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ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです
742
:
名無しさん
:2022/09/04(日) 17:50:09 ID:7IoV7Kbc0
≪?≫
大粒の雪がしきりに降り注いでいた。風に乗って吹きつける白いつぶてが容赦なく体温を奪っていく。
――いったい、なにが。
彼女の認識は現実を捉えることなく空を漂い、白銀の世界に呑まれてその機能を喪失していた。
瞬きする間に一変した世界。彼女はいま、ただ呆然と目の前の景色に目を奪われていた。
夜光をたたえる雪景色の只中で、場違いにも程があるジャージ姿のまま、数十秒を無為に過ごす。
そうしていると、今にも膝に達しそうな積雪が耐えがたい痛みを彼女にもたらした。
蝕むような鈍痛だった。彼女は途端に突き動かされて足早に歩き出した。行き先は無かった。
隙間の多い雑木林を一歩ずつ、深雪に足を抜き差ししながら進んでいく。
彼女はふと空を見上げた。空には分厚い黒雲が立ち込め、風に吹かれて不気味に蠢いている。
夜なんだ、と彼女は思った。
ただそれだけを思い、他の事柄はなにも言葉にならなかった。
そのとき、一際大きな風が雑木林に波を打った。
ぶわあと木々が軋み鳴り、そこに積もっていた雪が方々で地面に雪崩れ始める。
彼女は踏み止まって風に耐えていた。頭上に降ってきた雪塊には、気付けなかった。
直後、彼女の頭にサッカーボール大の雪塊が叩きつけられた。
よほど高いところから落ちてきたのだろう。ずどん、という重苦しい音が一緒だった。
それでも魔物の体は頑丈である。衝撃こそ受けたものの、彼女自身はなんら無傷だった。
ξ ⊿ )ξ
けれど、彼女はそこで歩くのをやめてしまった。
急に惨めさが込み上げてきて、熱いものが目に浮かんで、止まってしまったのだ。
彼女は力なく肩を落とし、追いついてきた色々な感情に心身を苛まれた。
.
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