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犬が逝ったようです

1名無しさん:2020/11/17(火) 20:46:06 ID:4caURSI60
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一五年前の冬に親父が犬を買ってきた。
当時親父は郊外の複合型スーパーで働いていて、そこのペット屋で買ってきたものだった。

ミ ´Д`彡「俺がペット屋の前を通ると、一匹だけケージの中でハネてる犬がいる」

とは前々から聞いていたし、その様子を動画に撮ったものも見ていたが
まさか本当にそいつを連れて帰ってくるとは思わなかった。

過去、この家に入った人間以外の生物と言えば
精々蚊と蝿とゴキブリと蜘蛛とテントウムシと
大事に育てていたはずなのに寄生虫に腹の中を食い尽くされて死んだモンシロチョウの幼虫と
大事に育てていたはずなのに俺が腐葉土を上からかけてしまったせいで圧死したカブトムシの幼虫と
大事に育てていたはずなのに左の触覚が折れてしまって
その後遺症で死んだコオロギの幼虫くらいのもので
爬虫類とか鳥類とかその辺りをすっ飛ばして、いきなり哺乳類がやって来るとなったら
それはそこそこに動揺した。そ

もそもこのマンションはペットが駄目だったんじゃないかと聞くと、親父はこう返してきた。

「規則では『大きな鳴き声、吠え声を上げる動物の飼育は禁止』って書いてあるだけだから」

だから、こいつをちゃんとしつけて余計に吠えさせなけりゃ問題無い、と言う話だった。
滅茶苦茶な理屈だったが、やって来てしまったものはどうにもならないし
ひとまずこの犬は、めでたく我が家の家族として迎え入れられることになった。


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22名無しさん:2021/07/12(月) 12:07:17 ID:gBfdtKNg0
そうすればきっと

23名無しさん:2021/08/24(火) 00:46:32 ID:eGDsqRME0
待ってる

24名無しさん:2021/10/24(日) 16:03:37 ID:mK9vhRW.0
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それから間もなくして、ゴロが力尽きた。
朝、餌にも水にも手を付けず、うつ伏せで動かなくなっていたところを祖母が見つけたという。

その一ヶ月後くらいに俺が祖父母の家に行った時には、既にゴロが家にいた面影は無くなっていた。
アルミ製の水飲み皿、噛み跡だらけのテニスボール、散歩用の首輪、その一切が処分され
玄関に掛けられた在りし日の彼女の写真だけが、かつてこの家に一匹の柴犬がいたことを証明していた。

祖母は気丈だったが、祖父はあからさまに顔がやつれていたし、口数もいつもより大分少なくなっていた。
夕食の席で、お袋に在りし日のゴロの思い出話をぽつぽつと語った後目の前のおかずを一口、二口食べたかと思えば

ミ ´w`彡「今日はもういい」

と、二階の自室に籠もり、それきり姿を見せなくなった。

(*´∀`)「最近ねえ、ずっとああなんよ」

とは祖母の言葉だった。

(*´∀`)「あの、スカイプとかいうやつで色んな友達と通話してたんですけどね、それも一切やらなくなっちゃって」

かつてあれだけ軽口が好きで社交性に富んでいた祖父の変貌ぶりに俺は愕然としたが
後々聞いた話によると、どうもあの時点で祖父は鬱病を患っていたらしかった。
身体の不調、特に十数年前に切った胃の調子が思わしくない状態が続いていたらしく
疑心暗鬼が続いていたタイミングで、ゴロの死が重なった。


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25名無しさん:2021/10/24(日) 16:04:24 ID:mK9vhRW.0
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一度負の方向に針が振れてしまうと、そう簡単には元に戻らない。
その後、加齢による自然な症状だといくら医者に言われようと、祖父は信じなかった。
取り返しのつかない重大な疾患を抱えているのだろう、そうに違いないとの思い込みが、ますます彼を弱らせた。

ミ ´Д`彡「もうちょい食べてもらわんと困る」

ある日、親父が祖母に言った。この頃になると、祖父は自室から姿を見せなくなっていた。
たまにものを食べる意思がある時にだけ一階の居間に下りてきたが
それ以外の時間、外にも出ず、スカイプにも繋げず、一体彼は自室で、何と闘っていたのだろう。今となっては分かるまい。

病は気からとはよく言ったもので、その後、祖父は心筋梗塞をやらかして入院した。
俺は見舞いに行けず終いだったが、両親の話によると「思ったより元気そう」らしかった。
二人の「元気そう」の基準がどの程度のものなのかは知らないが、それを聞いて、俺もひとまずはと安心していた。



