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( ФωФ)ロマネスクは誓いを果たすようです

77名無しさん:2021/11/03(水) 00:31:42 ID:eMcxfsSQ0
【+  】ゞ゚)「我らの目的を思い出せ。我らは何のために動いている?」

( ゚∋゚)「……全てはあの御身のために、心得よう。既に警戒されていたようだが?」

【+  】ゞ゚)「本来ならば夜の帳に紛れて強襲するつもりだったが……
       忌々しい事に、緊急依頼を発令された。気付く手立てはなかったはずだが」

( ゚∋゚)「今朝からしもべたちがやけに怯えていた。支配こそはしたが、そこから感付かれた可能性もある」

【+  】ゞ゚)「ふむ……まあいい、もう過ぎ去った事だ。反省は後でいくらでもできる、今が好機である事に変わりはせぬ」
  _
(;゚∀゚)「…………」

 ジョルジュは動かなかった。動けなかったとも言うべきだろう。

 "棺桶死"。
 その棺桶の中には無数の使い魔と魔術陣が敷き詰められ、それを一度放てば死を振り撒くが故に名付けられた名。
 一夜のうちにある街を呑み込んだ史上最悪の吸血鬼、特別指定討伐対象のひとり。

 その思考は実に悪辣。自らを上位存在と信じて疑わず、それでいて計算高い。
 人間の飽くなき欲望を巧みに操り、眷属を着々と増やし裏の世界を暗躍するもの。
 慎重深く、表舞台には滅多に顔を見せない。少なくとも陽が当たるこの場にはいないはずの大物。

 それが直々このブレンデッドへの襲撃という形で姿を現しているという事実に、ジョルジュは少なからぬ衝撃と共に寒気が走る。

 今朝の魔森の異変、破られた結界、そしてクックルの言う"あの御身"――これらの符号と、目前にいる棺桶死。
 弱者には一切興味を示さないクックルがその思想を曲げてまで弱者たちを狩るとなれば、上位者による指示によるものだろう。それもこのオサムではない。

 だが、クックルが従わざるを得ないほどの存在。そしてオサムが表舞台に姿を現すほどのものとは。
 そこまで考えに至った時点で、目前の二体から殺意が膨れ上がる。

【+  】ゞ゚)「"豪腕"。貴様には死んでもらわねばならん」

( ゚∋゚)「……これも戦場の常、悪く思うな」
  _
(;゚∀゚)「このまま見逃してもらいたかったもんだがな」

 ち、とジョルジュは小さく舌打ちをする。
 万全の状態ならばともかく、先程浴びせられてしまった漆黒の炎がちりちりと身体を蝕んでいる。

 一筋の汗がジョルジュの額から頬に伝う。
 その汗が顎へ、そして地へ落ちるまでの間にかつての記憶が走馬灯のように想起された。


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