したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

( ^ω^)外道の花道のようです

362 ◆hrDcI3XtP.:2020/09/14(月) 02:57:16 ID:LLzGAAM20

( ,,^Д^)-~「兎角、このプレゼントがあったから、親分さんの面子も加味して仕事は成立してるんでぇ……そこんとこ、ちゃんと理解してくださいよ?」

( ^ω^)「……映像ばかりは回さないようにお願いしますお。仮に世間に流れることになったらお互い、大きな損となりますからお」

( ,,^Д^)-~「ははは、それこそ“暗黙の了解”でしょうに。時に流出して世を騒がせるアホ共なんざ道の浅い若手や日の目に浮かれたバカだけですよ。心がけてりゃ映像なんて回すわけがない」

 適当に手を振る高良は立ち上がると携帯端末を手に取りそれを操作する。
 どうやらスタッフからの連絡のようだった。

( ,,^Д^)-~「んじゃこっちもスタッフがきたんで、機材の確認と段取り済ませてきますから。そっちさんはふつーにライブしてくれりゃいいんで。客の入りは大丈夫そうですか?」

( ^ω^)「ええ、画的にはいいものになると思いますお。デレの客層は派手で熱狂的ですから」

( ,,^Д^)-~「いやはやオタク産業ってのは儲かりますねぇ。世に多くあるコンセプト系のオタク向けカフェやバーの九割方がヤクザによって運営されてるなんて誰が想像できるやら?」

( ^ω^)「そんなこといったらテレビ局を含めた芸能界も全て極道に管理された世界ですお。金になると分かりきっている商売は全て余すことなく、手広く我々が関わっていますから」

( ,,^Д^)-~「おっそろしい、幾ら暴対法が強化されようともあなた方ヤクザをこの世から排除する術なんてものはないんでしょうねぇ……」

 怖や怖や、と捨て台詞を残して高良は応接室を後にし、残った僕は大きく息を吐くと天を仰ぎ、己の顔を手で覆う。
 散々なまでに募ったストレスを何とか消化し、数度瞼を強く擦り、それから数秒ほど数えて、ようやっと僕は心を落ち着かせることが出来た。

( ^ω^)(嘘とはいえ、麗さんを囮のように捧げるだの、まして手段として利用するってのは、どうにもこうにも嫌な気持ちになるおね……)

 甘いことばかりで世を渡っていけるのならば誰も苦労などしない。まして業界のあり方や常識といったものを真っ向から否定するとなれば生半なことではないのは明らかだ。
 当人にも全ての説明は済んでいる。それを受け強く頷いたのも見ているし、ドクオの作戦に全体が理解を示しているのは事実だ。
 だが胸中は穏やかにはなれない。それもこれもやはり麗が主軸となる内容だからというのもあるが、こう、直情的に暴力を振るうことがないようにと自身に歯止めを利かせるのも苦労する。

( ^ω^)「理想を追求するってのは、難しいんだおねぇ……」

 ぽつりと零した言葉は本音だった。
 夢物語を現実へと引きずり込み、それを実現するとなると、多くの障害があり、また、そこに関与する力も様々であり、何とも世知辛い世だと僕は項垂れる。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板