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( ФωФ)ロマネスクは誓いを果たすようです

55名無しさん:2021/01/13(水) 00:08:22 ID:rAvOGtzU0
ロマネスクは複雑な面持ちをしながらも、弓を上へ垂直に持ち上げるとぐ、と力を込めて弦をゆっくりと引き絞る。
きしむ音と共に、引き絞る両腕の筋肉が盛り上がる。
果たしてその弦は目いっぱいまで引き絞られ、そのまま手放される。

瞬間、轟音と一陣の風が部屋内に吹き抜けた。ロマネスクは残心の後、ゆっくりと弓を横に倒す。

<_プー゚)フ「へェ――こいつァ予想以上だな」

(´・ω・`)「……なんと」

エクストとショボンの口から感嘆の声が漏れる。
あの弓を、十全に扱える者がいたとは。
豪腕として名が知られているジョルジュですら、引き絞るのが精一杯だというのに。

( ФωФ)「感謝を」

ロマネスクは頭を下げると、屈強な体に漆黒の革鎧と矢筒を身につけていく。
一つのルーティンとして何千回も繰り返してきた動作に一切の淀みはなく、瞬く間に装着が終わる。
次に頭に手をやると、戦獅子としてあるべきのものがない事に気づいた。自らの臆病を隠すために身に着けたものが。

だが、忠誠を誓った国が滅んだこの時代において、"戦獅子"の名はもはや無意味だろう。
ここにいるのはただのロマネスク。生きる理由は無けれども、まずはショボンたちに命を救ってくれた恩義を返す事のみを考えよう。
返しきったその後は――ロマネスクはそれ以上、考えることをやめた。

( ФωФ)「このロマネスク。義によりて助太刀いたす」

(´・ω・`)「……ええ。よろしくお願いします」

ショボンはただならぬ気配にやや気圧されながらも、言葉を返した。
それを見届けたロマネスクは頷くと、外へと力強く一歩を踏み出した。


<_プー゚)フ「…………」

エクストはその名を知っていた。
幼い頃より師匠と仰いだ人物より、耳にタコが出来るほど聞いた名だった。


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