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ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです

775名無しさん:2023/01/30(月) 23:08:35 ID:.eE0h2Dw0


 とはいえ、死にかけの人間が書く文章など大した量や内容にはならないものだ。
 文字が歪んでいて読解自体が難しかったり、最初の数ページ以降は全て白紙という本もかなり多い。
 当たり外れの区別はないが、読み応えという点でツンの欲求を満たすものはかなり少なかった。

ξ゚⊿゚)ξ

ξ-⊿-)ξ「……ふぅ」

 ツンは手にした日記たちを10分もしないうちに読破してしまった。そしてもう二度と読まない。
 あとの時間はキュートに任されている品定めに使い、書斎の整理を同時に進めていく。

 以上が魔王城ツンの基本的な生活習慣。
 彼女はこれを半月以上繰り返し、これ以外の事を何もしていなかった。

ξ゚⊿゚)ξ「……ざ、りとるぷりんす」

ξ゚⊿゚)ξ(これ初版っぽいし、多分売れるやつよね)

ξ゚⊿゚)ξ(こっちのは虫の本かしら……ファーブル?)

ξ゚⊿゚)ξ(とりあえず読みましょう)

 〜3時間後〜

ξ゚⊿゚)ξ(読み終わったのだわ)

ξ゚⊿゚)ξ(……品定めも少しやったし、次は部屋の整理をしましょうか)チラッ

 ツンは立ち上がって書斎を一望し、さてどこに手を付けてみようかと少し考えた。

 背の低い本棚。背の高い本棚。床に積まれた本の山。
 埃を被った医療器具。衣類や毛布の塊。壊れた家具や家電の類。
 それらに加え、キュートが持ち帰ってきた金目のものがとにかくいっぱい。

ξ゚⊿゚)ξ

ξ゚⊿゚)ξ「書斎なんだし、やっぱり本よね」

 ややあってから、ツンの関心は背の高い本棚に向けられた。
 それは整理を口実にした宝探し。彼女の目当ては、その本棚に収められた未読の日記たちであった。
 足の踏み場を作りつつ、ツンは背高の本棚に近づいてラインナップを確認した。

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