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( ^ω^)外道の花道のようです

367 ◆hrDcI3XtP.:2020/09/14(月) 02:59:25 ID:LLzGAAM20

(,,゚Д゚)「手段がないのならアテを頼ればいいだろうに。まして相手は反社と関係のあるシャブ中だ。だったらやりようがある。夢に突っ走る人々に直接の被害がいかないようにできるんだ」

 彼はどうしてこう、僕にばかり固執するのだろうかと疑問があった。
 浅からぬ関係だ。何度も殴り合いをしたし何度も殺し合いをした。敵対関係は何十年と続いているし、もし可能ならばこの瞬間にでも互いは互いの命を奪うことを厭わないほどに極悪な関係だ。
 だが、そんな関係だからか、お互いはお互いの思うことや抱く気持ちを理解できるし、今、差し伸べられている手の意味だって理解もできる。

(,,゚Д゚)「借りを作りたくねえってんなら拒めばいい。だがあんたが“任侠”を背負い“極道”を名乗ってきた侠客であるならば、己の恥なんて下らねえものを飲めるんなら……手を取るべきなんだ、内藤さん」

 きっと、僕にできることなんて限られている。会社の一つを暴力と金で支配したって、それでも人々の心や感情を操作したり、世情を突き動かすことなんて出来やしない。
 だが、もしもそこに国家権力が手を貸してくれたのならば、或いは今後生じるかもしれない混乱を最小にとどめることが出来るのならば、僕はそれを受け入れるべきだろう。
 何せ僕は外道だからだ。外道には暗黙のルールがある。それこそは他者に迷惑をかけてはならないということ、そして一般人を巻き込まないことだ。

( ^ω^)「ドクオが怒りますおね、こりゃ」

(,,゚Д゚)「あの人が組んだ作戦でしょう、どうせ。あんたなら困ったら誰かに訊くでしょう。ましてもっと分かりやすい手段を取るはずだ」

( ^ω^)「相変わらずに拳一本で全部ぶっ潰す、って?」

(,,-Д゚)「ええ、そりゃもう。回りくどいの嫌いでしょう。真正面からぶん殴っていくのがあんたですから。それは今後やっていけばいい。けれども初っ端が肝心だ。ここをヘマると後戻りなんて出来なくなる」

 煙草を咥えた埴谷刑事は煙を深く喫むと厭らしく、それこそ歪な風に笑う。

(,,゚Д゚)-~「シャブ中、お互いに大嫌いでしょう。だったら“それで捕まえる”……世間はそれで納得する。ほかの誰にも迷惑がかからない。あんた方への注目度も変わらない。全て世はこともなし、ですな」

( ^ω^)「おっお……国家権力が介入した状況こそは大きな問題でしょう。そうまでして危険を避ける理由ってのはなんなんですかお、埴谷さん。僕を誰から護ってんですかお」

 確信をつく問いに、けれども彼は誤魔化すように笑い、僕に大して指を差す。

(,,゚Д゚)-~「あんたのケツを狙うスキモノから、ですよ。ぎこははは……」

( ^ω^)-3「……だぁからあんたが嫌いなんですお、埴谷さん。どこまでもふざけてやがるおねぇ……」

 改められた作戦内容は単純明快ではあるが、その分かりやすさが返っていい塩梅だ。
 僕は頷くと、再度食事を始めた彼の様子に呆れつつも、残りのおにぎりを手に取り、それに噛りついた。


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