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( ^ω^)外道の花道のようです

363 ◆hrDcI3XtP.:2020/09/14(月) 02:57:40 ID:LLzGAAM20

( ^ω^)「お……?」

 そんな風にあれこれ考えていると、不意に己の携帯端末が震動した。
 てっきり先の高良か、或いはドクオか親分氏かと思ったが、しかし表示されているのは見慣れない番号だった。
 そもそもが電話帳に登録されていない事実に嫌な予感を抱きつつも、僕は通話のボタンを押して応答する。

( ^ω^)「もしもし?」

『――不用心に出るもんですなぁ、内藤さん。あかんですよ、それは無防備が過ぎる』

 聞き覚えのある声、どころではなく、それこそは因縁の人物の声であり、僕は再度ため息を吐くと背凭れに身を沈める。

( ^ω^)「……なぁんで番号知ってんですかお、埴谷さん」

『必要な情報だったんでね、買い物したんですよ。そんだけのことですわ』

( ^ω^)「おーおー、流石は鬼の埴谷ってかお、平気で暗部に踏み込んで情報収集まで余念なく済ますってんだから最悪極まりない」

『そうも褒められると照れますよ、内藤さん。あんたほど腐れちゃあいない』

 ああ、やはりこいつは嫌な奴だ、と僕は眉根を寄せる。

『兎角、まずは新組織の設立、おめでとうございます。立派な戦力を手にしたようで何より。復帰も間近ですかな』

( ^ω^)「そんなこたぁするつもりはありませんから。真面目に芸能界でのし上がろうってだけで――」

『芸能界で? 真面目に? 真っ当に? ははは……寝言はね、寝てからいいなさいよ内藤さん。そんなことは無理だって分かってんでしょう』

 遮るような台詞は嘲りを帯びていたが、しかしそれは突き放したような態度ではない。
 何かしら己は勘づいているぞ、と言外に伝えられた僕は諦めたように言葉を零す。

( ^ω^)「先に言いますけどお、僕は今回の件で暴れることはしませんお。ドクオにきつく釘を刺されましたからお」

『あの人もまぁ流石はというか“生き残り組”なだけはありますよ。あんたが矢面に立つのは仕方ないとしても暴れさせたら状況が崩れると理解してるわけだ』

 まるでドクオの気持ちを汲んだような台詞に内心では意外な気持ちだった。
 が、それでも警戒心が勝る。何せ先の事務所襲撃を嗾けたのはこの男だ。その事実からして埴谷刑事は僕に対して真に友好的とは言えない。


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