それから幾ばくも無く、祖父は二回目の心筋梗塞を起こして逝った。
朝、自室のベッドで冷たくなっているところを祖母が見つけたという。
ゴロと同じような逝き方しよるん、と祖母は通夜の席で言った。ゴロがいなくなってから、一年も経っていなかった。

しばらくぶりに拝んだ祖父の顔に、かつての面影は無かった。
痩せこけたと言うか、やつれたと言うか、ヘリウムガスが抜けた紙風船のように「萎んで」いた。
犬を弔ってからたった一年、たった一年で、人はこうも取り返しが付かないまでに崩れてしまうものなのだろうか。


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26名無しさん:2021/10/24(日) 16:04:48 ID:mK9vhRW.0
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(* ゚A゚)「ゴロちゃんがいなくなっちゃってから、こんなに早く亡くなるなんてねえ」

お袋は祖母にそう話しかけながら、おもむろに親父の方へと視線を移した。
俺はその瞬間を見逃していなかったし、恐らく俺もお袋も同じことを考えていたはずなのだが
当の親父は気付くはずもなく、絡まった数珠を直すことに躍起になっていた。

通夜を終え、祖父母の家に向かった。
祖父の自室はがらんどうで、机の上に置かれていたはずの
大きなパソコンは回線を引っこ抜かれ、部屋の隅に小さくまとめられていた。

余所行きの背広が僅か数着ばかり吊るされており
あとは遠藤周作のエッセイが数冊、それだけだった。

まるで何もかも分かっていたように、何も遺さずして祖父はいなくなった。
何気なく一冊の本を手に取り、ぱらぱらと捲ってみると
奥付に「読了 三月四日 横浜市立大病院にて」と、彼の字でサインが書き込まれていた。
その本は今でも実家の自室の本棚にあるが、何故だろうか、あまり開く気にもなれないまま、何年も経ってしまった。


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27名無しさん:2021/10/24(日) 16:05:25 ID:mK9vhRW.0
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その頃、ニコは育ち盛りを迎えていた。
すばしっこく家中を駆けずり回り、障子を破り、壁を引っかき
俺が持っているカナル型イヤホンのイヤーピースを食べた。
とにかく食い意地が張っていたから、朝晩と差し出された餌は一分もせずに全て平らげていたし
口元に差し出せばどんなものであろうが食ってしまう恐れがあった。

イヤーピースは、俺が自室で寝入っているときに奴が忍び込んで
枕元のイヤホンを噛んでいるときに偶然飲み込んでしまったようだった。
流石に奴の胃も異物を受け付けまいと躍起になったのか、数時間後に、朝飯と一緒に吐き出された。

以来俺はカナル型のイヤホンを使わなくなり、奴のことを「ゲロニコ」と呼ぶようになった。
何となくゲロと頭に付けて呼んでみると「ゲルニカ」と響きが似ているから、俺が勝手に気に入ってしまったのだ。

親父は俺に、ニコが誤飲する可能性があるものは周りに置いたりするなと、妙にシビアな顔をして言った。
そして、ニコの体調を過保護なまでに気に掛けた。
その日は会社を休み、ニコを病院へ連れて行くと、その後は付きっきりで「看病」と言う名の見張りをしていた。


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28名無しさん:2021/10/24(日) 16:06:18 ID:mK9vhRW.0
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ミ ´Д`彡「ニコちゃん、つらいつらいだね、可哀想だけどまんま食べられないね、可哀想に……」

親父は何故ここまでニコを気遣うのか、その理由は薄々分かっていた。
親父は、祖父の血を継いだ男である。ゴロが逝った後の祖父の衰え方は、他人ごとではない。
それに、ニコが逝ってしまうと、それこそ俺が言う家族を家族たらしめる「かすがい」を失うに等しい。

だから、可愛がっているペットが死んでしまうと悲しいとか
そういった話とはまた別に、親父にとってニコという存在を失うことは、最早己の死活問題にも等しいのである。
そしてそれを、俺もお袋も知りながら黙っていた。
だから俺達も俺達で、親父に負けず劣らずの意地の悪い人間ではあった。

俺もまた、勿論ニコを可愛がってはいたのだが
他方でいち家族の下らないエゴを知らぬ間に擦り付けられてしまっていることへの、哀れみや心苦しさも持ち合わせていた。
俺がことあるごとに奴を「ゲロニコ」「ゲロニコ」と呼んでいたのは
そうした痛ましさから目を逸らす為の、姑息な手段かもしれなかった。






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29名無しさん:2021/10/24(日) 16:06:42 ID:mK9vhRW.0
これから毎秒投下します

30名無しさん:2021/10/24(日) 16:12:15 ID:5SmPw7Zo0
まってた、うれしい

31名無しさん:2021/10/24(日) 16:13:57 ID:Aiapk9Ok0
待ってた!!! 乙乙

32名無しさん:2021/10/24(日) 16:24:59 ID:vhulfVHw0
毎秒だって!?!?!!!!!?

