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\ ,>'゙´ | |l|
\\>'゙´ ,>'゙´| | 「「 ! |l
〈 >'゙´ | | | .|「 |l .//,
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\__/ | |/]>'゙´ '´ / /
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___/ {//^i _!| , へ///⌒} ・ ′
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rセ7ア7ァ。,_ /-+-+-+-+-+\ ∧ ////| / | | | | /:::;'::;:::;从从〉ニ./
//|///}/ハ-+-+-+}-+-+-+ \_/_〉 \___ // .|/ | ワ/_/| | |l||::::|、|: :| 〉 }ニ/|l|
//|///}///}___/___/ ̄ ヽ、-+-+-\_ / //|7777、:::|/| | |::::|_/从ヮ/ニ/
//| ̄ ̄ |リ {三{ 、_У}+-+-+-+./\ /```マ彡 | | /ニニ , -く:トニ /
//| _ ||__,,.、丶´  ̄ `¨´+-+-+-+-+-/:;:;:;:;\_| }シ / //,′./ニニ/ ,、ノニ/ ″
//|〈:::::/ /.| /+-+-+-+-+-+-+-+- /\+/:;:;:;:;:;:;:;:/___〉| へ′ / ./ ̄ ̄ ̄ヽニ)′
//ト. _//リ /+-+-+-+-+-+-+-+-./ /:;:;:;:;:;:;:;:;/ {::::::///:;:;:;\/ ./ 从从从〉 { |l|
\! L//// /+-+-+-+-+-+-+-+-/ |l|/:;:;:;:;:;:;:;:;/:....__/:;:;:;:;:;:;:;:;У', Y^! |
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/⌒iイ:::::::::r巛)+-+-+-+-+-+- /|l| /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;\/;:;:;:;:;:;:;:/ /// .\_二/rっ} //
104
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 22:45:25 ID:BO57gLfc0
(; ^ω^)「ぐあああああああああーーーー!!! 」
観客の盛り上がりが尋常ではなかった。
ふと隣を見れば涙を流しながら聞き入っている人もいるほどだ。
一体どんな人がどんな声で歌っているんだろうかと気になるホライゾンだったが、
未だ後ろの方にいるのもあり姿は見えず、声の方もこの歓声に飲まれて聞こえはしなかった。
両手を合わせて拝むもの。
先ほどの人の様に涙を浮かべ感謝の声を上げるもの。
よだれを垂らしながら白目を剥くもの。
財布ごとステージの方へ投げ入れるもの。
実に多種多様な様相に、ホライゾンは少しだけ引いた。
(゚、゚トソン「うおおおお!! うおおおおおおお!!! 」
爪゚ー゚)「うおおおお!! うおおおおおおお!!! 」
( ^ω^)「わお」
一方、ホライゾンを差し置いてトソンと女性も盛り上がっていた。
特に女性の方は先ほどの様子とは打って変わったありさまで、興奮極まりといった具合で叫んでいる。
トソンの方もこんなにはしゃいでいるのは初めて見るくらいだ。
( ^ω^)(馬車の中とどっこいの盛り上がりようだ……)
105
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 23:52:09 ID:BO57gLfc0
ホライゾンの中で興味がわいた。
これほどまで人を魅了するのは一体何だろうか。
これまでの人生、転生前の人生を含めホライゾンが何かに夢中になったことは1度や2度はある。
ただ、それを踏まえてもこれだけの人が我を忘れるような何かを直接見ることはそうそうなかった。
( ^ω^)「よし、いっちょ見てみるか! 」
人混みをかき分け、ホライゾンは前へ前へと進んでいった。
相変わらず歓声にかき消されてステージ上からの声は聞き取りにくかったが、可愛らしい声というのはわかった。
普通、人混みをかき分けて前に進むものなら舌打ちの一つや文句の一つでも覚悟していたホライゾンだったが、
不思議なことにそんなことは一切なく、みな少し力を押すだけで道を譲るほどであった。
ξ゚⊿゚)ξ「みんなー! 盛り上がってるかなー!! 次は新曲だよーーー!! 」
ようやく前の方に躍り出てステージ上に立つ姿を見ることができたホライゾン。
黒と白のゴスロリ風の服がふわりと揺れる。
106
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 23:58:57 ID:BO57gLfc0
ξ゚⊿゚)ξ「スゥ……」
金色の髪の毛が風に揺れ、日射しできらきらと色を変える。
猫のように大きい目が観客全員を見ているようで、それがファン心理として「見られている」という
安心感へとつながっているようだった。
素人目でもわかる、これが“本物”というやつだと、ホライゾンは痛感した。
もし彼女がアイドルフェスに参加しているのだとすれば、優勝するのではないだろうか。
ξ゚⊿゚)ξ「それでは聞いてください、新曲……」
ξ゚⊿゚)ξ「『法の世界に光が満ちる』」
( ^ω^)「!? 」
ξ゚⊿゚)ξ「『皆さんはこの世界における神というのがご存じでしょうか……』」
ξ゚⊿゚)ξ「『そも神とは遍く人々に祝福をもたらすと言われておりますが……』」
( ^ω^)「これあかんやつでは?」
107
:
名無しさん
:2021/09/23(木) 23:59:50 ID:BO57gLfc0
歌どころか説法が始まった途端、ホライゾンの頭の中で火花が散ったような感覚が走る。
もっと聞いていたような、この場にとどまりたいような、幸福感が頭のてっぺんから水を少しずつ垂らすように
じわりじわりと染み入っていくような感覚が広がる。
(; ^ω^)「これ洗脳ってやつじゃないかな!? 」
転生前の世界で宗教や洗脳といったことに多少なりとも経験のあったホライゾンは
まずいとすぐに判断を切り替えると人混みをかき分けてトソンがいた場所へと戻る。
(@、@トソン「うおおおおおおおおお!!! 南無三! 南無三! ほうれんきょ! 」
(; ^ω^)「うお、変な合いの手入れてるんじゃないですお! 」
目を覚まして!!
