したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです

709名無しさん:2022/09/04(日) 16:28:55 ID:7IoV7Kbc0

≪4≫


ξ#゚⊿゚)ξ「はああ――ッ!」ダッ

 低い姿勢で前に飛び出し、十分な勢いをつけてワカッテマスの眼下に滑り込む。
 ツンは魔力で強化した拳を固め、下から突き上げるような形で彼を急襲した。

( <●><●>)「……お強くなられた。こちらでの生活も無意味ではなかったようですね」

 だがワカッテマスから余裕の色は消えていない。
 ツンが放った最初の一撃を、彼は『とある趣向』をもって受け止めていたのだ。

 彼女の拳を受け止めたのは、ワカッテマスの首元に現れた『黒いマフラー』であった。

ξ;゚⊿゚)ξ「――なッ!?」

 自分の赤マフラーと瓜二つのそれが目の前に現れ、ツンは一瞬戸惑いを晒してしまう。
 ワカッテマスはすかさずその隙を捉え、マフラーの両端で彼女の片腕を絡め取った。
 そのままひょいと空中に吊り上げ、反撃のしようがない状態にして話を続ける。

( <●><●>)「驚くことでもないでしょう。作りだけ見ればそう複雑でもありません。
        これくらいの代物、魔力成形を習得している大概の魔物に作成できます」

ξ;゚⊿゚)ξ「……だとしてもアイデンティティなのよ! 現状唯一のッ……!」

 そう息巻いて暴れるツンだがワカッテマスのマフラーはびくともしなかった。
 引き剥がそうと力を入れても指先が食い込むのは自分の腕の方。
 マフラー自体は鋼鉄のように固まったまま、ツンのあらゆる抵抗をじっと受け続けていた。

( <●><●>)「お嬢様のマフラー、咄嗟の展開にはまだ対応できないようですね。
        試験終盤に見せた動きが普段からできるよう、頑張ってください」

 言い終わると同時にワカッテマスは黒マフラーを空中に増産した。
 黒色のオーラを纏うそれらは殊更純度の高い魔力で作られた特別製、計8本。
 彼はそのマフラーを意のままに操作してみせ、瞬く間にツンの全身を縛り上げてしまった。

ξ;゚⊿゚)ξ(えっ、なんで――)
           ,,
ξ;゚⊿゚)ξ(――こうじゃないでしょ!?)

 ここまでワカッテマスは指一本さえ動かしていない。
 両手を後ろで組み、直立不動のまま、魔力の基本技術だけでツンを無力化してしまった。
 しかも単純にパワー負けしていて歯が立たない。現時点で彼女の敗北は決定的だった。
 戦闘シーンは1レス足らず。じつに儚いワンシーンであった。

.


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板