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( ФωФ)ロマネスクは誓いを果たすようです

52名無しさん:2021/01/12(火) 23:39:27 ID:O6olsE5s0

エクストは違和感の正体に気づくと、すぐさまベルトにあるノミを取り出し、革の部分に刃を当て槌を振りかぶる。
鉄と鉄がぶつかったような高い音が響く。

(;´・ω・`)「何を!?」

革にはわずかに傷をつけるに留まったものの、莫大な価値のあるものに傷をつけるとはどういうことなのか、とショボンは問い質そうとした。

<_プー゚)フ「少し待て。あンたもこの傷を見ろ。おれの目がおかしくなってる可能性があるからな」

それを制するようにエクストは掌を向けた。
ショボンは訝しみながらも、エクストと共に傷を凝視するが変化はない。
一体どういう、と声に出そうとしたところで、鼓動するかのように鎧の革がかすかにうねり、傷が癒えるようにじわじわと塞がれる。

(;´・ω・`)「これは……」

目を疑う光景だった。無機物であるはずの鎧が、急に得体のしれない恐ろしいものに感じた。
脂汗がエクストの頬を伝う。首には大粒の汗が滝のように流れていた。
どれほど時が経ったのかわからなかった。エクストは頭を金槌で叩きのめされたような感覚が未だに消えずにいた。
それでもエクストは目を離すことができなかった。瞬きすら許されないと本能が告げていた。

(´・ω・`)「……エクストさん?」

ショボンの困惑した声でエクストは我に返ると、長い潜水を経て水面に上がった後のような大きく荒い息をする。

<_フ;゚ー゚)フ「店長さんよォ、これがなンなのか知った上でおれを呼んだンじゃねェよな」

その音色は興奮と、そして幾ばくかの感謝が込められていた。

(´・ω・`)「ええ、お恥ずかしながら。私の目にはドラゴン革の鎧であることしか……故に、専門家に見極めていただこうかと」

<_プー゚)フ「そうかい。ンじゃ"偉大なる一歩"てェ言葉は?」

(´・ω・`)「偉大なる一歩、ですか……初代"歯車王"と"魔法使い"により、この世で初めて誕生した魔具を指す言葉だと」

今や魔具は庶民の生活から最前線を立つ者たちの命を左右するまでのものになっている。
この一歩がなければ、今の生活は成り立たない。故に、偉大なる一歩と。

<_プー゚)フ「一つ違ェ点がある。その一歩は魔具じゃねェ」


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