33名無しさん:2021/10/26(火) 20:12:54 ID:TIEcg2vE0
一分間に60レス感謝します

34名無しさん:2021/10/27(水) 00:13:58 ID:izdEv1DY0
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犬と祖父を失った家に、祖母は引き続き住み続けた。
彼女も歳だったし、何せ小高い丘の上に建っていたから、叔父の家に移ってもらうことを親戚一同で考えていたが
そんなことせんでも独りで暮らせると譲らなかった。

祖父が亡くなってからしばらくして訪れた家は、あらゆる家具や服の一切が整理されており
独りで住むにはあまりにも広過ぎるように見えた。
それもゆとりがあると言うよりは「がらんどう」という形容が近いような、寂寥ばかりが募る広さだった。

がらんどうの家を、ニコは嬉しそうに駆け回った。
猛スピードで階段をよじ登る先をついて行くと
二階は仏間だけがかろうじて機能しているようで、あとは何も残されていなかった。
祖父の最期を看取った折りたたみ式のベッドが一つ、仏間の隅で静かに眠っていた。

ミ ゚Д゚彡「おい、ゲロニコ、ゲロニコ」

声をかけた。

ミ ゚Д゚彡「いなくなったぞ、お前の天敵」

こいつは、ゴロの、祖父の不在に気付いているのだろうか。
我が物顔で部屋を駆けずるニコにテニスボールを投げて寄越すなりして
お前だけは、最期まで何も知らずに生きていてくれと思った。


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35名無しさん:2021/10/27(水) 00:14:42 ID:izdEv1DY0
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人も犬も老いてはやがて終へと誘われる。
それを分かっていながらも、生まれてからこれまで続いてきた家族という体系の連続性を
疑うことがないまま、俺達は何年もの間、ぼやと日々を通し越していく。
それが如何に脆くも有限的なものだったかは、その時が来て、改めて思い知らされるもので
俺は、どうしようもなく怖かった。

家に帰る頃、祖母が何枚かのお札が入ったポチ袋を渡してくれた。

(*´∀`)「最近、あんまりあげてないから」

もう就職もしてるんだし――と返そうとしたが
以前は綺麗に染め揃がっていたはずの祖母の茶髪が、白髪と混じって斑のようになっている様を見て
何も言わずに受け取った。
家に帰ってポチ袋を開けると、千円札が何枚かに紛れて紙切れが入っており

(*´∀`)「久しぶりに顔を見れて嬉しかったよ」

と、書いてあった。
何もそんなに畏まって、と俺は努めて笑った。


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36名無しさん:2021/10/27(水) 00:15:22 ID:izdEv1DY0
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幾ばくもせずに、祖母は救急車で運ばれた。
一人でふもとのスーパーまで向かう体力が無く、食も細り、全身が弱り切った末のことだった。
無理矢理にでもお前んとこに住まわせりゃ良かったのにとは、親父が叔父に言った言葉である。

ミ ゚ w゚彡「いや、そう言うけどね、言って聞かないわけでさ……」

病室の外で、叔父が言う。しばらく養生させて、また元気になってもらうしかない。
会話はできるし、りんごくらいなら食べられるし、当分は点滴だけど、まあ――叔父は何故だか楽天的だった。

病室に入ると、そこには骨と皮だけになった祖母がおり
酸素マスクは外していたが、右腕に高栄養の点滴を付けていた。
ぽかと締まりなく開いた口の向こうには、歯が何本も無かった。

ミ ゚Д゚彡「ばあちゃん、入れ歯だったんか」

祖母は応えなかった。
その後も彼女が我々の会話の輪の中に入ってくることは皆無だったが、唯一
今年の日本シリーズで巨人はどうだ、という話になった時

(*´ `)「あれはダメよ」

と、一言だけ、呻くように放った。

(*´ `)「原は、もうダメよ」

この親にして、この子あり、か。
祖母の言葉に、親父の眼は何とも嬉しそうだった。


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37名無しさん:2021/10/27(水) 00:15:55 ID:izdEv1DY0
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齢80を超えて、しかも50と数年ぶりに独りで日々を暮らすとは想像もし得ぬ気負いがあったかとは思うが
それが入院によってプツと切れてしまったのが、まずかったのかもしれない。
祖母は、日を追う毎に衰弱していったし
俺が最後に見舞いに行った時は、酸素マスクを付け、とうとう言葉も発せられなくなっていた。

