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( ФωФ)ロマネスクは誓いを果たすようです

86名無しさん:2021/11/03(水) 01:07:11 ID:eMcxfsSQ0
 ――死。

 心の臓を鷲掴みされたようなおぞましい悪寒と共に、その一文字を強烈に感じ取る。

 クックルは地に伏しているジョルジュに目をくれず、すぐさま身を翻す。
 オサムも同様に漆黒の棺桶に備え付けられた鎖を振り回し、棺桶を盾にする。

( ゚∋゚)「ッ!」

【+  】ゞ゚)「小癪」

 一矢がクックルの強靭な肉体を削り取る。
 もう一矢がオサムの棺桶を貫く。その棺桶の内部から無数の影が舞い散る。
 いずれも反応せねば寸分の狂いなく頭部を貫いていた。

 クックルは殺意を塵ほどにも感じとることができなかった。
 だが、先ほどの一矢は間違いなく致命のそれであり、得体の知れない恐ろしさがあった。

ミセ;゚ー゚)リ「――《慈愛の息吹よ》《付与せよ》《強靭なる力を》! 間に合ったッ!」

 クックルがその矛盾に僅かな思考を向けた事で生まれた僅かな隙。
 それに付け入るように、駆けつけたミセリが杖を握り締めながらジョルジュへと詠唱を紡ぐ。
  _
(  ∀ )「ッらァ!」

(; ゚∋゚)「グ、ゥ……!」

 直後、瀕死と思われたはずの男の豪腕が障壁を破り、クックルの腹部へ突き刺さる。
 予想以上の衝撃と苦痛に初めてクックルの表情が歪み、膝を地につく。

【+  】ゞ゚)「ぬ……」

 それを見てもなお、五歩ほど離れた位置にいたオサムは動けなかった。

 今すぐにでもあのとんがり帽子の魔術師を屠殺することはできるだろう。
 しかしながら、その代償として豪腕に、そしてあの一矢に貫かれるだろうとも理解していた。

 先ほど棺桶を貫かれた際に舞い散らせた、十を超える使い魔たち。
 それらが瞬時にして射貫かれた事を悟ったが故に。


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