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( ´∀`) ブーン系小説&イラスト練習総合案内所

105名無しさん:2021/07/05(月) 21:02:31 ID:IG36t6fU0

  津出に運転をさせながら、内藤は助手席から外を、雨が窓を叩くように打ち付けているのを見て妙に胸をわくわくとさせていた。
 ボタボタと大きい雫が窓については他の粒と合体し、大きくなって後ろへと流されていくのを眺める。

 中古で怪しさ満点の価格で売りに出されていた軽自動車は、よたよたと風に煽られながらも懸命に進んでいた。
 時折、屋根の上からボタタタと、けたたましい音がリズムよく鳴っている。それに合わせて内藤は指を叩いていた。
 信号で一時停車していると、津出は内藤に「男性って台風が好きですよね」と、話を振った。
 内藤がこの様子を楽しんでいると思ったからだ。


( ^ω^)「え、どうだろう。台風が好きっていうか、安全な場所で見る非日常が楽しいって感じかな。
      ほら、今もさ、台風ってわけじゃないけど、僕ら、車の中で雨に打たれることないけど、外は土砂降りなのがさ。わくわくしない?」


 内藤は少々軽薄気味なところのある男だった。
 津出もそれは知ってはいるので、特に気にはしなかったが、だからこそこの仕事も出来ているのだとある意味では信頼もしていた。


ξ゚⊿゚)ξ「しませんよ。やだなって感じしかしません。それに、私、雨、嫌いなので」

( ^ω^)「あぁ、髪の毛、湿気でね、大変だよね。うんうん」


 思ってもないことを、と津出は言葉には出さなかったが、「はぁ」とだけ返した。




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