ミ ゚Д゚彡「これって、本末転倒なんじゃないか」

俺が言うと

ミ ´Д`彡「あっちの家に預けて、ヘルパーさん付けてもらうことにした」

と、親父は返した。
それはリハビリへ向けての楽観的な退院なのか、もしくは、と考えたが
何にせよ、祖母がかつての面影を取り戻すことは恐らく無いのだろうと思うと
その不可逆さに、一抹の怯えを抱いてしまうのだった。

叔父の家に引き取られてから、叔父は我が家に逐一、祖母の様子を報告した。

「ミ ゚ w゚彡『今日はヘルパーさんに頼んでお風呂に入っていました』」

この連絡を受けて、俺はもう、そういうことなのだろうと思った。


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38名無しさん:2021/10/27(水) 00:16:30 ID:izdEv1DY0
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数日後の未明に、お袋に叩き起こされた。おばあちゃんが息してないって。
そうか、そうだろうな、その通りになったなと思いながら、着替え、叔父宅へと向かった。

パジャマ姿の祖母が、介護ベッドに横たわっていた。
あんぐりと口を開け、顔は乾き切った牛革のように深く皺を刻み
筋張って枝切れのようになった腕が力無く垂れ下がっては、それが持ちあがることは二度と無い。

ゴロが死んで、何年も経っていなかった。だが、こうも呆気ないものだ。
そうだ、俺はこの瞬間がたまらなく怖かったのだ。
いつまでもそこにあるべきものだという妄想、家族という、その実は何とも頼りない「かすがい」で
無理矢理繋がっていたような脆い共同体、それを永遠だと信じ切ってしまっている、愚かさが――

連れてきたニコが甲高い吠え声を上げた。

ミ ゚Д゚彡「何だお前、うるせえぞ!」

親父が皿に盛られたドッグフードを取り出して、猫撫で声を放つ。

ミ ´Д`彡「あーニコちゃんニコちゃんそうだったね、まんまの時間だね、ねえーニコちゃん」

ニコ、毎朝決まった時間にご飯が貰えるって知ってるから
最近その時間に吠えるようになったの、お袋が俺に耳打ちした。

ミ ´Д`彡「あーニコちゃんニコちゃん、はいはいニコちゃんよし、まんままんま」

お前だけは、最期まで何も知らずに生きていてくれ――俺は、改めて思い直した。






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39名無しさん:2021/10/27(水) 00:18:12 ID:Xzc8LLbc0
ん乙

40名無しさん:2021/10/27(水) 00:19:53 ID:gBTEyC8o0
着々と静かに失われていく怖さよ


41名無しさん:2021/10/27(水) 08:48:59 ID:jWl4j/fg0


42名無しさん:2021/10/27(水) 19:54:40 ID:3SBN7Blg0
乙!

43名無しさん:2021/10/29(金) 10:31:31 ID:CTOeM3eM0
メメントモリ

44名無しさん:2021/10/29(金) 18:21:53 ID:3SHVAr4k0
乙です
親父もまた祖父と似たような道を辿るのだろうか。ヴヴ……

45名無しさん:2021/11/02(火) 00:26:38 ID:lCQG0FYA0
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祖母の逝去の時点で、ニコは8歳だった。
小型犬の寿命が平均で15年であれば、おおよそこの辺りが折り返し地点だったし
現にそれ以降、奴は走り回ったり、飛び跳ねたりする頻度を徐々に減らし始めた。
相変わらず出された餌はものの十数秒で平らげるが
流石に俺のイヤーピースを飲み込むような真似はしなくなった。

ある日、ニコの様子がおかしいと親父が言った。
右の後ろ足を引きずるように、ひょこひょこと覚束ない足取りで歩いている。
過保護な親父がすぐ病院に連れて行くと
「ヘルニアのようなもの」との診断がなされた。
何故そうなったかは知らないが、慢性的に怪しかったところが悪化しているのだという。

お触れが出された。
今後の為にも、ニコを脇で抱きかかえたり、ひっくり返したり、立たせたりすることを一切禁ずると。
それを最も繰り返していたのは他でもないあんたじゃないかと俺は言いかけたが、やめておいた。


それでもたまの散歩には連れて行ったが
親父が気遣ってなるべく運動をさせないようにするものだから
前までは隣町まで出向くなり河川敷を走らせるなりしていたものが
気が付けばその辺りを一周するだけで精一杯になっていた。
ところが食う量は変わらないから、日を追う毎に寸胴になっていった。


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46名無しさん:2021/11/02(火) 00:27:00 ID:lCQG0FYA0
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ミ ゚Д゚彡「お前、チワワだよな?」


樽のような胴を取って付けたような短い手足が支え
よたよたと歩く様は、犬と言うよりはむしろタヌキによく似ていた。

タヌキは祖父母の家の裏山を歩いていると、ごく稀に出くわすことがあった。
裏山にはタヌキの他に、野良猫が数匹住み着いていた。
中でも顔に黒ぶちを付けた白猫を祖父母は「パンダ」と呼んでおり、気まぐれに餌をやるなどしていた。