(; ^ω^)
⊂彡☆))Д´トソン
なむぎゃっ!!
( ^ω^)「目、覚めたかお!? 」
(;;)、゚トソン
(;;)、゚トソン
(;;)、゚トソン
(;;)、゚トソン
(@、@トソン「うおおおおおおおおお!!! 南無三! 南無三! ほうれんきょ! 」
( ^ω^)「まじかお」
108
:
名無しさん
:2021/09/24(金) 00:05:46 ID:jXU49u760
(; ^ω^)「と、とりあえず盛り上がってるようだけど抵抗はしないっぽいお」
人混みをかき分けた際、観客の誰一人としてホライゾンの邪魔をしなかった。
トソンも同じようで、何度も頬を張り倒しても抵抗一つ見せなかった。
試しに耳をふさいでみても、目を隠してみても洗脳のような状態は解除されず、
ひたすら合いの手を入れるトソンにホライゾンは一瞬だけ「こいつ、もしかして洗脳っぽい振りしてることはないよな……?」
と疑念を抱かせたが、これまで言動を振り返れば仕方のないことでもあった。
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「とりあえず引っ張り出すかお……」
抵抗はしない、ということでホライゾンはトソンの手を引いて人混みから抜け出すことにした。
109
:
名無しさん
:2021/09/24(金) 00:25:53 ID:jXU49u760
━━━━━━
━━━
━
,(・)(・),「おや、君がシャキン君の言っていたトーナイ君ナリだすな?」
(; ^ω^)「は、はい! 本日はどうぞよろしくお願いいたします! 」
,(・)(・),「うんうん、アイドルフェスに参加するっていうし、今日はぜひともよろしく頼むナリだす」
『シャーミンズチャーミンズ』に無事到着することができたホライゾンは、
バックヤードでシャーミンとあいさつを交わしていた。
綺麗に整理されているようで、清潔感のあるバックヤードには現在ホライゾンとシャーミン、トソンの3人がいる。
無事、あのステージから離れることができたホライゾンとトソンであったが、約束の時間に迫っていることに気づいたホライゾンは
そのままトソンを連れ、ここまで走ってきたのであった。
しかし、そのせいでトソンの様子を確認する暇がなかった。
110
:
名無しさん
:2021/09/24(金) 00:26:26 ID:jXU49u760
,(・)(・),「……しかし彼女、大丈夫ナリだすか? 随分ぐったりしてるけども」
( ^ω^)「え?」
(@、@トソン「ほ、ホァーー! ホァーーーッッ……」
顔色を悪くしながらも、わずかに合いの手のような言葉を口にするトソン。
ステージから離れただけであって、トソン自体の様子は依然変わりはなかったようであった。
ホライゾンはなんと言い訳をすればいいかと一瞬考え、時間を稼ぐ意味も込め、申し訳ないような顔をしながら
(; ^ω^)「すみません、お水をもらっても良いですか……?」
と、シャーミンに尋ねたのであった。
111
:
名無しさん
:2021/09/24(金) 00:28:12 ID:jXU49u760
ようやく2話冒頭まで行けそう
もう少しテンポ上げるか投下ペース早くできるよう頑張りますね
112
:
名無しさん
:2021/09/24(金) 00:43:07 ID:oiqqgjo60
乙です!!!
113
:
名無しさん
:2021/09/26(日) 21:46:11 ID:eFrMBrOk0
乙乙
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