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ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです

596名無しさん:2021/12/20(月) 21:17:58 ID:xDJkNY0g0


ξ;-⊿-)ξ「覚えて、いるのだわ」

 私はそっぽを向いて渋々答えていた。
 ミセリさんの真っ直ぐな瞳に耐えられない。すごく嫌だ。帰りたい。

ミセ*゚ー゚)リ「考えることはできましたか?」

ξ;゚⊿゚)ξ「……うん……」

 ――これは、よくよく考えればおかしな話なのだ。

 一度は戦争までした人間と魔物。
 まして私は戦争を仕掛けた魔王の血筋だし、多くの人々にとっては仇のような存在である。
 それがどうして人間に肩入れしているのと聞かれれば、嫌だけど、消去法なんだと思う。

 そもそもの話、魔物の中でも私だけが異質なのだ。
 人間を敵に回して困るのも、正体がバレて困るのも、魔界に帰りたくないと駄々をこねるのも。
 だから私はこんな風に、どこにである『みんな』という枠組みの常識に馴染めずにいる。

('A`)

 私という存在は人間にとって異物であり、魔物にとってはただの異常者。
 この中途半端な立ち位置を解消する方法は、実はずっと前から分かっていた。

( ^ω^)

 味方が欲しいなら誰かと同じ敵を殴ればいい。
 気分に合わせて都合よく、その時々に応じて都合のいい敵味方を拵えればいい。

 そんな誰でも知ってる普通の処世術、ありふれた凡策を倣えば全てが解決に向かう。
 人間は好きですが、魔物を差別するような事を言ったので今は敵です。
 そう答えたなら安心は目の前だ。感情的にも矛盾はない。そう考える自分は確かに居る。

 けれど、ここで答えを出し渋るから私はこんな有り様なのだ。

 自分の感情を自分で決めきることができないのに、周りの考えにも全く同調しようとしない。
 弱いくせに中途半端な傲慢を振りまいて、答えを出せないのにずっと考えるフリばかりして。
 一人で勝手に孤独を深めて、誰の手も取れないまま――。

.


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