ある日、祖母が亡くなってから空き家となった丘の上の家に行き
遺された家具を整理していると、パンダが裏庭に下りてきて、ニ、三度鳴き声を上げた。


(* ゚A゚)「パンダねえ、あんたもう餌貰えないよ」


餌は差し出されず、パンダも何かを察したのか、妙に諦めが早かった。
くると踵を返すと、裏山の茂みの向こうへと消えていき、そのまま戻っては来なかった。
家具の整理があって、祖父母宅にはその後も何度か訪れたが
タヌキは勿論、パンダも庭に訪れることはなかった。


ミ ゚ w゚彡「俺らの言葉が分かってるみたいにいなくなっちゃうもんだねえ」


と、叔父が言った。
多分、パンダはしばらく待っていても一向に餌が差し出されない状況から判断したのだろうが
これがもし、本当に俺達の話を、俺達の立場を分かっていたのならば――
俺は、部屋の隅で伸びをするニコを見た。


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47名無しさん:2021/11/02(火) 00:27:30 ID:lCQG0FYA0
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しばらくして、親父が定年を迎えた。
属託として仕事は続くが、おおよそ四〇年にわたる彼の会社員生活は終わった。

パニック障害で閑職に追いやられ
最後は「フロアコーディネイター」とかいう大層な肩書を貰って
品出しの配置を考える部門に就いていたらしい。

収入は、一番貰っていた頃の半分までに落ちたとはお袋の言葉だ。
それに親父は新卒で今の会社に入っていたが
その時の同期で残っている人間の大半は役員か、何らかの役職持ちになっていた。

親父は卑屈だが見栄張りでプライドも人以上に高い人間だから
並々ならぬ思いどころを抱えているに違いなかったが
こればかりはどうにも恐ろしくて、とうとう今の今まで聞けずにいる。

親父の見栄は、昔から車に現れていた。
俺が物心ついた頃に乗っていたのはグレーのBMW、やがて黒いBMWに乗り換え
ここ一〇年ほどはプリウスに乗っていたが
「外車乗り」のステータスを得ることは諦めきれていなかったようで
退職金をはたいて買ったのは、新古の真っ赤なボルボだった。


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48名無しさん:2021/11/02(火) 00:27:57 ID:lCQG0FYA0
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ミ ´Д`彡「俺にとって最後の車なんだから、好きなもん買わせろよ」

属託となった親父が何の仕事をしていたのかは知らないが
毎日異なる店舗へ向かわされており、専ら車での通勤だった。

毎日、鏡面の如く磨き上げられたボルボを乗り回すことで、親父のステータスは担保されていた。
だから、ボルボにニコを乗せて動物病院など行こうものなら
それはもう彼にとって至上の歓びだったと思うのだ。

趣味も無く、ロクに交友関係も無く、仕事も事実上リタイアした親父を支えている
柱、犬、車、後はまあ、巨人の敗北、この三つ。
ところが、そのうち一本の様子がどうも頼りなげだった。


ニコは着実に老いていった。
肝臓の数値に少し懸念があると、医者が首をひねった。
飛び跳ねることが少なくなり、昼間は専ら寝ているか
そうでもなければ地面にへばりついて、いつの間にか白く濁りを付けた両の眼で真正面を見つめるなりしていた。


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49名無しさん:2021/11/02(火) 00:28:27 ID:lCQG0FYA0
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小型犬の平均寿命が一五年、ニコがその時一ニ歳で
人間で当てはめてみれば紛うことなく高齢者だった。
内臓の値が悪くなっても飛び跳ねなくなっても眼が白く濁っても
それは老化の範疇で致し方ないもののはずだったが
とにかく親父はこの辺りから大分ナーバスになっていった。

ある日の午後、ニコが朝食を戻した。
たまたま休みだった親父は大層慌てたが、かかりつけの動物病院が休院だったものだから
死物狂いで救急外来を受け入れている病院を探し
自慢のボルボに飛ばしに飛ばして、なんとか夕方前に診てもらえたらしい。

結果としては軽い胃炎だったが、ケージの中で寝入るニコを横に
何時間も寄り添っては憔悴し切る親父の姿を見ると
おちおちゲロニコがまたゲロったのかなどと軽口も叩けなかった。

(* ゚A゚)「悪い癖が出てんだから」

お袋が言った。とにかく悪い方悪い方に物事を考えすぎて
酷くなると、すすきが音を立てて揺れただけで気が滅入ってしまう。
初めて会った頃からまったく変わっていない、と。






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50名無しさん:2021/11/02(火) 00:28:48 ID:lCQG0FYA0
もうちょいで終わります

