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ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです

675 ◆gFPbblEHlQ:2022/09/04(日) 14:09:17 ID:7IoV7Kbc0

≪1≫


 魔物発見に関するニュースが世間を騒がせる中、とある男がVIP市内のテレビ局を訪れていた。
 彼はスタッフに案内されてスタジオに入った。生放送の張り詰めた空気が彼を出迎えた。

「ここで、本日のゲストに登場していただきましょう」

 司会の振りでカメラが切り替わり、別位置のカメラがスタジオの出入り口を映し出す。
 続けてスタッフが扉を開くと、その向こうから今日の特別ゲストが姿を現した。
 件の人は灰色のカーディガンにジーンズ、スニーカーという極めてラフな装いだった。

爪'ー`)「ここまで案内ありがとう。行ってくるよ」

 ――勇者軍最大戦力、王座の九人を率いる男、フォックス。
 彼は同伴していた案内役スタッフに礼を言い、穏やかな笑みをたたえて歩き出した。
 カメラを横切って舞台セットに上がり、司会の隣にしれっと並び立つ。それを認め、司会は語った。

「現魔戦争の時代、勇者ブーンと共に戦場を渡り歩いた方々がいらっしゃいます。
 超能力を備えた彼らはいつしか『勇者軍』との呼び名をもって、多くの支持を集めました」

「今回ご登場して頂いたのはそんな勇者軍の現役メンバー、フォックスさんです。
 フォックスさん、本日はよろしくお願い致します」

爪'ー`)「はい。よろしくお願いします」

 司会の挨拶に余裕をもって答えるフォックス。
 大仰な肩書きを笠に着ない呑気な言動。司会も思わず頬を緩め、笑みをこぼした。
 しかし司会はすぐ我に返り、討論番組に相応しい態度で番組を進行していった――。


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