したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです

626名無しさん:2021/12/20(月) 22:43:29 ID:xDJkNY0g0


 ――このマーキングに最初に気付いたのはショボーンだった。
 彼は目ざとい人間である。他人の嘘や欺瞞、イカサマというものを常に考慮して動いている。
 そんな猜疑心に『超人的な肉体』という激化能力を加味して云々、まぁ上手くやったんだと思う。

 これだけ特殊な技能を持っていても組織とか、出世とか、そういうのを考えるんだな。
 私にはよく分からない。一般人のラインで生きてれば、それこそ豊かな一生を送れそうなのに。

(´・ω・`)「これからキミは勇者軍の機密を知る。
      僕の信用あってこその、とんでもないVIP待遇だよ」

(´・ω・`)「……と言うと恩着せがましいけどさ、君には本当に感謝してるんだ。
      私の実力が少しずつ評価されてきてる。次の作戦、上手くいったら大出世できるぞ」

(´・ω・`)「こないだなんて、あの王座の九人が僕に教えを請うてきたんだよ?
      僕も代わりに稽古をつけてもらったけど、あれは爽快だったね」

(´・ω・`)「だからさ、君にもお礼がしたいんだよ。リクエストはあるかい?」

 「……じゃあ音楽止めて」

(´・ω・`)

(´・ω・`)「いいの? 俺とサシで喋るの、嫌じゃない?」

 彼はそう言って端末を叩き、聞き分けよく音楽を切った。
 車内が走行音だけになる。頭が少し、軽くなったような気がした。

 「イヤホン付けるから大丈夫。着きそうになったら起こして」

 ようやく雑音が消えたところで、私は有線イヤホンを取り出して両耳に蓋をした。
 続いてスマホでYouTubeのプレイリストを開き、窓に向かって身を捩る。
 目を閉じて、長く息を吐いた。他人と喋るつもりはもうなかった。

(´・ω・`)「……まったく、僕だって普通に眠いんだけどな。音楽くらいシェアしようよ」

 「……好きなものとは一人で向き合いたいの。分かるでしょ」

(´・ω・`)「僕も勝手に聞かせてもらうからね。沈黙は苦手なんだ」

 その後、イヤホンの向こうから別の音楽が聞こえてきた。
 とても小さな音量だったが、彼はまた古めかしい曲を流し始めたようだった。
 確か坂本なんとかの星がどうこうみたいな……ダメだ、興味がなくて思い出せない。

.


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板