51名無しさん:2021/11/02(火) 00:58:04 ID:d/yiEabU0
犬が老いていく描写での不安感がしんどい


52名無しさん:2021/11/02(火) 01:24:32 ID:Sg0mB68c0
もうどうにもならない、なるようにしかならない
という息苦しい気持ちでいっぱいです乙

53名無しさん:2021/11/02(火) 01:52:06 ID:RAqH8tzg0


54名無しさん:2021/11/02(火) 08:48:14 ID:MjoLAeag0


55名無しさん:2021/11/03(水) 02:19:43 ID:eqjAVCZE0
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ニコが歳を取り、床に伏せる時間が多くなればなるほど、親父の気力も失せ始めているようだった。
休日は朝から晩までテレビの前、大きなビーズクッションに身体を埋めて、プロ野球の中継を見ている。
巨人が負ければ手をたたいて喜び
いかにして無様な負け方を披露したかを数分かけてニコに力説した。それが数年続いた。
親父にとっても、それを傍から見ていた俺やお袋にとっても、あまりにも長い数年だった。

「悪い癖って言うか、病気かもしれないねえ」

お袋が言い、おれはすっかり白髪交じりになったニコを見た。
髭が萎え、重力に抗えずに垂れ下がっている。
白くかすんだ眼の縁に、目やにが溜まっている。

俺達のかすがいとして、知らぬ間に再迷惑な使命を与えられた哀れなチワワ
肝臓の数値はもう、ずっとよろしくないらしい。
ヘルニアも悪化して、よほど体調が良さそうな日でなければ散歩にも連れ出すことはなくなった。
あとは如何にして安静な老後を迎えるか、だけだった。

俺は、家を出ることにした。
丁度その頃、たまたま家賃補助を多めに出してくれる会社への転職に成功した――というのが建前の理由で
本当のところは、そう遠くはないだろうニコの死に目からなるべく遠ざかりたかったのである。
彼女の最期を間近で拝むことで、なあなあで抑えていた罪悪感が一気に噴出するのではないかと思うと、怖かったのだ。


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56名無しさん:2021/11/03(水) 02:22:06 ID:eqjAVCZE0
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荷造りを終え、生まれてからおおよそ四半世紀と少しにわたって住み続けた家と
いよいよおさらばするその時に、ニコがおれの足元に寄ってきた。
吠えもせず、舌も出さず、俺を見上げていた。その白い濁りの奥に、俺はどう映っていたのだろうか。

ミ ゚Д゚彡「ゲロニコ」

いつもの調子で口に出してみたが、俺はその後に続けたい言葉がどうしても出て来ず
ニコを振り払って、玄関のドアを開けた。

ミ ゚Д゚彡「じゃあ、また荷物取りに来るから」

俺が玄関から叫ぶと、リビングの奥から一言、親父の

ミ ´Д`彡「気を付けろよ」

という声だけが聞こえてきた。
廊下の向こう、ニコがフローリングに突っ伏しながら、いつまでも俺の方を見ていた。
これがもし、本当に俺達の話を、俺達の立場を分かっていたのならば――
いつかふと頭によぎったことを思い出しながら、ドアを閉めた。




独り暮らしが始まり、俺は独身貴族として今まで以上に趣味に打ち込んだ。
高いカメラを買い、自転車に乗って峠を越えてみたり、中型免許を取ってバイクに乗ってみたりした。
何故ここまで躍起になって趣味の幅を広げたいのだろうか、我ながらよく分からない感情だったが
お陰様で休みの日にも暇をしなかった。
何より先立って予定を入れてしまえば、それを言い訳に実家にも長いこと帰らずに済む。


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57名無しさん:2021/11/03(水) 02:22:39 ID:eqjAVCZE0
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そして、お袋から連絡が飛んできた。ニコが危ない。
俺は適当な理由をいくつか挙げて、今すぐ帰るのは難しいと言った。

それから数日後、またしても連絡が飛んできた。ニコが息を引き取った。
最期は動物病院に入院して、適切な疼痛コントロールの元、苦しまずに逝くことができた、とお袋は言った。
それは良かったと俺は返して、更に数日経ち、ようやく俺は実家に向かった。

和室に置かれた仏壇、祖父母の遺影の隣に写真立てが置かれており
若い頃のニコがテニスボールに噛み付いていた。
お袋が小さな骨壺と、生前ニコが使っていた餌皿を持ってきて

(* ゚A゚)「おままごとの葬式をやってるみたいな気分よ」

と言った。俺は黙って骨壺に手を合わせ、餌皿を眺めた。足掛け一五年と少しばかりの間、彼女の食事を支え続けた。
どうもニコが逝ってから、親父はこれを猪口の代わりにして酒を飲んでいるらしかった。
馬鹿みてえだ、俺は言いかけたが、寸でのところで抑えた。

