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ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです

595名無しさん:2021/12/20(月) 21:09:43 ID:xDJkNY0g0


ξ゚⊿゚)ξ(ああ、もっとドトールに居座るべきだったな……)

 今朝のニュースを知ってから、私は自覚している以上にくたくたになっていた。
 駅周辺で街の様子を見て、行き交う声に耳を向けて、ニュースを追って、それが間違いだった。

 人間と魔物の邂逅――その非日常感に浮足立っていたのは私だった。
 本当に愚かだ。学校が終わった瞬間、寄り道などせず素直に帰るべきだった。
 そうしていれば、現実という言葉の意味がたった半日で塗り替わることもなかったはずだ。

 ……油断していた。私はまたしても思い上がっていたのだ。
 ちょっと探せばまゆちゃんのような例外を見つけられると、甘い考えで宝探しに出向いてしまった。

ξ゚⊿゚)ξ

 結果この有り様だ。
 具体的に何を見て聞いて知ったのか、もはや回想シーンすら挟みたくない。
 ほんと自傷行為みたいなアドベンチャーパートだった。全カットも当然だろう。

ミセ*゚ー゚)リ「ひとまず順を追ってお話します。まずは例のニュースについてですが――」

 それからミセリさんは一連の話題をおさらいしてくれた。
 そして案の定という感じではあるが、やはり彼女は意図的に私を泳がせていたようだ。

ミセ*゚ー゚)リ「――そして、ニュースに出てきた魔物は実在しません。あれは偽物です。
      ワカッテマスが直接確認してきたので、これについては絶対です」

ミセ*゚ー゚)リ「一連の報道、恐らくは勇者軍が仕掛けた一策であると考えられます。
      本物だったのは『被害者』だけ。何も知らない、普通の人間が殺されています」

(; ^ω^)「えっ、人間が人間を殺したのかお? あんなニュースを作る為に?」

('A`)「お前がそう思うんなら多分そうだよ。俺ら魔物に人間の理屈は理解しきれねえ」

ミセ*゚ー゚)リ「そうね、私も最初は理解に苦しんだ。でも……」

 ミセリさんは瞑目し、息を整えてから続けた。

ミセ*゚ー゚)リ「……お嬢様にとっては最悪の状況です。
      ところでお嬢様、今朝のやり取りを覚えていらっしゃいますか?」

ξ;゚⊿゚)ξ(覚えてる、けど……)

 鮮明に覚えている。だからその話題には触れたくなかった。
 ミセリさんから出された問いかけ――魔王城ツンにとって人間とは何か。
 それに対する明確な答え。今朝にはあった確かな一言が、今の私には遠く霞んで見える。

.


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