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( ФωФ)ロマネスクは誓いを果たすようです

49名無しさん:2021/01/12(火) 23:27:57 ID:O6olsE5s0
鍛冶という世界は年功序列の考えが実に根深く、最も若くしてその座に就いた十七代目マタンキですら四十二才である。
それでも若すぎるという意見が多数あったほどと言われれば、どれだけ狭く厳しき門であるか分かるだろう。
しかし、その年功序列は有無を言わせぬ実績と質を保証するもの。

如何な年数と場数を踏んだ職人とてかすかな耄碌を見せ、歯車王の名に見合わぬとなれば即座に剥奪される。
たった一つの打ち損ないが命に直結する世界において、鍛冶の頂点たる歯車王は絶対のものでなければいけない。
その考えの下での厳しい年功序列であった。

そんな中で、弱冠二十六才にして歯車王に最も近い者と謳われる特異点。

曰く、あらゆる素材の鍛造に最適の温度を見極めるその瞳は天から授かられたもの。
一晩で数十個の武具を打ちながらも、それらの面積が全く同一と驚異的な精度を誇るその一振りはまるで魔法。あれが打てぬものなど何もないと。
鉱石の扱いに秀でており、鍛冶という世界で幾多の傑物を生み出してきたドワーフの一族の中でも特に天才と称された男。

それがエクストだった。

<_プー゚)フ「ヘヘ、お前も白金級にしちゃ"豪腕"って呼ばれてるじゃねェか。
         よくやってる方だぜ? ま、おれの勝ちだがな。歯車王になった時ァ楽しみにしてるぜ」
  _
( ゚∀゚)「フン、覚えてやがれ」

顔を歪ませるジョルジュに大きな笑い声を上げるエクストだったが、一転鋭い瞳をショボンに向ける。

<_プー゚)フ「で、要件は」

(´・ω・`)「鎧を検分していただきたく。貴方ほどの方ならば、詳細は直接見られた方が早いかと」

<_プー゚)フ「フゥン……わざわざ火急ってンだ、楽しみにしとくぜ」


(´・ω・`)「申し訳ございません、貴方が身に付けられていた物で気になる点がありまして」

ショボンはロマネスクへ頭を下げる。
気を失っていたとはいえ、無断で生命線たる武具を一時的にと言えども他人に明け渡すことになるのだ。

( ФωФ)「う、む……」

しかし、思考に耽っているロマネスクの反応は薄い。

ヴィップ国が滅んだ。
その事実を受け止めきるには戦獅子と言えども――いや、全てを捧げた戦獅子だからこそ、堪えるものがあった。


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