ビーズクッションに身体を預け、ナイターを見ている親父に
俺はろくに言葉をかけられないまま、家を出た。


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58名無しさん:2021/11/03(水) 02:23:04 ID:eqjAVCZE0
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考えることは、これから俺も親父もお袋も、「かすがい」を失ったこの家族が、どのような顛末を辿るかだった。
俺はその場から逃げ去り、仕事と趣味で頭の中を埋めることに集中した。
お袋もお袋で、趣味のフィットネスで知り合った仲間との集いの中に、己のアイデンティティを見出しているようだった。
それで、親父はどうすれば良かったのだろうか。

嘱託の契約が終わり、とうとう親父は外に出る理由が無くなった。
ニコは失せ、その年の巨人は好調だった。
ある日、俺が実家に戻った時、真っ赤なボルボが駐車場に停まっていなかったことに気付き、どうしたのかと聞くと

ミ ´Д`彡「売ったよ、必要無いから」

と、返ってきた。俺の顔を見ず、スマホの画面をぼやと眺めていた。
映っていたのは「巨人屈辱の敗北集」と題された動画だった。

ミ ゚Д゚彡「俺にくれりゃ良かったのに」

と言うと、誰がお前なんかにと吐き捨てられ、それきり言葉を交わすことはなかった。

俺はその時、ソロキャンプを次なる趣味に見据え
まずはキャンプへ向かう「足」を調達することを考えていた。
親父のボルボが俺の手元に渡れば儲けものだったが
売り払われてしまったのなら仕方がなかった。


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59名無しさん:2021/11/03(水) 02:23:44 ID:eqjAVCZE0
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それで俺は当面の間、ジムニーを新車で購入することを目標にした。
独り身、家賃、光熱費、水道、家具、家電
飲んで、食って、服を買って、バイクのガソリンも入れて、カメラのレンズも――

貯金はそう簡単には貯まらなかったが、極力電気を付けなかったり
何も食べない日を設けたり、そうした多少乱暴な節約術を繰り返して
どうにか目標値の三分の二くらいまでを貯金することに成功した。

これを頭金にして、後はローンを組んでしまえば、少なくとも首が回らなくなることはないだろう。
俺は浮かれ気分と化し、次の週末にカーディーラーへ行って、ジムニーを買ってしまおうと思った。
乗ってしまえるならば、早いに越したことは無かった。

その時、電話が鳴った。切羽詰まり、裏返った母の声が向こうに聞こえた。
親父が倒れた、脳卒中らしい。

発見のタイミングが微妙で、一命は取り留めたが
場合によっては今までのように話せなくなるらしい、右の半身も不自由になるらしい、と。

俺は電話を置き、不思議と動揺は無かった。
冷静とも違う、つまり、俺は観念していたのだ。遅かれ早かれ、来るだろうと思っていた。


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60名無しさん:2021/11/03(水) 02:24:27 ID:eqjAVCZE0
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病室のベッドに横たわる親父に、言葉は無かった。
顔の右半分が麻痺して、今の段階ではチューブ越しでないと水も飲めない、と看護師は言った。

ミ ゚Д゚彡「思ったより早かったな」

俺は病室の隅で、親父に聞こえぬよう呟いたが
風向きによっては、僅かに聞こえたかもしれなかった。

だが、顔の右半分をまともに動かせなくなった親父に、感情を伝える術は無かった。
もしくは、伝える必要がある感情など無くなってしまったのかもしれなかった。
かつての祖父がああで、親父もこう。それで、俺は――なるべく考えないようにして、病室を出た。


病院の待合室で、お袋が言った。

(* ゚A゚)「リハビリとかは勿論お父さんにも頑張ってもらうんだけど、前のような普通に立って歩いて話して、ってのは難しいみたいで」

私独りだけでお父さんを支えるのは、中々厳しい実情がある。

ミ ゚Д゚彡「俺に実家に戻れって?」

(* ゚A゚)「そうしてもらいたいけどね、できれば」


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61名無しさん:2021/11/03(水) 02:24:51 ID:eqjAVCZE0
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それが嫌なら、施設に入ってもらって、いい環境でゆっくり回復してもらうか――どっちかだと思うのね。

ミ ゚Д゚彡「金のあては?」

(* ゚A゚)「だからね、そこでどうしても考えなきゃいけないってのがあって」

ミ ゚Д゚彡「俺に出せって?」

(* ゚A゚)「言ってないでしょ、そんなこと」

前々から思っていたけれど、お父さんに対する敬意とか
育ててくれてありがとうっていう思いが足りないんじゃないの、とお袋は言った。

(* ゚A゚)「言っとくけど、あんたにもお父さんとかお爺ちゃんとか、その血がちゃんと流れてるんだから」

それを言ってくれるなよ、俺は思わず顔を背けて、軽い舌打ちを繰り返した。




ジムニー貯金と親父の施設代とを天秤にかけながら、帰路に就いた。
これからのことを考えるだけ、苦痛だった。
とにかく早めに寝てしまおうと、ろくに飯も食わず、シャワーを浴びて早々に寝床に入ってしまうことにした。

「ジムニー、自宅介護、ジムニー、施設、ジムニー……」

頭の中で、繰り返し反芻された。されながら、一体俺達はどうしてこうなってしまったのだろうと考えようとしたが
時間を費やせば費やすほど無駄な思索だと気付き、やめた。



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62名無しさん:2021/11/03(水) 02:25:20 ID:eqjAVCZE0
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そのうちに雑念が暗がりの中に溶けて行き、時間の垣根は失せ
いつしか、俺は雪原にいた。
俺の背丈ほどの枯れ木が二、三本生えている以外は辺りに何も無く、地平線を向こうに見た。
リードを手に持っており、それを目で辿っていくと、黒く艶めいた毛並みの犬がいた。
両の黒い眼で俺を凝視しては、一回、二回と吠え、舌をだらしなく伸ばした。

ミ ゚Д゚彡「遊び足りないか、ゲロニコ」

俺が言うと、ニコはその言葉を分かっているかのように細い唸り声を上げ
右の前足を上げると、リードを持っている俺の右腕を引っかき始めた。

ミ ゚Д゚彡「分かったよ」

分かったよ、放してやるよ。その地平線の方まで散歩してくればいい。

ミ ゚Д゚彡「よし行け、行け、ゲロニコ」

俺がリードを離すと、奴は大袈裟なまでに弾みを付け、駆け出した。
枯れ木の先、地平線の先、わき目も振らずに走っては
ニコの輪郭はやがて毛玉のような影へと変わり、それも点となり、最後には見えなくなった。

俺は、それをずっと見ていた。
とうに影が見えなくなったニコが走るその先、先の先に思いを馳せながら、ずっと眺めていた。



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63名無しさん:2021/11/03(水) 02:25:46 ID:eqjAVCZE0
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すまなかった、ニコ。

すまなかった、ニコ。

すまなかった――












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64名無しさん:2021/11/03(水) 02:29:31 ID:eqjAVCZE0
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過去書いたもの

( ・∀・)ワンダリング・ジャックに捧ぐようです
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1544363311/

ミ,,゚Д゚彡東京者のようです
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1560001539/

( ・-・)('、`*川マーチのようです
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1585463214/

(・∀ ・)(,,^Д^)グラン・ギニョル・ザギンのようです
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1618656837/

(´・ω・`)( ・∀・)性鉄のようです
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1620128938/

ジーザス・エヴァーグリーンのようです
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1624706101/

今書いているもの

( ・∀・)ハイパー・レプリゼントのようです
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1624181098/


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65名無しさん:2021/11/03(水) 02:30:46 ID:eqjAVCZE0
おしまいです
感想頂けると嬉しいので感想頂けると嬉しいです

66名無しさん:2021/11/03(水) 02:33:26 ID:ONk80/7U0
ん乙ぅ

67名無しさん:2021/11/03(水) 02:42:21 ID:QNkc5eAg0
ニコはこの家族から解き放たれて自由になったけど主人公は夢の中でさえどこにも行けないんだな


68名無しさん:2021/11/03(水) 19:00:47 ID:6BylLKko0
乙でした。話は辛いけど読めて嬉しい
主人公があまりに淡々と語るから、ただの傍観者でしかないのかと思っていたけれど、
ニコちゃんを放つイメージでやっと、誤解だったと気付いた
彼もずっと苦しんできたのかなと思ったし、読み返してみると各シーンの見え方が変わって胸が痛い

個人的には主人公の母親が最も恐ろしい
妻の姿も母の姿も全く見えない、女だ、他人を使う女だ。話が通じる気がしない

69名無しさん:2021/11/03(水) 19:09:47 ID:7fuHq.HY0
乙です

70名無しさん:2021/11/03(水) 21:52:11 ID:/4fJSNL60
将来主人公もかすがいを飼うんやろな

71名無しさん:2021/11/06(土) 12:36:57 ID:d4kizuLw0
>(* ゚A゚)「言っとくけど、あんたにもお父さんとかお爺ちゃんとか、その血がちゃんと流れてるんだから」

母親が言う嫌みの中で最もたちが悪いセリフなんだよな…
面白かった!って言えるような内容じゃないけど、読後感はすげえ面白い話読んだって思う。乙


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